アニメDr.Stone9話が公開されました。不意に現れた敵方。そんな彼はなんとなしに千空に興味津々。そんな中で、今回は鉄の精製、磁石、そして手回し発電機から電球を作るまで、一気に時代が進歩。今回は、アニメ9話で行われた超科学について紹介、解説させていただきます。
雷から磁石が!どういう仕組み??
アニメ8話の時点で鉄の精製を行い始めた千空。無事に製鉄所レベル2のお陰で鉄が出来上がりました。そんな中で、雷を利用して超強力な磁石を完成させます。あれって一体どんな仕組みなのでしょうか??
雷による着磁
着磁とは、磁石となる元の鉱物に磁力を与える行為のことを指します。原理的には、銅線をコイル上に巻いて、電流を流すことにより磁場が発生します。このコイルの中に今回では鉄の棒を入れることで、この鉄に磁力を与えるというものです。磁力を発生させたコイルの中に、マグネットや鉄を入れると磁石ができるというのは原理的に、電磁石と同じです。おそらく、いまだに理科の実験でやっているとは思うのですが。。。(釘に銅線を巻いて電流を流したら、電流を流している間、釘が磁力をもつというもの)。この着磁には、非常に大きな電流が必要となるために、今回は雷を使用していました。また、コイルの役割を担う銅線と、磁石となる鉄の間には、絶縁体を入れないと上手いこと磁場が出来上がりません。そのため、今回は漆を絶縁体として鉄に塗っていましたね。このコイル形式での着磁は、S極とN極を持った磁石しか作ることができません。ちなみに、この磁力を持つ鉱物には、素材により最大値が決まっており、いくら強い電流をかけてもそれ以上強い磁石にならない、飽和値が決まっています。
実際に雷で着磁した鉱物は存在している
実際に雷により磁力を持ってしまうケースは自然界に存在しています。山口県萩市須佐の高山(こうやま)と呼ばれる山の頂上近くには、国の天然記念物に指定されている“磁石石(じしゃくいし)”と呼ばれる岩塊が露出。この岩の塊が磁力を持った原因は雷と考えられています。元々、大航海時代より前の中国で、羅針盤が作られた際に使用していた磁石は、このように雷でできた磁石を使用していたと言われています。
手回し発電機の原理
アラゴの円盤
今回の手回し発電機は、二枚の銅板を回すというもの。こちらは、原理的にアラゴの円盤をモチーフに作られていると思います。アラゴの円盤とは、磁石を銅製の円板に接近させ、磁石を回転すると銅円板も回転するというもの。今でしたら、この原理は水道メーターなどに用いられていると思います。(だいぶ変わっているとは思いますが。)これは、銅円板に発生した渦電流によるもので、のちにフーコーによって解明されました。
フレミング右手の法則
アラゴの円盤では、磁石、銅円盤ともに回転していましたが、今回の発電位では、銅板のみ回転する仕組みとなっていました。これにより電流を発生させようというもの。この電力を発生させる流れのは、フレミングの右手の法則で説明するとわかりやすいと思います。(普段は、フレミングの左手、右ねじの法則を授業で取り扱うと思いますが、起電力に関しては、フレミング右手の法則の方がわかりやすいです。)磁力はN→Sへと移動しており人差し指で表し、力というのは銅板の回転方向を指し親指で表します。そして、起電力が中指方向に流れます。そのために、今回の発電では、右の銅板と左の銅板は逆回転しないといけません。
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最後に
なんだかんだでめちゃくちゃ調べると難しいことをやっている、ドクターストーン。次回も気になりますね。