進撃の巨人という作品。それは世界中の人々に恐怖を、感動を、生きる意味を与えている。惜しまれながらも単行本は完結してしまったが、その分アニメ四期第二部への期待は高まる一方である。そこで、今回は各々の葛藤を抱え必死に戦う勇敢な兵士たちの、心を切り裂く名言を厳選し取り上げていこうと思う。
目次
「何も捨てることができない人には 何も変えることはできないだろう」
「何かを変えることのできる人間がいるとすれば 大事なものを捨てることができる人だ。
化け物もを凌ぐ必要に迫られたのなら 人間性をも捨て去ることのできる人だ。
何も捨てることのできない人には 何も変えることはできないだろう。」
これは主人公エレン・イエーガーの幼馴染で、頭はいいが弱気で怖がりのアルミンが放った一言だ。女型の巨人の捕獲を目前に、調査兵団団長エルヴィン・スミスは団員の命を惜しむことなく巨人を捉えようとしていた。兵団を特攻隊と化させた彼の姿は、ある意味どんな化け物よりも残虐的であった。だがアルミンは理解していた。その方法が最も合理的であり、何よりそれを実行できるのがエルヴィン団長のみであることを。「心臓を捧げよ」と誓わせた団員たちに責務を全うさせているということを。そしてこの女型の巨人の宿し主であるアニ・レオンハートも、祖国のために巨人となり、異国で仲間を作り、仲間を裏切り、人間性を捨てた者であった。偶然か必然か、これは全ての「戦士」たちに当てはまる言葉だろう。
「君には何が見える。 敵は何だと思う。」
巨人の生態解明のために生きたまま保管されていた巨人が2体、殺された。エレンは思った。なぜ。コイツらの生態さえ分かれば巨人を駆逐できるのに。どうしてだ。誰がこんなことを。巨人を恨んでいないのか。 そしてエルヴィン団長は言った。
「君には何が君には見える。敵はなんだと思う」
意図はこうだ。"敵は巨人だけではない。そして皆が仲間なわけではない。" 彼は近くに裏切り者がいること、巨人の秘密を暴かれたくない者がいることに早気づいていたのであった。やっと目標に近づいたと思えば試練が襲ってくる。残酷な未来を匂わせる一言である。
「分からないものがあれば、理解しに行けばいい。それが、調査兵団だろ?」
エルヴィン団長の意思を継ぐ者、調査兵団新団長ハンジ・ゾエの一言だ。巨人はパラディ島の外の地域から来ている。そのことを解明した団員たちは、次の一手を模索し始める。そこでハンジさんが放った言葉である。
「そうだ。顔の見えない相手なんかを信用する訳にはいかないからね。だから会いに行こう。わからないものがあれば、理解しに行けばいい。それが、調査兵団だろ?」
ハンジはエルヴィンのような鋼の心を持ち合わせているわけではないが、誰よりも優しく、誰よりも熱心である。調査兵団は、この”調査”という行為によって数えきれない犠牲を出してきた。それでも同じ過程を踏むことをやめられない。亡くなった命が報われるまでは。調査兵団の名に掛けられた残酷さと、ハンジさんの温かさがなんとも心を締め付ける名言である。
第四期二部以降も名言に期待
進撃の巨人には、生きた者、死んだ者、戦った者、悶えた者、勇敢な者、無様な者、全ての登場者から忘れられない言葉が発せられている。そしてこれらはどんな結末を迎えようとも、必ず誰かの心の中で生き続けている。単行本完読者はもちろん、次のシーズンを待っている人も、まだ進撃の巨人を知らない人も、ぜひこの名言を継承する一員となってほしい。