体内に存在する37兆個もの細胞たちの姿を描いた人気漫画「はたらく細胞」。2018年7月には、アニメ化もされたこともあり、話題を集めています。細胞を描くというこれまでにないコンセプトで描かれた世界観は、今までにない魅力がありますよね。
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
今回取り上げるのは、キラーT細胞とヘルパーT細胞です。同じT細胞でありながらも、役割も性格も真反対でもある2人。実は、幼少期からの付き合いで名コンビだったこともあります。
それでは、「はたらく細胞」の名コンビ!?キラーT細胞とヘルパーT細胞の魅力やエピソードを紹介していきましょう。
1.体内の殺し屋 キラーT細胞について
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞は、別名「細胞傷害性T細胞」という名前の細胞です。ヘルパーT細胞の命令によって出動し、ウイルス感染細胞、がん細胞などの異物を発見して、破壊する殺し屋です。
キラーT細胞は、白血球の中でもリンパ球に分類される細胞で、体内の免疫機能を担当しています。見た目の特徴としては、筋骨隆々の精鋭部隊を組織しており、黒い作業着をまとっています。
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
性格は攻撃的で、敵に対しては容赦なく攻撃を加えるだけではなく、味方に対しても怖がらせるような言動があるなど、周囲から恐れられています。
元々はナイーブT細胞
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キラーT細胞は、元々ナイーブT細胞という下っ端戦闘員でした。ナイーブT細胞は、抗原と一度も遭遇したことがない未熟なT細胞でもあり、作中では、臆病な性格をしたナイーブT細胞が登場しました。T細胞ながらもウイルス相手に逃げ回り、戦うことすらできない不甲斐なさから、自信を喪失したこともありました。
しかし、樹状細胞に励まされたことによって活性化し、一人前のT細胞となることができました。
メモリーT細胞もいる
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
メモリーT細胞は、キラーT細胞と同様の見た目をしているのですが、役割が少し異なっています。メモリーT細胞の役割は、抗原情報をメモ帳にまとめており、敵が出現した時に再び攻撃をしかけるよう指令を出す役割を担っています。メモリーT細胞が使ったいるメモ帳は可愛らしく見た目とは似合いません。
ナイーブT細胞→エフェクターT細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
アニメ第3話「インフルエンザ」の回では、ナイーブT細胞が樹状細胞に活性化されたことによって、エフェクターT細胞に進化しました。見た目は、キラーT細胞よりもたくましく、分裂増殖することができます。
見た目的には、「ジョジョ」に出てきそうなキャラクターでしたね。強力な力を身に着けたエフェクターT細胞は、インフルエンザB型ウイルスを一掃することができたのですが、強力なA型に出くわしてしまったために、ナイーブT細胞に戻ってしまいました。
NK細胞にからかわれる
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞は、同じ免疫系の細胞でもあるNK細胞からはいつもからかわれています。しかし、協力してがん細胞と戦うなど、緊急時には見事なコンビネーションを見せてくれます。
他の細胞とは仲良くしない?
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞は体内の殺し屋としての役割を担っているため、日々気を抜くべきではないという信条を持っており、他の細胞に対しても強気な姿を見せています。しかし、他のT細胞たちが、他の細胞たちと仲良くする姿をうらやましそうな目で見ており、最終的には、みんなでバトミントンをするようになりました。
最終奥義「T細胞パーフォリン・キャノン・パンチ」
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
がん細胞との戦いでピンチに陥っていたキラーT細胞たちでしたが、その窮地を救ったのが、キラーT細胞の最終奥義でもある「T細胞パーフォリン・キャノン・パンチ」でした。この技は「パーフォリン」という感染細胞を攻撃するときに分泌する物質を用いることで、敵の感染細胞を倒すというもので、T細胞が「この体を守りたいという気持ちが己の中で最大限に高まったときに放てる」という伝説の技です。
キラーT細胞は、胸腺学校時代にこの技の存在をしり、密かに特訓をしていましたが、そんな技できるわけないと周囲からからかわれていました。しかし、実際にがん細胞との戦いで、ここ一番の瞬間にこの技を放つことに成功し、形勢を逆転させることができました。
この技を放った本人も驚いていましたね。
2.細胞たちの司令塔 ヘルパーT細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
ヘルパーT細胞は、外敵の侵入の知らせを受け、外敵がどんなものであるかという情報をもとに、侵入した敵に的確に攻撃できるように戦略を決める司令官です。キラーT細胞は、ヘルパーT細胞の指令によって出動します。
クールな見た目だけどおっちょこちょい
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
細胞たちの司令塔的なポジションにいるヘルパーT細胞、見た目はクールでクレバーな印象がありますが、おやつのクッキーの粉が頬についたままで司令を出すなどおっちょこちょいの一面があります。
キラーT細胞とは性格が合わない?
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
クールで知的な印象があるヘルパーT細胞ですが、仕事に関しても効率的にやりたいと思っているため、暑苦しいキラーT細胞とは馬が合いません。
3.キラーT細胞とヘルパーT細胞は幼少期からの付き合い?
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞とヘルパーT細胞は元々、胸腺学校時代の同期でした。胸腺というのは、T細胞の元となる細胞(前駆細胞)を立派なT細胞に成熟させるためのリンパ器官のことで、キラーT細胞とヘルパーT細胞は、この胸腺で育てられた細胞でした。
作中では、胸腺学校として描かれており、厳しい訓練を経ていきながら、立派なT細胞になるために努力する姿が描かれています。
キラーT細胞は落ちこぼれで、ヘルパーT細胞はエリートだった
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
胸腺学校では、キラーT細胞は落ちこぼれでした。訓練でも目立った成績を上げられず、ヘルパーT細胞をライバル視していたのですが、遠く及ばない存在でした。一方、ヘルパーT細胞は、胸腺学校でも抜きん出た成績を収めており、将来キラーT細胞でも、ヘルパーT細胞でも、なんでもなることができると、将来を嘱望されていました。
一人前のT細胞になるのは狭き門
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
胸腺学校を卒業して、立派なT細胞になれるのは、全体のわずか2~3%といわれています。そのため、かなりの狭き門をくぐるために、日々過酷な訓練をこなしていきます。
鬼教官は胸腺上皮細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
胸腺学校での教官としてのポジションで登場する野が、胸腺上皮細胞というもので、これは、胸腺を形成する上皮細胞です。リンパ球を哺育し、T細胞の分化を助ける役割を担っているため、鬼教官として、訓練生たちをしごいています。
犬猿の仲でも友情がある
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
胸腺学校では犬猿の仲のような関係性のキラーT細胞とヘルパーT細胞ですが、ヘルパーT細胞がキラーT細胞にアドバイスをするシーンがあるなど、同じ胸腺学校の動機としての友情が垣間見えます。
過酷な正の選択テスト
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
胸腺では、有用なT細胞を選択して生存させる正の選択と、自己を攻撃する有害なT細胞を排除する負の選択が行われています。立派なT細胞として、体内の免疫機能を担う上では重要なテストといわれています。
胸腺学校では、この正の選択、負の選択をするために抗原パネルを攻撃し、一般細胞パネルには手を出さないというテストを行い、優秀なT細胞の識別を行いました。
ヘルパーT細胞がその道に進んだ理由
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
将来を嘱望され、どんな選択をしてもやっていけると太鼓判を押されていたヘルパーT細胞が、この道に進んだ理由としては、要領は悪いが、地道に努力をしてガンガン突き進むタイプのキラーT細胞に司令を出す奴が必要だと思ったためと作中のエピソードとして描かれています。
まとめ
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
作中でも、犬猿の仲ながらも、どこかに垣間見える友情が魅了的なキラーT細胞とヘルパーT細胞。お互いの性格は真反対ながらも、体内の平和を守るという意思に関しては共通している所だと思います。今後、この二人がどのようなコンビネーションで活躍を見せるのか見ものですね。「はたらく細胞」きっての名コンビでもあるキラーT細胞とヘルパーT細胞、皆さんも注目してみてください。