人気アニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んではいられません」ですが、マインの斬新なアイデアや商品などもこの作品を彩る要素の一つです。そこで今回は、アニメ第1部と第2部で登場した、印刷物以外の商品や制作物に焦点を当てて、ご紹介したいと思います。
①簡易(かんい)ちゃんリンシャン
この世界に来て、髪のかゆさに悩まされていたマインは、メリルの実から取れる油で、シャンプーを作りました。「ちゃんとリンスできるシャンプー」の簡易版ということでこの名前がつけられました。最初は自分のためだけに作った物でしたが、紙作りの際の担保として、ベンノへ初めて売った商品でもありますね。他にもコリンナやフリーダ、貴族の間には特に高評価で、どんどん波及していきました。
②パルゥケーキ
冬の間にしか現れないという魔木パルゥからは、甘いココナッツミルクのような樹液が取れました。父ギュンターと姉トゥーリが採取してきたパルゥの実の搾りかすからマインは、ホットケーキのようなパルゥケーキを作りました。見慣れない調理法に驚くトゥーリ達でしたが、味は美味しく、それまで鳥などの家畜のエサにしていたこの搾りかすの新たな用途が生まれました。また、これを食べたルッツは、そのお礼として序盤のマインの紙作りを手伝ってくれましたね。
③髪飾り
姉トゥーリの洗礼式の際、姉のためにマインが、糸とかぎ針を使って作った物です。マインは白、青、黄色の糸を編み、きれいな花の形にしたこの髪飾りをトゥーリへプレゼントしました。フリーダが言うには、この世界には刺繍をあしらった物はありますが、このように糸だけで立体的に形を作った物は無いそうで、洗礼式でも注目の的になっていましたね。当然こちらもベンノのギルベルタ商会で取り扱う商品になり、雪で外に出られない冬の間の主要な手仕事にもなりました。
④スープ
野菜のゆで汁や煮汁を捨ててしまっていたこの世界のスープは、マインからすると味に旨味の少ない、お世辞にも美味しいとは言えないものでした。そこでマインは、野菜や木の実から出た出汁を捨てずに使ったスープを家族へ振る舞いました。この方法で作ったマインのスープは絶品で、マインの家ではもちろん、神殿の孤児院でもこの調理法が用いられています。またこちらの調理法は貴族の間ですらまだ知られていないもので、街で飲むスープを口にするたびに、マインは自分の作ったスープの方が美味しいのに…とよく嘆いてましたね。
⑤カトルカール
この世界ではとても高価な砂糖ですが、お金持ちのフリーダの家にあるものを使い、マインは砂糖を使った料理を振る舞いました。砂糖、卵、小麦粉に溶かしたバターを混ぜた生地を焼いたこのケーキは、カトルカールと名付けられ、マインはカトルカールの1年間の独占販売権をフリーダに売りました。こちらはフリーダの料理人のイルゼにも高評価で、マインの才能を高く評価していましたね。また、こちらの商品はフリーダが貴族へ紹介し、大々的な試食会が開かれるほど、人気商品になりました。
⑥ピザ
神殿の孤児院の院長になったマインは、孤児院の厨房にオーブンがあることを知ります。マインは孤児院の料理を担当していたフーゴとエラに作り方を教えて、ピザを作ってもらいました。こちらも高評価で、このピザはベンノと前々から計画していたイタリアンレストランのメニューとして披露することになりました。フーゴとエラはマインの教えた新たな調理法やレシピのおかげで、他の貴族から見ても優秀な料理人として成長していきました。
⑦カルタ
孤児院で子供たちの遊ぶおもちゃとして、マインは最初にカルタを作りました。カルタの絵柄は聖典や神様がモチーフのものにして、絵の上手いヴィルマに頼み、カルタが完成しました。このカルタの絵札と簡単な読み札によって、子供たちは聖典への理解や簡単な読み書きなどの教養を身につけることができました。
まとめ
こうして振り返ってみると、食や衣服に関する制作物が多く、人々がより生活と隣り合った身近なものへ興味を惹かれやすいことがわかりますね。自然と、これらの商品はお金に変わり、マインの本作りへの資金へとなることを考えると、立派な役割を果たしてくれていたと言えるでしょう。