2014年より週刊ヤングジャンプにて連載が開始されたゴールデンカムイ 。作者は野田サトルです。この漫画の素晴らしい点は、アイヌ民族の歴史や文化を紹介しつつストーリーを進める点。その歴史や文化、慣習など、アイヌの人なのと思ってしまうほど、詳細にレポートされてます。実は、そんなゴールデンカムイ の登場キャラたちには、モデルがいたことを知っているでしょうか。そんなモデルと思われる人たちを今回は紹介させていただこうと思います。
目次
不死身の杉本の元ネタ 舩坂 弘
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
不死身の杉元でお馴染み、杉元佐一ですが、彼の元ネタとなったのは、舩坂 弘軍曹ではないでしょうか。剣道家でも有名な彼は、幾度となく、軍医が見放すような重症からも回復しています。度重なる戦闘では、圧倒的不利な場面から、拳銃で3人の米兵を殺し、サブマシンガンを持った米兵を2人銃剣のみで刺殺したとの記述があり、彼の当時の通り名が、まさに不死身の舩坂だったのです。彼は、捕虜となった際も、二度ほど米軍飛行場の爆破を企てますが、失敗しております。それでも、終戦まで捕虜として生き残り、帰国後は大盛堂書店を創設した。杉元佐一という名前は、作者の実際の祖父の名前からきております。
脱獄王白石の元ネタ 白鳥由栄
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
脱獄王、白石こと白石由竹の元ネタとなったのが、昭和の脱獄王と呼ばれた白鳥由栄でしょう。初めて収容された刑務所の環境で、日々の拷問に耐えられず脱獄を決意、実行したと言われています。その後の網走刑務所での脱獄エピソードはとても有名です。毎日支給される味噌汁を少しずつ手錠にかけて、塩分で手錠を錆びさせて脱獄したというものです。その後、収監と脱獄を繰り返すも、とある刑務官がタバコをくれたという親切心に心を打たれて改心。刑期を模範囚として全うし、仮釈放されました。
実在した!第七師団の元ネタはズバリ第七師団
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
鶴見中尉や尾形上等兵の所属した第七師団は、実在しています。北鎮部隊と呼ばれ、作中でも登場した203高地の争奪戦は実際の戦闘場所でもあります。鶴見中尉が軍を裏切り、金塊を手にして北海道を支配しようとするきっかけとなった、日露戦争で最も激しい戦闘であったとされる、旅順攻囲戦がこの地で行われたのです。実際の戦争でも、生き残ったのは約4割程度と言われる過酷なものでした。実は、作者の祖父である杉元佐一も第七師団であり、実際に歩兵第27連隊に所属しておりました。 (尾形も歩兵27連隊所属)。ちなみに鶴見中尉のモデルは、この第七師団を実際に率いた、須見聯隊長ではないかと言われております。
不敗の牛山の元ネタ 牛島辰熊
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
不敗の牛山、牛山辰馬。彼の元ネタは柔道家として有名な牛島辰熊。圧倒的な強さと、気性の荒い面を持ち合わせた彼は、「鬼の牛島」という異名を持ちました。対戦相手からは猛虎と呼ばれた彼は、試合前夜にはすっぽんの生き血を飲んだとされています。性にうるさい牛山とは違い、ひたすらにもう稽古を行ったことでも有名です。顔もちょっぴり似てますね。
動物大好き姉畑の元ネタ アンソニー・シートン?
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
これは、名前の由来ですかね。シートン動物記で有名なアンソニー・シートンではないでしょうか。だって、姉畑支遁ですよ。当て字もすぎますが、おそらく。ちなみにアンソニー・シートンは獣に性の魅力を感じることはありませんでした。やっぱり、髪型とか、だいぶ意識してますよね。
家長カノの元ネタ ハーマン・ウエブスター・マジェット
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
家長カノの元ネタと思われるハーマン・ウエブスター・マジェット通称H・H・ホームズは、実際に存在した開業医であり、ドラックストアの経営にて大金持ちになりました。大金持ちになったホームズは、ホテルを建築し、大繁盛。しかし、しばしば行方不明者が出てきます。ホームズのホテルは、実際の家長カノのホテルのように、拷問室が地下にあり、ホテルの至る所から地下室に落ちるようになっていました。ホームズは、逮捕後に何十人かの殺害の自供を行っていますが、全く失踪者との数が合わず、実際に何人の殺害を行ったかは、今も不明なままなのです。
ゴールデンカムイ元ネタのまとめ
出典: ゴールデンカムイ ©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
ゴールデンカムイ の鶴見中尉が軍を裏切った理由でもある日露戦争での賠償金が取れなかったことは、実際の話。また、実は、アイヌの人たちも日露戦争に参加しております。しかし、これは、当時差別されていたアイヌへの軽蔑をなくすという意味合いも含まれており、今後の日露戦争に参加したアイヌたちの動向も気になります。もしかしたら、当時、日英同盟を結んでいたイギリス人の参入があるかもしれません。また、日露戦争といえば、バルティック艦隊が、連合国艦隊にコテンパンにやられてしまった、日本海海戦も有名です。それも物語のどこかに入ってくるかもしれません。ますます目が話せませんね!