大人気作品である『鬼滅の刃』の魅力として挙げられるのは、数多くの魅力的なキャラクターたちが登場するという点でしょう。特に鬼と戦う鬼殺隊に所属する隊員の中でも、ずば抜けた実力を誇る柱たちは幅広いファン層から人気を得ています。しかし、本作に登場する魅力的なキャラクターは、これらの味方キャラクターだけなのでしょうか?実は詳しく見てみると、柱よりも鬼たちの方がより感情豊かで、共感しやすいキャラクターとなっていたりします。我々読者にも何か悪いことを考えてしまったり、困難を目の当たりにしたときに、気が弱くなってしまったりと、鬼たちのようになってしまいそうな時もありますが、そんな、心の弱さが我々にもあるからこそ、同じような境遇にいる鬼が魅力的に映ってしまうのでしょう。今回は、このように、実は本作において最も共感しやすいキャラクターたちともいえる本作の鬼たちについて、アニメ第3期『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』に登場する2人の上弦の鬼を紹介していきたいと思います。
上弦の伍 玉壺(ぎょっこ)
アニメ第3期の「刀鍛冶の里編」にて登場する上弦の鬼の1人が玉壺です。壷の中から体が飛び出ている見た目をしており、明らかに人間とは思えない姿をしていますね。本来目があるべき所も口になっており、代わりに、口があるべき場所に目があったりとかなり異質なデザインの鬼となっています。
芸術家気質
玉壺の性格はかなり芸術家気質のようで、自らの美的センスや芸術志向などについて言及しているセリフが目立ちます。『NARUTO 疾風伝』に登場した暁のメンバーであるデイダラと通じるところがあるキャラクターですね。
美意識こそがモチベーション
玉壺にとって、自らの芸術を完遂することこそが、戦う上でのモチベーションであり、相手に対する恨みや永遠の命に対する執着はそこまでないようです。彼の見た目からもわかるように、人ならざる姿と変わり果ててしまった人間を作り出すことが、彼の芸術の本質のようで、戦闘を通して相手の肉体を悍ましい形に変えることで自らの作品にしようと考えています。
玉壺の活躍
そんな、見た目のみならず完成も常軌を逸している、鬼の中の鬼こと玉壺ですが、アニメ第3期では大いに鬼殺隊を苦しめることとなります。上弦の鬼の中でも特にキャラクターの濃い人物となっていますので、ぜひとも、アニメ第3期での玉壺の活躍に注目をしてみてくださいね。
無一郎と戦う
玉壺の相手となるのは、同じくアニメ第3期から本格的に活躍を始める柱の最強格、無一郎です。鬼殺隊の中でも屈指の実力を有するとされている無一郎が、上弦の鬼を相手にどのような戦いを見せるのかという観点でも楽しむことができそうですね。
美意識も相容れない
そんな熱いバトルを繰り広げることとなる玉壺と無一郎の2人ですが、お互いに美的感性が全く相入れないようです。芸術家としての自身の感性を無一郎に否定された玉壺は、無一郎に容赦することなくおそいかかります。はたして、彼の最も大切にしている美意識を否定した無一郎に勝ち目はあるのでしょうか?
玉壺の過去
鬼の中でも、最強格の存在である上弦の鬼にまで上り詰めた玉壺にはどのような過去があるのでしょうか? 本作に登場する鬼は、鬼となる前の人生にこそ魅力が詰まっています。ぜひとも、アニメ第3期に登場する上弦の鬼についても鬼になる前の過去に注目をしてみてくださいね。
両親が水死体として発見される
玉壺はもともと寂れた漁村出身の人物のようです。幼い時に両親を水難事故で失ってしまい、水死体となった両親を目の当たりにすることとなります。水死体は通常の死体とは異なり、体が水分を含むため、人間とは思えないような見た目になってしまっていることも多いです。このときの両親の見た目の変わりようが、彼の感性に何らかの影響を与えたことは間違い無いでしょう。
感性が目覚める
事実、この事件をきっかけに、彼の「人間とは思えない姿になってしまった姿に美しさを見いだす」という感性が目覚めることとなります。果たして、両親の姿があまりにもショックだったから生まれてしまった感性なのか、それとも彼が生まれながらに持っていた感性に両親の死によって気づいただけなのか、どちらなのか、作中では明らかになっていません。
自らの体も理想の形へ
このような過去もあり、玉壺は自らの体も自身の理想とするため、肉体改造を施したようです。あまりにも人間離れしたその見た目は、自身が自らの美的センスに見合うように形を変えていった結果なのですね。
上弦の肆 半天狗(半天狗)
続いて、アニメ第3着にて活躍する上弦の鬼が半天狗です。天狗という名前がついていますが、見た目にそこまで天狗らしさはなく、作中に登場する上弦の鬼の中でも、最も名前と見た目が一致しにくいキャラクターであるとも言えるでしょう。
手堅い性格
半天狗は、上弦の鬼の中でも最も手堅い性格をしており、常に安全策を講じる性格のキャラクターとなっています。少し弱気な一面を見て、彼がはそこまで大したことがない鬼だと勘違いしてしまう読者も多いのですが、当然実力が極めて高い鬼であり、決して侮ることはできません。
少し保身に走りすぎるところも?
もちろん、やや保身に走りすぎてしまうところもありますが、その極端なまでの保身主義こそが、彼の実力の一つでもあるとも言えるでしょう。鬼でありながら、常に安全な選択肢を取り続ける狡猾さにこそ彼の強さの秘訣があるのです。
半天狗の能力
そんな、一見性格だけでは小物に見えてしまう半天狗ですが、もちろん、上弦の鬼としても、屈指の実力を持っており、その彼の実力の根源となっているのが半天狗のみに扱える能力です。ここからは、そんな半天狗の能力について紹介をしていきたいと思います。
自らの分身を生み出す
半天狗の能力は、自らの分身を生みだすことができるというものです。当たり前ですが、戦闘において数は非常に重要な要素です。そんな、自身の味方の数を意図的に増やすことができる能力というのは、これはもう間違いなく弱いわけがありませんよね。
分身体にも固有の性格が存在
半天狗の分身は、それぞれに固有の性格が存在しており、独自に思考して戦闘を行うこととなります。そのため、半天狗の意思によって統率された動きなどを生み出すことこそできなくなってしまっていますが、逆に言えば、一人ひとりの分身が自分で判断をして、より最善の立ち回りをすることができるものとなっています。
分身体を吸収し、更に強くなる
さらに、生み出した自身の分身体をもう一度吸収し、パワーアップすることも可能です。複数人で束になって戦うもよし、それらを吸収し、究極の戦闘力として活躍するのもよし、様々な状況でオールラウンドに戦うことができる鬼なのです。
半天狗の過去
そんな作中屈指の激つよ能力を有している半天狗の過去はどのようなものなのでしょうか?ここからは半天狗の過去について簡単に紹介をしていきたいと思います。半天狗に関しては、過去からすでに救いようのない人物となっています。
虚言癖
半天狗は、人間の時から虚言癖があったようです。常に自分を障害者と偽ったり、自分よりも弱い立場の人を騙したりと様々な卑怯な手段を用いていました。しかし、最終的には自身の虚言がバレて裁判にかけられてしまうのです。
弱者になりきる
裁判にかけられた時も「悪いことをしたのは自分ではなく、手が勝手にやったのだ」だとか、様々な言い訳をしました。しかし、すべての嘘が奉行によって看破されていたため、彼は打首となってしまいます。 鬼になることで、打首を免れることができましたが、最終的には奉行が口にした通り、鬼殺隊によって首を斬られ「自らの首をもって、これまでの行いをの責任を取る」こととなります。
鬼に作者のメッセージが垣間見える
このように、本作では数多くの魅力的な上弦の鬼たちが登場しますが、実は彼らの過去にこそ、我々読者も普段から持っている心の弱さが描かれているのです。鬼に隠された設定こそ、作者が本当に我々に伝えたかったメッセージが見えるので、ぜひとも、彼らの過去や最期についても注目をしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『鬼滅の刃』に登場する上弦の鬼達について、アニメ第3期で活躍する2人の上弦の鬼を筆頭に紹介していきました。実は上弦の鬼たちにこそ、作中で作者が伝えたいメッセージが込められていたり、柱よりも、もっと人間くさい描写を垣間見ることができたりするのです。ぜひとも、アニメ3期では魅力的な上弦の鬼たちが登場しますので、彼らについても注目をしながら楽しんでみてくださいね。