「怪物事変」に登場する数多くの種族の中でも、とりわけ、その圧倒的な戦闘力と不死であるという特性から知名度の高い怪物であるといえるのが屍鬼でしょう。屍鬼については怪物事変の顔である怪物でありながら、作中において 細かく設定が語られていないので、いまだに多くの謎に包まれた種族であるといえます。 そこで今回は謎多き種族である怪物事変の屍鬼について、 様々な角度から分析し紹介していきたいと思います。
そもそも屍鬼ってなに?
そもそも怪物事変の屍鬼を分析する前に、 我々の世界での屍鬼とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、そもそも屍鬼とはどのようなものであるのかについて詳しく解説していきたいと思います。
生きている死体
一般的にファンタジー小説やホラー作品に登場する屍鬼は死体なのにもかかわらず、意思を持って動いているものとして描かれていることが多いです。 これらのイメージは怪物事変での夏羽に共通することも多く、作中の屍鬼もこれらの世間一般的な屍鬼のイメージを踏襲していると言えるでしょう。
本来は「屍を喰らう鬼」という意味だった!?
一般的には、上記で解説したような「動く死体」というイメージが定着している屍鬼ですが、元々は「動く死体」ではなく「屍を食べる鬼」だったという説も存在します。
グールやアンデッドのイメージに飲み込まれてしまった!?
本来は「屍を食べる鬼」として日本の民謡に登場していた屍鬼が、 海外から輸入されたグールやアンデッドの「動く死体」というイメージに固定されてしまったことで現在はグールやアンデッドの様な「動く死体」というイメージになってしまった様です。
様々な作品に登場
一般的な知名度はあまりない屍鬼ですが、「動く死体」としての屍鬼は様々な作品に登場します。これらの屍鬼はグールやアンデッドという西洋の呼び方で呼ばれることが多いのですが、日本での呼び方である屍鬼として登場する作品も数多く存在します。
屍鬼(しき)という読み方が一般的
怪物事変の作中では屍鬼と書いて「クーラ」と読むのですが、本来の屍鬼の読み方は「クーラ」ではなく「しき」と読みます。クーラというのは、あくまでも怪物事変での屍鬼の呼び方ですので、他の作品では屍鬼は「しき」という呼び方で統一されています。
カテゴライズが難しい
怪物事変の作中で屍鬼がクーラと読まれていたり、他の作品では屍鬼がグールやアンデッドと混同されていたりと、本来の「死体を喰らう鬼」という意味から大きくかけ離れてしまっている為、共通認識として屍鬼は定着しにくく「屍鬼とはこういう物だ!」という風にカテゴライズ化することができないのが現状です。
怪物事変の屍鬼
これまでは現実世界で屍鬼とはどのような存在なのか?ということについて紹介していきましたが、ここでは怪物事変という作品の中での屍鬼について紹介していきます。怪物事変に登場する屍鬼だけの特殊な設定など、数多くの工夫が見られるので一つ一つチェックしていきましょう。
海外の怪物
怪物事変では屍鬼は「元々は海外の怪物」と紹介されています。 つまり、初めから日本に住み着いていた怪物ではなく、何らかのきっかけによって海外から日本に渡ってきた種族である様です。
屍鬼をクーラと読む理由
屍鬼の「元々は海外の怪物」という設定が作中で屍鬼をクーラと読む理由なのではないでしょうか?つまり怪物事変の世界では元々「屍鬼」という言葉が存在しており、「屍鬼」と似たような特徴を持ったクーラが日本に入ってきたことで、とりあえず似たような特徴を有している「屍鬼」をクーラの当て字として使ったのではないでしょうか?この様な背景があったと考えると、怪物事変で屍鬼を「クーラ」と読むことにも納得がいきますよね。
死なない
怪物事変の作中で屍鬼が他の怪物よりも優れている点をあげるとすれば、それは間違いなく「死ぬことがない」という点でしょう。この「死ぬことがない」というイメージ自体はグールやアンデッドとしての屍鬼のイメージから引き継いでいる様です。
高い戦闘能力
怪物事変では数多くの怪物が登場しますが、屍鬼はあらゆる怪物たちの中でも突出した戦闘能力を有している怪物であると言えるでしょう。 単体の戦闘能力だけでなく、「どのようなことがあっても死ぬことがない」という圧倒的なチート能力を有していることで他の怪物では到底できない捨て身の攻撃を難なく行うことができるのです。
それゆえの弱点
「死ぬことがない」という圧倒的な強みを持っている屍鬼ですが、「死ぬことがない」故に、「 攻撃が致命傷相当なのかそうでないのか」を見極める能力は他の怪物よりも低い傾向があり、致命傷を与えられ、その隙に拘束されてしまうという弱点があります。
酸素がないと再生しない
不死の体ということもあり、 体のどの部位が切り裂かれたとしてもすぐに回復するのですが、怪物事変では屍鬼の体内には炎がめぐっており、この炎が燃え広がれる状況でないと、体が再生しないという設定な様です。
ヴァンパイアと屍鬼
先ほど、怪物事変に登場する屍鬼は海外から入ってきたものであると説明しましたが、海外で言うところの屍鬼は一般的に「アンデッド」や「グール」と呼ばれています。そして、これらの「アンデッド」や「グール」は西洋ではヴァンパイアと近い存在として考えられている様です。
ヴァンパイアと屍鬼の歴史
元々、ヴァンパイアも動く死体であるアンデッドやグールの一種で、その中からドラキュラ伯爵の話で有名になった吸血アンデッドが「ヴァンパイア」という名称で一人歩きして広がっていったのです。
ミハイとも近いかも!?
このように屍鬼とヴァンパイアの歴史を調べてみると、双方ともかなり近しい存在であるということに気づくと思います。怪物事変内で屍鬼とヴァンパイアがどこまで近しい存在かは不明ですが、綿密な作品設定を考えることが得意な藍本先生であれば、ヴァンパイアであるミハイと夏羽になんらかの関係があることを構想していてもおかしくないですよね。
屍鬼も高等種族なのでは?
そのように考えると、ヴァンパイアが作中で高等種族と称されていることから、屍鬼も高等種族である可能性が高いのではないでしょうか?他の怪物と比べてみても、突出した戦闘能力を有しており、 数多く登場する怪物たちの中でもヴァンパイア同様にとりわけ高等な存在であったとしても不思議とは思わないですよね。
怪物事変と大きく関わっている!?
怪物事変に登場する屍鬼は作中で最も大きな事件である「怪物事変」と大きく関わっている可能性があるのです。主人公の夏羽が屍鬼ということもあり、作品の要である「怪物事変」に屍鬼が関わっているといわれても違和感はないのですが、屍鬼が怪物事変にどのように関わっているのでしょうか?解説していきたいと思います。
夏羽の両親の行方
主人公である夏羽が隠神と共に活動する動機としているのが「自身の両親の行方を明らかにしたい」というものなのですが、この「両親の行方」というものが、過去に起こった人類と怪物の抗争である「怪物事変」と大きく関わっているのです。
命結石の正体は屍鬼!?
夏羽の両親が怪物事変と大きく関わっているという事の一つの根拠となっているのが「両親が夏羽に託した命結石はかつて、怪物事変を収める役割を担っていた物である」というものです。 さらに、命結石をはじめとするこれらの石は肉体が朽ちることのない屍鬼の肉体を利用しており、この命結石そのものがそもそも夏羽の両親のどちらかである可能性もあるのです。
石を集めれば元となった屍鬼が復活する!?
さらに、かつて怪物事変を収めたこれらの石は合体させることによって、さらに大きな石へと変貌することが明らかになっており、すべての石を一つに合わせることで元となった屍鬼が復活する可能性があるのです。
なぜ海外の怪物の屍鬼なのか
しかし、これらの設定にもいくつかの疑問が残ります。「怪物事変」とはかつての日本で起こった人類と怪物の抗争のはずなのですが、なぜ日本で起こった事件である「怪物事変」を収める石に海外の怪物である屍鬼が使われたのでしょうか?ここら辺の謎についても、命結石の誕生が描かれることがあれば明らかになりそうですよね。
作品のキーとなることは間違いなし!
まだまだ謎が多い屍鬼ですが、いずれにせよ怪物事変という作品の中でも、特段重要な種族であることは間違いなさそうです。 これから屍鬼が 怪物事変にどのように絡んでいくのかということも含めて、注目していきたいですよね。
まとめ
いかがだったでしょうか?謎多き種族である怪物事変の屍鬼について解説してきましたが、まだまだ不明な点があり、これからも注視していくべき内容であることがわかったかと思います。アニメでどのように背景が語られるのか今から楽しみですね!