<![CDATA[原作は芥見下々(あくたみげげ)さんによるバトル漫画で、2018年より『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始され、2020年10月にはテレビアニメも放送予定となっています。ギャグ要素も多い熱血バトルもので、少年マンガらしい内容ですが、題材が「呪い」ということもあり、「殺す」や「死ぬ」といったネガティブな言葉やグロテスクなシーンも結構出てきます。高校に入学した主人公の虎杖悠二(いたどりゆうじ)は、ある事件をきっかけに呪いである「両面宿儺」を食べてしまいます。通常、呪いを取り込んだ人は呪いに飲み込まれてしまいますが、奇跡的に呪いの器となり一命を取り止めた虎杖は、その後呪いと戦っていくことになります。虎杖が食べた「両面宿儺」は通常の呪いとは違い、特級と言われる最高ランクの呪霊で、その中でもトップに君臨する代物だったのです。今回はそんな呪いの王とも呼ばれる「両面宿儺」に迫っていきたいと思います。
目次
本来は杉沢第三高校の魔除けとして保管されていた「両面宿儺」
呪いとは人間から溢れ出た負の感情が具現化したものであり、学校や病院など大勢の思い出が残る場所には呪いが溜まりやすいとされています。そこで多くの学校には魔除けとして呪物が置かれており、「両面宿儺」も仙台にある杉沢第三高校の魔除けとして保管されていました。封印されている呪物は魔除けになりますが、長い年月により封印が緩んだ呪物は、逆に呪いを呼び寄せる餌となってしまいます。伏黒は「両面宿儺」の封印が解け切って死人が出る前に、回収しようと虎杖のもとを訪れたのでした。
封印を解かれた「両面宿儺」
虎杖から宿儺が入っている箱を回収した伏黒でしたが、蓋を開けてみると中は空っぽ・・・。伏黒は箱に残った宿儺の残穢を追っていたのです。中身は呪物に興味を持ったオカ研の先輩が箱から取り出していました。通常、封印のお札は人間の手では解けないのですが、宿儺は呪力が規格外であり、お札も長い年月による劣化で紙切れ同然。人間の手で簡単に解けてしまう状態でした。呪霊は呪霊を喰らうことでより強い呪力を得ます。封印を解かれた宿儺は、呪力を得るのに最高な餌なので、呪霊たちは宿儺の指を求めてオカ研の先輩や虎杖たちを襲うのでした。
最悪の展開、受肉した「両面宿儺」
虎杖を受肉した宿儺は強気を好み、弱気を弄る残忍な性格で、力が全てであり、それ以外の序列は好みません。戦闘力もその辺の呪霊や呪術師では話にならないほど圧倒的なものとなっています。しかし、虎杖はなぜか呪いへの耐性があり、完全に宿儺に乗っ取られることはありませんでした。これにより、虎杖は死にませんでしたが、宿儺を身に宿して生きていくことになるのです。ちなみに宿儺が出てきているときは、体中にトライバルタトゥーのような模様が出ます。まぁ、性格や強さが明らかに違うのですぐにわかるとは思いますが・・・。
「両面宿儺」は実在した人物だった?!
「両面宿儺」は腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神で呪いの王と呼ばれていますが、1000年以上も前に実在していた人物でした。術師が総力をあげて戦いを挑みましたが倒すことは出来ず、宿儺の死後呪物(腐敗していない指など)さえも消し去ることが出来なかったので、封印するという方法をとったそうです。腕が4本なので宿儺の指は計20本。虎杖が食べたのは最初1本であの強さですから、20本全て集めた完全体の宿儺はとてつもない強さなのでしょう。あの五条悟も厳しいかもと口にするほど。
現実世界でも実在していた?!
両面宿儺は仁徳天皇の時代に飛騨(今の岐阜県)にいた異形の人物で、鬼人と呼ばれていました。『日本書紀』では凶賊と記されていましたが、岐阜県の伝承では毒龍を退治したり、寺院を創ったりした豪族とも言われているようです。
伏黒に興味を示す「両面宿儺」
強者が好きな宿儺は、伏黒の戦闘スタイルや奥に秘めた力を見抜き興味を示します。受刑在院者第二宿舎の一件により虎杖の体を乗っ取った宿儺は、伏黒を挑発し本気の戦いを望もうとします。伏黒に「あの時なぜ逃げた?」と問う宿儺。宿儺からすれば逃げる理由がわからない=自分とも十分に戦えたのに、という解釈もできますね。この時の宿儺のセリフは、後の伏黒覚醒のキッカケにもなるので覚えておくと面白いですよ!
伏黒の成長を喜ぶ「両面宿儺」
八十八橋で再び特級呪霊と対峙することになった伏黒。少年院に現れた特級呪霊と同じ見た目をしていますが、戦闘力は格段に上でした。攻撃を受けた伏黒は気絶し、五条悟と宿儺から言われた言葉を思い出します。二人の言葉がきっかけとなり、伏黒は型にハマるのを止め、自分の限界を超えた領域「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」を不完全ながらも展開します。術式の解釈を広げ、ギリギリですが特級呪霊に勝利した伏黒。唯一興味を抱いている伏黒の成長に歓喜する宿儺だったのです。
これが王の実力
呪霊は特級、1級、準1級、2級、準2級、3級、4級の7段階のランクに分けられます。宿儺は当然特級ですが、受刑在院者第二宿舎に出現した呪霊も特級に属しています。しかし、同じ特級同士の戦いでも虫同然に扱う宿儺。ランクの上限が特級までしかないため、特級の中でも力の差はかなりあるようで、やはり宿儺の力は別格で最上位のようですね。
「両面宿儺」による本物の呪術
敵対する特級呪霊に本物の呪術がなんたるかを教える宿儺。生得領域「伏魔御厨子」を展開し、呪霊をあっさりと3枚におろしてしまいます。細かい説明がないため、呪術の効果はわかりませんが、特級を一瞬で3枚におろすのですから・・・とてつもない効果なのでしょう(笑)ちなみに虎杖の中では、水の上に動物の骨が無数にある生得領域を展開していて、宿儺はこの領域を心の中とも表現しています。
天上天下唯我独尊
順平を殺した真人に対して、今までにない怒りを覚える虎杖。腹の底から出た本音「ブッ殺してやる」。これは他人の不幸や絶望を甘美とする「呪い」に対する怒りですが、自分の全てを捧げようとも誰も助けることが出来ないという自分への怒りでもあると思います。そんな惨めな虎杖を見て嘲笑う宿儺と真人。怒った虎杖は真人相手に善戦しますが、やはり実力の差は歴然。宿儺を呼び出したい真人は、虎杖に宿儺に代わるよう言いながら「無為転変」によって宿儺の魂に触れるのでした。一時は真人と共に虎杖を嘲笑した宿儺でしたが、自分の領域に土足で踏み込んできた真人に対して警告します。同じ呪いであり好むところは同じですが、宿儺は馴れ合いは好まず、あくまで自分が最上位であることを真人にわからせます。
決して触れてはならない魂
「無為転変」によって七海を生得領域の内側に閉じ込めた真人。真人の術式の発動条件は直接原型の掌で触れることで、必殺必中の領域の中となれば、七海は真人に勝つ術はありません。死を覚悟した七海でしたが、その時、領域内に虎杖が現れます。結界術は内からの耐性を上げるほどに外からの力に弱くなり、「領域」は閉じ込めることに特化した結界のため、外から侵入することは容易だったのです。では、なぜこのような仕様なのか?領域は必殺必中と言われるように、中に入った時点で術者が大幅に有利となるため、自ら領域に飛び込むメリットがないからです。しかし、虎杖の中には呪いの王「両面宿儺」が宿っています。虎杖が領域内に侵入したことで、真人は宿儺の魂に再び触れてしまい、一瞬で倒されてしまいました。誰が死のうと生きようと宿儺にとってどうでも良いこと。興味は伏黒ただ一人。孤高の王である宿儺は、他の呪いとは違い、圧倒的存在感がありますね!
呪いの王、特級呪物「両面宿儺」に迫る!まとめ
いかがだったでしょうか?
呪いの中でも絶対的存在であり、他を寄せ付けない力と存在感はさすが呪いの王と呼ばれるだけありますね。虎杖に宿儺の指を全て喰わせてから殺すということになってますが、宿儺が完全体になってしまったら誰も太刀打ちできないんじゃないのかな?とか思ってしまいます。宿儺の術式がどういったものなのかも気になりますし、宿儺VS伏黒の戦いも見てみたいものですね!!