アニメや漫画で有名となった本作品ですが、原作は同人サークル『07th Expansion』によるコンピューターゲーム。ジャンルはサウンドノベルで、監督・脚本は竜騎士07となっています。ゲーム、漫画、アニメはすべて出題編と解答編に分けられており、両方をプレイ・読破しないと作品の全容が掴めないように構成されています。正式タイトルは『ひぐらしのなく頃に』の「な」の文字が赤文字となっており、英語表記でも『When They Cry』の「C」は赤文字となっています。可愛らしいキャラからは想像も出来ない、残酷でスリリングな内容で、ホラー作品としても秀逸な作品となっています。今回は、全ての世界でキーとなる鷹野三四がどういった人物なのか?なぜ雛見沢症候群を研究していたのか?など彼女の核心に迫っていきたいと思います。
目次
鷹野三四のプロフィール
声優は伊藤美紀さんが担当しています。本名は田無美代子。雛見沢にある診療所のナースをしている彼女は、『ひぐらしのなく頃に』の最終的な敵とも言える女性キャラとなっています。
悲惨な境遇から救ってくれた命の恩人である高野一二三の意志を継ぎ、雛見沢症候群の研究を突き詰めていくが、世間に認められないことから徐々に狂気に取りつかれていきます。
高野一二三の孫となった美代子は「高野美代子」と名乗るようになりました。一二三の死後は、孫であることを隠すため、「鷹野三四」と名乗っています。
漢字の由来はおじいちゃんから「みよ」と呼ばれていたことと、一二三が積み上げたものを三四がおおきくするという意味だそうです。
大好きだったお子様ランチ
仲の良い両親の元に生まれた美代子は、多くの愛情を注いでもらい、元気で明るい少女として育ちました。
お父さんの仕事が休みの日には、家族でデパートに出かけお子様ランチを食べる。そのお子様ランチに付いてある国旗を集めるのが美代子の楽しみだったそうです。
この頃の美代子を見ていると、どうしてあんなことになったのか?理解できない程、純粋で可愛らしい女の子ですね。
同情したくもなる・・・辛い過去を持つ、鷹野三四
不慮の鉄道事故により、両親を失った美代子は、身寄りもなく、児童施設に送り込まれることになります。
お父さんは死に際に、恩師である高野一二三の電話番号を伝えようとしますが、虫の息で、この時の美代子には何を言っているかわかりませんでした。
ここから美代子の地獄の生活が始まるのです。施設にいる大人たちは、児童への虐待を楽しんでいたのです。次は誰が殴られるのか?どんなひどい目に合わされるのか?
子供たちは少しでも目を付けらると、暴行の餌食となってしまう為、毎日怯えながら暮らす日々が続きます。そんな中、ルームメイトの一人が脱走計画を企てます。美代子含む4人は綿密に計画を練り、脱走を試みるのです。
脱走の途中、電話ボックスを発見した美代子。お父さんが死に際に言っていたのは、高野一二三の電話番号だということに気が付き、なんとか記憶を蘇らせ一二三に電話をします。なかなか繋がらない電話・・・。
諦めかけたその時、一二三に電話が繋がるのです。やっと救われる!・・・そう思った矢先に、追っての大人に捕まり、施設に連れ戻されてしまうのでした。
命の恩人、高野一二三と雛見沢症候群
美代子からの電話を不審に思った高野一二三は、美代子の居場所を突き止め、施設に迎えに行くのです。やっと救われた美代子でしたが、一二三との暮らしの中で、虐待されていた記憶がフラッシュバックし、
生活に馴染むことができませんでした。そんな美代子に対して一二三は「美代子はもう私の孫だ、自分をおじいちゃんと思って甘えて良い」と優しく接します。
この一言で美代子は心を開き、新たな生活をスタートさせました。この頃から、高野美代子と名乗るようになります。
一二三が雛見沢症候群の研究をしていたので、その手伝いをし、少しでもおじいちゃんの手助けをしたい、おじいちゃんの研究を世に認めてもらいたいと強く思うようになります。
高野一二三の存在は、美代子にとってとても大きな存在であり、後の「おじいちゃんの研究の為に」という美代子の執念の強さは、この幼少期に形成されたものだったのです。
研究を引き継ぎ、変貌していく鷹野三四
一二三の死後、雛見沢症候群の研究を引き継いだ美代子だったが、私情で研究をしていると思われると困るので、名前を高野美代子から鷹野三四に変えます。
小泉先生の強力なバックアップにより、研究は飛躍的に進みますが、女王感染者である梨花の両親から積極的な協力が得られないことから、苛立ちを感じ、鷹野は徐々に手段を問わずに研究を進めていくことになります。
オヤシロさまの祟りのせいにして、毎年2ずつ人体実験の材料にするなど、狂気染みた研究になっていき、入江先生や富竹ジロウは恐怖を感じ始めます。
この時にはすでに当初の目的であった「おじいちゃんの為」ではなく、「研究を成功させる」ということに執着しているのがわかりますね。あの優しかったおじいちゃんが狂気染みた人体実験なんて望むわけないですから。
謎の女性と「雛見沢終末作戦」
暴走した研究を続けていた鷹野でしたが、小泉先生が亡くなったことで、研究の打ち切りが決まります。当然、雛見沢にある研究所も撤退となり、鷹野は途方に暮れてしまいます。
そこに東京から野村と名乗る謎の女性がアプローチしてきます。女王感染者である梨花を殺害し、滅菌作戦を行うという「雛見沢終末作戦」を行い、研究を成功させようと鷹野を唆します。
野村は研究には全く興味がなく、政治的思惑で動いており、鷹野も薄々気付いてはいたと思います。しかし、「研究の打ち切り=雛見沢症候群の存在自体がなくなる=おじいちゃんの研究が認められる機会を失う」と考えた鷹野は、
とんでもない作戦とわかっていながらも「雛見沢終末作戦」を決行する決意をするのでした。野村は鷹野には選択肢がないことをわかっていたのでしょうね。
壮絶な運命を背負った鷹野のラスト
『祭囃し編』以外の世界では、梨花は殺され「雛見沢終末作戦」は成功しますが、『祭囃し編』では、羽入は鷹野に宣戦布告し、梨花は自分の身を守るべくクラスメートや大石、赤坂達たちを味方につけて戦うことを決意します。
そして鷹野、山狗チームVS梨花チームの雛見沢の命運を掛けた戦いが始まるのです。この戦いで梨花たちに撃退された山狗は白旗を上げ、リーダーの小此木は魅音の指揮力の高さに感服、鷹野に自害することを勧めます。
しかし、現実を受け入れることが出来ない鷹野はその場を逃げ出します。追いかけてきた羽入やその仲間たちに逆上した鷹野は発泡しますが、梨花が奇跡を起こし銃弾を止めるのです。全てを諦めた鷹野に富竹ジロウがそっと近づき、抱きしめながら「罪を許す」と言い、鷹野は東京へ連行されていきました。
恐ろしき執念!惨劇の元凶となった鷹野三四とは?まとめ
いかがだったでしょうか?
鷹野三四の過去は『祭囃し編』で語られるので、それを見る前と見た後では、彼女に対する印象が大きく変わってくると思います。
見る前は、美人な鬼畜サイコパス女ですからね(笑)幼少期に過酷な体験をし、その窮地を救ってくれた高野一二三に対する想いは、言葉では表せないほど大きく、彼女の中で絶対的な物だったのでしょう。
それ故に、目的の為なら手段を選ばないといった行動に出てしまい、引き返せなくなってしまったんでしょうね。一時はずっとそばにいた富竹ジロウが離れて行ってしまいますが、最後は彼女の支えとなってくれたことが唯一救われた点でしょうか。ひぐらしの全編を通して、喜怒哀楽を誰よりも表現してくれたキャラクター鷹野三四。彼女の魅力は是非、作品を見て直接感じてみてください。
ちなみに、『羞晒し編』などの本編とは関係ない話では、お色気+のほほんキャラとしてまた別の魅力を醸し出しています。