『Fate/stay night』に登場する8体のサーヴァントで、最も制御が難しいとされているバーサーカーですが、マスターであるイリヤスフィールとの間には絆が存在しています。物語の半ばでバーサーカーは倒れてしまうものの、イリヤスフィールと絡んだエピソードでは涙を誘うものもあるため、その魅力を紹介していきましょう。屈指の強敵でもあるバーサーカーはどのように活躍し、どのように倒れていくのかにも注目しながら、イリヤスフィールと結ばれた絆を中心に迫っていきます。
目次
イリヤスフィールのサーヴァントとして登場するバーサーカー
聖杯戦争には8体のサーヴァントが登場しますが、今回は『Fate/stay night』に登場するイリヤスフィールのサーヴァント・バーサーカーについて紹介していきましょう。見た目が雪の妖精を思わせる小柄な少女であるイリヤスフィールに対し、狂戦士のサーヴァント・バーサーカーは、身丈2ｍを優に超える巨漢となっています。岩の剣を楽々振り回すほどの怪力を持っているだけでなく、身のこなしも俊敏でトリッキーな動きも可能であるため、他のサーヴァントを苦しめることも珍しくありません。そんなバーサーカーは『Fate/stay night』において、どのように描かれているのか、その詳細について迫っていきましょう。
第五次聖杯戦争において最強のサーヴァント？
第五次聖杯戦争において、バーサーカーは最強のサーヴァントとして評価されていますが、これは肉弾戦に関して敵なしとされているのが理由の一つに挙げられます。バーサーカークラスにには凶化の固有スキルによって、理性などを失う代わりに能力を引き上げられることから、繰り出される一撃は圧倒的な破壊力に。凶化によってマスターは使役することが難しくなりますが、召喚されたバーサーカーは英霊としての格が非常に高いため、手を付けることができない怪物と化しています。
イリヤスフィールと強固な絆で結ばれている
第五次聖杯戦争においてバーサーカーのサーヴァントを召喚したのはイリヤスフィールとなっており、彼女は胎内にいる頃から魔術調整を受けていた背景もあって、手懐けにくいバーサーカーを使役することに成功しています。また、イリヤスフィールが幼少期に怨念のいる吹雪の森で狼に襲われた際、バーサーカーが救出に現れてから信頼を置くようになり、「世界で誰よりも一番強い」と信頼を寄せるようになるのでした。
バーサーカーもまた凶化しているにも関わらず、イリヤスフィールを守ろうと行動している様子が窺えることから、2人の間には特別な絆が存在していることが分かります。
バーサーカーの真名はギリシア神話の大英雄・ヘラクレス
第五次聖杯戦争において召喚されたバーサーカーの真名は、ギリシア神話の大英雄「ヘラクレス」そのものであり、神の祝福によって強靭な肉体を得ています。ヘラクレスが歩んできた生涯によって、普通の攻撃ではヘラクレスを倒すことはおろか傷つけることすら敵わないため、最強のサーヴァントと評されるのも伊達ではありません。そんなヘラクレスの所有している宝具には一体どのような特徴があるのか、作中に登場したものを中心に紹介していきましょう。
ヘラクレスはどんな英雄だった？
ヘラクレスはゼウスとアルクメネの間に生まれた子供で、半神半人のギリシア神話最大の英雄とされています。
心技体に優れているだけでなく、あらゆる武器を使いこなしてしまう技量を持っており、ヘラクレスはアポロンの巫女から与えられた12の難行をも果たしてしまいます。12の難行はいずれも無理難題な内容でしたが、技量だけでなく智恵も振り絞りながら達成しており、その後もヘラクレスは様々な伝説を残しています。
常時発動型宝具具「十二の試練（ゴッド・ハンド）」
ヘラクレスは常時発動型宝具「十二の試練（ゴッド・ハンド）」を所有していることにより、Bランクに満たない攻撃を一切無効化することができます。さらに11回まで自動蘇生を行うことができ、一度受けた殺害方法では二度と殺すことができなくなっているため、倒すためにはAランク以上かつ12種類の攻撃、もしくは強力な一撃で複数回殺す必要があるとされています。ただし、その分消費する魔力量はすさまじくなっており、一般的な魔術師であれば1回の蘇生を十分に行えるかどうか怪しいところ。しかし第五次聖杯戦争で契約したイリヤスフィールは、その正体が聖杯そのものであることから、ヘラクレスを自動蘇生させるほどの魔力を十分に有しています。
キャスター以外のクラスに該当するほどの資質を持つ
第五次聖杯戦争において、英雄ヘラクレスはバーサーカーとして召喚されることになりますが、キャスター以外のサーヴァントであれば全てのクラスに該当できるほどの資質を持っているとされています。バーサーカーとして召喚された背景には、アインツベルン家が命令に忠実であることを優先した結果であり、斧剣が触媒となって召喚されています。また、ヘラクレスの適性クラスはアーチャーとされており、「十二の試練」だけでなく状況や対象によって形状を変えることができる万能な宝具「射殺す百頭（ナインライブス）」も用いて戦います。実際に『Fate/stay night』作中では、黒化したバーサーカーに対して衛宮士郎が斧剣を投影して戦っており、九つの急所を同時に斬りつける「是・射殺す百頭（ナインライブス・ブレードワークス）」を使用しています。
各ルートでのバーサーカーはどう戦っていた？
『Fate/staty night』には3つの物語が用意されており、それぞれのルートによって展開が異なれば、対峙する相手も大きく変わってきています。
そこで、各ルートにおけるバーサーカーはどのように戦っており、最後はどのようにして倒れていったのでしょうか？
各ルートにおけるバーサーカーの活躍を紹介していきましょう。
セイバールート
物語中盤では衛宮士郎たちの前に立ちはだかる最大の敵として描かれたのがバーサーカーで、拉致された士郎を救うために遠坂凛は囮としてアーチャーを立たせます。アーチャーを仕留めることに成功しますが、その代償として6個の命を消費するほどの激闘を繰り広げ、イリヤスフィールの指示でセイバーと連戦を迎えることに。その結果、救出された衛宮士郎はセイバーが使用する剣「カリバーン」を投影して戦い、バーサーカーの7つ目の命を打ち取ることに成功します。
これによってバーサーカーは消滅することとなりますが、その間際に理性を取り戻しており、衛宮士郎たちに賞賛の言葉を送るのでした。
凛ルート
イリヤスフィールと衛宮士郎がアインツベルンの城で会う約束をしていたところ、9体目のサーヴァントであるギルガメッシュが乱入します。
従者であるホムンクルスがギルガメッシュによって殺されると、イリヤスフィールは激昂してバーサーカーを戦わせますが、彼の持つ圧倒的な量の宝具を前には太刀打ちできませんでした。ギルガメッシュの余裕過ぎるほどの勝利かと思いきや、最後にヘラクレスは不意をついて渾身の一撃をお見舞いしようとしたものの、あえなく力尽きてしまうことに。マスターであるイリヤスフィールもギルガメッシュによって聖杯の核である心臓をえぐり出され、2人の聖杯戦争が幕を閉じることになります。
桜ルート
桜ルートを描いた『Fate/stay night Heaven’s Feel』では、バーサーカーはセイバーオルタとの戦いに敗れてしまい、間桐桜が操る泥に飲み込まれて黒化してしまいます。新たに間桐桜をマスターとして使役されており、黒化したバーサーカーは衛宮切嗣とイリヤスフィールを追う猟犬として放たれますが、イリヤスフィールを守るという強靭な石までは浸食されていませんでした。衛宮士郎との戦いでは「是・射殺す百頭」によって大ダメージを受けてしまうも、それでも彼を死の直前まで追いやる状況になりますが、直前にイリヤスフィールの幻影を見たことで攻撃をやめてしまい、とどめを刺されて消滅していきます。
イリヤスフィールとバーサーカーの固く結ばれた絆に注目！
バーサーカーは凶化していながらも、マスターであるイリヤスフィールと強固な絆で結ばれており、その様子は『Fate/stay night Unlimited Blade Works』以降の物語で顕著に表れています。真名が英霊として格式の高いヘラクレスであるためか、それともイリヤスフィールとの過去のできごとが要因している可能性もありますが、互いに信頼し合っている様子は『Fate/stay night』作中において屈指と言えるでしょう。
バーサーカーの異様な強さにも目が離せませんが、イリヤスフィールとの絆に注目すれば、涙が自然と浮かんでくるはずです。
