『Fate/stay night』には8体のサーヴァントが登場しますが、その中から今回はランサーについてピックアップしていき、彼の真名やキャラクター像を紹介してきます。
各物語の随所に登場しているランサーですが、戦闘では一度しか全力を出していないとされており、彼の本当の強さを目の当たりにする機会は少なくなっています。
ランサーの本当の強さについても触れていますので、ぜひチェックしてみてください。
言峰綺礼のサーヴァントとして登場するランサー
第五次聖杯戦争の戦いを描いた『Fate/stay night』に登場するサーヴァント・ランサーは、言峰綺礼マスターとして登場し、衛宮士郎たち一向の前に立ちはだかることもあれば、協力してくれる存在でもあります。
各物語によってランサーの立ち位置が大きく変わっていますが、セイバーとアーチャーに並ぶ強さを誇っており、作中でもポテンシャルの高さを窺わせています。
そんなランサーについて、作中で描かれているキャラクター像や真名の詳細をはじめとした情報をまとめていきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
『Fate/stay night』冒頭で衛宮士郎を殺害
『Fate/stay night』の冒頭で、衛宮士郎はサーヴァント同士の争いを目撃してしまい、ランサーによって口封じのために殺されてしまいます。
その後、現場に居合わせていた遠坂凛によって蘇生させられますが、自宅に帰ると再びランサーの襲撃に遭ってしまいます。
その後、ランサーは衛宮士郎によって偶然召喚されたセイバーと交戦することになりますが、マスターからの指示で敵情視察だけを目的としていたことから、あっさりとその場を後にしてしまうのでした。
基本的にランサーはマスターである言峰綺礼と共に行動することがなく、ほとんど単独で行動している様子が各物語から窺うことができます。
本来のマスターは別にいた?
第五次聖杯戦争において、言峰綺礼は協会から派遣された聖杯戦争の監督役としての任務を追っていましたが、物語開始以前に本来のマスターであるバゼット・フラガ・マクレミッツを騙し打ちしています。
その際にバゼットから令呪を奪っており、言峰綺礼は令呪によってマスター変更の賛同を強制することと、「全員と戦え。だが倒すな。一度目の相手からは必ず生還しろ」という2つをランサーに命じていました。
そのため、ランサーが全力で戦っているシーンは少なくなっており、『Fate/stay night』作中では一度のみとなっています。
ランサーの正体とは?真名はアイルランドの光の皇子!
言峰綺礼の騙し討ちによってマスターが変わってしまったランサーでしたが、令呪によって絶対的な命令を下されていることから、指示に従って行動しています。
また戦闘シーンは多く描かれているものの、全力で戦っている様子は『Fate/stay night』では一度きりとなっているため、全貌を掴みにくいと感じている人もいるでしょう。
口は悪いものの根が実直であり、それでいて己の信念と忠義を重んじている英霊であるランサーですが、彼のことを知るために正体や能力などを紹介していきましょう。
ケルト神話の大英雄クー・フーリン
『Fate/stay night』に登場するランサーの真名は、アイルランド神話「アルスター伝説」に登場する大英雄クー・フーリンとなっています。
アイルランドの光の皇子とも呼ばれているクー・フーリンは太陽神ルーとアルスターの王の妹デヒテラの子供とされており、成人すると影の国の女王であるスカサハから魔術と体恤を修得し、さらに武器としても言いている魔槍「ゲイ・ボルグ」を授かるのでした。
クー・フーリンは故郷のアルスターに攻め入ったコノートの女王メイヴを退けますが、復讐を誓う彼女によって破ると呪いが欠けられてしまう誓約を背負うことになります。
それでもクー・フーリンは国を守るために誓約を受けいらながら戦い、メイヴの策略によって誓約を破らされてしまうと、最後にはゲイ・ボルグを自身の腹に受けてしまいますが、
柱に身体を縛りつけてまで倒れないよう最後まで戦い続けるのでした。
魔術にも秀でているランサー
『Fate/stay night』に登場するランサーは魔術にも秀でており、18の原初のルーンを修得していることから、火や探索のルーンを使う以外にもライダーの石化の魔眼を無効化することができます。
さらにパラメータ上昇も可能になっており、全ルーンを使用することによって上級宝具による攻撃すら防ぐことを可能にしてしまうなど、多様な能力を持っています。
その腕前はキャスターとして召喚されても役割に遜色ない働きを見せるほどで、『Fate/stay nihgt』屈指の魔術の使い手でもあることが窺えます。
しかしランサーはルーンを使用して戦うよりも直截な戦闘を好んでいるため、ルーンを使用することは稀なパターンとされています。
必殺の対人宝具「刺し穿つ死棘の槍」を持つ
ランサーが所有している宝具は必中必殺の呪いの槍を使用して、「敵の心臓に命中している」という事実を作った後、攻撃を放つという因果を逆転させた「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)」。
そして槍が持つ呪いの力を最大開放して助走から高々と飛んで投擲し、まるで炸裂弾であるかのように使用する対軍宝具「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)」となっています。
どちらも手にしている槍から繰り出される一撃となっており、前者は魔力消費量が少ないながらも高い幸運が要求されるという特徴を持っており、後者に至っては破壊力重視で回避されても標的を捕捉し続ける攻撃となっています。
アーチャーとの戦闘において、ランサーは後者のゲイ・ボルグを使用していますが、アーチャーの絶対的な防御である「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」を完全破壊しており、さらに片腕をも負傷させていました。
各ルートにおけるランサーの立ち位置とは?
言峰綺礼が使役することサーヴァントとして登場するランサーですが、衛宮士郎たちとは敵として立ちはだかる時があれば、味方として協力する立場に変わることもあります。
ランサー本人の意志で行動している様子もあり、その気まぐれな行動によって衛宮士郎たちは難を逃れたこともあるため、決して憎めない相手であることが分かるでしょう。
そこで、『Fate/stay night』各物語におけるランサーの立ち位置や行動について、まとめて紹介していきます。
セイバールートのランサー
聖杯戦争で召喚されるサーヴァントの中で、セイバー・アーチャー・ランサーの3騎は優秀な部類に位置付けられており、第五次聖杯戦争に登場するランサーも例外なく優秀なサーヴァントと言えます。
セイバールートでは9体目のサーヴァントとして登場するギルガメッシュと対戦していますが、半日にも及ぶ激闘を繰り広げてもなお倒れることはなく、むしろ相応のダメージを相手に与えています。
どのサーヴァントに対しても姿勢を崩さずに圧倒するギルガメッシュでしたが、そこからランサーの底知れぬポテンシャルを窺うことができるでしょう。
凛ルートのランサー
キャスターによって捕らえられたセイバーを救うために衛宮士郎と遠坂凛は敵地に乗り込みますが、そこには寝返ったアーチャーが待ち構えており、ランサーが2人に協力する形でアーチャーと相まみえます。
また、アインツベルン城では言峰綺礼の令呪によって自害することを命じられますが、心臓を串刺しにしてもなお息絶えることはなく、背後から言峰綺礼を殺害するのでした。
さらに炎のルーン・アンサスを用いてアインツベルン城を焼き落すという執念までも見せており、「戦闘続行」のスキルを有しているとはいえ、強い精神力が窺えます。
桜ルートのランサー
柳洞寺の裏にある池で、ランサーは真アサシンと戦闘を繰り広げていましたが、その最中に現れた間桐桜の影に注意を払っていたところ、隙をつかれて倒されてしまいます。
その後、真アサシンはランサーの心臓を喰らったことにより知能を得て、言葉をまともに扱えるようになるのでした。
また、ランサーの魂は聖杯である間桐桜に回収されてしまうことになります。
ランサー紹介 最後に
『Fate/stay night』に登場するランサーについて、真名やキャラクター像を紹介してきましたが、高い戦闘力を持っているだけでなく、精神的な強さも兼ね備えていることが分かります。
それでいて、気まぐれに行動してはいるものの衛宮士郎と遠坂凛に協力の姿勢を見せるなど、男らしいシーンも描かれており、なかなか憎めない人物なのではないでしょうか。
イレギュラーで言峰綺礼がマスターになってしまうものの、ランサーにとっては自由に行動できるきっかけともなっており、それが衛宮士郎たちに言い効果をもたらしているのかもしれません。