今回は、アニメ第4シリーズで、お話の中心となる呂不韋(りょふい)について、ご紹介していきたいと思います。
呂不韋とは
呂不韋は、元商人でありながら、財力と頭脳により丞相(じょうしょう)、相国(しょうこく)まで昇りつめた人物です。大商人だった彼は、王位を継ぐ予定ではなかった嬴政の父へ莫大な賄賂を贈り、荘襄王(そうじょうおう)として即位させ、その丞相になりました。荘襄王が亡くなり、幼い嬴政(えいせい)が即位した後も彼が実権を握っていました。宮廷における呂氏勢力は大多数を占め、最初の頃の政の味方は昌文君とその配下の兵だけでしたね。
呂氏陣営について
呂不韋は元商人ということもあって、戦や政治に関して呂不韋を補佐する部下たちがいます。呂氏四柱と呼ばれる4人、将軍・蒙武(もうぶ)、戦術家の昌平君(しょうへいくん)、法律を管理する李斯(りし)、昭王時代の丞相・蔡沢(さいたく)がそれぞれ異なる分野で呂氏を支えていました。
登場回と生い立ち
そんな彼の登場回は、嬴政暗殺が失敗した直後、漫画では10巻になります。大王暗殺を企てた張本人が、嬴政の前に堂々と登場するシーンでしたね。恰幅の良い体格と腹の底が見えない恐ろしさを感じさせる呂不韋がここで初めて登場しました。漫画39巻では、若き頃の呂不韋が少しだけ描かれますが、武器商人としてですが、この頃から金とその使い方について深く精通していた様子がうかがえます。
李牧との交渉
悪役として登場した呂不韋ですが、他国との交渉では秦国の丞相として大活躍しました。まず策により趙の宰相、李牧(りぼく)を王都・咸陽(かんよう)まで呼び出し、交渉の末、秦趙同盟、さらに城を1つタダで貰うという結果を残しました。商人として、対人での交渉や話術による腹の探り合いなど、呂不韋の力が少しだけ見えた場面でしたね。
過去 美姫との関係について
荘襄王へ多額の賄賂を贈った呂不韋ですが、自分の女も荘襄王へ与えた過去があります。現・太后、嬴政の母に当たる彼女は、もともと「邯鄲(かんたん)の宝石」と呼ばれるほどの美貌の持ち主であり、「美姫(びき)」という愛称で呼ばれていました。そんな美姫に一目惚れした呂不韋、2人は相思相愛になり、互いに未来を約束するほどの仲になりました。しかし、呂不韋は彼女を荘襄王のもとにあてがい、自分が出世するための道具として使ったのでした。このことに対する太后の怒りと2人の確執は、後に国へ多大な影響を及ぼす事件を引き起こしましたね。
アニメ版のキャストについて
そんな呂不韋の声優さんは、玄田哲章(げんだてっしょう)さんです。玄田哲章さんは、「シティーハンター」の海坊主(うみぼうず)役や「クレヨンしんちゃん」のアクション仮面役、「銀魂」の屁怒絽(へどろ)役などの声優さんです。呂不韋の圧倒的な強さや物怖じしない性格がアニメでより魅力的に表現されていましたね。また、こちらは実写の方ですが、2022年7月に公開予定の劇場版でも、呂不韋の登場はあるのか期待しておきたいですね。
歴史的な立ち位置①
国の丞相を長期に渡り務めたこともあり、「呂不韋列伝」という書が作られるほど、歴史的にみてもその権力の高さがわかります。政の父、荘襄王と出会った時の「これ奇貨なり。居くべし。」という文言が有名で、趙の人質になっていた彼を手厚くもてなしたという逸話が残っています。
歴史的な立ち位置②
また、これは漫画でも少しだけ登場しますが、呂不韋は「呂氏春秋」という学問や思想などをまとめた書を編纂しました。当時の学者3000人がその知恵を持ち寄って作ったこの書物に一文字でも書き足したり、削除できたものへ莫大な金を与える、「一字千金」という言葉は現代でも故事成語として使われるほど有名ですね。呂不韋の先見の明や商売の才、文官としての業績の面からみても類い稀な才能の持ち主だったのでしょうね。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は秦王、嬴政の宿敵、呂不韋について解説しました。史実からみた彼の姿もおおむね、「キングダム」と似ているような印象を受けますね。呂不韋についてもっと詳しく知りたくなったのではないでしょうか。