今年にアニメ化することが決定した『イジらないで、長瀞さん』について、その内容を簡単にしてまとめていきたいと思います。『からかい上手の高木さん』から火がついた、ヒロインが主人公を弄ぶ系の作品群ですが、本作『イジらないで、長瀞さん』はそのような作品群の中でも群を抜いた作品であるといえます。通常の作品と異なり、ヒロインが過激なまでに主人公を追い込む本作の展開に、ドキドキした読者も少なくないはずです。それでは早速、今期最もドキドキするであろう『イジらないで、長瀞さん』の展開を紹介していきます。
主人公と長瀞さんが出会う!!
本作は主人公と長瀞さんが出会うところから始まります。一人で教室に入った主人公が、心の中で独り言をブツブツ呟きながら、椅子に座る様子がリアルに描かれており、このシーンで主人公が学校ではパッとしない、いわゆる「隠キャ」であることが示されています。隠キャである主人公は女子の顔を直視することができないので、一番初めの描写では女子たちの顔が描かれていないのです。
主人公が描きかけの原稿を入れたバックを落としてしまう
別の席で駄弁っていた女子にビクビクしながら席に座った主人公ですが、運悪く彼女たちの目の前で、趣味で描いていた原稿をばらまいてしまいます。これは学生時代に創作をしていた学生の恥ずかしかった経験のあるあるですよね。
初めて映る長瀞さんの顔
このシーンで長瀞さんの顔を初めて見る主人公ですが、実は初めて見る長瀞さんの顔はお淑やかな顔なんですよね。このことから、長瀞さんは本来はこのようなお淑やかな人物で、主人公に対してだけなぜか攻撃的な人物であるとわかります。
まさかの後輩のおもちゃに!?
ともかく、本作の一話の長瀞さんと主人公の出会いはこのような感じでした。一見なんの変哲もない冒頭に見えなくもないのですが、実は一つ一つ分析してみると主人公と長瀞さんの性格が細かく描写されていることがわかります。
本作の大前提を解説
ここでは、ネタバレをしていく前に少しだけ本作を理解するために必要な本作の大前提を解説していこうと思います。これから解説する本作の出来事はこの大前提に着目してみないと詳しく理解することはできないのです。
キャラが描くものは基本的に自身の投影
本作の大前提として理解しておくべき要素は、本作に登場するキャラクターが描くものは自身の本心を投影しているということです。例えば、主人公が無機物のデッサンを好んでいるということは、他人の心をうまく理解することのできないことからの逃げを象徴していたりと、本作では特に主人公の内面が絵の作品として描かれています。
長瀞さんの本性も画として描かれる
これは長瀞も例外ではなく、主人公を弄んだ後の彼女の内面(本性)も鉛筆で描かれた絵として描写されています。この作品では、このようにキャラクターの内面を絵で表現するという、わかりやすいルールがあるのです。
鍵は視点!!
このような工夫を作者がしたことの恩恵として、本作ではキャラクターごとの内面世界の表現が非常にわかりやすくなっています。今どのキャラクターがどのような気持ちなのかが、絵という形でわかりやすく表現されているのです。
あれ、こんな作品他にもあったような、、
このように、主人公が絵を描き、その作品の中で主人公の内面を表現するという作品はかなり多くあります。その中でも特に評価が高いのが『この世界の片隅に』という作品でしょう。『いじらないで、長瀞さん』よりもさらに重厚な内容となっているので、本作の表現が気に入ったという方はこちらを観てみるのもいいかもしれません。
長瀞フレンズ登場!!
さて、あのような恥ずかしい工程を経て長瀞さんと知り合った主人公ですが、長瀞さんと交流を重ねるうちに長瀞さんと親しくしている女子達とも交流するようになります。
注目すべきは長瀞さんの顔芸
基本的に長瀞さんの友達との交流でそこまで主人公に注目すべき内面の変化は現れないのですが、これらのシーンでは長瀞さんの豊富な顔芸を拝むことができるので、ぜひチェックしてみてください。
主人公の対応の違いにも注目
長瀞フレンズとの交流では、主人公が長瀞さん以外の女子に対して案外いい反応をしないというのも注目すべき点です。彼女たちの目の前で長瀞さんを擁護すシーンがあったりと、男らしい姿をみることができるシーンでもあるのです。
一目惚れの哲学
このようなシーンから主人公が長瀞さんに好意を寄せている理由が一目惚れであるということがわかります。他の女性キャラクターと長瀞さんの間にはそこまで大きな違いが見られないからです。むしろ、このように複雑な動機付けをしないことが本作にわかりやすさを与えている要因なんですね。
部長とのまさかの対決!!
本作の最大の山場が、主人公が所属する美術部の部長との対決のシーンでしょう。長瀞さんから一方的に弄ばれることが多かった主人公ですが、部長が登場してからは、これまでの展開と打って変わって長瀞さんフレンズと力を合わせて戦うこととなります。
理想を写すものが作品だと考えると部長は面白い!!
まず、部長について分析してみましょう。先ほど、この作品の登場キャラクターは内面を絵として表現されると説明しましたが、このことを加味してみてみると、この部長というキャラクターがかなり異質なキャラクターであると気づくはずです。部長の絵はどれも一貫して自身の肉体美を全面に出した作品だからです。主人公の内面とは対照的な内面を持ったキャラクターであることがわかります。
そんな部長とまさかの対決
まさにパーフェクト超人である部長と主人公は戦うこととなるのです。このパートでは非力で未熟な主人公が完璧超人である部長にどのように立ち向かうのかが鍵となるのです。
チーム力・企画力で勝負
結果として、本作では主人公は長瀞さんをはじめとする女子たちとチームとなって戦うこととなります。一人でダメならみんなでというのはよくある展開ですが、やはり何度見てもこのような展開は熱いですね。
部長の言う「愛」は何か?
部長との対戦のパートでは部長からの「作品には愛が必要だ」という発言がテーマとなります。愛というと好きな人に向ける好意と考えてしまいますが、本作での作品を通して内面を表現するという大前提を通して考えてみると、主人公が長瀞さんを描いた際にうまくいったように、何か目的を持ってその人のことを考えるという創作をするに当たって不可欠な意思のことをさしているのではないでしょうか?
結果は長瀞さんと主人公の「不戦勝」
結果として、部長との勝負は過激な作品を展示しすぎた部長が風紀委員会から追及され、作品を没収されることで主人公の不戦勝という形で幕を下ろしました。
役者は揃った
数々のキャラクターが登場するたびに印象的なエピソードが描かれていった本作ですが、部長との一見があったのちは「役者は揃った」と言わんばかりに安定して日常回を描いています。
主人公と長瀞さんの過激な駆け引きを楽しむ
元から本作のメインであった長瀞さんとの駆け引きが魅力的な脇役が増えたことによって、さらにバラエティー豊かに描写されるようになりました。
複雑にならない楽しさ
このように、複雑な内容展開は新キャラクターが登場するなかで極力情報量を絞ることで、本作では長瀞さんをいかに可愛く描くのかということに焦点を絞っているのです。
仕事の疲れは長瀞さんにお任せ!!
このように、一人一人のキャラクターの心理描写がわかりやすく描かれている本作は、何かの合間にみることに特化した作品となっており、やや重めな作品をみている途中の息抜きとして楽しんだり、なにか仕事をしている時の合間に楽しむことができる作品だといえます。
とにかく、動く長瀞さんを観るのが楽しみ!!
ともあれ、今からテレビ画面で生き生きと動き回る長瀞さんが楽しみですね、本作のフラットな表現がアニメとうまくマッチすると思います。漫画版が忙しくて読めないという方にも、とっつきやすい内容となっていると思いますので、ぜひ一度観てみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?今回は『いじらないで、長瀞さん』の内容と見どころについて、簡単にまとめて紹介していきました。本作の楽しみ方はこれらの見方の他にも数多くあるので、ぜひ自分なりの楽しみ方を探してみてくださいね。