遠坂凛のサーヴァントとして登場するアーチャーは、『Fate/stay night』の物語において重要なポジションを担っており、彼の行動や言動はどれも見逃せません。
サーヴァントとして召喚された英霊である彼には様々な秘密があり、彼の過去などを知って一気に虜になってしまったファンは数知れないでしょう。
そんなアーチャーについて、どんなサーヴァントなのか、また真名や過去の詳細を紹介してきますので、最後までチェックしてみてください。
目次
アーチャーはどんなサーヴァントなのか
アーチャークラスは召喚されるサーヴァントの中でも格式高い3大騎士クラスで弓兵となっていますが、『Fate/stay night』で登場するのは弓よりも白兵戦を好むタイプ。
キザで皮肉屋の現実主義者として描かれていますが、同時にお人好しな性格を持ち合わせています。
また大柄な体格をしており、作中でも背中でものを語る男でもあることから、原作ゲームを手掛けるタイプムーンの人気投票企画では高い人気を誇っています。
そんなアーチャーについて、その正体や聖杯戦争に参戦する目的などを紹介していきますので、より深くまで知るきっかけになれば幸いです。
アーチャーの正体は未来の時代からやってきた英霊・エミヤ
第五次聖杯戦争に登場するアーチャーは、本来なら弓兵であるところを主に2本1対の剣「干将・莫耶(かんしょう・ばくや)」を用いた白兵戦を好んでいます。
もちろん遠距離から弓による狙撃でセイバーの戦いを援護するシーンもありますが、アーチャーの戦闘では剣による戦いが圧倒的に多くなっているのが特徴的。
その正体は未来の時代から召喚された英霊「エミヤ」であり、正義の味方になろうとして奇跡の代償を払ったことにより英霊となった衛宮士郎そのもの。
遠坂凛によって召喚されたのも、物語序盤で衛宮士郎がサーヴァントによって殺された際、遠坂凛が蘇生のために使用した宝石のペンダントを持ち続けていたことが起因しており、それが触媒の品となっています。
宝具を持たずに相手と対峙できる強さを持つアーチャー
アーチャー・エミヤは宝具を持たずに聖杯戦争に参戦しているため、他のサーヴァントとの戦いでは最も不利な立場にありますが、彼が用いる固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」はその不利を覆すほど強力なもの。
宝具を複製して戦いに使用しますが、オリジナルよりも性能が劣るものの、持ち前の「強化」の魔術と技能でカバーしていることから、遜色ない性能で敵を圧倒することができます。
作中に出てきた複製宝具は「螺旋剣(カラドボルグ)」や絶対的防御を誇る「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」などがあり、ギルガメッシュとの戦闘においても先手を取り続けていました。
アーチャーの戦闘力はどれくらい高い?
サーヴァントの中でも格式高い騎士の一つであるアーチャーですが、宝具を持たず固有結界だけで他の相手と渡り合っていることから、その戦闘力の高さには惹かれるものがあります。
しかし、戦略的に相手を見逃したりマスター不在による不利な場面があったりなど、作中においてアーチャーは全力を出したことがありません。
ただランサーの宝具「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)」を防ぎ、ギルガメッシュからも一目置かれる存在であるなど、そのポテンシャルはとても高いと言えるでしょう。
条件さえ整えば全力で戦う姿のアーチャーを見られたかもしれませんが、マスターの遠坂凛が肝心なところでミスを犯してしまう体質であることから、永遠にそれは叶いません。
アーチャーの過去とは?エミヤはどんな人生を歩んだのか
サーヴァントは皆がそれぞれの目的をもって聖杯戦争に参加していますが、アーチャーの場合、生前の自分である衛宮士郎の時代に召喚されたことで「自分殺しの矛盾」を狙います。
なぜこのような大胆な目的を抱くようになったのでしょうか?
物語の主人公である衛宮士郎とアーチャーには皮膚や髪の色など、いくつか相違点が見られますが、これは固有結界の魔術が原因となっています。
一体アーチャーの過去には一体何があったのか、物語の中で語られる彼の歩んできた人生について紹介していきます。
正義の味方になるために修行と戦場を行きかう日々を送るアーチャー
衛宮士郎はとある未来の世界において、死ぬ運命にあった人々の命を救うためにアラヤの抑止力と契約したことにより、その奇跡の代償として英霊となります。
英霊になれたのは、衛宮士郎が正義の味方になるために厳しい修行と戦いを繰り返して過ごしてきたこと、その中でも自分の理想を貫いていたためでした。
しかし英霊になって守護者としての役割を与えられてからは、望まない虐殺を永遠に繰り返させられたことにより、次第に自身の理想や信念は摩耗して絶望するようになります。
その最中で英霊・エミヤは衛宮士郎が生きる時代に召喚されますが、同時に衛宮士郎を殺すことで自分自身が存在を抹消すれば自身も苦しみから解放されるのではないかと考え、彼の隙を見ては殺そうと画策します。
アーチャーの意外な幕切れだった生涯
まだ戦場を渡り歩いていたエミヤは、最後にどのような人生を送っていたのでしょうか。
その生涯に幕を閉じたのは意外にもあっけないもので、自分が助けた相手が裏切ったことにより、エミヤは簡単に命を落してしまいます。
しかしそれでもエミヤは誰も憎むことなく、また後悔することもありませんでした。
その後、英霊になってまでも見知らぬ人を助け続けようと、正義の味方であり続けようとしますが、それが結果的に自らの信念に絶望してしまう結果になってしまいます。
アーチャーの第五次聖杯戦争におけるアーチャーの振る舞い
自分殺しの矛盾を狙うアーチャーでしたが、幾度のチャンスがあったにも関わらず、結局最後まで彼を手にかけることはありませんでした。
これは聖杯戦争を最善の終結に導くことを優先していたためでしたが、その中で敵視しているはずの衛宮士郎に助言や手助けをするなど、目的と矛盾した行動も目立っています。
しかし、『Fate/stay night[UBW]』の中では衛宮士郎と直接剣を交えるシーンが用意されており、衛宮士郎はアーチャーの正体を知ったうえで戦いを挑むのでした。
その結果、アーチャーは衛宮士郎の強い意志や信念を感じ取って、彼に敗北を認めると同時に自分自身の存在を認めるようになります。
第五次聖杯戦争でのアーチャーの最後
『Fate/stay night[UBW]』での衛宮士郎とギルガメッシュの戦いにおいて、アーチャーはとどめの一撃をギルガメッシュに与えて終止符を打ちました。
その後、遠坂凛はアーチャーが消えゆくところを立ち会いますが、その時の彼の表情はとても晴れやかなものとなっており、彼女に衛宮士郎を支えてやってくれと託します。
アーチャーの言葉通り、遠坂凛は衛宮士郎をロンドンに連れていって支えている様子が描かれており、彼が間違った方向に歩まないよう寄り添うのでした。
『UBW』以外でのアーチャーは?
セイバールートにおけるアーチャーは、最強のサーヴァントであるバーサーカーから衛宮士郎と遠坂凛を逃がすため、その身を挺して自ら犠牲になります。
その際にアーチャーは衛宮士郎にアドバイスを送っており、彼の言葉が衛宮士郎の中に刻み込まれたことで、最終的に聖杯戦争を勝ち抜くのでした。
また桜ルートにおいて、アーチャーは事件の根源である「黒い影」によって身体を貫かれてしまい、衛宮士郎も左腕を失ってしまう重症に陥ってしまいます。
どちらも死ぬギリギリに立たされていましたが、アーチャーは自身の左腕を衛宮士郎に提供することで彼を生き長らえさせようとするのでした。
本来であれば不可能なことですが、アーチャーと衛宮士郎ならばそれは可能であるため、これによってアーチャーに遺志を受け継いだ衛宮士郎は間桐桜を救うために再び立ち上がります。
敵視する衛宮士郎にアドバイスを送るアーチャーの心情に注目!
アーチャーは衛宮士郎に敵視し、マスターである遠坂凛にも皮肉を言い放つなどキザな一面が強く押し出されていますが、各物語で描かれている心情は大きく異なっています。
特にアーチャーの生涯や目的などが明かされる『Fate/stay night[UBW]』では詳細に語られており、最終的に衛宮士郎に敗北して自身の存在を認めるまでの流れには、アーチャー自身にも確固たる信念があり続けていたことが分かるはずです。
自分殺しの矛盾によって自身の存在を抹消しようとしていたアーチャーですが、彼が抱えている心情や気持ちの変化を注意深く観察していると、より『Fate/stay night』が面白くなるかもしれません。