既に原作が完結しているのにもかかわらず、今年2023年にアニメ第3期の放送と劇場版の公開が決定した本作、『五等分の花嫁』シリーズですが、みなさんは原作が完結した後も本作を楽しんでいますでしょうか？基本的にアニメ作品は原作が完結してしまうと、それ以上のテコ入れが難しくなってしまうので、同じように終了していくというのが普通の流れではありますが、本作の場合はこれまで放送しなかったストーリーの展開や、劇場版公開など様々な手段を活用して、現在もなお展開されている極めて息の長いコンテンツであると言えるでしょう。他のアニメ作品と比べても非常に注目度が高いことから、歴史に残るラブコメアニメ作品となったことは間違いありませんが、本作がなぜここまで大きな人気を持続的に展開することができたのかということについては多くの謎が残ります。そこで今回は本作『五等分の花嫁』シリーズがどうしてここまで息の長いコンテンツとなったのかという点について様々な角度から分析をしていきたいと思います。
完結済みにも関わらずアニメ3期が公開！！
まず本作で注目をしたいのか、原作漫画が完結しているのにもかかわらず、アニメ第3期の公開が決定したという点です。アニメ作品の人気と言うのは、原作漫画と合わせてのものですので、原作という1つの大きな柱を失った作品というのは、基本的に先細りをしていく運命にあるといえます。
異例の展開
しかし、本作は原作漫画が完結し、アニメ作品としても劇場版を合わせて完結したのにもかかわらず、2023年に新たにアニメ作品として制作されることが決定しました。これは通常のアニメ作品ではありえない異例の展開であると言えるでしょう。
駆け足の展開になってしまったアニメ2期
本作がアニメ3期を制作することを決定した背景には、アニメ2期でやや駆け足の展開になってしまったことが原因として挙げられるのではないでしょうか？
ファンの要望に応えた？？
本作では原作で人気を集めた数多くのエピソードが完結を急いだあまりカットされることとなってしまい、楽しみにしていた人気エピソーのアニメ展開を見ることができなかったというファンが多くいたのです。
完成度の高すぎる原作
なぜこのようなファンが多く出てきてしまったのかと言うと、その理由はやはり「原作の完成度があまりにも高かったから」でしょう。本作は五つ子の中で誰が花嫁になるのかという謎と、五つ子それぞれの心情の変化や様々なエピソードなどの事件が登場するなど、巻数を増すごとに奥行きのあるストーリーが展開されました。また、ラストではそれらの展開を通して散りばめられた数多くの伏線が回収されるという鮮やかな完結をした完成度の高い作品なのです。
原作も14巻で完結
このように本作の原作はたった14巻という人気シリーズとしては、かなり短めの巻数で完結しており。まだまだ熱を残したままでのシリーズ終了となってしまったのです。
完璧なタイミングで完結
ただし、コンテンツとして人気を維持している期間の間ずっと展開し続けるというのは、作品として最適な進行とは言えないという実情もあります。というのも、その作品のベストな完結までに必要なプロセスを描く巻数と、その作品の人気が持続する期間というのは決してマッチする事は無いからです。そういった意味で、ファンの人気に引きずられるあまり、理想的なラストを迎えられなかった長寿作品というのは数多く存在します。
楽しみやすい巻数
そのように考えると、本作はファンの人気に引きずられることなく、作者自身が最もベストなタイミングでストーリーを完結させることができた数少ない作品であると言えるでしょう。14巻という短めの巻数も本作のストーリーとしての魅力がもっとを楽しみやすい理想的な長さであったといえます。
続編展開のしにくいストーリー
しかし、本作のストーリー展開があまりにも完璧だったために、完結をした後、続編展開のしにくいストーリーとなってしまっていました。
ストーリー展開が完璧だと、その後が蛇足に、、
基本的にラブコメ作品は、主人公とヒロインが結ばれてしまえば、それ以上の進展は無いので、完結することが多いのですが、本作はその中でも特にストーリー展開の構造が良かっただけに、これ以上の作品展開が蛇足となってしまう作品なのです。
いまだに衰えない本作の人気
このように、本作はファンからの人気に振り回されることなく、きっちりとゴールを決めて完結をさせることができたため、これ以上の続編は難しいという結果にはなってしまいましたが、結果的に長期連載でファンが中だるみすることなく、クオリティーの高い作品としてファンの心に残りやすい作品となったのです。このような点が、まさに本作がいまだに衰えない人気を誇り続けている人気であるといえます。
アニメ3期＋劇場版公開決定
このようなファンからの人気の持続に製作陣も応えてか、今年2023年にアニメ第3期と劇場版の公開が決定しました。原作は完結してすぐのアニメ作品としては異例の展開ではありますが、先ほどから紹介している本作の特異性を加味してみると、このような展開は決して偶然とは言えないのかもしれませんね。
手強い競合が登場
しかし、いくら人気が持続している作品とは言え、本作の置かれている状況が100%良いものであるとは言えません。本作の公開からしばらく時間が経っていることもあり、アニメ業界では本作以外の数多くの人気ラブコメ作品が台頭しているのです。
元王者の威厳を保てるか？
このような超人気タイトルの台頭に対して、本作がどのように対抗していくのかという点についてはぜひとも注目をしていきたいと思います。このように考えると、アニメ展開だけではなく、劇場版展開という多様なアプローチを選択したのも、これらの新規タイトルに取られた、数少ないファンを様々な媒体に呼び込むことで利益を確保していくという制作側の思惑も感じられます。
なぜ本作の寿命は長いのか？
本作の息の長さと、本作の周りを取り巻くアニメ業界について解説したところで、ここからはなぜ本作の準備はここまで長いのかと言う点についてさらに迫っていきたいと思います。
完成度の高いストーリー
理由の1つとして挙げられるのが、冒頭でも紹介した本作の完成度の高いストーリーでしょう。本作は連載を長期に伸ばす事がなく、比較的作者がコントロールしやすい形で、理想のラストを迎えることができたと思います。伏線が回収され、読者としても納得のいくような形での完結が本作の完成度の高いストーリーにつながり、結果的に本作の人気の長期化につながったと言えるでしょう。
高いリピート性
また、本作の人気の長期化の理由として、本作の高いリピート性も挙げられるでしょう。本作はヒロインが五人登場しますが、序盤中盤終盤とそれぞれ焦点が当てられるヒロインが違っていたりします。そのため、一人ひとりのヒロインのストーリーが複数展開されているような構造となっていますので、1つの大作アニメーションを楽しんでいるというよりかは、一人ひとりのヒロインのショートアニメーションを楽しんでいるという感覚に近い作品となっています。
わんこそば的な面白さ
このように一つ一つのエピソードを簡単に消化することができるので、本作を少しだけ振り返ろうと思っていた視聴者が気づいたら「もう一つ、もう一つ」といった形で、全体のアニメ作品を楽しんでしまったという結果にもなりやすいようです。
高いキャラクター人気
また、本作に登場するキャラクターたちは全員似通った可愛らしい見た目を有しているのにもかかわらず、一人ひとりのキャラクター性が明確に異なり、どのような視聴者が見ても必ず1人は自分の琴線に触れるキャラクターが登場するようになっているという点も本作の人気の長期化につながっていると思います。
バラエティー豊かなキャラクター
バラエティー豊かなヒロインが登場するからこそ、幅広い視聴者層に受け入れられる、だからこそ、本作の人気も長期的に持続しているといえますね。
まとめ
いかがでしたか？今回は原作完結後直後にアニメの続編決定するという異例の展開となった本作『五等分の花嫁』について、なぜここまで本作の人気が持続しているのかを解説していきました。様々な外的要因が挙げられますが、まず大前提としてラブコメ作品として非常に完成度が高い点や、制作者がファンの人気に引っ張られることなく、自らの手で作品を完結させることができた点が大きな理由として挙げられるでしょう。昨今では、大作主義が当たり前となり、ファンの人気に応じて、作品も長引いてしまう傾向のある風潮となっていますが、そのような中でもきれいに作品を終わらせることができた本作は非常に完成度が高い作品であるといえます。ラブコメ作品としてよくできている作品だからこそ、これから先のアニメファンの方々にも楽しんでいただきたい。そんな作品となっていますので、ぜひとも、原作完結後の本作のアニメ展開についてもこれからも注目してみてくださいね。
