ビッグコミックで連載されているBlue Giantという作品ですが、滅茶苦茶面白いです!何が面白いかというと、臨場感や熱気が読者に直接伝わってくるような感覚を覚えるほどに熱く感動できる作品だからです。だからこの作品には多くの名シーンが存在します。中でも特に読者の心に残るシーンを1巻から10巻まで中から一つずつ独断と偏見で選出してみました!
目次
名シーンその① 第一巻・とことん、思い切りやれよ
宮本 大の父親は大が将来何をやりたいのか、どうするのか分かっていませんでした。ある日、その話を振ってみると大は『ジャズをやりたい』と言います。音楽で食べていくことははっきり言って現実的な話ではありません。当然、大は反対されると思っていたはずです。
しかし、父親は大の夢を反対することはありませんでした。むしろ『やれよ。とことん、おもいきりやれよ』と背中を押します。おそらく大がどんな選択をしても、父親は反対することはなかったのだと思います。そんな父親に背中を押されて、大はさらにジャズにのめり込み高みへと昇っていくことになります。
名シーンその② 第二巻・使ってんなぁ
宮本家は父と長男の雅之、次男の大、妹の彩花の4人家族です。母親は既に亡くなっており、頼りになる長男の雅之はそのこともあってか高校を卒業後に就職。家族のために家計を支えるようになります。大が持っているテナーサックスは高校生には余りにも高価なものでしたが、それは兄が買ってくれたものだったのです。
兄が買ってくれたテナー・サックスは売っていたサックスの中でも一番高価なサックスでした。しかし、兄はあえて安いサックスではなく一番いいサックスを36回ローンで買いました。昔から頼れて尊敬できる兄に買ってもらったサックスを大は夢中で吹き続け、現在は新品だった面影はなく使い込まれていました。そんな使い込まれたサックスを見て兄は「使ってんなぁ!」と言うのでした。
名シーンその③ 第三巻・文化祭のステージで
学校の文化祭でソニー・ロリンズのモヒカンスタイルを模してステージへと上がった大。当初はイロモノパフォーマーみたいに思われていたようですが、いざ演奏が始まるとその演奏に観客たちは圧倒され、あっという間に全員総立ちになります。その演奏は観客たちを大いに熱狂させ、さらに音楽の先生にピアノを弾いてもらい校歌のジャズアレンジを演奏します。
馴染みのある校歌を演奏すると、観客たちは大盛り上がりで奏者・観客一体となって大盛り上がり。その中には大と馴染みのあるバスケ部員、サッカー部の玉田、一緒にジャズフェスを見に行った三輪舞の姿もあり、会場はとてつもない熱狂に包まれます。その圧倒するようなパフォーマンスと熱狂した会場を見て、トリを務めるはずのバンドは演奏を中止してしまうほどでした。
名シーンその④ 第四巻・リベンジ
ジャズバーで即興のライブをやることになった大は、とある人物にその演奏を聞かせるためにやってきました。その人物はかつて未熟だった大に厳しいことを言った、静かなジャズを好むおっさんでした。ほぼ初めて誰かと合わせて演奏をする大は、人と合わせて演奏することを意識し、徐々に息があっていきます。
大の演奏は観客のみならず、他の奏者にもその勢いが伝わっていきます。ピアニストもベースもドラムもその勢いに乗せられ、彼らにとっても忘れられないセッションになると同時に、観客のおじさんも大のようなジャズを好まないにも関わらず、その勢いにのまれていきます。
奏者や観客にとてつもないインパクトを残した大に対して、おじさんは『ギャフンっつったんだよ』と言葉を残し、大は更なる成長を求めて仙台を離れ上京することを決意します。
そんな大に対し、師匠の由井は『最高だ』と言葉を残すのでした。
名シーンその⑤ 第五巻・沢辺雪祈との出会い
ピアニスト、沢辺雪祈との出会いは『テイクツー』のママから紹介されたジャズバーでした。沢辺の実力と存在感は大にとっても衝撃的な出会いでしたが、沢辺は自信家で才能が全てと言ってしまうような傲慢さがありました。
同年代の大を気に入ったものの、ヘタクソだったら組まないと言って実際に大の演奏を聞いた沢辺はその場では平静を装ったものの、大の演奏に心を揺さぶられ完全につきぬかれてしまった沢辺は悔しがりながらも涙を流してしまいます。
感動して思わず泣いてしまうほどの演奏を聞いた沢辺は、その努力と情熱を認めると同時に大と一緒にやっていくことを決め、それからはお互いに衝突しながらも、言いたいことを全部いいあう相棒のような関係になっていきます。
名シーンその⑥ 第六巻・初めてのライブ
宮本大と沢辺雪祈、そして全くの初心者である玉田俊二を加えた三人は初めてのライブを計画します。しかし、無名の三人組のデビューライブにはジャズバーの店長を含め、誰も期待せず見向きもされませんでした。それでも大は自作のビラを街で配り、何とか人を集めようとしますが、結局観客は常連だけでした。
デビューライブの観客は店長と常連の4人だけ。そんな中始まった初めてのライブで大と沢辺は圧巻のパフォーマンスを見せます。そんな中ビラを見てきたもの好きなサラリーマンを入れた観客たちは、圧倒され立ち上がって拍手をするほどで確実に何かを残した演奏でした。
しかし、殆どついていけなかった玉田にとっては苦い思い出となります。しかし、これ以降玉田は驚くほどの成長を見せるようになり、最初は観客4人だけだった三人のバンド『JASS』は徐々に人気を獲得していきます。
名シーンその⑦ 第7巻・良くなっている
三人の三度目のライブ。当初は4人しかいなかった観客は今回23人。三人のジャズバンドは着実に観客たちの心を掴み始めていました。三人の演奏を聞きに来る常連も増えていました。
大と沢辺の二人は、技術的にも優れ他の人には真似できない何かを持っている二人でした。だから、演奏が終わった後も二人の周りには人が集まってきます。しかし、ドラム初心者の玉田はまだ二人の背中を追いかけるだけで精いっぱいでした。実力的にも二人に大きく劣っており、そんな玉田は見向きもされないかと思いきや…
実は、そんな玉田の成長していく姿を期待して聞きに来てくれていた常連さんも存在しました。それは一番最初から見に来ていた常連の客でした。玉田に対して「ボクは君のドラムを、成長する君のドラムを聴きに来ているんだ。君のドラムは、どんどん良くなっている。」と玉田にとっては嬉しすぎる出来事でした。
名シーンその⑧ 第八巻・今までで一番良かった
常に上を目指していたが、その傲慢で型にはまった演奏だとSo Blueの営業である平に指摘されてから、それまでの自分を変えようとします。その厳しい指摘は期待の裏返しであったものの、それから中々殻を破ることが出来ない沢辺はスランプに苦しむことになります。
苦しむ続けた沢辺でしたが、ある日のライブで大からソロを煽られたことで、考えを捨てて自分をさらけ出すような演奏をすることができたのです。
そこから三人のセッションは佳境を迎えます。このライブで沢辺は確かな何かを掴んだようです。
殻を破った沢辺ついに追い求めていた何かを掴みます。その演奏で会場はより一層盛り上がり、玉田は今までで一番良かったと心の中で思うのでした。
名シーンその⑨ 第九巻・ムカついたので
小さな町おこし的なジャズフェスティバルに指名された『JASS』でしたががその役割は人気ジャズバンド『アクト』の前座的な役割でした。そのアクトのリーダー、天沼から若く勢いだけでスタイルがない、何も入っていない10代マンだと言われてしまいます。そんな言葉にムカついた沢辺は二人に「俺たちがアクトに勝つ」と言います。
フェス当日、三人は若さと勢いだけではない躍動感に溢れる演奏で会場を盛り上げます。その演奏と熱気はアクトの天沼にも伝わります。最後は玉田のソロでフィニッシュします。
天沼は三人に拍手を送ります。三人はその演奏で天沼の想像を超え天沼もそれを認め三人を賞賛します。トリを務める天沼にもその勢いが伝播したかのように魂のこもった演奏をしてフェスは大盛り上がりで幕を閉じます。
名シーンその⑩ 第十巻・またいつか演ろうぜ
沢辺がSo Blueの舞台で活躍したおかげで『JASS』もついにSo Blueの舞台に上がることが決まります。交通整理のバイト中、沢辺は考えていました。大の事は踏み台にするつもりで、玉田の事は最初から信じていなかった。でも、この三人でなければここまでこれなかったかもしれない。三人で組んでよかった、そしてこれからも…そう思っていた瞬間、沢辺は暴走してきたトラックにはねられてしまいます。
沢辺が事故に遭い舞台に立てなくなる。それでも大は止まってはいけないと思い、玉田と二人で舞台に上がることに決めます。その舞台は色んな感情が渦巻くライブでした。
ライブが終わった後、お見舞いに行った先で沢辺から解散を提案されます。それは一日も止まってはいられない大のためでした。そんな沢辺はいつか絶対に怪我を治し「またいつか演ろうぜ」と言い残すのでした。
心に残る名シーンまとめ
Blue Giantに登場する心に残る名シーンを1巻から10巻まで一つずつ収録しました。これ以外にもまだ心をアツくさせる名シーンはたくさんあります。とにかく情熱が肌に伝わってくる作品なので、是非とも触れてみてほしいです!