作中に登場する魔法少女の中でも1,2を争う実力者の佐倉杏子。彼女は登場したときこそさやか達と対立してぶつかり合うことが多かったキャラクターですが、徐々にさやか達と打ち解け、最後には味方となってくれた頼もしい魔法少女の一人でもあります。最初はあまり人気が無かったようですが、話を追うごとに人気となった杏子の魅力を紹介しましょう。
杏子は隣町からの刺客
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
第3話でのマミの予想外の死により見滝原市を守る魔法少女がいなくなったため、キュゥべえが隣の風見野市から急遽呼び出したのが杏子です。男勝りな口調に好戦的な性格で、魔法少女の力を人助けではなく自分の欲を叶えるために使い、そのためなら他人が犠牲になってもかまわないという利己主義的な考え方を持ちます。そのため、他人のため魔法少女になり、他人のために戦うさやかのことを甘ちゃんと呼び戦いを仕掛けるなどお互いにわかり合えない間柄でした。
杏子の見た目
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
赤く長い髪をポニーテールにまとめています。八重歯が見えているのが特徴的で、見た目通りのやんちゃな性格をしています。また常にお菓子を食べているなど甘いものが好きで信頼を寄せたり、自身の協力者にしたい人にはお菓子を分けることもあります。手に入れている食べ物は全て不正な手段で手に入れたり、学校に通っている描写がないため、魔法少女として放浪しながら生きています。
魔法少女としての杏子
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
赤を基調とした服装に、関節がいくつもある長い槍で戦う近接戦闘向きの魔法少女でスピードも非常に早いです。槍は柄の部分がくさりで繋がれていて、ムチのように敵にたたきつけたり拘束したりと様々な使い方ができます。結界を張り、他人が出入りできないようにする魔法も使います。また、彼女本来の魔法は”幻惑”であり、敵に幻覚を見せたり自身の分身を作ったりできるのですが、過去のあるできごとから、これらの魔法を使わずに槍の技術のみで戦っています。
杏子の過去
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杏子の父は協会の聖職者で、母と妹と4人で幸せに過ごしていました。この頃の杏子は魔法少女として自由気ままに生きている杏子にも悲しい過去があります。
父の変化
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父は「新しい時代には新しい教えが必要だ」と元々の教えとは違うごく当たり前のことを説くようになります。しかし、世間からは怪しい新興宗教だと思われてしまい、信者達はあっという間に減ってしまいます。教会も破門されて家族は食べるものにも困るほど苦しい生活を余儀なくされます。
杏子の決断
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誰からも見放されてしまった父を見て杏子は深く悲しみます。父は何も間違ったことを言っていないと思った杏子は、出会ったキュゥべえに「みんなが父の話を聞くようになること」を願い魔法少女となりました。杏子の願いは叶い、父の信者はうなぎ登りに増加します。世界の表からは父が、裏からは魔法少女の自分が世の中を守っていくのだと、杏子は張り切って魔女退治に精を出すようになります。この頃は分身などの魔法を駆使した戦い方をしていました。また、スピンオフ作品ではマミと出会い師弟関係になった描写もあります。
父の絶望
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
しかしある日、父に信者が増えたからくりがばれてしまいます。自分の教えが認められたのではなく魔法で信者が増えたのだと。父は杏子のことを「人の心を惑わす魔女」とののしり、自分の教えに自信を喪失します。ショックを受けた父は酒におぼれ堕落し、ついに杏子を残し家族3人で無理心中をしてしまいます。
ひっくり返った杏子の世界
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
自分の願った「他人の幸せ」が結局不幸を呼び込んでしまったと後悔した杏子はここで絶望することなく、これからは自分のためだけに魔法の力を使おうと開き直ります。また、この出来事以降戦闘で幻惑の魔法を使うことがなくなり(正確には使えなくなり)槍と体術、後ほど習得した魔法のみで戦うようになります。
杏子の本音
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
他人のためには魔法を使わず自分の思うままに生きていくことを決意した杏子ですが、本心はそんな生き方が嫌いで、悪人として振る舞う自分が嫌いでした。そのストレス発散のためにいつも甘いものを口にしていたのです。また、かつての自分と同じように他人の幸せを長い魔法少女になったさやかは、過去の自分と重なっていて、作中ではさやかを目の敵にしていましたが内心ではかつて正義のために戦っていたことを思い出していました。
杏子の最期
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
どうにかして救いたいと気にかけるようになったさやかが、絶望し魔女化するのを杏子は目の前で見てしまいます。なんとか元に戻したいと、親友だったまどかの力を借りてオクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ(さやかの魔女の姿)に挑みます。杏子がオクタヴィアを引きつけている間にまどかにさやかを呼んでもらい思い出させようとしました。しかしオクタヴィアが反応することはなく失敗、深手を負った杏子はまどかを逃がすために最期の力を振り絞って巨大な槍を出し、突撃しオクタヴィアとともに消滅してしまいます。
杏子の意外な一面
面倒見がいい
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
かつては妹がいたからか、非常に面倒見が良くさやかに対してはそれまでは対立していたのに魔法少女の真実を知り深く落ち込んだと知ると、自分の過去を打ち明け、自分のように開き直って好き勝手生きるといいなど助言したりしています。まただんだんと絶望に向かうさやかをなんとか救おうと最後まで懸命に走り回り、さやかが魔女化した後も元に戻す方法を探し求めるなど、実は人情に厚い性格です。
緻密な戦術
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
けんかっ早く熱くなりやすい杏子ですが、魔法少女との戦闘は非常に冷静に戦術を立てて戦います。さやかとの戦闘でも相手のアウトレンジから攻撃を仕掛けたり、横やりを入れてきたほむらに対しても、手が読めないとあっさり退却したりと高い判断力も持ちます。流石はベテランかつ、マミからの教えを受けた魔法少女です。
杏子は姉御気質の魔法少女
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
杏子は登場時は非常に好戦的でさやか達に対して敵意むき出しでしたが、その後さやかのことを気にかけたり、魔法少女の先輩として助言したり戦闘でもマミと同等の戦闘力を持つなど、一つ頭のぬきんでた存在です。自分勝手な性格と思いきや本当はまだ正義のヒロインに憧れていたり、奇跡を信じたり、他人のために何かしたいと思うなど魔法少女らしい女の子です。そんな想いをひた隠し常に強く生きる杏子はやはりかっこいいです。マミがみんなのお姉さんなら、杏子はやはり姉御的存在と言えましょう。