特撮作品と聞いて誰もが頭に思い浮かべるのは、ウルトラマンではないでしょうか?ウルトラマンシリーズは特撮作品の中でも特に人気が高く、現在まで数多くのシリーズが放送されてきました。ウルトラマンシリーズの人気は、特撮作品だけに限らず、漫画やアニメなど別の媒体を使って展開されていることもあり、特撮作品ではなくても、漫画やアニメでウルトラマンシリーズに触れたことがあるという読者の方もないでしょうか?元々は一特撮作品でしかなかったウルトラマンシリーズがどうしてここまで数多くの媒体で展開されることになったのか、ウルトラマンの魅力を掘り下げながら考えていきたいと思います。現在放送されているNetflixのアニメ作品『ULTRAMAN』の魅力にもつながっていますので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
かつて栄華を誇ったウルトラマンシリーズ
そもそもウルトラマンシリーズと言えば、国民誰もが知る超人気シリーズですね。カラーテレビの登場とともに、テレビ放送され、一時期はテレビ作品の代表的存在として多くの注目を集めました。ひとつ前の作品としてテレビ放送されていた『ウルトラQ』よりも、巨大なヒーローが登場するという大胆な設定や子供でもわかりやすいテーマの問いかけなどで人気となりました。
特撮の金字塔
ウルトラマンシリーズはその後も テレビシリーズとして展開され続け、『ゴジラ』や『仮面ライダー』シリーズなどの競合タイトルを抑え、見事「特撮の金字塔」と呼ばれるまでに成長したのです。
初代ウルトラマンの最高視聴率は40%超え!!
特に初代ウルトラマンの最高視聴率は40%を超えるものであったと言われており、現在のテレビアニメシリーズでは考えられないような高視聴率を叩き出していました。現在ほどインターネットが普及してない時代において、テレビシリーズで放送されている特撮作品は、まさに国民全員が視聴するような一大タイトルであったのです。
国民誰もが知るビックタイトル
このような時代的な背景もあり、ウルトラマンシリーズは国民誰もが知るビックタイトル等なったのです。現在でも庵野秀明監督が『シン・ウルトラマン』として、新しく映画化するなど、世代を股にかけて数多くの人々に感動と興奮を届けています。このように高齢者層から小さな子供たちまで幅広い層の人々をターゲットにした作品は外ではなかなか見られないものであると言えるでしょう。
ウルトラマンの何が魅力的なのか??
それではどうしてウルトラマンシリーズがここまでメジャーなタイトルとなったのでしょうか?ウルトラマンシリーズが共通して持っている魅力について少し深掘りをして紹介していきたいと思います。ウルトラマンシリーズならではの哲学や面白さを知ることで、アニメ版の本作『ULTRAMAN』もかなり楽しめるようになると思いますので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
国際問題をふんだんに取り込む
ウルトラマンの特徴としてあげることができるのは、国際問題をふんだんに取り込んでいるところです。どのシーンであっても、当時の国際問題を加味したストーリーが描かれることが多く、子供たちが見るだけではなく、大人たちが視聴しても楽しむことができるような設計となっています。
沖縄出身のスタッフが多く参加
このような国際問題を多く取り組んだ作品になった背景としては、ウルトラマンシリーズが、そもそも沖縄出身のスタッフたちの協力によって制作されたという背景があるからでしょう。ウルトラセブンで登場したキングジョーの名前の元ネタとなった金城さんなど現在でもウルトラマンを制作した沖縄出身のスタッフたちの名前は語り継がれています。
子供向けだけじゃない!!
このように、実際に戦争によって過酷な経験をしてきた沖縄出身のスタッフたちが、作品制作に参加することによってウルトラマンシリーズは従来の特撮作品では考えられない複雑なテーマを孕んだ、特撮作品として描かれることとなったのです。決して子供だけではなく、大人も十分楽しめることができるウルトラマンの基礎を築いたのは、まさに沖縄出身のスタッフたちであったといえるのではないでしょうか。
様々な媒体で楽しめる
このように、ウルトラマンシリーズの魅力は沖縄のスタッフたちが参加したことによる奥深いストーリーが1つ挙げられるといえます。しかし、ウルトラマンシリーズの魅力はこれだけではありません。実は長い年月をかけて知名度を獲得しているため、その間に様々なチャレンジとして数多くの媒体で描かれており、特撮作品としてだけではなく、アニメ漫画でも楽しむことができるという特徴も兼ね備えているのです。
特撮
まずは王道の特撮シリーズのウルトラマンです。ウルトラマンはもともと特撮シリーズであるため、特撮で描かれたウルトラマンは数多く存在します。同じ特撮作品でありながら、時代ごとにテーマや登場キャラクターなどが大きく変わっており、長い年月をかけて人々に愛されているコンテンツであるといえます。
アニメ
本作を始めとしてウルトラマンをアニメ化した先も数多く存在します。昭和の時代からウルトラマンのアニメ作品は存在しており、従来から特撮シリーズとアニメシリーズの融合は深く考察をされてきたようです。本作は、まさにそんなアニメシリーズのウルトラマンの完成形であるといえるでしょう。
漫画
また、ウルトラマンシリーズは漫画作品としても数多く描かれてきました。それぞれの漫画家が自身の創意工夫を重ねてオリジナル作品として作り上げる事例が多く、かなり異色な作品が目立つのも漫画版ウルトラマンの特徴であるといえますね。本作も漫画発の作品であるため、かなり独特なテイストのウルトラマンとなっています。
様々な作品に影響を与えた
また、ウルトラマンシリーズの特徴はウルトラマンシリーズ単体の魅力だけではありません。そのあまりの影響力の強さに後に登場する数多くの作品に影響与えたと言うても必ず押さえておきましょう。ここからはウルトラマンシリーズから大きな影響受けた代表的なコンテンツを紹介していきたいと思います。
仮面ライダーシリーズ
まず1つ目にウルトラマンシリーズから影響を受けた作品として挙げるのは、同じく、特撮作品の仮面ライダーシリーズです。仮面ライダーも日本の特撮を代表する作品ですが、もともとは作者の石ノ森章太郎がウルトラマンシリーズの弱点を分析して、より面白い特撮作品を作るために考案した作品となっています。まさにウルトラマンが存在しなければ登場しなかった特撮作品であると言えるでしょう。
戦隊もの
戦隊ものも、ウルトラマンが作り上げたヒーローが怪物を倒すという構図を忠実に踏襲した作品となっています。ウルトラ兄弟と言う複数のウルトラマンが登場する展開からインスピレーションを受けた作品であると言われており、複数のヒーローが活躍するという構図もウルトラマンから着想得たものであるといえます。
ポケットモンスター
日本が誇る世界的なアニメゲーム作品であるポケットモンスターもウルトラマンから大きな影響受けたと言われています。もともとはウルトラセブンにて登場していた怪獣を味方にして、怪獣と戦うカプセルモンスターがアイディアの元となっており、ポケットモンスターも当初は名前を「カプセルモンスター」略して「カプモン」としようとしていたほどです。残念ながら、カプモンはウルトラセブンで使われていたため、名前はポケットモンスターとなりました。
新世紀エヴァンゲリオン
『シン・ウルトラマン』の監督を手がけたとして有名な庵野秀明監督の代表作『新世紀エヴァンゲリオン』もウルトラマンから大きな影響受けた作品と言われています。巨大な人形の兵器が、限られた時間内で敵と戦うという構図はまさにウルトラマンそっくりですよね。庵野秀明監督はこれらのアイディア以外にも、独特な描写や映像技法をウルトラセブンから学んだと公言しており、まさにウルトラマン作品に大きな影響受けた監督の代表例であると言えるでしょう。
アニメでもウルトラマンの良さは生きるのか?
このように、数多くの作品に影響与えてきたウルトラマンシリーズですが、少し前まではその人気も下火になってきてしまっていました。やはり膨大な資金が必要となる特撮作品を長期的に描き続けると言うのは、かなり資金的な負担がかかるようです。
より制作しやすいアニメやCGへ
そこで注目を集めているのが、特撮作品よりも制作しやすいアニメやCGを使った作品へシフトチェンジすることです。近年話題となったシン・ウルトラマンも基本的にはCGを使った作品となっており、純粋な意味での特撮作品はテレビシリーズのウルトラマンぐらいになってしまいました。
かつてのウルトラマンファンが財力を持っている
しかし、完全にウルトラマンと言うコンテンツ自体が廃れたわけではありません、むしろかつてウルトラマンを楽しんでいた世代が大人になったことによって、ウルトラマンにも十分にお金を使えるようになりました。子供と大人では使ってくれるお金の量が大きく違うので、むしろウルトラマンのコンテンツとしての成長はこれから始まると言っても過言ではないと言えます。
アニメ化で世界へ
このように、特撮作品としては、一応失ってしまっているウルトラマンシリーズですが、本作のようにアニメシリーズとして世界で注目をされる可能性は充分あります。すでに数多くのファンがついている作品群ですので、ぜひとも、これからのウルトラマンシリーズの活躍で、世界のファンを広げていってもらいたいと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回はウルトラマンシリーズの魅力とこれからについて簡単にまとめて紹介をしていきました。本作のようにアニメ作品として注目を集めている作品もありますので、これからさらに多くの媒体でウルトラマンシリーズが描かれるようになっていくかもしれませんね。かつてのように特撮作品としてのみではなく、CG作品やアニメ作品として、さらに新しい表現技法を追求していってもらいたいなと強く思います。