数々の難解な設定が登場することで奥深い物語となっている「リゼロ」ですが、数多くある難解な設定の中でも最も謎に包まれているのが「福音書」ですよね。今回はリゼロ最大の謎である福音書について解説していきたいと思います。福音書は敵の魔女教大罪司教だけでなく、味方であるはずのロズワールやベアトリスも所持しているという複雑なものですので、元ネタを含め詳しく解説していきたいと思います。
福音書の基本設定
まず初めに、リゼロの世界における福音書について基本設定を紹介していきたいと思います。福音書は数多くあるリゼロの設定の中でも特に複雑で且つ情報が出ていないので、わかりにくい設定だと思っている人も多いのではないでしょうか?そういった状況も含めてここではなるべく簡単に福音書についてまとめていきます。
起こり得る事象が書かれている
福音書とはどのようなものなのかということについて一言で解説すると、「起こりえる事象が書かれている書物」ということになります。これは魔女教大罪司教怠惰担当のベテルギウス・ロマネコンティや、エミリア陣営の実力者ロズワール・L・メイザースの発言から推測することができます。
魔女からの寵愛の証
また、一般的に福音書は「魔女からの寵愛の証」であるものらしく、嫉妬の魔女サテラを崇拝する魔女教徒たちは、この福音書を何よりも大切なものとして扱っています。このように、福音書に対する異常なまでの執着と信頼などが彼ら魔女教徒を異質な存在に見える様にしている所以なのかもしれません。
恐ろしい存在
このように、異常なまでに魔女教徒が執着している福音書は、一般的に恐ろしいものとして周りには受け止められているようです。実際、スバルがベテルギウス・ロマネコンティが所持していた福音書を軽々しく触ろうとした際には注意を受けていました。
サテラとセットで捉えられている
リゼロの世界では嫉妬の魔女サテラも恐ろしい存在として認知されており、福音書もサテラの復活をもくろむ魔女教徒たちが所持しているということもあり、福音書はサテラ同様恐ろしいものとして認知されているようです。
レプリカと本物が存在する?
さて、このように世界中から恐ろしいものとして認知されている福音書ですが、福音書は厳密に分類するとレプリカと本物、そしてレプリカのレプリカの3種類に分かれるようです。レプリカのレプリカという単語が登場してる時点でかなりよくわからなくなってしまいますが、厳密にこれら3種類について1つずつ解説していきたいと思います。
エキドナが作り出した「叡智の書」!?
では、福音書の本物というのは一体何なのでしょうか?福音書というのはエキドナが作り出した「叡智の書」という書物が元となっています。つまり、福音書というのは強欲の魔女エキドナが自身の知識をフル稼働させて作り出したものなのです。
ベアトリスとロズワールはレプリカの「福音書」を所持
ベアトリスとロズワールが所持している福音書は、かつてエキドナが作り出した「叡智の書」のレプリカです。ベアトリスが魔女教の所持している福音書に対して「あんなものと一緒にしないで欲しい」と言っていることからも、ベアトリスとロズワールが所持している福音書がいかに特別な存在なのかという事についてもわかると思います。
ベアトリスの福音書は白紙
しかし、ベアトリスとロズワールの福音書が魔女教のものとは全く別のものであるとは言っても、ベアトリスのものとローズワールのものが全く同じものであるということでは無いようです。
ベアトリスとロズワールの違い
ロズワールが福音書に従い行動してるのに対し、ベアトリスの福音書は白紙になっており、ベアトリスが福音書に従って行動することができなくなっています。
魔女教の福音書はレプリカのレプリカ!?
そして、魔女教が所持している福音書はエキドナが作り出した「叡智の書」のレプリカであるローズワールやベアトリスが持っているもののレプリカであることが推測されます。ベアトリスが魔女教の所持している福音書を「あんなもの」呼ばわりしているという事からも、「叡智の書」のレプリカであるベアトリスやロズワールの福音書のレプリカであることは間違いなさそうです。
サテラの復活とエキドナの復活
レプリカとレプリカのレプリカである福音書をそれぞれ持っている魔女教とエミリア陣営ですが、2つの勢力の目的はそれぞれ嫉妬の魔女サテラの復活と傲慢の魔女エキドナの復活と食い違っており、どうして目的の違う2つの勢力がそれぞれ福音書を所持しているのかという謎が残っています。
元ネタはエヴァンゲリオン!?
ここでは、なぜ魔女教とエミリア陣営の2つの勢力がそれぞれ福音書を所持しているのか?という謎にリゼロの元ネタであると考えられるエヴァンゲリオンの裏死海文書との関係性について紹介しながら考えていきたいと思います。
福音書と裏死海文書
リゼロの世界に登場する数多くの設定の中で特に難解な設定である福音書ですが、実はこの福音書という設定にはエヴァンゲリオンの影響があるのではないかと考えています。
2つの作品を比べることでさらに深く考察することができる!!
これから紹介していきますが、エヴァンゲリオンの裏死海文書と福音書は設定の構造的に一致しているところが多くあり、エヴァンゲリオンにおける裏死海文書の役割について考えることで、リゼロの福音書についてより深く考える事ができると思います。
一致点
福音書と裏死海文書の一致点ですが、まず初めに、かつてなんらかの勢力が地球上に存在していて、その痕跡としての異物が現代の何らかの勢力の道標となっているという点が福音書と裏死海文書の一致点として挙げられます。かつて存在した強大な力を有する何か(エヴァではリリス、リゼロではエキドナ)というような人間よりも力を持っていた何かの存在をバックに物語を進行させることで、過去の時間軸にも設定を張り巡らせることができ、物語に深みを持たせることができるのです。
裏死海文書の設定
それではエヴァの裏死海文書の目的は何なのでしょうか?エヴァに登場する裏死海文書は人類の祖であるリリスが、敵対する生命体アダムに生存競争で打ち勝つため、人類に自らの復活をさせる為の道標が書かれている書のことです。
表現技法としての裏死海文書
作中では裏死海文書についての情報は極端に少なく、いまだに多くの議論を読んでいる設定ですが、このように極度に設定を明かさないことによって、物語に深みを持たせるという手法もリゼロがエヴァから学び取ったものであると言えるでしょう。
そこから見えてくるエキドナの目的
このようなことから、エキドナの目的もエヴァのリリスと対して変わらないと仮定する事ができるのではないでしょうか?リリスが自身の復活を人類に指示しているのが裏死海文書ならば、エキドナも自身が復活するための道標をロズワールたちに示し、リリスがアダムと対抗するように、エキドナがサテラに再び対抗する為の手段であるのが福音書なのではないでしょうか?
そんな事って本当にあるの?
2つの作品に登場する設定が全く同じもので、そこから片方の物語の設定を推測することができるのか?ということを思った方も多いかもしれません。しかし、作品というのはゼロから生まれる事は全くなく、必ず何かしらの作品の影響受けて生まれてきます。つまり1つの作品について細かく考えるためには、その作品がどのような作品から影響受けているのかということも考えてみる必要があるのです。
予想されるラスト
これらのことから、リゼロのラストはエキドナが何らかの形でロズワールによって復活し、サテラと対峙するというものになるのではないでしょうか?
その際のスバルの立ち位置
スバルは嫉妬の魔女によってこの世界にもたらされているので、スバルの存在は何らかの形でサテラに有利になるように仕組まれているはずです。もし、そのような状況になったときにスバルはどのような対応をするのか?というのが物語の肝になってくると思います。
基本構造はエヴァと同じ
このように、リゼロはエヴァンゲリオンと一致する要素が多く基本構造は一緒であると推測できます。福音書以外にも数々の要素で一致点がないか検証してみる必要があると思います。
そう考えると一気にわかりやすくなる!!
このように福音書のような複雑な設定でも、どの作品の設定が元になっているのか推測することで、ある程度わかりやすく解釈することができます。この方法は他のアニメーションでも、もちろん応用できるので、ぜひ試してみてくださいね。
リゼロのテーマの歴史は深い!!
実はこのように、過去の勢力が残した異物をめぐる攻防という物語進行は、エヴァンゲリオンから始まったものではなく、エヴァンゲリオンは宮崎駿作品の天空の城ラピュタから影響を受けており、天空の城ラピュタは宮崎駿が過去に読んだイギリス文学にまで遡ることができます。細かい根拠等についてはこの場では語りませんが、このようにあらゆる作品で語られるテーマは必ず何かしらの影響受けているのです。
まとめ
いかがでしたか?今回はリゼロの最大の難解な設定であるとも言える福音書について様々な角度から考察していきました。正直まだ何も設定が明かされていない書物ですので、この考察が絶対に正しいという根拠は無いのですが、作品を考察する上で重要な影響を受けたであろうと仮定した作品と比べてみるというやり方は今回だけでなく、様々な作品の考察に用いられる方法ですので、これを機にぜひ実践してみて下さいね。