2020年10月からアニメが放送予定の無能なナナは、能力者と呼ばれる少年少女と人類を脅かす“人類の敵”との戦いを描いた青春異能バトル漫画に見える作品です。しかし、第一話のラストが急転直下の展開で、崖から突き落とされるような展開が訪れ、実は知略サスペンスだったことが明らかになります。そんな『無能なナナ』のあらすじをネタバレしていきたいと思います！
目次
あらすじ① 人類の敵と戦う能力者たちと孤島の学校
今から昔、世界に“人類の敵”と呼ばれる存在が姿を現し、それは社会秩序を崩壊させるほどの存在でした。人類は“人類の敵”に対抗するため、能力者と呼ばれる不思議な能力を持った少年少女たちを集め、絶海の孤島の学校で戦うための訓練を行っていました。そんな学校に招集された少年『中島ナナオ』は無能と罵られ、クラスに溶け込めずにいました。そんな中、学校に二人の転校生がやってきます。それは明るく元気だけどちょっと空気の読めない女の子『柊ナナ』と謎に包まれた男子生徒『小野寺キョウヤ』でした。
無能な少年ナナオ
ナナオは能力者でありながら自分の能力を明かさず、クラスの中でも目立たない存在でした。ナナオは良家の息子でしたが、家族からも無能と扱われていました。でもナナオは畏敬の念を抱きつつも尊敬する父親の『トップをとってリーダーになれ』という言葉に縛られていました。しかし、転校生の柊ナナとの出会いが彼にとって大きな転機となります。心が読める能力を持ち、明るく人見知りしない彼女に背中を押される形でクラス委員に推薦されたことで、ナナオは二人の能力者『飯島モグオ』と『郡セイヤ』の二人と戦うことになります。
ナナオの能力
一度はクラス委員を辞退しようとしたナナオでしたが、モグオの攻撃の余波でナナに被害が及びそうになったとき、ナナオはナナを庇うように立ちはだかります。ナナオの能力は『能力の無効化』。能力者が相手でなければ意味のない能力がナナオのコンプレックスでしたが、能力をカミングアウトしたことからクラスの皆と打ち解けることができました。そして、この行動がナナオの運命を大きく変えることになります。
急転直下
その日、ナナオはナナに崖から突き落とされます。“人類の敵”の正体は能力者そのものだったのです。強大な力を持った能力者たちは無能力者たちにとって秩序を乱す脅威でしかなく、過去には能力者たちが反乱を起こし世界が崩壊しかけたのです。ナナは学校を総括する『委員会』より派遣され、能力者たちを抹殺するべく送り込まれた無能力者の暗殺者だったのです。
主人公は柊ナナ
この物語は無能な能力者、中島ナナオの物語ではなく、無能力者の柊ナナが知略と度胸を武器に能力者たちを殺害していく知略サスペンスだったのです。ナナオが『能力の無効化』という能力を見せたことで殺害に関して能力的な障害がないこと。それが彼の運命を変えてしまったのです。
あらすじ② 柊ナナ暗躍する
ナナは委員会から、今後能力者たちが成長した場合、どの程度無能力者を殺すかを算出した『推定殺害人数』を指標に殺人のターゲットを選んでいました。最も『推定殺害人数』の多いナナオを葬ったあと、ターゲットに選んだのは『時間遡行』の能力を持つクラスメイトの渋沢ヨウヘイでした。能力的にチートも甚だしい彼の推定殺害人数はナナオに次ぐ80万人でした。
さよなら渋沢くん
ナナはその性格から怪しまれずにヨウヘイに近づき、自慢の分析力でその能力の仕様を明らかにしていきます。自分が殺されるなんてことを欠片も思っていないヨウヘイは、時間遡行の代償として遡る時間が長ければ長いほど急激に疲労してしまうという弱点を晒してしまいます。ナナはある場所でナナオが人類の敵に襲われたと嘘をつき、ヨウヘイに時間遡行をさせますが、時間遡行した場所は現時点で郡セイヤが凍らせた池の上でした。当然数日前の池は凍っておらず、ヨウヘイはそのまま溺死。二人目の能力者を葬ることに成功します。
あらすじ③ 最大の敵、小野寺キョウヤ
順調に二人の能力者を葬ったナナでしたが、そんなナナに最大の脅威となる人物がいました。それは転校生の小野寺キョウヤでした。キョウヤはナナに匹敵するほどの洞察力を持ち、この学園の体制自体に疑問を持つほど鋭い人物でした。ナナはキョウヤを最大の危険分子だと認め、次のターゲットにします。ナナがキョウヤの部屋に遊びに行ったとき、生鮮食品に消費期限がタグ付けされていたこと。乱雑した部屋で水回りだけは綺麗にしてあったことから嗅覚が無いことを見抜きます。
さよなら小野寺くん？
キョウヤは学外の小屋で野良猫の世話をしていました。ナナはそれを利用し、小屋にガスを充満させ、キョウヤがガスコンロに火を点けた瞬間爆発するトラップを張っていました。嗅覚のないキョウヤはガスの匂いに気が付かない。計画は成功し、小屋は爆発しキョウヤは火だるまになって小屋から飛び出してきます。しかし、キョウヤは死にませんでした。キョウヤは『不老不死』の能力者だったのです。キョウヤは真っ先に駆け付けたナナに疑惑の目を向け、ナナにとってキョウヤは自分と匹敵する頭脳を持ちながら、殺すことができない最大の脅威となります。
あらすじ④ VS未来予知の能力者
ナナはクラスでいじめられていた女の子、『ヒーリング』の能力を持つ犬飼ミチルと（形だけ）仲良くなり、ミチルを利用し自分で自分に傷を負わせることにより、キョウヤの疑惑の目を反らそうとします。しかし、ナナがナナオを殺害した犯人であると疑っているのはキョウヤだけではありませんでした。『未来予知』の能力を持つ葉多平ツネキチも予知能力でナナが犯人だと気が付いていました。
さよなら葉多平くん
ツネキチはナナの弱みを握りエロいことをさせようとします。ツネキチの能力は自分が寝ている間に未来のシーンをインスタントカメラで撮影し出力するというもので、その結果はどうあがいても変わらないという特性がありました。ナナはあらかじめ自分が殺される写真を撮影し、その写真をすり替えることによってツネキチに自分が死ぬ運命は変わらないと誤解させてツネキチを出し抜き、毒針でツネキチを殺害します。
あらすじ⑤ VSネクロマンサーの能力者
数々の疑惑を残しつつも、ツネキチは病死ということになり彼の葬式が開かれます。しかし、キョウヤがツネキチを検死すると言い出します。死因を知られたくないナナに動揺が走る中、突如ツネキチが起き上がります。それは死体を操る『ネクロマンサー』の能力を持つ風間シンジの能力でした。ネクロマンサーの能力は死体が覚えてさえいれば、その記憶を引き出すことができる能力です。ナナは早急にシンジの口をふさぐ必要に迫られ、シンジの死体を発見し騒ぎ出すであろう恋人で『怪力』の能力者である佐々木ユウカも殺害しなければならなくなります。
さよなら佐々木さん、あと風間くん
シンジを毒針で殺害した後、ユウカの部屋に侵入したナナでしたが犯行の寸前に凄まじい怪力の持ち主に止められます。止めたのは殺したはずのシンジでした。本当のネクロマンサーはユウカの方だったのです。ユウカは大量の死体をゾンビに変えてナナを襲撃するも、日光があると能力を使えないこと、ゾンビを動かすには生前の遺品が必要なこと、そしてシンジとユウカは恋人同士でも何でもなく、ユウカがシンジのストーカーで、シンジを殺害したのもユウカだったことも見抜かれて断罪されてしまいます。
あらすじ⑥ 5年前の生き残り、橘 ジン
ユウカの殺害後、ナナはキョウヤの疑惑を交わすために羽生キララを殺害。その後、ユウカとシンジの死を報告し、毒物を使った時間差トリックにより高梨カオリを殺害。しかし、それでもキョウヤはナナに疑惑の目を向けます。その場では何とかキョウヤを出し抜くことに成功しますが、キョウヤはさらにナナへの警戒を強めることになります。しかし、その夜、お人好しでナナが犯人であることを全く疑っていなかったミチルにカッターの刃を突きつけられます。ミチルは全てを知っているかのようでした。
その男、橘ジン
翌日、ミチルに呼び出されたナナでしたが、そのミチルが偽物で『変身能力』を持つ能力者だということに気が付いていました。その人物は橘ジン。ナナ達の先輩にあたる唯一の生き残りでした。5年前、ジンたちのクラスでは一人の能力者がクラスメイトに殺害されたことをきっかけに、能力者同士の戦争、殺し合いの学園生活が始まってしまいました。ジンはその凄惨な殺し合いの生き残りでしたが、その背後には何らかの目的があると疑念を抱いていました。ジンはナナの犯行を知っており、ナナに取引を持ち掛けます。
あらすじ⑦ ナナが暗殺者になった理由
ナナは何とかその場を乗り切ろうとしますが、ジンは生存している能力者全てに変身できたため逃げられませんでした。しかし、ジンの目的は対話でした。ジンはナナを通して、ナナの背後にいる組織の情報が欲しかったからです。ジンはナナと信頼関係を築くために、ナナの家族のことを訊ねます。ナナの家族は、ナナが幼い頃に能力者に殺害されていました。
ナナの過去
ナナが目を覚ますと、ミチルの部屋にいました。ミチルは部屋の外で倒れているナナを見つけ看病していました。献身的なミチルを相手にナナは思わず自分の過去を話してしまいます。ナナは幼い頃に両親が強盗によって殺害されたこと、そしてその間接的な原因を作ったのは自分であったといいます。後片付けが出来ない当時のナナは部屋を散らかしっぱなし、窓を開けっぱなしのだらしない子供でした。そんなナナは週刊誌の続きが読みたくて夜中に家を抜け出しコンビニに行き、その際に窓は開けっぱなしにしてしまった事で犯人はそこから侵入して犯行に及んだとの話でした。
さよなら石井くん
その後、再び事件が起こります。クラスメイトの石井リュウジでした。しかし、今回はナナの犯行ではありません。それは別の殺人者が他にいるという事であり、同時期に島の野生動物たちが惨殺されるという事件も起こっていました。
あらすじ⑧ ミチルとナナ
ナナの過去を聞いたミチルはナナを気遣うような行動をとりますが、その様子には違和感がありました。ナナは自分が犯行に使った毒の小瓶が無くなっていることに気付き、ミチルが自分の犯行に気が付いたのだと推測します。ミチルの部屋に忍び込んだナナでしたが、ミチルの日記には信頼に満ち溢れていました。毒の小瓶を持っていたのはジンであり、その場に現れたジンはミチルが風呂場で倒れていることをナナに伝えてその場を後にします。
本当の友達
ナナは倒れたミチルを介抱し、回復したミチルにどうしてそこまで他人に優しいのか尋ねます。ミチルは以前の学校で能力を使って男子の傷を治したことで他の女子に疎まれることになってしまいました。そこで助けてくれたのが不良生徒の細川ヒトミでした。元々学校に来ていなかった彼女でしたが、ミチルを守るために学校に来るようになります。しかし、彼女は末期の癌でミチルを助けるために無理して登校していました。ヒトミはその後亡くなり、ミチルはそんなヒトミの影響から誰でも助けてしまうような優しさを持っていたのです。
まさかの真実
そんなミチルはナナの過去の話を聞いて、あることに気が付きます。ナナが朝、目を覚ましたとき部屋は片付いていました。それはナナが寝ている間に両親が部屋を片付け、それと同時に戸締りをしていた可能性が高いこと。ナナは両親が死んだ原因が自分にあると周囲から責め続けられたことで復讐者となりましたが、その前提が間違っていた可能性が出てきてしまったのです。それからナナはミチルを本当の親友と思うようになります。
あらすじ⑨ 犬飼ミチルの死
石井リュウジ殺しの事件にも進展があり、キョウヤは当初より疑いをかけていたクラスメイトのリュウジの恋人であった空野フウコの部屋から血の付いたジャージを見つけます。しかし、その日の夜ミチルが誰かに呼び出されたことをジンから教えられます。胸騒ぎがしたナナはキョウヤに助けを求め、ミチルの元に向かいます。ミチルは姿なき殺人者にターゲットとして追われていました。間一髪で間にあったナナは身を挺してミチルを助けます。
さよなら犬飼さん
リュウジ殺しの犯人、そして現在進行形でミチルを襲撃した犯人は『幽体離脱』の能力者、鶴見川レンタロウでした。ナナはレンタロウを追わせないために時間を稼ぎ、キョウヤがレンタロウの本体を押さえたことでレンタロウの幽体は消えたものの、致命傷を負ったナナの意識は遠のいていきます。しかし、戻っていたミチルが自分の命を犠牲にしてナナを蘇生させ、その代わりにミチルは死んでしまいます。
【無能なナナ】ネタバレあらすじまとめ
青春異能バトルだと思ってたら全然違った！本当は無能力者が頭脳を駆使して能力者たちを葬り去る知略バトルサスペンスだった無能なナナですが、物語が進むにつれ非情な復讐者だった主人公が変わっていき、その背後にある存在も明らかになっていきます。巧みな伏線が張られており、色んな予想ができて楽しい作品だと思います。そんな『無能なナナ』は10月から放送開始予定となっています！
