中間管理録トネガワは、福本伸行作品のカイジシリーズに登場するキャラクター『利根川幸雄』を主人公としたスピンオフ作品です。カイジ本編の緊張感で張り詰めた内容ではなく、超絶ブラック企業『帝愛グループ』NO2の実力者でありながら、日々、会長の災害的パワハラと部下の暴走に悩まされながらも奮闘する中間管理職コメディです。そんなトネガワの作品の魅力をお伝えしていこうと思います!
目次
作品の魅力① 人気作品カイジのスピンオフにして悪魔的にベクトルが違う……!
カイジシリーズが生死を懸けた命懸けのギャンブルをテーマにした作品であり、その壮大過ぎる心理描写が特徴的な作品です。緊張感のある作品であり、利根川も主人公カイジの宿敵として立ちはだかりました。しかし、トネガワはそんな作品の雰囲気を圧倒的にぶち壊した作品……!登場人物や世界観を壊し、無駄遣いするかのような冒涜……!何でもあり…!こんな事していいのか……!?こんなギャグにしていいのか……!?ありすぎ…!ギャップ…!
中間管理録トネガワはギャグアニメ
そんなキャラのイメージを壊すギャグアニメですが、カイジや他の福本作品特有の描写も見られます。カイジでは命を懸けた心理戦で顔がぐにゃぐにゃになったりします。そしてトネガワでもそういう描写は存在します。しかし、カイジの内容からすればあまりにもくだらなくちょっとした内容であることが殆ど。そんなくだらないことでぐにゃあを使うなんて圧倒的無駄遣い……!狂気の沙汰……!だからこそ面白い……!狂気の沙汰程面白い……!
キャラクターは崩壊気味……!
トネガワにおけるキャラクターは元作品のカイジと比較して崩壊気味です。会長は絶対知らないであろう『前髪切りすぎた』やBOAの『Valenti』の歌詞を知っていたりとやりたい放題。しかし、最近の福本作品では普通にキャラ崩壊が起こっているので、何もスピンオフに限った話ではなく実は平常運転なのかもしれません。トネガワでの兵藤会長は気の抜けたおじいちゃん扱いですが、実はキャラ崩壊ではなく本当にそういう人物である可能性もあります。
作品の魅力② よき上司……!トネガワの奮闘!
帝愛グループはブラック企業ですが、中間管理職の利根川は部下に気を配り、的確なマネジメントを行うよき上司です。本編では残酷なイメージしかなかったのに、この作品では情に厚く面倒見の良い理想の上司です。多重債務者のクズども相手には命を散らそうが何とも思わない悪党ですが、身内には甘いそんなトネガワ先生の上司と部下の間で奮闘する姿は一つの作品のテーマとしてきちんと成り立っています。
個性的な黒服……!
福本作品によく登場する黒服ですが、基本的にスーツにサングラスで殆ど見分けが尽きません。しかし、いかに黒服と言えど一人の人間であり、それぞれに特徴があるのは当たり前と言えば当たり前ですが、黒服たちが個性的なのは壮絶な違和感……!黒服が個性的であっていいのか……!?まさに原作に真っ向から対立する姿勢には笑わずにはいられないでしょう。
作品の魅力③ トネガワ特有のメタ時空!みんなが思ってはいたこと……!
最近では金田一の犯人やコナンの犯人が主人公が作品の矛盾を突きまくる作品が出てきましたが、トネガワでもその要素があり、カイジ本編では語られていないものの『恐らくはこうなんだろう』ということを徹底的にイジっています。例えば、中間管理職の利根川は部下の名前を覚えなければいけないが、黒服たちの無個性で困難を極めることや、将来焼き土下座マシーンは傍から見れば用途が謎であることなど。
帝愛の滅亡!?
そのイジりっぷりの最たるものがグレーゾーン金利撤廃。帝愛は法外な利子を取り立てるブラック企業でしたが、この法律によって大量の過払い金を生み出し崩壊……!というのは利根川の悪夢でしたが、現実には撤廃されています。最近では過払い金という言葉もよく聞くようになり、帝愛の元ネタとされる企業もこれによって崩壊したと言われています。
作品の魅力④ オープニング『颯爽と走るトネガワ君』……!圧倒的名曲
利根川幸雄は理想の上司として描かれていますが、本来は多重債務者のクズどもに何の容赦も与えず、例え死んだとしても意に介さない悪党……!つまり、ひとえにゲスの極み……!そんなゲスの極みトネガワ君が主人公のアニメの主題歌はゲスの極み乙女の『颯爽と走るトネガワ君』やけに耳に残る名曲です。
制裁を受けるトネガワ君
利根川はカイジ本編にて、圧倒的優位に立ちながらカイジの捨て身の策略に嵌ってしまい敗北。それによって兵藤会長の怒りを買い、焼き土下座という苛烈な制裁を受け失脚してしまいます。ゲスの極み乙女もベッキーと色々あって社会的制裁を受けてしまいました。制裁を受けたゲス繫がりで抜擢されたのかもしれません。
作品の魅力⑤ 何だかんだで繋がる物語……!
中間管理録トネガワはカイジの過去にあたる作品で、その中には本編に繋がる色々なものが登場します。悪魔的ゲーム、限定ジャンケンの企画。その裏ではどのように企画されたのかがコミカルに語られます。その他、焼き土下座プレート、人間競馬、電流鉄骨渡り、沼など原作のカイジを知ってる人なら馴染みのあるアイテムや用語が登場し、それらがギャグたっぷりの内容で絡んでくるので原作ファンなら思わず笑ってしまう事でしょう。
同作者のセルフパロディもちらほら…
トネガワにはセルフパロディが多くカイジそっくりのクズが登場したり、同じ福本作品で馴染みのある人名が使われていたりもします。中でも社内で麻雀が流行ったときのまさやんの風貌はさながら伝説の雀士でした。あと、帝愛の元ネタのパロディも存在します。帝愛のCMはレオタードの女性が踊って、髪をファサッとさせるやつです。これは危ない。危険……!
中間管理録トネガワ作品の魅力まとめ
カイジシリーズのスピンオフ作品にして、原作をおもちゃにしたある意味型破りなギャグアニメであるトネガワは原作を知っている人なら間違いなく楽しめる作品です。カイジを知らなくても当然楽しめる作品ですし、何ならトネガワを見た後にカイジを見てみるとあまりのギャップに引くかもしれませんね!