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となりの妖怪さん

【となりの妖怪さん】現実とフィクションのバランスの取れた世界観!本作のどこか不思議で、どこかあたりまえな世界観の面白さを紹介!!

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今年2024年にアニメ化が決定した本作『となりの妖怪さん』ですが、本作の最大の魅力と言えば、やはり、人間と妖怪たちの関わり合いによって進む物語と、様々な妖怪が登場することで、深みを帯びる本作ならではの世界観であると言えるでしょう。 特に本作の世界観は、原作の時点で高い評価を得ており、他の作品とは異なった味わい深いものであるといえます。それ故に本作がアニメ化されるにあたって再現されているのかどうか最も注目を集めているのが世界観であると言えるのです。原作を楽しんでいない方からしてみれば、不思議に思うかもしれませんが、それほど本作の世界観は唯一無二のものであり、本作において重要なものとなっています。今回はそんな本作の最大の要素である世界観について、原作を読んでいないというアニメファンの方に向けて紹介をしていきたいと思います。本作の世界観がなぜ魅力なのか?という点を本作の様々な描写を深掘りしながら紹介していきますので、 ぜひとも、本作の世界観に興味があるという方はチェックしてみてくださいね。

どこか不思議な世界観

本作の世界観は どこの地域にもありそうな当たり前の日常に、妖怪達という不思議な存在が共存しているものとなっています。 本作は、妖怪という現実では存在しない特異な存在を描いておきながらも、彼らが日常の中に当たり前のように溶け込んでいる世界として描かれており、妖怪が存在するというたったひとつの嘘を除いて、ほとんどが読者にとって受け入れやすいような当たり前の描写で構成されているのです。

描いているのは日常だけど、、

そのため、本作で描かれているストーリーは、基本的に日常生活で起こり得る当たり前な出来事ばかりとなっています。妖怪が出てくることとなり、妖怪同士の戦闘描写や、妖怪ならではの葛藤を描いているのですが、案外、妖怪達は人間に近い存在で、彼らの悩みは我々人間でも悩むことがあるようなものとなっています。そのため、妖怪として描かれていますが、姿形が違う人間としても捉えることができるようになっているのです。

「あたりまえ」の中にいる妖怪たち

このように本作に登場する妖怪達は、親しみやすく共感しやすいキャラクターとなっています。あくまでも妖怪達は、我々が普段住んでいる当たり前な日常生活の中で共存している存在であり、彼らがいるからといって、日常生活が大きく変わる事は無いのです。この辺は同じようなテーマ性の『ポケットモンスター』や『妖怪ウォッチ』とは大きく違う点ですよね。

絶妙なバランス

このように本作は、フィクションとノンフィクションの描写が、非常にバランスよく共存している作品となっており、普段私たちが生活している日常の中に潜んでいる妖怪たちを眺めるという摩訶不思議な経験をできるものとなっています。この絶妙なバランス感覚こそが、本作の世界観の最大の魅力であり、アニメ版でも注目すべき要素であると言えるでしょう。

細かい疑問を解消してくれる設定

本作では、現実世界ではありえないような存在や設定が登場する事もあるのですが、その一方で、それらの設定に対して細かく作者が考え尽くしていることがわかるシーンが数多くあります。非常に設定の作り込みが細く、ちょっとしたシーンでも深く考えてみると、面白く感じられることが多々ありますので、ぜひとも、このような細かい設定にも注目をしてみてください。

ぶちおの手続き地獄からわかる設定の細かさ

例えば、筆者が面白かったシーンは普通の猫から妖怪になったぶちおが、妖怪になった途端、様々な手続きをしないといけなくなってしまったシーンです。ただ妖怪になって終わりではなく、妖怪として自我が目覚めた存在が生まれた瞬間、国の手続きが必要となるというのが、意外と細かいシーンですがリアリティーがあって面白かったのを覚えています。

法学部の筆者も納得の描写

筆者は法学部生として法律の勉強をしていたのですが、基本的に法律上の解釈では、自分の意思を持っていて、それを表示できる存在でないと契約などを交わせないようになっているのです。そのため、認知症の方などは自分で契約を結ぶことができないのですが、同じように、妖怪以外の生き物というのは、まさにその状態ではあるといえます。だからこそ、彼らには法律上の手続きに関する規定は存在しないのですが、 妖怪になれば人の言葉が話せますし、明確に自分の意思を表示することが可能となります。そのため、自分の意思表示をすることで人間と契約を交わすことができるわけです。

深く設定を考えていることがわかるシーン

このような状態になったら、もう人間と同じように身分証などを発行する必要が出てきますよね。このように、妖怪になるという事は意思表示ができることでもあるのです。このようなロジックは法学部であればなんとなく思いつきますが、普段法律に触れていない漫画家などがこの設定を思いついたとすると、相当本作の世界観について事前に深く考えていなければ浮かばないでしょう。

「よく見ると面白い」が多い

今回はぶちおの手続きのシーンから本作の設定の深さを紹介しましたが、このようによく見てみると面白いなと思えるシーンが数多くある作品となっています。文学を勉強されている方からしてみれば、文学的に面白いシーンが、美術学を勉強されてる方からしてみれば、美術学的に面白いシーンがあるような作品となっていますので、ぜひとも自らの得意分野で深く考えながら本作を楽しんでみてくださいね。

重たい内容も

このように日常をテーマとして描いている本作ですが、日常描写をメインに描いている中でも、たまに深刻なテーマを描いたストーリーも数多く描かれています。日常系作品というと、平凡な描写が繰り返されますので、飽きやすい傾向にあるのですが、本作では時折深刻なテーマを主題にしたストーリーを描くことで、読者の飽きを防いでいるのです。

家族のあり方を問う

特に数多くある深刻なテーマを描いたエピソードの中でも、非常に量が多いのが家族のあり方を問うテーマです。本作では父親が突如として消えてしまった女の子が描かれていたり、かつて自らが生まれ育った場所に複雑な感情を抱いている妖怪が登場したり、大切な家族に恩返しをしたいと思い続けている妖怪が登場したりと、家族に対する特別な思いを持っている登場キャラクターが多く登場するからです。

日常の中にある問題

家族に対する様々な疑問や不満は日常生活の中で生まれるテーマであると言えるでしょう。本作は平凡な日常を描く日常系作品だからこそ、家族のあり方を問うテーマを描きやすいのです。

共感しやすいテーマ

妖怪たちが登場する不思議な世界観ではありますが、本作の中で描かれる深刻なテーマは、私たちでも共感のできるような内容となっていますので、ぜひともこの辺のテーマにも注目をしてみてください。

普段は日常ものだからこその説得力

このように本作は日常ものとしても、そして家族のテーマを問う家族ものとしても、非常にバランスのとれた作品となっています。普段は日常ものだからこその説得力を大いに生かした作品となっていますので、ぜひとも、この辺のメリハリの利いたストーリー展開にも注目してみてくださいね。

妖怪ものとしての奥深さ

また、 本作の世界観の魅力は、日常ものとして、家族ものとしての魅力だけではありません。本作に登場する数多くの妖怪達に注目をした妖怪ものとしての奥深さもあるのです。ここからは本作にて描かれている妖怪たちの設定の深さと、それらが本作の世界観に与えている影響を紹介していきたいと思います。

神と妖怪を分ける設定の深さ

特に注目したいのが、本作では神様と妖怪という2つの属性の不思議な存在が描かれていることです。日本の古来からの考えでは、日常生活の中で信仰対象となる八百万の神と、その他の妖という2つの存在があります。これらは同一のものとしても考えられることもあるし、状況によって全く別のものとしても捉えられているのですが、このような日本人の思想の複雑な感性をも見事に反映しているのです。

呪術思想にのっとった妖怪という設定

また、本作に登場する妖怪達の設定も興味深いです。本作では妖怪達というのは何か特別な意味がないと存在できないものと説明されています。実はこの妖怪の設定は日本に古来からある呪術思想に則ったものなのです。基本的に日本の呪術思想では、あくまでも人間が主体として存在し、それらの人間の強い願いややましい心などが反映されて、妖などを生み出していると考えられていました。

古来からの人間の主観的な妖怪論

言ってしまえば、思い込みが具現化するという考え方なのですが、まさに妖怪達に意味が必要だと言うのも、人間がその妖怪に意味を与えないと実在することができないという、古来からの人間の主観的な妖怪論を採用しているからであると言えるでしょう。

マイナーな妖怪や都市伝説が出てきて面白い

それに、本作では数多くの魅力的な妖怪や都市伝説が描かれることとなります。妖怪に関してはほとんどが実際に日本の伝承で登場するもので、この作品を楽しめば、結構勉強になると言えるでしょう。また、「きさらぎ駅」のような一部のネット上での都市伝説なども登場したりと、結構マニアックなところにも触れているので、非常に楽しみがいがあると思います。

日本文化に詳しいと更に面白い

様々な妖怪達の設定などを見てみるに、日本文化好きからすると結構面白い設定などが多く隠されていることがわかります。日本ならではの神様に対する考え方や妖怪に対する考え方などを深く知っておくことで、さらに本作の世界観をより深く楽しむことができるようになっていますので、ぜひとも、日本文化の観点からも本作を楽しんでみてください。

コアなオタクもフランクに楽しみたい人も楽しめる作品

本作は、あくまで平凡な日常描写をメインで描きながらも、それらの描写の中に細かい設定が隠されており、深く考えてみるとより味わい深い世界を楽しむことができる作品となっています。コアなオタクもフランクに楽しみたいという人にもオススメの作品となっていますので、ぜひとも様々な角度から本作を楽しんでみてくださいね。

法律オタクも、日本文化オタクも楽しめる

筆者自身は法律という観点から本作の設定を大いに楽しむ事ができましたし、記事の後半で紹介したように、日本文化に詳しい人も本作の妖怪という設定を深く楽しむことができると思います。このような幅広いジャンルで多くの人を楽しませることができる作品というのは非常に少ないですので、ぜひともチェックをしておきたいですよね。

フランクに楽しみたい人も楽しめる内容

基本的に漫画作品というのは、フランクに楽しみたい人が絶対に必要なものとなっています。コアに楽しむ人は絶対数でいえば圧倒的に少なく、本作にお金を落としてくれる多くの人がフランクに楽しむ人たちだからです。そのように考えると、本作はまず大前提としてフランクに楽しめる作品であるということが重要で、その上でコアに楽しみたい人も楽しめるというのが本作の魅力なのです。

ちょっとした日常、ちょっとした感動

本作の物語は、その圧倒的な没入感から作品に引き込まれ、これまで体験したことのないような感動を味わうというタイプではありません。あくまでも当たり前の日常を描きながら、どこかで私たちが経験したことのある小さな心の揺さぶりを思い起こしてくれるような作品となっているのです。ちょっとした日常とちょっとした感動を届けてくれるという、薄味ながらもを何度も味わいたくなる、そのような味わい深さが特徴の作品であると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は本作『となりの妖怪さん』にて描かれることとなる独特な世界観と、その世界観の魅力について簡単に紹介してきました。記事内で紹介したように、本作は薄味の物語となっていますが、その中でも何度も何度も読み返していくうちに、新たな気づきがあるような設定の深さがありますし、日常を取り扱っているからこそ私たちの生活の中にある不満や悩みに解決の糸口を提供してくれるようなテーマ性を含んだ作品となっています。アニメ版でも、このような本作の魅力的な世界観が存分に描かれることとなると思いますので、是非とも本作をコアな目線から楽しみたいという方も、そうで無い方も気軽に本作を楽しんでみてくださいね。本作は「とりあえず、楽しんでみる」という姿勢で観ても十分に面白い作品となっていますので、是非とも試聴だけでもしてみてください。

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  • この記事を書いた人

nissy

どうも、アニメや歴史、都市伝説系の記事を書かせていただいてます。ニッシーです。YouTubeのシナリオライターとかもやっているのでよかったらそちらの方も見てください。

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