中学生の西方が隣の席にいる高木さんにからかわれるという日常を垣間見る本作『からかい上手の高木さん』ですが、その本作に『からかい上手の元高木さん』というスピンオフ作品が存在するのはご存知でしょうか?西方と高木さんのその後を描いた作品ですので、登場人物や話の流れなどはほとんど同じです。さらに、本作はその後といっても二人が結婚した後の話を描いている作品なのですね。ラブコメ作品に登場するキャラクターが結婚した後のストーリーを描く作品というのは非常に珍しいのではないでしょうか?それほど、本作のキャラクター人気が高いということですね。しかし、そんな大人気のスピンオフ作品である本作ですが、実はかなり賛否が分かれているんですね。ここまで人気の作品のスピンオフなのになぜ賛否が分かれているのか考察していきたいと思います!
『からかい上手の元高木さん』とは?
『からかい上手の元高木さん』は西方と高木さんが結婚した後を描いた物語です。西方や高木だけでなく、『からかい上手の高木さん』に登場したキャラクターのその後が多く描かれている作品で、『からかい上手の高木さん』を楽しんだファンの多くが同じように楽しめる作品となっています。
西方と元高木さんの子供!?
さらに本作では、新キャラクターとして西方と高木さんの子供も登場しており、本来の西方と高木さんという組み合わせにさらに子供という要素が加わり賑やかな展開が多くなったといえます。
相変わらずの高木さん
このように本作には西方と高木さんの子供など新しいキャラクターや要素も追加されていますが、本作では高木さん(この作品では西方さんですが)と西方の絡みも変わらず描かれており、元となった『からかい上手の高木さん』と同じように二人の微笑ましい絡みを楽しむことができます。
反対意見を考察する
しかし、本作には一部のファンからは否定的な意見も見られます。彼らはいったいどのような点が不満なのでしょうか?ここからは『からかい上手の元高木さん』に対して否定的な意見を取り上げながら、本作の本当の楽しみ方と元となった『からかい上手の高木さん』の魅力についても考察していきたいと思います。
中学生の青春もののを面白さを潰してしまっている
まず『からかい上手の高木さん』の最大の魅力なのですが、本作の魅力というのは間違いなく「中学生活の中でのちょっとした青春」をうまく表現している点でしょう。高校などを舞台にした作品と異なり、中学生活の中でふとした時に意識する異性への憧れや、気になる人への見栄などが表現されているのが、他の作品にはない面白いところであるといえます。
作品の内容解釈がズレる
しかし、本作『からかい上手の元高木さん』が登場することによってそのような『からかい上手の高木さん』の面白さを潰してしまっているという意見があるのです。この内容解釈がズレるというのはどういうことなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
作品の内容解釈がズレるとはどういうことなのか?
さて、『からかい上手の高木さん』の内容解釈がズレるとはどういうことなのかここでは詳しく見ていきたいと思います。
高木さんの意味深なセリフ
まず『からかい上手の高木さん』の最大の魅力といえば、高木さんが意味深げな言葉を西方にかけて困惑させるという演出があります。「好きだよ」と発言して西片をドキッとさせた後「クレーンゲームがね」と後から添えたりと、その発言が西方に対する好意なのかそれとも本当にクレーンゲームが好きなだけなのかわからないことで読者も西方と一緒にドキドキすることができるようになっているのです。
中学男子のあるあるを活かした作品
この何気ない異性の言葉や茶化しが気になってしまい、その後その相手のことが好きなってしまうという経験は男性、女性に限らず多いのではないでしょうか?このような中学生あるあるの、皆誰もがかつて経験した記憶を思い出させてくれるというのが本作の最大の強みなんですね。
不確定だからどこか懐かして面白い
このように本作は高木さんの真意が不確定だからこそ面白いとも捉えることができます。本当に西方に気があるのかもしれない。でももしかしたら、あんまり興味がなくてただからかっているだけかもしれないという不確定さこそがこの作品を面白さを引き立てているのですね。
急に俯瞰的になってしまうシステム
そのような作品において、『からかい上手の元高木さん』のように、明確に結婚をしたという事実が作品として出てきたらどうでしょうか?高木さんがいずれ西方と結婚するということは高木さんが明確に西方に好意があるという答えをバラされてしまったわけですから、『からかい上手の高木さん』での高木さんの真意が不確定だからこそ面白いと感じていた人からしてみれば残念に思ってしまうのも納得がいくのではないでしょうか?
2つの解釈
例えば、『からかい上手の高木さん』の作中で西方が靴箱に入っていたバレンタインチョコを見つけはしゃいでいる際に高木さんが「そのチョコはきっと本命だよ」と漏らしたシーンがあります。このシーンは高木さんがチョコについて言及したことで「そのチョコは高木さんが隠したから、高木さんがチョコが本命かどうかわかるんだ」という解釈と「これも、西片をただからかっているだけだ」という二つの解釈ができることになります。
解釈が固定化される
この二つの解釈ができつからこそ本作は面白いのですが、『からかい上手の元高木さん』によって高木さんが西方に本当に好意があることが明らかになってしまったので、どちらかわからないという解釈が後者しかないという一択になってしまったのです。
解釈がズレるとは?の答え
この、西方と高木さんの結婚という事実が提示されることによって作中のさまざまな高木さんの行動の解釈が固定化されてしまうというのが、「からかい上手の元高木さん」否定派のあげる「本作の解釈がズレる」という意見なのです。
「からかい上手の元高木さん」はどう楽しむべきなのか?
これまで否定的だったファンの意見を取り上げましたが、本当に本作は『からかい上手の高木さん』の面白さを潰してしまっているだけの作品なのでしょうか?ここでは上記で解説した本作の弱点を上回る本作の正しい見方について紹介していきたいと思います。
構図・構成が面白い
まず、本作の最大の魅力は『からかい上手の高木さん』に登場する構図や構成の焼直しが多く見られる点です。昔読んだ『からかい上手の高木さん』の記憶をうまく刺激しながらも、新しいストーリーとして進行していくということができるのは、『からかい上手の高木さん』の後の話として展開している本作のでしかできない表現であるといえます。
『からかい上手の高木さん』をさらに深めて楽しめる
このように『からかい上手の元高木さん』は『からかい上手の高木さん』ありきの作品であるといえます。その先の物語ということで前作の邪魔をされると一部で思うファンもいますが、一方で本作があることによって『からかい上手の高木さん』の内容がさらに深掘りされていて面白いと感じる人も多いのです。
心が置いてけぼりにならない
このように『からかい上手の元高木さん』があることによって、『からかい上手の高木さん』を読んだ後にさらに続けて読む作品として用意されているので心が置いてけぼりにならなくて済むという利点があるといえます。
まとめ
いかがでしたか?今回は『からかい上手の高木さん』のスピンオフ作品である『からかい上手の元高木さん』について紹介してきました。賛否はある作品ですが、ひっくり返せば賛否がわかれるほどのエネルギーを持った作品であるといえます。これからもさらに活発に議論を生んで行ってほしいですね。アニメ『からかい上手の高木さん』3期の放送と合わせて楽しむことでできる作品ですので、これからもチェックを続けていきましょう!