プロ野球とお金の関係をシビアな視点で描いた野球漫画「グラゼニ」。主人公の凡田夏之助は「グラウンドには銭が埋まっている」を合言葉に、日夜奮闘しています。また、1年間の成績が年俸に反映されるプロ野球界、凡田夏之助自身も自分の成績に関しては敏感になっています。今回は「グラゼニ」の中で、凡田夏之助がどのような成績を残してきているのかをまとめていきましょう。凡田夏之助はグラウンドに埋まっている銭を掘り起こすことができているのか？気になるところですね。
目次
１．凡田夏之助の基本情報
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
連載当初、凡田夏之助は神宮スパイダーズの左の中継ぎ投手でした。左投げでサイドスロー気味に投げる独特のフォームを活かして、左打者のワンポイントとしても重宝されています。圧倒的な球威も、切れ味鋭い変化球も持っているわけではありませんが、制球力と組み立てによって、丁寧に打者を抑えていくピッチングを持ち味にしています。また、首脳陣からはロングリリーフからワンポイントまでこなす便利屋のような認識をされており、とりあえずベンチにいてくれると助かるといったような選手でもあります。他球団の1軍選手の年俸に詳しく、自分より年俸の低いバッターに対しては見下して投げることができるため抑えるのですが、自分よりも年俸が高い選手には萎縮してしまい打たれてしまうといった習性があります。
２．凡田夏之助7年目のシーズン
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
連載当初は、凡田夏之助が8年目のシーズンを迎えるところからスタートします。そのため7年目以前のプレーについては描かれていません。しかし、凡田夏之助の選手名鑑が映っているシーンがあり、それから7年目シーズンの成績を見ることができます。
凡田夏之助の7年目のシーズンは、20試合に登板し、防御率が3.38、1勝1敗３S でした。
20試合は中継ぎ投手としては、あまり多い方ではありませんが、防御率3点台やセーブポイントを上げていることから、様々な場面で登板機会を得ていたことがわかりますね。
可もなく不可もなく、プロ野球の投手全体から見ても、ちょうど真ん中ぐらいの成績といえるでしょう。
３．凡田夏之助8年目のシーズン 年俸1800万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
連載当初の凡田夏之助8年目のシーズン。この時には、1軍で左の中継ぎ投手としてそれなりに活躍してはいますが、解説者の徳さんが言っているように、1球1球を100％の力で投げなければプロでは通用しない男という評価を得ています。そのため、短いイニングを全力で投げる中継ぎ投手としてじゃないと活躍できないでしょう。しかし、特徴的な投球フォームを武器に左のワンポイントとしてよく試合に出ているといわれています。
そんな凡田夏之助の8年目のシーズンの成績は31試合に登板し、防御率3.01、4勝4敗2セーブ。20ホールドポイントという成績を残しています。
去年よりもいい成績を残している一方で、飛び抜けた成績とは言い難いでしょう。しかし、31試合で20ホールドポイントを記録しているのは、中継ぎ投手としては及第点といえるでしょう。また、セーブポイントもついていることから、左のワンポイントだけではなく、様々な場面で登板機会を得ていることがわかります。
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
中継ぎ投手としては、これまた真ん中ぐらいという成績になっています。防御率3点となると、ベンチとしても安心して登板させることが難しく、それが登板数に影響していると思われます。
３．凡田夏之助9年目のシーズン 年俸2600万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
9年目のシーズンを迎えた凡田夏之助は、チーム事情もあって中継ぎから先発へと配置転換されることが多くなります。先発投手のあこがれはもっていた凡田夏之助ですが、これまでの中継ぎとはかなり異なる気質に戸惑ってしまいます。そのため、先発転向に挑戦したシーズンではあったのですが、これは失敗に終わってしまいます。
そんな凡田夏之助9年目のシーズンの成績は、15試合70イニングに登板（先発は13試合）に登板し、防御率は5.33、1勝5敗でした。
先発投手としては少し物足りない数字ではあります。実際のところは、運にも恵まなかった試合や、惜しい試合はあったものの、最終的には数字がすべてとなるプロ野球の世界にとって、この数字は不十分と言えるでしょう。
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
しかし、これまで中継ぎだったのが先発投手に転向して、13試合に登板するというのは、先発事情が苦しいチームとしてはありがたい存在ではあります。防御率は5点台だったものの、数字だけでは責められない部分もありますね。
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４．凡田夏之助10年目のシーズン 年俸3000万円＋300万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
先発投手としては目だった成績を上げられなかった凡田夏之助。しかし、ポストシーズンでの活躍を評価されて年俸は3000万円と出来高300万円にアップします。そして、迎えた10年目のシーズン、この年凡田夏之助は中継ぎ投手として素晴らしい活躍を見せます。
そんな10年目の凡田夏之助の成績は、75試合に登板し、42ホールドポイント、防御率1.31を上げます。登板数に関しては、リーグ1位でおよそ1年の半分以上の試合に登板していることになります。ホールドポイントもリーグ2位、防御率も1点台と中継ぎ投手としては申し分ない成績を残しています。この成績であれば、ベンチも信頼して大事な場面で登板させてもらえます。
この年から中継ぎ投手に戻った凡田夏之助ですが、やはり彼の適正は先発投手ではなく、中継ぎ投手であったことが明らかになったシーズンでしたね。
5．凡田夏之助11年目のシーズン 年俸8000万円＋2000万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
去年のシーズンで輝かしい成績を残した凡田夏之助ですが、神宮スパイダーズとの契約で折り合いがつかず、アメリカへ渡った後、文京モップスという球団に移籍します。この時の年俸は今までとはくらべものにならない8000万円と出来高の2000万円となっています。
去年のシーズン同様に中継ぎ投手として大車輪の活躍を期待される凡田夏之助でしたが、イニング跨ぎなどの負担から、利き腕の靭帯を損傷しています。
そのため、登板試合数は43試合にとどまり、出来高の条件だった50試合登板も達成することができませんでした。やはり中継ぎ投手は登板過多によって、故障することが多い役割ではありますが、前年度に75試合登板し、今季もそれなりに登板をしているため、その負担が蓄積していったのではないかと考えられます。
６．凡田夏之助13年目のシーズン 年俸8000万円＋4000万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
靭帯損傷のリハビリのため1年間を棒に振った凡田夏之助、2シーズンぶりの復帰となります。13年目はこれまでの中継ぎ投手とは打って変わって、手術後の負担を考慮した5イニング限定の先発投手として起用されます。この年には、異常な勝ち運にも恵まれていたため、勝ち星ではキャリアハイの成績を残します。
そんな凡田夏之助の13年目の成績は10試合50イニングの登板で、防御率5.04、10勝0敗でシーズンを終えます。防御率から見ても、凡田夏之助は毎試合5イニングを投げて、3失点ぐらいは必ずしているにも関わらず、バッターに恵まれたおかげで、勝ち星を量産することができていますね。先発としては物足りませんが、投げた試合は必ず勝つというのは、それなりに印象がいいでしょう。
７．凡田夏之助14年目シーズン 年俸9500万円＋500万円
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
先発投手としての地位をそれなりに掴んだ凡田夏之助、シーズン序盤は目だった成績は揚げられませんでしたが、完封勝利などを見せるなどの活躍を見せています。これまで中継ぎとして長い間過ごしてきた凡田ですが、ここにきて先発に対するこだわりを見せるようにもなってきました。先発投手としても9勝8敗というまずまずの成績を残しました。次のシーズンではパリーグの球団に移籍する凡田、今後どのような活躍を見せるのか期待があつまります。
８．まとめ
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ／スカパー！・講談社
目立った能力は持っていない凡田夏之助ではありますが、プロ野球選手として、着実なキャリアを歩んできたように見えます。しかし、それを実現するには、日々の何気ない選択の連続で、ギリギリを渡り歩いてきたのかもしれません。成績を振り返ってみると、また作品の新たな一面が見えてきますね。
