プロ野球業界のリアルなお金にまつわる話を中心に、左投の中継ぎ投手として活躍する主人公・凡田夏之助の姿を描いた作品「グラゼニ」。実際のプロ野球の世界をリアルに描いていることから、業界関係者からも評価が高く、プロ野球選手にも愛読者が多いともいわれています。これまで勝負の世界がメインで描かれてきた野球漫画の中でも、金勘定をメインに取り上げている異色の漫画「グラゼニ」。今回は、「グラゼニ」の主人公・凡田夏之助の魅力を10個紹介していきたいと思います。
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ/スカパー!・講談社
目次
1.貴重な左のワンポイントとして活躍
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ/スカパー!・講談社
凡田夏之助は左投げ左打ちのピッチャーです。独特なサイドスローを武器に、主に中継ぎ投手として活躍しています。そんな凡田夏之助ですが、左投のサイドスローは選手として、数が希少であるという特性を活かして、左打者のワンポイントとしても活躍しています。時には、左バッターに対して、ここは凡田でしょ、と期待をかけられることもあります。選手としてはそこそこの実力でもある凡田夏之助が厳しいプロ野球業界で生き残ることができているのは、ひとえにこの投球スタイルにあるといえますね。
2.対戦相手の年俸に応じて調子が変わる
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ピッチャーとしては、そこそこの実力を持っている凡田夏之助ですが、その特徴として、対戦するバッターの年俸によって、ピッチングが変わってきます。例えば、自分の年俸1800万円よりも低いバッターに対しては、見下ろして投げることができるため難なく抑えることができます。一方で、自分よりも年俸が高い選手相手には、途端に委縮していまい打たれてしまいます。しかし、年俸が5000万円を超える選手に対しては逆に開き直って投げることができるので、かなりの確率で抑えることができます。この性格に関してはコーチの迫田からも見抜かれており、悪い意味で中継ぎ向きの性格であると評価されています。
3.実はイップスを発症している
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制球力と変化球でバッターを抑える器用なイメージのある凡田夏之助ですが、実は苦手としているプレーがあります。それは、ピッチャーゴロなどで近距離から1塁に向かって投げるフワッとした送球のことで、いつも悪送球になってしまいます。これは実際の野球選手でもよく起きることでもあるイップスでもあり、打たせて取るピッチングが持ち味の凡田夏之助にとっては、厳しい弱点ともいえるでしょう。
4.プロ野球選手の年俸に詳しい
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プロ野球選手として、金を稼ぐことに異常な執着を持っている凡田夏之助。プロ=カネとも考えている彼は、自分の年俸だけではなく、他球団の選手の年俸もかなり気にしています。そのため、常に選手名鑑を持ち歩いており、試合の合間などに愛読していること、12球団ンお1軍選手の年俸をソラで言えるほどにまでなっています。実は、この年俸マニアぶりが、ピッチングに影響を及ぼしているとも言えます。
5.実は運動神経抜群
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プロ野球選手でありながら、見た目は冴えないおじさんのような感じなので、どうみても俊敏なイメージはないのですが、そこは仮にも厳しい競争社会を勝ち抜いてきたプロ野球選手です。凡田夏之助とはいっても運動神経は抜群です。それを裏付けるエピソードとしては、何気ない時間に凡田夏之助がチームスタッフとサッカーをやっていたとき、軽くリフティングをしているだけでもかなりの実力があることが素人目でもわかるほど軽快な動きをしていました。
6.自分の頭で考えて判断する
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プロ野球選手として生き残ることを第一に考えている凡田夏之助は、周囲のアドバイスをもらうことがあるのですが、それを実践・継続するかどうかは自分で判断します。例えば、先輩ピッチャーで現在はスコアラーをしている栗城さんから、もっと球威を上げた方がいいというアドバイスを受けたのですが、球威を上げることによって制球力が落ちることを心配した凡田夏之助は、球速のこだわりを捨てる決断をしました。
7.先発投手もこなすことができる
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ/スカパー!・講談社
左の中継ぎピッチャーとして長く活躍している凡田夏之助ですが、実は便利屋的な側面もあり、チームの先発ピッチャーが足りないときには、先発を担当し試合を無難にまとめることができます。プロ野球のピッチャーとして、性格的には先発に向いていないと常々言われてきた凡田夏之助ですが、意外と頼りになる存在でもあります。
8.高校時代から頭脳はピッチャーだった
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凡田夏之助の高校時代の話が「ナッツ編」として描かれていますが、この頃から凡田夏之助は頭を使ったピッチングが特徴的でした。球威はそこそこでしたが、制球力が抜群で、クレバーなピッチングを持ち味としており、その姿がスカウトの目に留まったことで、プロ入りを果たしました。
9.常に引退後のことを考えている
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何千万、何億という年俸をもらうことができるプロ野球選手ではありますが、実働時間としては、数年から長くても15年ほどなので、生涯年収から考えると厳しい選手はたくさんいます。年俸1800万円の凡田夏之助もその1人で、常に引退した先輩たちを見ながら、自分が引退した時のことや、プロとして活動している間にいくら稼げるのかについて常に考えています。
10.0球セーブを達成したことがある
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文京モップスへ移籍してから3年目のシーズンで、現実のプロ野球での達成者が2012年までで通算2名しかいない「0球セーブ」を達成しています。この記録はかなりレアで最終回に、ランナーがいる状態で交代して、牽制など打者に対して投球をせずに3アウト目を取ることで達成されます。こうみると凡田夏之助はかなり持ってる男といえるでしょう。
まとめ
出典: グラゼニ ©森高夕次・アダチケイジ/スカパー!・講談社
プロ野球のシビアな世界で独特な価値観を持ちながら生き残るために奮闘している凡田夏之助。彼の魅力にはできるだけお金を集めることが中心にありながらも、どこか野球選手として真っ当な生き方を感じてしまう所にありますよね。2018年アニメ化もされた「グラゼニ」で活躍する凡田夏之助、今後も注目していきたいですね。