ワンピースの世界には様々な海賊が登場します。物語は新世界編も進み、最悪の世代と呼ばれる大型ルーキーたちが世界を大きく動かしています。
最悪の世代の中には、四皇の座に上り詰めた者もいれば、自らの信念を貫いて突き進む者、強大な敵に挑み世界に衝撃を与える者もいます。ここでは、ワンピースに登場する最悪の世代の海賊たちの中から、各海賊団の船長を中心に現時点で判明している最新情報を基に紹介します(※本記事は原作漫画のネタバレを含みます)。
目次
最悪の世代とは
最悪の世代とは、マリンフォード頂上戦争直前にシャボンディ諸島に集結した、懸賞金1億ベリー超えの十一人の超新星たちと、その直後に頭角を現した黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)を合わせた計十二人の海賊たちを指す呼称です。彼らは“偉大なる航路(グランドライン)”前半を生き残り新世界に進出したことで世界中から注目され、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を狙う新時代の問題児とも呼ばれています。実際、頂上戦争以降に起きた大事件の多くに最悪の世代が関与しており、この中から海賊王が現れるとも言われています。
我が道を行く海賊王を目指す少年!!モンキー・D・ルフィ
まずは最悪の世代の筆頭ともいえる存在、モンキー・D・ルフィです。ルフィは本作の主人公で麦わらの一味の船長。シャンクス譲りの麦わら帽子をかぶった少年で、革命軍リーダー・ドラゴンの息子でもあります。ゴムゴムの実の能力者として数々の強敵を倒し、天竜人を殴り飛ばす、世界政府に反旗を翻して仲間を取り戻すなど、常識破りの大事件を引き起こしてきました。そんなルフィは頂上戦争後の2年間でさらに実力をつけ、新世界編では四皇の一角であるカイドウを倒すという快挙を成し遂げます。カイドウとの激闘では、自身の悪魔の実の真の力に覚醒し、“ギア5(ギア・フィフス)”と呼ばれる新たな変身形態を披露しました。この時、ゴムゴムの実の本当の名前が“ヒトヒトの実 幻獣種モデル「ニカ」”であることも判明し、まさに伝説の戦いとなりました。
こうした活躍により、ルフィの懸賞金は一気に15億から30億ベリーへと跳ね上がり、世界政府にも正式に“四皇”の一人として認められました。四皇に最も近い男と称されるにふさわしい成長を遂げており、まさに海賊王に手が届く位置に来たと言えるでしょう。我が道を行くルフィは、今後も仲間たちと共に冒険を続け、自身の信じる“ひとつなぎの大秘宝”を目指して突き進んでいます。
一気に四皇に駆け上がった海賊!!マーシャル・D・ティーチ
次に紹介するのは黒ひげことマーシャル・D・ティーチです。黒ひげ海賊団の提督(船長)であり、白ひげ亡き後に台頭した“四皇”の一角でもあります。頂上戦争では白ひげを討ち取り、その能力であるグラグラの実の力を奪うという離れ業をやってのけた異例の存在です。ヤミヤミの実とグラグラの実、2つの悪魔の実の能力を体に宿す唯一無二の海賊であり、その危険性は群を抜いています。
黒ひげの懸賞金は頂上戦争後に急騰し、現在は39億9600万ベリーもの額に達しています。もともと白ひげ傘下の一海賊に過ぎなかった彼が、一気にここまで上り詰めた様はまさに異例と言えるでしょう。頂上戦争ではエースを海軍に売り渡し戦争の引き金を引くなど、大事件の陰には常に黒ひげの策謀があります。近年では“王下七武海”制度の撤廃に乗じて動きを活発化させ、女帝ボア・ハンコックを襲撃したり、海軍の英雄ガープの弟子コビー大佐を拉致するなど大胆不敵な行動を取っています。さらに海賊島ハチノスでの勢力拡大や、ロードポーネグリフの奪取を狙って最悪の世代の一人であるローに奇襲を仕掛けるなど(後述)、新時代の覇権を狙い暗躍中です。まさに“最悪”の名にふさわしい危険人物として、世界政府から最も警戒されています。
オペオペの実の能力者!!トラファルガー・ロー
トラファルガー・D・ワーテル・ローも最悪の世代の一人で、ハートの海賊団の船長です。オペオペの実の能力者で、ROOM(ルーム)と呼ばれる術式空間内で対象の体を切断・入れ替えるなどの外科手術的な能力を操ります。かつてはドフラミンゴの部下でもありましたが、後に離反。新世界編ではルフィに接近し、四皇打倒のための海賊同盟を結んだ人物です。ドフラミンゴやカイドウとの戦いではルフィと共闘し、自らの命を懸けた作戦で勝利に貢献しました。
頂上戦争後、ローは一度王下七武海に加盟し政府側に名を連ねましたが、その地位を利用してドフラミンゴ討伐に動いたため、ドレスローザ編で七武海の称号を剥奪されています。その後のワノ国編での活躍は目覚ましく、百獣海賊団・カイドウの討伐に加わり、さらに同じ最悪の世代であるユースタス・キッドと共にビッグ・マムを撃破するという大金星をあげました。ビッグ・マム撃破後、ローの懸賞金はルフィやキッドと同額の30億ベリーに跳ね上がっています。実は「D」の名を持つ人物でもあり、その出自や“意志”にも謎が残されています。
ワノ国終結後、ローはロードポーネグリフの写しを携えて新たな航路へ旅立ちますが、その途中で黒ひげ海賊団に奇襲され、激突する事態となりました。激戦の末、ローのハートの海賊団は黒ひげに敗北し、ロー自身も重傷を負いますが、部下ベポの奮闘によって海中へ逃れ、間一髪で難を逃れました。現在ローは戦線離脱を余儀なくされており、その行方は定かではありません。しかしオペオペの実で培った医術的戦闘スタイルと冷静な頭脳は健在であり、再起を期していることでしょう。
空島出身者!!ウルージ
4人目に紹介するのはウルージです。空島出身の破戒僧海賊団船長で、“怪僧”の異名を持つ巨漢の僧侶風海賊です。ニヤリと笑った顔が特徴的で、戦闘時にはダメージを受けるほど自身の巨体と怪力を増幅させるという特殊な戦法を見せています。能力の詳細は明らかになっていませんが、肉体強化系の悪魔の実か何らかの秘術によるものと思われます。
シャボンディ諸島での初登場時、懸賞金は1億800万ベリーでした。その後、新世界編序盤ではビッグ・マム海賊団の“四将星”スナック(懸賞金6億ベリー)を打ち破る大金星を挙げ、一時的に名を轟かせました。ウルージのその後の懸賞金は3億5000万ベリーまで上昇したとされています。スナック撃破後は報復に現れたカタクリに敗れ重傷を負いましたが、その逃亡の最中に偶然空から落下してきたカイドウと遭遇するという不運にも見舞われています(結果的にカイドウはそのままキッドたちの前に現れ、後の物語に繋がりました)。
ワノ国編ではウルージの動向は描かれず、現在の所在も不明ですが、最悪の世代の一人として新世界のどこかで機会を窺っているのかもしれません。空島仕込みの謎めいた戦闘力と豪胆さを持つ人物だけに、再登場にも期待が寄せられています。
ビッグ・マムの暗殺企画者!!カポネ・ギャング・ベッジ
カポネ・“ギャング”・ベッジも最悪の世代の海賊の一人です。ファイアタンク海賊団の船長であり、体内に城塞を持つシロシロの実の能力者です。自身の体を城に見立て、部下や砲台を体内に格納して戦うというユニークな戦法を取ります。シャボンディ諸島での初登場時の懸賞金は1億3,800万ベリーでしたが、新世界編では3億5,000万ベリーにまで上昇しています。
ホールケーキアイランド編では、ビッグ・マム海賊団に一時的に入り婿のような形で傘下に下りつつ、裏ではビッグ・マム暗殺計画を練るというマフィアさながらの策略家ぶりを見せました。ルフィたちと手を組んでビッグ・マムの暗殺を実行に移しましたが計画は失敗し、ベッジたちは辛くもトットランドから脱出しています。その後はビッグ・マムの報復を避けるため新世界を逃亡する日々ですが、逃走中でも家族思いな一面を発揮しています。妻シフォンの願いを叶えて彼女の双子の妹ローラを探し出し、無事に再会させるというエピソードもありました(ローラとはスリラーバーク出身の海賊で、ビッグ・マムの娘です)。ベッジは一家の長として妻や息子を何より大事にする人物であり、冷酷なギャングに見えて身内には情に厚いというギャップも魅力です。
現在、ベッジ一家は双子姉妹の再会やローラと部下ゴッティの結婚式を経てさらに絆を深め、引き続き新世界で逃亡生活を送りながらもしたたかに生き延びています。ビッグ・マムという強大な後ろ盾を失った今後、ファイアタンク海賊団がどのように勢力を保っていくのか注目されます。
変幻自在の姿を操る女海賊!! ジュエリー・ボニー
お次は大喰らいの異名を持つ女海賊、ジュエリー・ボニーです。ボニー海賊団の船長で、大食漢キャラクターですがその正体は年齢を自在に操作できる悪魔の実の能力者です。自身や他人の年齢を操作し、幼女から老婆まで自由に姿を変えられるため、逃走や潜入にも長けています。
初登場時の懸賞金は1億4,000万ベリーでした。頂上戦争後に一度海軍に捕まり赤犬に拘束されましたが、その後何らかの形で逃亡に成功しています。その後の詳細は長らく不明でしたが、実はバーソロミュー・くま(元王下七武海)の娘であることが明らかになりました。聖地マリージョアで開催された世界会議(レヴェリー)では、天竜人の奴隷となった父くまの姿を目の当たりにして涙を流しつつ「コニー王太后」と名乗り潜入するなど、父を救うため独自に行動していたようです。
ワノ国編後にはボニーは再び物語に登場し、ルフィと偶然再会を果たします。新たな舞台エッグヘッドでは、ベガパンクを巡る事件にルフィたちとともに巻き込まれ、ボニー自身も父くまの運命に関わる重要な局面を迎えています。現在の懸賞金は3億2,000万ベリーと推定され、最悪の世代の中ではバジル・ホーキンスと並ぶ金額です。父であるくまの秘密や、世界政府への復讐心など物語の核心に関わる背景を持つボニーから今後も目が離せません。
手長族のカイドウの部下!! スクラッチメン・アプー
スクラッチメン・アプーはオンエア海賊団の船長で、手長族出身の派手好きな海賊です。自らの体を楽器に見立てて音を鳴らし、斬撃や爆発音によるダメージを与える特殊な戦闘スタイルを持ちます。シャボンディ諸島での初登場時の懸賞金は1億9800万ベリーでしたが、新世界編では3億5000万ベリーにまで上がっています。
頂上戦争後、新世界においてはキッドやホーキンスと海賊同盟を結び“四皇”赤髪のシャンクス打倒を目論みました。しかし偶然居合わせたカイドウにより同盟は崩壊し、実は最初からカイドウの内通者であったアプーはそのまま百獣海賊団の傘下に下っています。ワノ国編では百獣海賊団の真打ち・情報屋として立ち回り、鬼ヶ島の戦いではクイーンの部下として闇の氷菌ウイルスをばら撒くなどルフィ達の前に立ちはだかりました。その後、裏切り者としてX・ドレークやゾロに討ち取られかけますが辛くも生存し、鬼ヶ島決戦後は戦況をいち早く新聞社にリークして新世代の活躍を世間に知らしめるなど、ちゃっかりした動きを見せています。
カイドウの敗北により主人を失った形のアプーですが、その好奇心旺盛かつ狡猾な性格から、再び自分の得になる相手を見極めて接触するでしょう。手長族特有の柔軟な関節と音による攻撃という得意技を持つ彼は、状況次第で強敵相手にも一泡吹かせるポテンシャルがあります。今度はどの勢力に肩入れするのか、要注意人物と言えます。
元海軍将校!! ディエス・ドレーク
続いては異色の経歴を持つ海賊、ディエス・ドレークです。「赤旗」の異名を持ち、かつて海軍本部の少将だった男が海賊に転じたという経歴から最悪の世代入りしました。その正体は海軍本部機密特殊部隊“SWORD(ソード)”の隊長で、海軍を裏切ったフリをして海賊の世界に潜り込んだスパイです。世間的には海軍を捨てた裏切り者として指名手配されており、懸賞金は2億2200万ベリーとされています。
ドレークは古代種ゾオン系悪魔の実リュウリュウの実モデル“アロサウルス”の能力者で、大型の肉食恐竜に変身して戦います。その力を買われて百獣海賊団にも迎え入れられ、カイドウの陣営では幹部「飛び六胞」の一人として活動していました。しかし裏では海軍の密命を帯びており、ワノ国編で起きた鬼ヶ島決戦の際に正体が露見。カイドウ側から命を狙われ窮地に陥りますが、ドレークはルフィに協力を求めて一時的に麦わらの一味と共闘しました。飛び六胞の一角フーズ・フーとの戦いや、CP0(サイファーポール)の介入によって重傷を負いつつも、ドレークは最後まで戦い抜いています。
鬼ヶ島決戦後、ドレークは致命傷こそ避けたものの深手を負い消息不明となっています。ワノ国という閉ざされた国ゆえに海軍とも連絡が取れなくなっているようで、彼の身柄や今後の動向は明らかになっていません。しかし海軍のスパイであった以上、いずれ極秘裏に保護・回収される可能性は高いでしょう。元海軍少将の知略と恐竜の怪力を兼ね備えたドレークは、物語の終盤で再び鍵を握る存在となるかもしれません。
占いを操るカイドウの部下!! バジル・ホーキンス
バジル・ホーキンスはホーキンス海賊団の船長で、“魔術師”の異名を持つ金髪の長身痩躯の男です。タロットカードを使った占いを好み、行動の指針を占いの結果に委ねる独特の信条を持っています。悪魔の実はワラワラの実の能力者で、自身の藁人形と他者の命を繋ぎ身代わりにすることでダメージを無効化したり、巨大な藁人形の怪物を召喚して戦うなど、底知れない不気味さを感じさせる海賊です。
初登場時の懸賞金は2億4,900万ベリーでしたが、2年後には3億2,000万ベリーに上昇しています。新世界では当初キッドやアプーと同盟を組みシャンクス討伐を狙いましたが、カイドウ乱入の際に彼だけはカイドウの部下になる道を選びました(アプーは内通者、キッドは拒否して投獄)。百獣海賊団の下では真打ちの地位を与えられ、ワノ国では将軍オロチの命でルフィ捕縛や討ち入り阻止に動きます。しかし内心ではカイドウへの忠誠に迷いもあったようで、鬼ヶ島決戦では同じ最悪の世代であるキッド海賊団のNo.2キラーと死闘を繰り広げることになります。
ホーキンスはキラーとの戦いの末に敗北。自身の藁人形に密かにキッドの命を宿して人質に取る策も見破られ、キラーによって討ち倒されました。戦闘後、満身創痍のホーキンスは偶然居合わせたドレークの前で、自身が占った「生存確率1%の男」とは自分のことだったと明かし、そのまま力尽きて倒れています。ホーキンスの生死は明言されていないものの、発言からして命を落とした可能性が極めて高いでしょう。かつて「死なない」と豪語していた魔術師の男の最期として皮肉な幕引きですが、占いに翻弄された生き様はまさに彼らしい結末とも言えます。
鉄くずを操る反抗的な海賊!! ユースタス・キッド
最後に紹介するのは“キャプテン”の異名を持つ最悪の世代屈指の実力者、ユースタス・キッドです。赤い逆立った髪とゴーグルがトレードマークの荒くれ者で、残虐性ゆえに一般人にも被害を及ぼす危険な海賊として知られます。ジキジキの実の能力者で、周囲の金属を磁力で引き寄せ、自らの腕を巨大な武器に変えて戦う戦法を得意としています。
シャボンディ諸島で初登場した時点での懸賞金は3億1500万ベリーと、当時ルーキー中最高額でした。その後、新世界での無謀な挑戦を重ねて懸賞金は4億7000万ベリーまで上昇します。カイドウとの遭遇では配下になることを拒み、激闘の末に捕らわれ拷問を受けるなど壮絶な経験もしましたが、決して屈しませんでした。ワノ国編の鬼ヶ島決戦ではルフィたちと共闘し、トラファルガー・ローと共にビッグ・マムを撃破するという離れ業を演じてみせます。これにより戦後、キッドの懸賞金もルフィ・ローと同額の30億ベリーに達し、世界中から注目される存在となりました。
しかし、快進撃を続けるキッドにも試練が訪れます。ワノ国後にキッド海賊団は“巨人の国”エルバフにて、因縁浅からぬ“四皇”赤髪のシャンクスと対峙することとなりました。キッドは過去に新世界でシャンクスの部下に奇襲され左腕を失った経緯がありますが、それでもなおシャンクスに挑むためエルバフに乗り込んだのです。結果は圧倒的な力の差で、シャンクスの一撃によってキッド海賊団は壊滅。キッドと相棒キラーは船ごと沈められ、生死不明の敗北を喫しました。わずか数ページで最悪の世代の一角が陥落した衝撃的な展開で、四皇の格の違いを見せつけられる形となっています。
傲岸不遜で誰の傘下にも入らないキッドは、まさに反逆の世代を象徴する存在でした。その結末がどうなろうとも、彼が物語に残した爪痕は大きく、世界中に“最悪”の異名を轟かせた海賊として名を残すでしょう。
【ワンピース】最悪の世代の海賊船長を徹底紹介まとめ
今回はワンピースに登場する「最悪の世代」の海賊船長たちについて、最新の情報を踏まえて紹介しました。最悪の世代には、この記事で取り上げた船長以外にも、麦わらの一味のロロノア・ゾロやキッド海賊団のキラーといったメンバーも含まれています(最悪の世代は船長格11人+黒ひげの計12人ですが、ゾロとキラーは船長の右腕として名を連ねています)。ゾロとキラーはそれぞれ懸賞金11億1100万ベリーと2億ベリー(※ワノ国編時点)を誇り、最悪の世代の中でも屈指の戦闘力を持つ存在です。実際、ワノ国での決戦ではゾロはカイドウに一太刀浴びせる大金星を挙げ、キラーもホーキンスを倒すなど大活躍しました。
物語は終盤に差し掛かかっていますが、新時代の荒くれ者たちが巻き起こす波乱はますます激しさを増しています。四皇の勢力図も大きく塗り替わり、最悪の世代の台頭で海のパワーバランスは大きく揺れ動きました。最悪の世代の面々がこの先どんな戦いを繰り広げ、“ひとつなぎの大秘宝”争奪戦にどう絡んでいくのか、今後も目が離せません。