アカギ~闇に降り立った天才~及びアニメ闘牌伝説アカギは『天 天和通りの快男児』に登場した“伝説の雀士”赤木しげるの若かりし頃を描いたギャンブル作品です。心理描写を重視する作風で時間の流れが遅いことで有名で、最後の勝負は始まりから決着まで20年もの時間を費やしました。それほどまでの激闘を繰り広げた最強の敵『鷲巣巌』について紹介していきたいと思います。
目次
運と実力を兼ね備えた怪物……!『鷲巣巌』の経歴
鷲巣は1912年に旧帝大を卒業し、22歳で内務省警保局現在でいうところの警察に入り、1932年に特別高等警察警視、1940年に権中警視、現在でいうところの警視庁クラスにまで上り詰めますが、1942年に突如退職。それは第二次世界大戦の敗北を予期し戦犯追及の枠から逃れます。
戦後、経営コンサルタント会社を設立……!
戦後になって、当時ではそんな発想すらない頃に経営コンサルタント会社『共生』を設立。しかし、それは警察官僚時代に気付き上げたコネとスキャンダルによって都市開発や法律の制定を事前に知っていたからであり、その情報を利用し現在まで未曽有の大金を手に入れ続け、闇の世界の王として君臨し続けます。
狂気に染まった闇の王……!鷲巣巌
動乱の時代を自らの能力と運で生き残ってきた鷲巣は、老後になってその精神を破たんさせます。何をしても許される、決して裁かれることのない王として君臨し続けた鷲巣も老いという現象には抗えずに絶望し、自分よりも才覚のない若者というだけで憎悪を向けるようになり、その憎悪によりある事件を引き起こします。
吸血事件の犯人……!
昭和40年に巷では奇妙な猟奇殺人が発生。見つかった若者の死体からは血液の殆どが抜かれていました。その犯人こそが鷲巣巌であり、自身の豪運と資金力を背景に無理矢理勝ち目のない勝負を受けさせ、敗北者を殺害するという暴挙に出ていたのです。しかしその犯行はあわや立件と言うところまで来ており、鷲巣は金とコネを総動員させその窮地を乗り切りますが、持っていた資産の殆どを吐き出すことになります。
わがままな75歳児……!鷲巣巌
闇の帝王として君臨し続けた鷲巣の性格は超が付くほどワガママっ……!過去の鷲巣はまだしも、現在の鷲巣は逆らえるもののいない状況で、事実多くの若者を殺害してきたにも関わらず、無傷とはいかないまでも許されるほどの金と権力は超自己中心的な怪物を生み出していたのです。
カリスマ性を持つ鷲巣巌……!
些細なことで激怒したり、対局中に涎を流しながら興奮したり、安岡の頭ハネでアガれなかったときには子供のように当たり散らします。しかし、そんなワガママさは王のカリスマ性と言ってもよく、部下には慕われ生死の境をさまよった際には亡者たちを即座に従えるカリスマ性を見せています。
神に愛された男……!鷲巣の強さとは?
直撃ないしはツモアガリによって点数の移動があった場合、鷲巣は現金、対戦相手は血液で支払うというルールで行われます。そのため、資金力と命をかけるというプレッシャーで押しつぶしてしまうことが鷲巣の強みではありましたが、自分の命を捨てることを躊躇わないアカギには通用せず、逆にそのことを利用されて窮地に立たされていきます。
天運を持つ男……!
心理戦においてはアカギにいいようにされ続ける鷲巣ですが、それでもアカギは『自分と同類』と認めた最強の敵でありその理由は神がかり的な豪運を持つこと。運だけで言えばアカギは鷲巣に遠く及ばないと評価しています。知略と洞察力、そして悪運で勝負するアカギとアカギの知略すらも吹き飛ばす底知れない豪運を持つ鷲巣との戦いは現実の時間で20年の歳月を及ぼすほどの激闘となっています。
追い詰められてさらに神懸る……!
元々はアカギの自分の命すら顧みない異様さとプレッシャーによって、鷲巣は自分のチャンスをフイにし続けますが、もしそれが無ければあっさりと勝利しているほどの豪運を見せつけており、追い詰められれば追い詰められるほどにその運は神懸り、自身の感覚も研ぎ澄まされていきます。資金を失い血液で清算する羽目になり、鷲巣は血液を抜かれ昏睡状態になりますが、無事に復活し、その際にはさらに神懸った豪運を見せることになります。
鷲巣死す……!そしてこち亀時空へ……!
血液を抜かれ、昏睡状態になった鷲巣は何故か麻雀やギャンブルの世界とは無縁の地獄…!鬼たちが亡者たちを弄ぶ地獄でした。鷲巣は昏睡状態に陥り、一度は死を迎え地獄へと足を踏み入れたのでした。麻雀やギャンブルなどの要素が一切ないギャグ時空、言うなればこち亀の時空に迷い込んだのです。
亡者を従える鷲巣……!
そこはビッグサイズの鬼たちが亡者たちを弄ぶ世界でしたが、そのときの鷲巣の体力は首に付けられた鉄球を回転させ空中へと脱出する『ワシズコプター』(後のスピンオフ作品にて技名が明かされます)を使える全盛期の体力に戻っていました。そこで鷲巣は鬼たちに反抗。小さい体ながら大立ち回りを見せ、そのカリスマ性で亡者たちを付き従え地獄で反乱を起こします。(注:この作品はアカギです)
地獄を束ねる閻魔大王……!
亡者たちを従えての反乱は鷲巣の活躍によって優位に立ちますが、閻魔大王の出現によって状況は一変します。(注:この作品はアカギです)鷲巣ですら逆らえない威光にひれ伏すしかない状況でしたが、アカギへの執念を思い出すことによって復活します。
閻魔大王をやっつける……!
アカギとの勝負を思い出した鷲巣はもはや死んでいる場合ではなく、その執念が生への執着を呼び起こして復活。閻魔大王をガチビンタし現世へと舞い戻ります。現世へと戻った鷲巣の巨大化した身体はどんどんとしぼんでいきますが、何とか元の屋敷にたどり着きます。(注:この作品はアカギです)
地獄から舞い戻った鷲巣と最終決戦!
文字通り地獄から舞い戻った鷲巣は、ついに復活。そして、アカギとの決着を付けるべく正真正銘最後の勝負に臨むことになります。
鷲巣巌まとめ
アカギにとって最強の敵であり、作品の実質的なラスボスである鷲巣巌。連載が長期化されることによって準主人公的な扱いを受け、鷲巣の若かりし頃を描いたスピンオフ作品まで登場してしまったとてつもなく濃いキャラクターであり、そのエピソードもぶっ飛んでいます。しかし、このキャラクターがいなければアカギの魅力も半減するというくらい魅力に溢れたキャラクターだったと思います!そんな鷲巣の活躍はいろんな意味で面白いので是非とも作品を見てほしいです!