2015年からWeb漫画サイト『クラゲバンチ』にて連載されている漫画作品『山と食欲と私』。“山ガール”といわれることを嫌う自称単独登山家の主人公・日々野鮎美の登山と山頂で食べる食事を描いた作品で、読むと山に登りたくなり、お腹もすくというアウトドア・グルメ作品です。公式レシピ本が発売されるほどの本格的な料理が描かれており、さらに作者自身の趣味が登山ということもあり、実体験を活かした登山の描写が話題となっています。今回は『山と食欲と私』に登場する食事の中から美味しそうだと感じた食事を独自にランク付けし、紹介していきたいと思います。
目次
第10位 ザ・ビール飯 ビーフジャーキーMIX
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
1ヶ月もの間海外ドラマにハマり、登山をしていなかったため、リハビリもかねて箱根旧街道&外輪山のトレッキングへ向かったときのこと。その2日目には、金時山(1212m)へ挑むことに。金時山は富士山の東南東に位置するため、眺めを遮る山もなく、晴れれば絶好の展望台になるとのこと。そんな金時山の山頂に着いた日々野鮎美は、絶景を前に、ビール缶を使った山ごはんを作ります。500mlのビール缶を用意し、半分ほど飲んだら、缶切りで蓋を開けます。残ったビールの中に生米を0.7合入れ、さらにおつまみとして一般的に売っているビーフジャーキーをちぎって入れ、一緒に炊き込みます。缶ごと弱火にかけ、途中泡が吹いてきたら息を吹きかけて泡を壊しながら吹きこぼれを防ぎます。15分が過ぎたあたりで水分が減ったことを確認したら火を止め、適当なもので蓋をして、さらに15分ほど蒸すと完成です。おいしいこと間違いなしのように感じる料理ですが、鮎美曰く、想像よりはおいしくなかったとのこと。しかしカレー粉を加えるとおいしさが増すようです。
第9位 湧き水と挽きたて豆の雲映す雲上の楽園コーヒー
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
とある山、誰もいない山頂で主人公の日々野鮎美が堪能したコーヒーです。材料には、途中の水場で汲んできた湧き水と、鮎美のお気に入りという京都・小川珈琲のオーガニックハウスブレンドを使用。“雲映す雲上”は山頂であるため、コーヒーに映っている雲のことを指しているのでしょう。山頂に到達したからこそ楽しむことができる、ご褒美のようなコーヒーですね。
第8位 甘じょっぱフレンチトースト
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
日々野鮎美がとある山へ登っている最中、いつまでも話しかけてくる虻沢登志郎という男性に出会い、困っていました。電話を受けたフリして距離を取るか、興味がなさそうな話を振るかなどと考えていた鮎美ですが、どの方法も実行することができず、結局はついてこれないような早足で引き離すことにします。のんびりハイキングにきたつもりの鮎美ですが、どうにか引き離すことに成功し、山頂に到達。やや疲れ気味の鮎美はさっそく料理を始めます。カップに生卵を割り入れて、牛乳と塩コショウを加えてよく混ぜます。4つ切りの食パンは4つにカットし、先ほどのカップの中にパンを入れて液を吸い込ませます。その間、フライパンを弱火で熱してバターを溶かし、細切れの厚切りベーコンを並べます。その上に、液を浸した食パンを置いてベーコンをくっつけていきます。さらにパンの上からもベーコンをのせ、ひっくり返し、両面に程よく焼け目がついたらメープルシロップを回しかけます。そして、最後に黒コショウをかけると、焦がしメープルシロップの塩フレンチトーストの完成です。ポイントは“砂糖を使わずに自然の甘味でまとめること”とのこと。登山後の疲れにしみる甘じょっぱさが魅力です。
第7位 即席さけ雑炊
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
とある山に登っていたところ、山頂までのルートにはないはずの沢を見つけた日々野鮎美。もう1度地図を確認するも、現在地がどこであるのかわからない状況に。そこで鮎美はお腹が空いていることを思い出し、落ち着くためにも食事を作り始めます。鮭おにぎりをクッカーに入れ、水を適量投入。そして、みそ、ねぎ、出汁、にんにくを混ぜた自家製にんにくネギ味噌を適量入れ、おにぎりとほぐします。そして、火にかけフタをして少し待つと完成です。この雑炊を食べた鮎美は落ち着きも取り戻し、どうにか下山することができたのでした。調理方法は簡単でありながらも、ホッとするようなおいしさを楽しむことができる料理です。
第6位 漂泊のミートソースカレー
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
日々野鮎美がとある山で下山途中、車で旅をしているという黒蓮七実に出会い、駅まで乗せてもらうことに。近くに秘湯があるとのことから寄っていこうと提案する七実について行くことになります。秘湯と堪能した2人は、何か食べようと料理を作り始めることに。まず、沸かしたお湯でアルファ米を戻します。その間に、缶詰のミートソースをフライパンに開けてお湯を少し加え、さらにそこへカレーのルーを投入。そして加熱し、フライドガーリックを盛りつけたら完成です。味は単純でありながらも、間違いない美味しさを持つミートソースカレーです。
第5位 星降る夜のホットワイン
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
主人公の日々野鮎美がとある2500m超級の山の山頂で一晩過ごしたときのこと。18:00に就寝するも、思ったより寒くて眠ることができません。そこで様々な防寒対策を施して再び寝る態勢に入るも、風の音が強く、心細くてなかなか寝付くことができませんでした。そこで鮎美はご飯を軽量化してまで持ってきたという赤ワインを飲みながら、夜を楽しもうと起き上がります。赤ワインを沸騰しない程度に温め、ブルーベリージャムをたっぷり、黒コショウを少々加えると身も心も温まるグリューワインの完成です。ワインを飲み終えた鮎美はテントから顔だけ出して空を見上げると、そこには満点の星空が。これほどの高い山で初めてテントを張って心細さもあった鮎美の不安を拭ってくれたホットワインです。
第4位 フライドポテトのホットサンド
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
とある低山の展望台で、日々野鮎美が同じく単独登山家である佐藤ヤマメのことを思い出しながら作った料理です。2年ほど前、ヤマメに写真を撮ってほしいと頼まれ知り合った2人は、ヤマメが持ってきたというホットサンドで一緒に食事を取ったのでした。そのホットサンドの美味しさから、その後すぐに自分用のホットサンドを購入したという鮎美。そんな鮎美が2年越しに作ったホットサンドです。まず、ホットサンドメーカーにざく切りした男爵イモをのせ、オリーブオイルで揚げるように炒めます。次に、食パンにスライスチーズと炒めたジャガイモをのせて塩コショウをふり、その上にさらに炒めたベーコンとスライスしたトマトを重ねます。そして、もう1枚の食パンで挟んで、ホットサンドメーカーで焼きます。程よく焼けたら完成です。甘くてホクホクの男爵イモとベーコン、チーズ、トマトがの相性が抜群のホットサンドです。
第3位 ザ・力肉うどん
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
ホームセンターでお1人様サイズの軽くて安い鍋を見つけた日々野鮎美はさっそく使ってみようと、山へ持ってきたときのこと。まず、その鍋に水を少なめに入れ、粉末を投入。そこへ冷凍うどんとスライス餅、豚バラ肉、乾燥ネギ、乾燥わかめ、天かすを入れて少し待ちます。そして、うどんが出来あがったところへ紅ショウガを入れて、完成です。彩りも鮮やかで体の芯から温まるようなうどんです。
第2位 大葉みその焦がし焼きおにぎり
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
日々野鮎美が連泊縦走に向けて体力づくりを兼ね、テントなどの装備を背負って低山を登っていたときのこと。夏の暑さと戦いながら、どうにかベンチへとたどり着いたので、食事を取ることに。まず、フライパンの上にアルミホイルを敷き、そこへ保冷バッグに入れてきたおにぎり置いて焼きます。両面に焼き色がついたところで、自家製の大葉みそをおにぎりに塗ります。この大葉みそは、大葉数枚を刻んだもの、みそ、砂糖、みりんをフライパンに投入し、熱を加えながら混ぜたものです。そしておにぎりをやや焦がし気味にしたら、海苔の上に大葉を敷いたものに包み、完成です。みそと大葉の香りが楽しめる焼きおにぎりです。
第1位 信州野沢菜とタラコのまぜご飯の肉巻きカール
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
お盆明けの仕事はじめ、日々野鮎美は“山ロス”に陥っていました。下界にいる自分が本来の自分の姿ではないような錯覚に陥ったり、コンビニの存在に違和感を覚えたり、1日に何時間も歩かないことに妙な焦りを覚えたりと、症状はさまざま。そんな山ロスが続いていた鮎美は、翌日の昼休みに会社の会議室のバーカウンターで“山ロス飯(ご飯だけでも山気分を味わうためにクッカーやバーナーなどを使用して作った料理)”を作ることに。まずアルファ米をお湯で戻し、そこへ前回訪れた長野で買った野沢菜とタラコを入れて混ぜます。さらに長野産の信州ポークをフライパンで焼き、塩コショウで味付け。焼き終えた豚肉を混ぜご飯にのせて巻いて完成です。“信州ポークの旨味に野沢菜のシャキシャキ感がたまらない!タラコ風味がクセになる一品”とのこと。レモンを軽く絞るとさらにおいしいようです。
山と食欲と私・美味しそうな食事ランキングまとめ!
出典: 山と食欲と私 ©SHINCHOSHA
いかがでしたでしょうか?今回はアウトドア・グルメ漫画『山と食欲と私』に登場する食事の中から美味しそうだと感じた食事を独自にランク付けしたものについて紹介しました。登山後でなくても美味しそうな料理が数多く登場する本作。ぜひ料理の参考にしてみてください。また、登山をすると美味しさも増すであろう料理も多いため、ぜひ登山と共にチャレンジしてみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。