2022年7月から放送開始が発表された「ようこそ実力主義の教室へ」について、第2期を見る前に、第1期の振り返りをしていきたいと思います。(ネタバレを含みます!)
目次
学校について
主人公・綾小路清隆(あやのこうじきよたか)が入学した学校は、東京都高度育成高等学校(とうきょうとこうどいくせいこうとうがっこう)という日本政府が作り上げた、「未来を支えていく若者を育成すること」を目的とした学校でした。この学校は、都会のど真ん中にもかかわらず、カラオケやシアタールームなど数多くの施設を備えた60万平米を超える広い敷地の中にあり、その最大の魅力は「就職率・進学率100%」という入学すれば将来が約束されている夢のような学校でした。
ポイント・学生証カード
この学校は全寮制で、すべての生徒は3年間外部との一切の接触を断たれ、学校生活を送ることになります。寮を含めた敷地内にある様々な施設の利用や商品の購入はすべてポイントで買うことができ、食料品や日用品、洋服、ゲーム機などを生徒は自由に買うことができます。生徒には毎月、10万ポイントが支給され、この1ポイントは実生活の1円と同等の価値があります。また、生徒には学生証カードが渡され、このカードがポイントを使う際のクレジットカード代わりになります。高校生になりたてのDクラスの生徒たちは、支給された10万ポイントを躊躇せず湯水のごとく使っていましたね。
登場人物ついて
そんな高度育成高等学校に入学した主人公・綾小路清隆(あやのこうじきよたか)は、何事にも干渉しない「ことなかれ主義」な影の薄い男です。Dクラスになった綾小路は、ひょんなことから関わりを持つことになった隣の席の堀北鈴音(ほりきたすずね)と協力するようになります。この2人が中心となってお話は進んでいきますね。個性豊かなメンツが揃うDクラスには、男女問わず積極的なコミュニケーションをとる人気者の櫛田桔梗(くしだききょう)やクラスをまとめる平田洋介(ひらたようすけ)、女子グループを仕切っている軽井沢恵(かるいざわめぐみ)。他にも3バカの須藤健(すどうけん)、山内春樹(やまうちはるき)、池寛治(いけかんじ)、超自己中心的な高円寺六助(こうえんじろくすけ)など問題児が多いクラスでもあります。
Sシステム
毎月10万円という大金の支給、放任主義の先生、甘やかされ、だらけきったDクラスの生徒たちはこの特殊な学校で1ヶ月が過ぎました。5月1日、振り込まれないポイントに騒然とするDクラスに、担任・茶柱佐枝(ちゃばしらさえ)から告げられたのはSシステムというものでした。「Sシステムはリアルタイムで生徒を査定し 数値として産出する。」実力で生徒を測るこの学校はSシステムという機械によってすべての評価がなされていました。入学を果たした生徒には10万ポイントを渡す価値があり、その後1ヶ月の間に行ってきた、遅刻、欠席、授業中の私語や携帯を触った回数などをクラスで合算した成績が10万ポイントから差し引かれ、Dクラスは支給されるはずだった10万ポイントすべてを失い、支給ポイントが0ポイントになってしまったのでした。
Dクラスについて
入学試験や個人の様々な能力によってA~Dクラスに振り分けられた生徒たちは、クラスごとに獲得した総ポイント数で競うことになります。そもそもこのクラス分け自体、上から実力主義で分けられているので、綾小路たちDクラスは学年で一番下の落ちこぼれたちが集められたクラスでした。その中でも、成績トップクラスの堀北や優等生の平田などが中心となって、ポイントを獲得すべく試行錯誤していきます。ちなみに1年5月時のポイントは、Aクラス940、Bクラス650、Cクラス490、Dクラス0ポイントで、各クラスポイントに×10したポイントが各生徒に支給されます。
中間テスト 勉強会①
4月を終え、0ポイントと査定されてしまったDクラスでは、ポイントを獲得するため、クラスの中心人物、平田によって勉強会が開かれていました。しかし成績の悪い須藤、池、山内などはそれには参加しておらず、彼らが赤点を取ってしまうとクラスの総ポイントが下がってしまうため、Aクラスに上がりたい堀北は綾小路を巻き込み、勉強会を開きました。多少強引な流れも重なり、勉強のできる堀北の彼らを見下した偉そうな態度に、須藤たちは怒って帰ってしまいました。そして、何も対策ができていないまま、中間テストを迎えることとなります。
中間テスト 勉強会②
そしてテストの結果は、なんと驚くべきことにDクラスの生徒が学年上位を独占することになりました。この結果をもたらした人物は、主人公・綾小路清隆。真相は試験2日前、学食で無料の山菜定食を食べている金欠の3年生にあたりをつけ、綾小路はテストの過去問を1万5千ポイントで購入しました。直前の小テストと照らし合わせることで、問題はすべて同じものが使いまわされていると判明したため、前日にクラスから信頼の厚い櫛田を使って、クラス全員に過去問を配布したことで、成績の悪かった須藤たちは一夜漬けでそれを丸暗記し、無事、退学を免れることに成功しました。「この学校においてポイントで買えないものはない。」このルールを活用した綾小路の見事な策でした。
喧嘩騒動①
何とか無事、中間テストを終えたDクラスでしたが、今度は普段から素行の悪い須藤がCクラスの生徒たちと喧嘩したという暴力事件が起こりました。須藤の言い分はCクラスのバスケ部員に呼びだされ、3対1で喧嘩になった被害者だと正当防衛を主張しました。一方でCクラスの生徒は、須藤に呼び出され一方的に殴られたと、学校へ被害届を出したのでした。目撃情報の見つからない中、堀北が目をつけたのは、同じDクラスの佐倉愛里(さくらあいり)でした。
喧嘩騒動②
人見知りでクラスでも一人でいることの多い佐倉は、実はSNSで自撮りをアップする人気者でした。特別棟で須藤たちが喧嘩しているところを、偶然彼女はそこで自撮りを撮っていました。佐倉の自撮りには、ばっちりと須藤とCクラスの生徒たちの喧嘩の場面が写っていましたが、どちらから喧嘩をしかけたのか判別つかないことなどから、Cクラスの担任は、両者に謹慎を求めてきました。しかし、堀北は須藤の全面無罪を主張しており、両者譲らず翌日再審という運びとなりました。
喧嘩騒動③
完全無罪とはいっても、切り札の佐倉を切ってしまった策のない堀北と綾小路たちは、ある仕掛けをしました。まず、他クラスの男子からも人気な櫛田に頼んで、メールでCクラスの当事者たち3人を特別棟に呼び出した堀北は、ポイントで購入した監視カメラを指さします。特別棟に元々存在しなかった監視カメラ、あたかも前からそこにあったかのように堀北は彼らに向かって、この事件はすべてカメラに収められており、学校側もそれを把握している、と論を展開します。続けて、それを踏まえて学校側は生徒たちがどのように問題を解決するのか、そこをみていると言い切ります。
喧嘩騒動④
カメラの存在と堀北の話術によって、動揺するCクラスの3人。続けて堀北は、この事件が起こった時点で、双方が痛みを伴い、処罰されてしまう。加えて、Cクラスは嘘で学校中を巻き込んだとして3人とも退学処分になるだろうと脅します。更に狼狽える3人へ堀北は、一本の糸を垂らします。「結論を出すのは早いわ。事件そのものを失くしてしまえばいいのよ。」堀北が出したのは訴えそのものを取り下げさせるという選択肢でした。退学をちらつかせ、堀北の勢いそのままCクラスは訴えを取り下げ、須藤は完全無罪になったのでした。
綾小路清隆という男
この物語の主人公・綾小路清隆ですが、表立って活躍こそしていませんが、ただの落ちこぼれの生徒ではありませんでした。入学試験の点数を全教科50点に揃えたり、有段者の攻撃も簡単にかわす体術を身につけていたり、など彼の過去に何やらその秘密が隠されているようです。アニメ1期では、全面、白い壁に囲まれた施設にいる幼い綾小路の姿や自由や平等に固執する姿など、徐々にですが彼の本質が明かされていきましたね。
夏休み
期末試験も終わり、夏休みに入った綾小路たちは、学校主催の豪華客船でのクルージングを楽しんでいました。船内には、一流のレストラン、プールなどのアミューズメントシステムや高級スパなどが完備されており、当然これらも学内同様、自由に利用できました。そんな休暇もつかの間、船は学校が保有する無人島へと到着します。期間は1週間、この無人島でのクラス対抗・集団サバイバル試験が幕を開けたのでした。
特別試験・ルール
クラスには試験専用の300ポイントが支給され、食料や簡易トイレ、釣り竿などをそのポイントから購入し、余ったポイントがそのままクラスポイントに加算されるというルール。体調不良や大けが、暴力や略奪行為をした場合、朝の点呼にいない場合、リタイア者を出した場合には、クラスにペナルティが課され、その都度ポイントが減少。また、無人島にはベースキャンプとなる拠点(スポット)が数か所あり、そのスポットを1つ確保するごとにボーナス+1ポイントが加算される。このスポット占有は、各グループのリーダーが持つカードでのみ可能で、特別な理由なしにリーダーの変更はできない。そして、試験7日目の最終日、他クラスのリーダーを当てると、一人につき+50ポイントが加算され、間違えるー50ポイントのペナルティとボーナスポイントは支給されない。
特別試験①
まず、Dクラスは無人島を手分けして探索し、川に面した場所をスポットとして確保します。意外なことに成績の悪い池や須藤などが率先してスポットを探し、池は自身のキャンプ経験から火おこしや食べられる木の実の選別などができました。彼らの活躍もあり、段々とまとまってきたDクラスは、平田が中心となって支給された300ポイントの使い方を決めます。栄養食と水、男女テントと仮設トイレの購入で150ポイント、予備として30ポイントを使用し、120ポイントは残す、多少のポイントは使う前提で、最大限ポイントを残す方針が定まりました。
特別試験②
スポットの占有の際、平田や櫛田は普段から目立っているため、Dクラスのリーダーは堀北にすることが決まりました。また、初日の夜、綾小路たちは薪集めをしている際、偶然、頬にあざを負ったCクラスの伊吹澪(いぶきみお)を見つけます。どうやらCクラスで中心人物の龍園翔(りゅうえんかける)と対立したようで、龍園に殴られた伊吹をDクラスは保護することにしました。男女の役割分担、他の雑務を平田がうまく統率をとり、まとまりかけていたあるDクラスに事件が起きます。
特別試験③
夜中の間に女子の下着が盗まれるという事件が起こりました。このことに対し激昂する女子たち、そして池のバックには身に覚えのない女物の下着が入っていました。幸い、持ち物検査時に平田が隠してくれたおかげで、バレませんでしたが、誰かが下着ドロボーを池に擦り付けたという事実が残りました。結局犯人は判明しないまま、女子たちの怒りは収まらず男女間で大きな溝ができてしまいました。
特別試験④
Dクラスが不安定なまま試験は6日目を迎え、試験当初から体調不良で限界を迎えた堀北が、不注意からリーダーのキーカードを何者かに盗まれてしまいました。そしてそれを見計らったかのように、Dクラスのテントで起こる火事。これまでの仲間割れを誘発させるような事件とキーカードの盗難、堀北はCクラスからきた伊吹が犯人だと目を付けます。火事に乗じ、森中に消えようとする息吹を追いかけ、急な豪雨の中、満身創痍の堀北は伊吹を捕まえます。得意の体術で抵抗してくる伊吹。キーカードを盗まれたという失態、責任感から何とかして捕まえようとする堀北でしたが、体調の影響もあり、伊吹に重い蹴りを入れられ、気を失ってしまいます。
特別試験・結果①
高熱と打撲、満身創痍で倒れている堀北を発見したのは綾小路でした。自身の体調不良を告げられる仲間がいなかったこと、これまで一人で戦ってきた後悔を堀北は吐露し、気を失ってしまいます。堀北はそのままリタイア。堀北のリタイア、そしてリーダーを当てられる、考えうる最悪の結果でDクラスの特別試験は終わりを迎えます。試験7日目、砂浜に集まった生徒たち。そこへ不敵な笑みを浮かべたCクラスの龍園が登場します。龍園は試験初日からAクラスの葛城(かつらぎ)と手を組み、B、Dクラスのリーダーを当てるため伊吹と金田をスパイとして送り込みました。そしてAクラスの葛城派に反発するグループともつながることで、Aクラスのリーダーも当て、Cクラスの一人勝ちを画策していました。
特別試験・結果②
高笑いをする龍園。そして発表された試験結果は、最下位Cクラス0、3位Aクラス120、2位Bクラス140、1位Dクラス225ポイントでした。他クラスもDクラスでさえも、リタイアした堀北も困惑するこの結果をもたらしたのは、またまた綾小路でした。「Dクラスのリーダーはバレていない。」試験のルールの「正当な理由なくリーダーを変更することはできない」とは、裏を返せば正当な理由さえあれば、リーダーは変更可能ということ。堀北の体調不良を理由に綾小路は、Dクラスのリーダーを堀北から綾小路へ変更しました。また、スパイの伊吹もいち早く見抜き、堀北の体調が限界に達するタイミングを狙い、あえてカードを盗ませ、火事を起こすことで伊吹を逃げさせました。
試験終了とその後
全ては綾小路の掌の上。リーダーのキーカードを盗ませることで、龍園や葛城にリーダーは堀北だと確信を持たせ、最終日でのリーダー当てのミスを引き起こさせました。また、Aクラスのリーダーは初日に見かけた葛城と弥彦(やひこ)の会話から弥彦だと断定し、Cクラスの黒幕、龍園もリーダーとして確定させていました。Dクラスにはこのボーナス100ポイントが加算、A、Cクラスはペナルティでマイナスを食らった結果、このような結果になってのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「ようこそ実力主義の教室へ」のアニメ第1期について徹底解説していきました。数々の試練に対して綾小路たちがどのように乗り越えていくのかがこの作品の魅力の一つですよね。アニメは第2期、第3期の制作がすでに発表されており、1年生編はずべて映像化されると明言されています。これから一癖も二癖もあるDクラスの生徒たちの過去や秘密が、少しずつ明らかになっていくのではないでしょうか。アニメ2期が待ち遠しいですね!