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BEASTARS

【BEASTARS】10月からアニメ化!名シーンベスト7

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かがむレゴシ

10月からアニメ化も決定している『BEASTARS』は擬人化された動物たちが繰り広げる青春群像劇です。本作は週刊少年チャンピオンで現在連載中で、2017年『このマンガがすごい!2018』オトコ編2位、2018年マンガ大賞大賞など数々の受賞をしている今最も注目すべき少年漫画です。そんな『BEASTARS』の名シーンをランキング形式で紹介したいと思います。

名シーンベスト7 第7位『レゴシとハルのファーストコンタクト』

『BEASTARS』ではハイイロオオカミの主人公レゴシと、ドワーフウサギでヒロインポジションのハルの恋愛模様が描かれます。肉食獣と草食獣、異種間恋愛はタブーとされる世界での禁断の愛は本作の見どころの一つです。そんな二人の馴れ初めは恋愛漫画ではありえないような衝撃的なものでした。

最悪な出会い

並んでいるレゴシとハル

学校で演劇部に所属しているレゴシはある日夜間練習の見張りをすることになり、そこで偶然ハルと遭遇します。こっそりしていた夜間練習がばれてはいけない緊張感と肉食獣としての狩猟本能が綯交ぜになりレゴシは勢い余ってハルを殺しかけてしまいます。すんでのところで踏みとどまるレゴシですが、この夜の出来事によってレゴシは自分の中に眠るハイイロオオカミのオスとしての暴力性を、ハルはこの世界が弱肉強食でウサギの自分は圧倒的弱者だということを自覚することになります。

再会する二人

見つめあうレゴシとハル

二人の再会は殺伐としたファーストコンタクトとは打って変わって花咲き乱れる庭園でのロマンティックなものでした。幸い、ハルはあの夜自分に襲い掛かったのがレゴシとは気づいていません。レゴシは成り行きでハルの手伝いをすることになるのですが、罪の意識からレゴシは気が気ではありません。そんなレゴシに畳みかけるように予期せぬ事態が訪れます。ハルが手伝ってくれたお礼を自分の体でしようと服を脱ぎだすのです。実はハルは他の動物の雄ともこのような関係を持っていることが判明します。突然のハルの行動に動揺するレゴシですが、ここでもギリギリで理性を保ち何もせず立ち去ります。他のオスとは違う紳士的な対応をしたハイイロオオカミにハルは興味を持ち始めます。一方で今まで恋愛というものを経験してこなかったレゴシにとっても初めて自分を“オス”として扱ってくれたハルは特別な存在になっていきます。

名シーンベスト7 第6位『ニワトリとしてのアイデンティティー』

『BEASTARS』は動物が生まれ持って備わった能力を登場するキャラクターのアイデンティティーとしてうまく落とし込んでいます。メインキャラクターはもちろん、脇役たちもテンプレなキャラではなく個性が出ていて魅力的です。ニワトリのレゴムが出てくるエピソードは本筋とは関係しない一話完結ながらレゴムのキャラが際立っていて本作が持つ魅力を象徴するエピソードでもあります。

バイトとしての卵産み

心情を語るレゴム

レゴムはメンドリの少女で、生まれながらにして卵を産むことができ、その卵を学食のタマゴサンドの材料として提供するアルバイトをしています。彼女はある日、レゴシが自分の卵を使った曜日のタマゴサンドが美味しいと言っている場面に出くわします。これがレゴムにとって転機となります。今まではメンドリとして当たり前の能力だった卵産みが、他人に評価されることで特別なものに変わったのです。その日からレゴムはより美味しい卵を産むため努力するようになりましたが、同じメンドリの友達からそんな卵産みのアルバイトはただの“片手間”だと言われてしまい彼女は意地になってしまいます。友達からの遊びの誘いも断ってよりストイックになっていきます。

誇りとしての卵産み

授業を受けるレゴムとレゴシ

自分の卵産みに自信を持ったのも束の間、レゴムは自分の曜日のタマゴサンドの味が落ちたという評判を耳にしてしまいます。ここで彼女は自分のアイデンティティーを否定されたと捉えてひどく傷つきます。そして卵産みにばかり固執してしまった自分を見つめ直すいいきっかけにもなります。でも実はこの話にはオチがあって、彼女の卵は評判だからもっと売れる曜日に変えたというだけで彼女の卵産みに問題はなかったのです。メンドリが卵産みというアイデンティティーに右往左往するこのエピソードは非常にコミカルですが、この卵産みは個人のアイデンティティーの象徴で誰もが共感できる普遍的な物語でもあります。

名シーンベスト7 第5位『大人になるということ』

『BEASTARS』の世界観では肉食獣と草食獣が共存するだけあって食肉は禁じられていて、レゴシたちもそのことは重々承知していますがその裏では醜い現実が存在することを学校の外で知ることになってしまいます。外での買い出しを任されたレゴシたちは道に迷ってしまい、路地裏で出くわした老いた草食獣に自分の指を買って食べないかと提案されます。ここでこの世界では実は非合法での食肉が黙認されていて、裏市という巨大なマーケットがあることが判明します。

裏市という現実

涎を垂らすレゴシ

噂でしか存在を知らなかったレゴシたちは動揺してしまいますが、肉食獣の友達たちはせっかくのチャンスだとその指を買って山分けしようとします。友達たちは大人たちはみんな隠れてやってることだと主張しますが、レゴシはハルとの一件があるため強く拒絶します。しかし青臭いレゴシの主張は友達には届かず、レゴシはその場から走り去ってしまいます。口では理想を語ったレゴシですが、彼も肉食獣の本能を理性で完璧に制御できるわけではありません。食肉の現実を知ってからどうしようもなく涎が出てきてしまい、ついには道で倒れてしまいます。

それでも認めたくない現実

倒れてしまったレゴシを助けたのはパンダの闇医者でした。彼は犯罪を犯してまで食肉をしてしまった肉食獣のカウンセラーでもありました。彼から肉食獣として生きるということは綺麗ごとではなく直接自分で草食獣に手をかけない裏市も必要悪だと諭されます。そしてハルへの恋愛感情も狩猟本能が歪んだ形だと断罪されます。それでも若さゆえかレゴシはあくまで理想を捨てようとはしませんでした。汚い大人の世界を裏市でこれでもかと分からせられたレゴシを出迎えてていたのは一緒に買い出しに来ていた肉食獣の一匹、アオバでした。彼も知り合いの草食獣が頭を過って結局食肉することができなかったのです。そのアオバを見て、現実と理想の間で葛藤しているのは自分一人ではないことを知ったレゴシは涙するのでした。

抗えない現実

『BEASTARS』における食肉とは抗えない現実のメタファーになっています。頭では分かっていてもどうにもならないことが現実世界にも存在します。分かりやすいのが性欲です。性欲は食欲などといっしょで簡単になくせるものではありません。だからこそ世の中にはそんな性欲のための商売が存在するのです。『BEASTARS』でも明らかに裏市は風俗街のニュアンスも含まれています。そうした現実にもがきながらも立ち向かうレゴシの姿は非常に共感させられます。

 

名シーンベスト7 第4位『レゴシとハルとルイの三角関係』

レゴシには対をなすキャラクターが存在します。それはアカシカのルイです。

ルイとレゴシ

帳面を見つめるルイ

彼はレゴシが所属する演劇部の部長で学園のカリスマ的存在で志も高く、日陰者のレゴシとは違い華やかな道を進んでいきます。二人は光と影の関係のようなもので作中でもよくぶつかります。でもそんな反面、お互いに自分にはない魅力を持つ者同士で惹かれてもいます。

ハルをめぐる二人

啖呵を切るレゴシ

実はこのルイ、レゴシが会う前からハルと恋仲でもありました。それをレゴシが知ってからは恋のライバル的な立ち位置にもなります。そしてこの三角関係に波乱が起きてしまうことになります。ハルがシシ組といヤクザに攫われてしまうのです。ここでルイは今回の事件の裏に潜む汚い大人の事情によりハルが見殺しにされてしまうこと、自分にはハルを自力で助け出す力がない弱い存在だというを思い知らされます。だから事情を知ったレゴシがハルを救い出すためルイに協力を求めてもそれを拒絶してしまいます。

分かれる明暗

レゴシにとってハルは大切な存在ですが、ルイもまた尊敬すべき先輩でした。レゴシはこの汚い世界を変えてくれるのはルイだと信じてさえいました。そんなルイすらも大人の世界に屈してしまう、その事実にレゴシは怒り、ルイに拳をふるってしまいます。そして「ハルは俺がもらう」と宣言して一人シシ組のアジトへ向かっていきます。このシーンで切ないのがルイは改めて肉食獣が圧倒的強者という事実をハルを攫ったシシ組と、この現状を打破する可能性を秘めているレゴシによって見せつけられてしまうところです。肉食獣には負けないと誓ったルイにとっては二重の屈辱です。この事件を期にレゴシとルイの光と影の関係は反転します。レゴシは自分の信じる正しい道を突き進み、ルイは一度挫折したことで自ら裏社会へと足を踏み入れていくことになります。

名シーンベスト7 第3位『食殺事件の真相』

『BEASTARS』は第1話で学校内で草食獣が食殺されるという衝撃的なスタートを切りました。そしてその犯人が同じ演劇部のクマのリズだったことをレゴシは突き止めます。リズは肉食獣の中においても一線を画くクマ科としての強靭さを備えており、レゴシも歯が立ちませんでした。しかし、その強靭さこそがリズを苦しめることになっていたのです。

リズとテム

肉食獣としての本能が恐怖の対象でしかない世の中でクマ科はその有り余る暴力性を薬によって強制的に押さえつけられていました。それは言い換えれば本当の自分を押し殺して生きると同義でもあります。ひた隠していたリズの暴力性は一匹の草食獣によって見抜かれてしまいます。それがリズによって食殺された草食獣のテムでした。彼はリズが暴力性を隠している事実を知っていてもなお親身に接してくれました。そんなテムに特別な何かを感じたリズは、テムになら自分の暴力性をむき出しにしても大丈夫だと考えました。

悲しい友情

叫ぶテム

過信して薬を飲むのをやめたことで本性があらわになったリズはテムを勢い余って傷つけてしまいます。このときテムはリズに対して「お前ら肉食獣なんてみんな怪物だ」と言ってのけます。このセリフは第1話でも出てきていましたが、その言葉の真意はとても優しいものでした。テムはリズのことを怪物だと認識したうえで親友だというのです。自分の本性が怪物だとばれてしまえば嫌われると思い込んでいたリズにとってはまさしく救いの言葉でした。こうしてお互いの本音をさらけ出した二人は熱い抱擁をします。しかし、それは実際には抱擁などではありませんでした。薬を飲まなかったリズは肉食獣の本能に忠実にテムを食い殺してしまったのです。しかし現実を受け入れられないリズはこれを美しい思い出だと思い込むことにしてしまいます。

 

名シーンベスト7 第2位『ルイとシシ組』

月をバックにしたルイ

シシ組事件以降ルイは行方不明になっていましたが、なんと成り行き上シシ組の新組長に襲名することになります。肉体的には勝ち目のない肉食獣に対してルイは不屈の心と知恵でのし上がっていきます。ルイが組長になってからのシシ組は変化していきます。今までは肉食獣としての強さを振りかざすことだけが取り柄だったのが、その強さの正しい使い方をルイから学びます。そしてルイ自身も今までは弱さとは無縁だと思っていた肉食獣の中にも弱さが存在することを知り肉食獣と草食獣の共存にも可能性を見出していきます。

裏社会との決別

シシ組との共存が順調だったルイですがレゴシとリズの決闘を知らされレゴシを助けに行くことを決心します。しかし、それは同時に裏社会から足を洗うことを意味していました。それを良しとしないのがシシ組でのルイの側近だったイブキというライオンでした。ルイのおかげでいい方向に変わることができたシシ組がまた元に戻ることを恐れたイブキはルイを脅してでも引き留めようとしますが、肉食獣の強さも弱さも知ったルイには通用しませんでした。後に引けないイブキがルイに襲い掛かった瞬間、同じシシ組のフリーによって撃ち殺されます。実はイブキは事前に自分が暴走してルイを殺そうとしたら阻止するようにフリーに頼んでいたのです。それは強くふるまうことでしか生きられなかった不器用なライオンの最後の虚勢だったのです。

 

名シーンベスト7 第1位『禁断の食肉と決着

大みそかの夜、遂にレゴシとリズの因縁に決着をつける時が訪れます。これまでに修行を重ねたレゴシでしたがやはり圧倒的対格差に劣勢を強いられてしまいます。そんな中ルイがレゴシの応援に駆けつけてきます。二人は一旦リズから逃れ対話を始めます。その中でレゴシはルイがいたからこそ自分はリズと同じ過ちを犯さなくて済んだと告白します。ルイはルイでこれまで気丈に振舞うことでごまかし続けた自分の弱さと向き合います。そして自分の弱さの根源でもある呪いが刻まれた足をレゴシに差し出します。

真の友情

ルイの自分の弱さをさらけ出した覚悟に応えるようにレゴシも今まで逃げてきた自分の本能を受け入れルイの足を食べることを選択します。それは同じ食肉でもテムの好意に甘えたリズの一方的な食殺とは異なる真の友情が為せるものでした。食肉によって覚醒したレゴシの一撃でリズは自分が間違っていたことを理解し、受け入れることができました。彼もまた自分の弱さと初めて向き合うことができたのです。

『BEASTARS』名シーンまとめ

 

かがむレゴシ『BEASTARS』には肉体的、精神的、社会的といった色んな形  で強者と弱者が登場してきます。そして本当の強者とは自分や他人の弱さと真剣に向き合うことができる者だということを教えてくれます。それは多様性が謳われている現代にこそ大切なことです。読まれていない人がいるならアニメ化も差し迫った今が絶好の機会です。是非。

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