本作の主な舞台は太陽系の惑星「地球」である。文明については、一瞬で物体を実体化させる「ホイポイカプセル」やドラゴンボールを探知する「ドラゴンレーダー」など、現実の地球よりも高度なメカが登場する。
ただし今日の現実世界に見られる携帯電話やインターネットの類は、連載当時にはまだ普及していなかったこともあり、登場していない。交通手段には自動車やバイクのほかエアカーや飛行機などがあり、前述のホイポイカプセルで持ち運んで使用される。
鉄道は作中では登場しないが、ランチは「列車強盗」というセリフを述べている。鳥山明は「ドラゴンボールはいつの時代のどんな場所でのお話なのか、というような設定は決めてはいません。自由に何を描いてもいいわけですから」と語っている。
通貨
地球での主な貨幣単位は世界共通の「ゼニー」。ゼニーは円と同じイメージであり、1ゼニー≒1円とされる。『ドラゴンボール』の前日談に当たる『銀河パトロール ジャコ』最終話では、登場人物の大盛が住む所のレートで1000億ゼニー=1500億円となっている。
年号
年号には「エイジ」が用いられる。連載開始時(悟空とブルマの出会い)がエイジ749、原作終了時(ウーブとの旅立ち)がエイジ784となる。ただし作中で「エイジ」が用いられているのは、人造人間・セル編でのトランクスの台詞のみ。
日付
日付の表記方法は統一されておらず、ピッコロ大魔王の記念日は「5月9日」、人造人間19号・20号の出現日は「5月12日」と現実世界と同様の暦が用いられている一方、セルゲームの開催日は「Mの17日」と月名が英字になっている。
宇宙
宇宙には地球以外にも人型の知的生命体の住む惑星が多く存在している(ナメック星、ヤードラットなど)。これらの惑星には地球よりもさらに高度な文明を持つ星も存在する。宇宙では無数の星が集まり星雲を作り、星雲が無数に集まり銀河系を形成しており、宇宙空間に無限と言えるほどに存在している銀河系を統括するための行政単位として宇宙は東西南北4エリアの銀河に区分けされている。
地球はそのうちの「北銀河」に存在しており、宇宙全体は不思議な文様の刻まれた壁により密閉されている。
また、生前の人類が暮らす「この世」に対し、死後の世界「あの世」が存在し、宇宙人を含め死んだ者は原則として魂があの世へと移る。
劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』および『ドラゴンボール超』では宇宙そのものは全部で12個あり、悟空たちが冒険を繰り広げている宇宙は「第7宇宙」に属していると明かされている。第1宇宙と第12宇宙、第2宇宙と第11宇宙のように足して13になる数字の宇宙同士が対になっており、『ドラゴンボール超』では第7宇宙と双子のような関係にある「第6宇宙」が登場している。
並行世界
人造人間・セル編では歴史の分岐により枝分かれした時間軸の世界、「並行世界」が存在することが明らかにされている。『超』では、並行世界の数だけ存在する時の指輪が登場しており、ここ数年の間に生まれた緑色の指輪が2個と、緑色の指輪が3個、銀色の指輪が1つの計6つが“未来”トランクス編最終話の時点で存在。
その後にザマスを封印する未来の歴史も生まれた。漫画版『超』では、複数の指輪を見たザマスの「並行世界はこんなにあるんですね」という問いに対して、「かつて第12宇宙の人間が過去に戻る装置を作り、歴史を変えてしまったためにできてしまった並行世界用の指輪」と、ゴワスが説明している。
コラボ
時にはギャグ漫画のキャラクターや村が登場したり、この作品のキャラクターがギャグ漫画に出演することもあり、『超』では、アラレと闘ったベジータが、ギャグで物理法則を無視したり常識が全く通用しないギャグ漫画のキャラクターならではのデタラメな強さに、「バトル漫画の戦い方ではらちが明かん」と手段を選ばない戦い方をしたあげく、遠くへ弾き飛ばされて「二度とギャグ漫画のやつとは戦わん」とつぶやいたり、『超こち亀』収録の『こちらナメック星ドラゴン公園前派出所』では、低い戦闘力なのにフリーザの攻撃を食らっても一瞬で傷や服が回復した。
他にも武器を突然出したりする両津勘吉を見た部下のアプールから「あいつはギャグ漫画の人間だ」、「永遠に死にませんよ」と忠告されたフリーザが、敵前逃亡して現実逃避したり、『ネコマジンZ』では、ネコマジンZの強さを目の当たりにして逃亡したベジータが「二度とギャグ漫画には出ない」とつぶやいたりと、バトル漫画の『ドラゴンボール』とは異なるギャグ漫画の作風をネタにすることもある。
専門用語「氣」
体の中を流れるエネルギーの比喩。これを操作して飛行することや、凝縮、放出して気功波として放つことができる。体の一部分に込めることで、攻撃力や防御力を上げたりと用法は様々である。
訓練すれば相手の気の強さや位置を感じたり遠く離れた相手も分かり個人の特定も可能で気を完全に消すことで気配を隠すこともできる。
気の容量はそのまま実力と結びついているが、技術や技量など他の要素も関係してくるので、力量を測る指針にはなるが絶対的な基準ではない。
戦闘力
強さを表す一つの指標で、サイヤ人編から取り入れられた概念。原作では片眼鏡型の装置「スカウター」によって気の強さを数値化したものとして表現された。
直接気を感じる技術よりは具体的に力量を著わしているが、ごく一部の気のコントロールができる戦士たちは、戦闘時に気を爆発的に高めることで戦闘力を上げたり、気を消すことで戦闘力をゼロにまで下げることができるため、その数値は強さの指標として絶対ではない。
スカウターは気を感じることのできなかったフリーザ一味をはじめ、サイヤ人などが使用していた。劇中で、初めて計測した農夫の戦闘力は5、宇宙最強の存在であるフリーザの変身前の戦闘力は53万である。これは敵味方とも数千から数万前後であった当時としては、フリーザがいかに強いかを読者に示すこととなった。
なお、フリーザの変身後はスカウターによって戦闘力を計ることができず、トランクスの戦闘力を計測したのを最後に、作中に数値は出てきてはいない。連載終了後に発行された『ドラゴンボール 大全集7巻』によると、フリーザの最終形態の戦闘力は1億2,000万、超サイヤ人となった悟空の戦闘力は1億5,000万にまで達している。
キリ
以降の戦闘力は、物語中では特別な単位は語られていないが、魔人ブウ編において魔導士バビディは、エネルギーの量を「キリ」という単位を用いて測定しており、それによると超サイヤ人1の悟空は3,000キリ以上。ただし、この単位は物語上ではほとんど使われていない。『ドラゴンボールGT』ではサイヤ人特有のエネルギーを指して「サイヤパワー」という表現もなされている。
戦闘力やスカウターの設定は、悟空たちがあまりにも強くなりすぎたために二代目編集担当の近藤裕が「強い者同士、どっちが強いかもうわからない」と言ったことに対し、鳥山が数値化した方がいいのではないかとアイデアを出したのがきっかけとなっている。
当時発売されたカードダスやRPGゲームでは「BP(Battle Power)」と表記された。カードダスでは人造人間編より廃止され、「DP(Destroid Power=破壊力)」に変更された。当時はまだ版権を扱う専門の部署がなく、鳥山明の担当編集者が1枚ずつ戦闘力の数値をゲーム会社と共に確認していた。
魔族
ピッコロ大魔王のように悪の心を持つナメック星人や、そのナメック星人が産んだ種族。ピッコロは、魔族の特性で体の容積を変化させ腕を伸ばしたり巨大化する能力を発揮している。この種族に殺された者の魂は、成仏できずに永久に空中をさまようことになる。ただし生まれ変わったピッコロは以前とは様子が異なっており、彼に殺されたラディッツの魂は閻魔の元を訪れ地獄行きにされている。
また、魔族の攻撃は筋斗雲を消滅させる働きも持つ。ピッコロ大魔王の部下の魔族は、呪文を唱え体力を消費して口から産み出された卵から誕生する。若返ったピッコロ大魔王は呪文無しで卵を産んでいる。卵から誕生した魔族は、ピッコロ大魔王の生まれ変わりであるマジュニアを除き、ドラゴンタイプなど様々な姿をしている。
アニメシリーズにおいては、ガーリックJr.のような魔凶星出身の邪悪な種族や、悪の心だけを持つナメック星人であるスラッグの部下も魔族と呼ばれている。
アックマンのような「悪魔」は地獄に生息する一種族であり、全くの別種。
まとめ
連載中の頃は、『スラムダンク』との二枚看板でギネス世界記録にも登録された『週刊少年ジャンプ』1995年3-4号で達成した653万部の大記録の牽引役となるなど、その人気は非常に高く、TVシリーズ『ドラゴンボールZ』の放送終了後には原作漫画にはないアニメオリジナルストーリーの『ドラゴンボールGT』が製作され、1996年初頭時点で、キャラクター関連会社が約150社、キャラクターグッズが約1500種類ある状態だった。