「大正オトメ御伽話」は２０２１年の秋に放送されるアニメで、原作はジャンプスクエアで連載されていた作品です。大正時代を舞台にしており、時代背景を細かく反映したノスタルジックな作品でもあります。そんな大正ロマン全開の本作を楽しむために、大正時代がどうゆう時代で、どんな出来事があったのかを紹介するとともに、その時代を題材にした他の作品も紹介していきたいと思います！
目次
大正オトメ御伽話ってどんなお話？簡単にあらすじ紹介！
物語の始まりは大正十年。分限者（お金持ち）の家に生まれながらも、事故で母親と右手の自由を失った志磨家の次男である志磨珠彦は父親に見限られ生きる気力をなくし、学校へ通うこともなく千葉の別荘へと養生という名目で厄介払いされます。そこにやってきたのが、許嫁を名乗る少女の夕月でした。夕月は珠彦の父親に一万円で買われ、嫁として差し出されたのでした。夕月はそんな境遇にも関わらず、明るく天真爛漫な性格で珠彦に尽くそうとします。そんな夕月との生活のうちに珠彦は生きる気力を取り戻し、夕月とともに生きたいと思うようになります。夕月も珠彦のやさしさに惹かれていくのですが、そんな二人に大きな試練が訪れます。
本作の舞台！大正時代って一体どんな時代？
大正時代は1912年～1926年のことを指します。大正天皇の在位期間で約15年間です。15年と聞くと短いと感じる人もいるかもしれませんが、明治、昭和、平成と比べれば短いだけで、歴史の中には2か月ほどで元号が変わってしまったこともあるので、比較的長いほうだと思います。大正時代は明治から大正にかけて海外の文化が取り入れられ、より近代的な進歩を遂げた時代と言えます。
作中にも関係する？大正時代はこんな出来事があった！？
大日本帝国は日清・日露を経て列強諸国に名を連ねるようになり、第一次世界大戦にも参加し、産業革命の影響、軍需の殺到により好景気に沸いた時代です。これを大戦景気や大正バブルといったりしますが、大正9年にはそのバブルもなくなり、戦後恐慌と呼ばれる不況が訪れます。本作の舞台は大正10年なので、戦後恐慌が訪れた頃です。近代化も著しく加速し、工業化や経済成長も著しい時代でした。
大正時代における有名な出来事『大正デモクラシー』の台頭
この時代は国民の生活が豊かになったことから政治的意識や自由主義を考えるようになり、人々は民本主義の発展を求めました。主に男女平等、部落差別解放運動、団結権、ストライキ権などを求める運動が加熱しました。大正デモクラシーの定義については特に決められてはいませんが、そういった運動や風潮を指す言葉です。好きな文化を好きに楽しんだりしたいという風潮が高まっていきました。結果として、普通選挙法が公布されることになりますが、悪法として有名な治安維持法も制定されました。
天下の悪法として有名な『治安維持法』
治安維持法は1924年大正14年に公布された法律で、普通選挙法と同時期に公布されました。その内容は「国体変革」と「私有財産制度の否認」 を取り締まる法律でした。自由主義が台頭する中で、危険思想や組織の設立、テロや共産主義の高まりを防止する目的で公布された法律ですが、解釈の仕方によっては政府にとって都合の悪い奴は全員逮捕だ！最高刑は死刑！この法律に反対するやつも全員同罪と言っている法律です。ただし、当時としては政治面でも自由が求められており、それらが共産主義に流入を招く危険もあったので、当時は、治安維持法が必要という人もいます。
未曽有の大災害『関東大震災』
1923年（大正12年）9月1日11時58分32秒に発生した国内において最大の人的被害を出した大地震。震源地は相模原海底・マグニチュード7.9を記録し、神奈川県および東京府（現東京都）を中心に茨城・千葉・静岡東部にまで大きな被害を出しました。特に火災での被害が大きく、震災発生時間帯が火を使う昼飯時だったことや台風の影響により、火が広がり延べ190万人が被災、10万5000人にも及びました。この出来事は本作にも大きく関わっています。
ヤバい感染症『スペイン風邪』大流行
日本では1918年（大正7年）から流行し、1919（大正8年）、1920年（大正9年）にかけて世界的に猛威を振るったヤバい感染症『スペイン風邪』が大流行しました。感染者数2380万人、死亡者約39万人というとんでもない感染症です。それから90年後の現代でもヤバい感染症が猛威を振るっていますね。
同じ時代設定の別の作品ってどんなのがある？
鬼滅の刃
爆発的なヒットを飛ばしたジャンプの超話題作。アニメの影響で大きく売り上げを伸ばした作品で、大正時代が舞台の代表的作品となった作品です。大正時代を舞台に鬼と化した妹を人間に戻すため、鬼たちと戦うという内容。和風テイストなデザインながら、内容は王道のジャンプ的な作品となっています。
はいからさんが通る
『週刊少女フレンド』 で1975年7号から1977年10号まで連載され、いくらかのメディアミックスもなされた作品。大正デモクラシー〜シベリア出兵〜関東大震災を経て結ばれる一組の男女の物語。少年漫画では珍しいですが、少女漫画では大正時代を題材にした作品がいくらかありました。『大正処女御伽話』はジャンプスクエア連載なので、少年漫画、青年漫画というくくりですが、作者は少女漫画誌での活躍もあるし、絵柄も少女漫画といわれてそれほど違和感がないので、いくらかは影響されているのかもしれませんね。
ゴールデンカムイ
時代は大正ではなく明治末期ですが、こちらも時代としてはかなり近いです。明治末期の樺太を舞台にし、アイヌ文化を題材にした作品で、狩猟、グルメ、埋蔵金やアクションなどいろんな要素を取り入れている話題作。『大正処女御伽話』は完結しており、続編を経て現在はスピンオフの『大正処女御伽話-厭世家ノ食卓-』 を連載中。これは大正グルメ漫画となっています。
【大正オトメ御伽話】時代背景・類似作品についてまとめ
「大正オトメ御伽話」の舞台である大正時代について、主にどんな時代であったかをまとめてみました。大正時代は近代化の時代で、海外からの文化が大きく取り入れられた時代であり、その中で恋愛観や自由的思想にも大きく影響があった時代です。とりわけ、それらの過渡期である大正時代は恋愛ものとしての題材としてかなり面白いのだと思います！中には実際に起こったことも題材にされているので面白いです！2021年に放送のアニメなので、ぜひ見てみてください！
