最近の作品は「〇〇もの」や「〇〇系」という括りで呼ばれることが多いと思います。では、「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」は何の括りになるのでしょうか。それは「やり直し系」とも言えますし、「死に戻り系」にもあてはまると思います。そしてタイトルには入っていませんが、「悪役令嬢もの」も当てはまると思います。原作者の餅月望先生はご自身のブログで「悪役令嬢もの」と、この作品をご紹介されていました。こんなにも色々な要素が盛り込まれた「ティアムーン帝国」の魅力を今回改めてご紹介していきたいと思います。アニメをご覧になる前に、ぜひ注目して欲しいところをチェックしてください。
やはり一番の魅力は主人公!
前世でティアムーン帝国の皇女として甘やかされ育ち、我儘し放題で皇女という立場で多くの敵を作ったミーア姫が、断頭台で処刑された後に転生し、破滅への道を回避していくというストーリーは王道ではありますが、ミーア姫は他の作品の主人公とは一味も二味も違う主人公でした。
本質的には転生前と同じ
転生前は20歳で処刑され、12歳にタイムリープしたミーア姫は精神だけは20歳ですが、本質的な性格は何も変わっていませんでした。ただ、精神だけとはいえ20歳の大人ですから、何が原因で処刑されることになったのかはわかります。転生した時に一緒に戻ってきた日記と記憶を元に、東奔西走するのです。
唯一の武器『強運』
「はめふら」のカタリナであれば、転生前の性格が元で「人たらし」になっていきますが、ミーア姫は同じ人間で性格は変わっていません。他の作品では主人公が頭が良く切れ者で破滅フラグを回避しますが、ミーア姫は勉強嫌いで頭もよくありません。別の作品の主人公は転生した時に特別なスキルを手に入れ、道を切り開きますが、ミーア姫は何ももらえませんでした。ただ、何故か『強運』は味方してくれていると思います。設定で手に入れたとかはありませんが、ミーア姫は運だけでギロチンの道を切り開いていくのです。
あくまで自分ファーストのミーア姫
何にも特別なものは持っていないミーア姫が『強運』だけでギロチンへの道を回避していく様子が他の作品とは違い、見ていて思わずクスっとなってしまいます。自分ファーストのミーアがなんとなく回避していく様子をいくつかご紹介します。
分からない事は知恵袋へ
転生前にティアムーン帝国が衰退した原因の一つが疫病の蔓延だったことが原因でした。ミーアはどうしたら良いか考えますが、全く良い知恵が浮かびません。そして頼ったのが勘違いで側近になったルードヴィッヒでした。彼を貧民街に連れて行き、ここで疫病が起きないようにする方法を尋ねます。ミーアは実体験をもとに聞いただけですが、ルードヴィッヒは「この危険性を既に察知している。彼女こそ帝国に天が遣わした偉大な指導者ではないか」と勝手に勘違いし、ミーアに対して更に目が曇っていったのです。
嫌味も好意的に受け取られ・・・
セントノエル学園に通うことになったミーアの前で、ティオーナが他の貴族たちに罵倒されています。ミーアは仇敵のティオーナに関わりたくなかったのですが、メイドのアンヌは「ミーア様が助けないわけがない」と信頼しきった眼で見つめていました。ミーアは腹心の信頼を失いたくない一心で、ティオーナの助けに入ります。余計なことをさせた相手たちにマジギレなミーアは、ティオーナにも向けた嫌味で退散させます。しかし、ティオーナはミーアの真意とは裏腹にミーアの言葉に感激し、感謝で泣き出してしまいます。ミーアは嫌味がキツ過ぎたと勘違いし、ハンカチを渡し慌てて逃げ去ったのでした。
最高のナレーションのツッコミ
原作のコミックスを読んでいて、とても面白い表現がナレーションベースのツッコミです。自分ファーストで色々な言動や行動を起こすミーア姫に的確に入れるツッコミや、ミーアの真意とは全く別の受け取り方をするキャラクター達に対するツッコミなど、容赦なく的確な表現が非常に面白く、この作品の特徴の一つでもあります。アニメでも是非、このナレーションのツッコミは無くさないようお願いしたいです。
作品の魅力についてまとめです
この作品はミーア姫ありきの作品です。自分ファーストで特に特別な力もないミーア姫が何故か勘違いをされてギロチンを回避していき、結局味方が増えていく『強運』人たらしの物語です。とにかく必死に頑張るミーア姫が可愛く、面白く、クスッと笑える作品です。是非、「ティアムーン帝国」の魅力をアニメで見て頂きたいです。最後までお読みいただきありがとうございました。