いよいよウルトラマンシリーズ最新作「ウルトラマンブレーザー」が7月8日からスタートすることが発表されました。前の2作品、ウルトラマントリガーとウルトラマンデッカーは平成ウルトラマン3部作のウルトラマンティガとウルトラマンダイナを思わせるような部分がありました。今回の最新作はどのような作品になるのか情報解禁までワクワクしていましたが、ウルトラマンブレーザーは新しい世界観の作品になりそうですね。作品内容が徐々に公開されているウルトラマンブレイザーですが、今回は制作スタッフと制作会社についてまとめてみたいと思います。新作を見る前にぜひチェックしてみてください。
制作会社は円谷プロダクション
ウルトラシリーズはもちろん、多くの特撮作品を世に生み出してきた円谷プロダクションのことは、特撮ファンのみならず知っている方も多いのではないかと思います。その円谷プロダクションの創設者が『特撮の神様』と呼ばれた円谷英二さんです。円谷さんやウルトラシリーズを作った円谷プロダクションについて少しご紹介したいと思います。
日本の特撮の第一人者
『特撮の神様』と呼ばれているように、円谷英二さんは日本独自の特撮技術を発展させ、日本の特撮作品を世界に認めさせた第一人者です。シン・ウルトラマンの庵野秀明監督は円谷英二監督(特撮監督)が事実上の元祖とまで言っています。1954年に制作された日本初の本格的特撮怪獣映画「ゴジラ」では特殊技術として参加し、映画は大ヒットを記録し、邦画初の全米公開もしました。翌年には「ゴジラの逆襲」も制作され、その時に世界初の『特技監督』という冠を与えられたのです。
円谷プロダクション設立へ
1963年に東宝との専属契約を解除した円谷監督は、自ら立ち上げていた円谷特殊技術研究所をベースに「株式会社円谷特技プロダクション」を設立し、社長に就任します。それは自由な作品作りとテレビ界への進出を目指していた円谷監督の足掛かりとなり、その後のウルトラシリーズへと繋がっていくのですね。
第一次怪獣ブーム
円谷プロダクション設立後、TVシリーズでの企画を練り始めます。そして1966年に「空想特撮シリーズ」として『ウルトラQ』と『ウルトラマン』の放送が実現しました。ウルトラマンは第8話以降の視聴率が30%後半をマークする大ヒットとなり、それ以降も怪獣特撮作品が多数制作され、「第一次怪獣ブーム」を巻き起こしました。
第二次怪獣ブーム
ウルトラセブンが放送される頃から怪獣ブームは落ち着きを見せ、原作漫画をアニメ化した作品へと人気は移っていきます。しかし、ブームが落ち着いた後もウルトラマンなどの再放送による次世代ファンの獲得と、ウルトラファイトの放映によりソフビ人形の人気が急増しました。そして『宇宙猿人ゴリ』や『帰ってきたウルトラマン』などの巨大ヒーロー番組の放送により、「第二次怪獣ブーム」が起こりました。その後も特撮ヒーロー番組が数多く制作されることになり、『仮面ライダー』が放送開始されたのもこの時期です。
新しい円谷プロダクションへ
「採算よりも高品質な作品を」という体質が抜けられず、赤字体質が続いた円谷プロダクションは倒産の危機に陥ります。そこからは経営改革や意識改革などが行われ、経営陣も一新されました。そして、バンダイナムコグループが資本参加し、商業戦略の変更などの効果もあり、新しい経営方針が軌道に乗りました。その後は『ウルトラマンギンガ』の放送から始まり、2015年の『ウルトラマンX』以降、毎年シリーズが作成されるようになります。そして今年は『ウルトラマンブレーザー』が最新作として制作されることになりました。
ウルトラマンシリーズ以外では?
円谷プロダクションといえば特撮作品という印象が強いと思いますが、特撮作品だけを作っているわけではありません。テレビドラマの制作も行っています。土曜ワイド劇場や火曜サスペンス劇場などでの制作や時代劇なども手がけています。制作協力でも様々なジャンルの作品に携わっていますが、やはり円谷プロダクションの強みは特撮技術です。基本的には特撮が中心であり、昔も今も変わっていないと思います。
メイン監督は田口清隆さん
メイン監督とシリーズ構成を担当する田口清隆監督は、幼少期に「ウルトラQ」や「ウルトラマン」の再放送を観て特撮に興味を持ち、平成ガメラシリーズ、平成ゴジラシリーズ、平成ウルトラシリーズを観て育ちました。そして高校時代には特撮関係の仕事に携わることを決めていたそうです。
田口監督の二大巨頭
田口監督ご自身が二大巨頭と言っている方々は押井守さんと樋口真嗣さんです。もともと「機動警察パトレイバー」が大好きであり、当然押井守さんのことも大好きだったそうです。樋口真嗣さんがMotor/lieZに所属していた時に、田口監督は机を置かしてもらっていたそうで、その時に特撮好きの押井守さんから声をかけてもらったことがきっかけで知り合ったそうです。その縁で実写版『THE NEXT GENERATION パトレイバー』の4人目の監督として参加することになったそうです。
田口監督の心の師匠
田口監督が心の師匠と言うのは樋口真嗣さんです。平成ガメラシリーズの頃から憧れており、初めて会った『さくや妖怪伝』の現場は本当に楽しかったとインタビューでも語っていらっしゃいます。『ロックドリルの世界』や『MM9』などで一緒に作品に携わっていますし、普段から一緒に映画を観に行くこともあるそうです。樋口監督作品の『のぼうの城』ではお父さんと一緒にエキストラで参加するなど、公私共に良い関係だそうで、田口さんは師匠と思っているそうですが、樋口監督は「弟子をとった覚えはない」と舎弟と呼んでいるそうです。
田口監督とウルトラシリーズ
田口監督が初めて携わったウルトラ作品は『ウルトラゾーン』で、ドラマパートやウルトラゾーンチャンネルなどを担当しました。TVシリーズのウルトラマンとしてはウルトラマンギンガSからのニュージェネレーションシリーズ全作品に監督として参加しています。その中でもウルトラマンX・ウルトラマンオーブ・ウルトラマンZではメイン監督を担当してきました。
4回目のメイン監督
『ウルトラマンブレーザー』で4作目のメイン監督を務める田口監督は、制作発表のインタビューで今回の抱負を語っています。ここ10年、監督としてウルトラマンに携わってきたので、考えて蓄積してきたものを生かしていきたいそうです。そして初めの段階で「今までにないことをやっていいよ」と田口監督に発注があったそうで、田口監督としてはここ10年のどれとも違うけれども王道を走っている作品にしたとインタビューで答えています。
メイン脚本は小柳啓伍さん
発表になりましたね...!
メイン脚本と、田口監督と共にシリーズ構成を担当させて頂いております。
自分自身、7月8日(土)からのオンエア&配信が楽しみでなりません!
何卒、宜しくお願いいたします!! https://t.co/uHUFS1OQOF— 小柳啓伍 (@KeigoKoya) April 21, 2023
今回、メイン脚本として田口監督と共にシリーズ構成を担当するのは小柳啓伍さんです。2006年からアニメ制作会社で制作進行や設定の仕事を始め、2011年にフリーとなり、現在はアニメの脚本をしながらアニメや特撮などの設定考証や軍事考証も行っています。
ウルトラシリーズ参加のきっかけは
小柳さんがウルトラシリーズに初めて参加したのは、ウルトラマンZで軍事考証として携わったのが最初です。小柳さん曰く、「田口監督からキングジョーSC(ストレイジカスタム)のイラストを見せてもらい、『これの各部に名前をつけるとしたら何がいいと思う?』と聞かれたのが全ての始まりです」とのことです。その後、ウルトラマントリガーの脚本にも参加し、今回はメイン脚本家として田口監督とタッグを組むことになりました。
制作会社、制作スタッフについてのまとめです
ウルトラシリーズ最新作「ウルトラマンブレーザー」を制作する円谷プロダクションと、メイン監督の田口清隆さん、メイン脚本を担当する小柳啓伍さんについてご紹介しました。ニュージェネレーションヒーローズ作品全てに携わってきた田口清隆監督が、ここ10年の作品のどれとも違うけれども王道のウルトラマン作品にすると言っていた「ウルトラマンブレーザー」がどんな作品なのか、今から放送が楽しみですね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。