『王様ランキング』は漫画投稿サイト「マンガハック」で投稿されており、累計発行部数が150万部を突破しています。2021年にはアニメが放送され、大いに注目されました。絵本のような可愛らしい作画の一方で、内容は人間ドラマの要素が強くとても重厚なストーリーとなっています。アニメ版の新シリーズも4月に放送されることで、話題になっています。新シリーズの放送を楽しみにしている人がいる一方で、まだこの作品を知らない人にとっては「一体何が面白いの？？」と感じるのではないでしょうか。今回は、まだ『王様ランキング』を知らない人のために、この作品の魅力を様々な観点から伝えたいと思います！
はじめに：どんなストーリー？
物語の魅力を語る前に、まずはどのようなストーリーなのか大まかに紹介したいと思います。主人公はボッジという少年です。ボッジは巨人の両親から生まれましたが、とても小さくて非力です。短剣どころか石を持つことも出来ません。それだけでなく、ボッジは耳が聞こえず言葉も話すことが出来ません。そんなボッジはハンディキャップを抱えながらも、強い王になることを夢見ていました。しかしボッジに対して、国民の反応は冷ややかな物でした。王様の器では無いと国民から嘲笑され、王国内の恥として扱われてしまいます。まるで裸の王様のような扱いでした。そんなボッジにも「カゲ」という支えてくれる仲間が出来ます。ボッジにとってカゲは信頼できる親友のような存在です。ボッジとカゲの壮大な冒険の行方は、一体どうなるのでしょうか。次からは、この作品の面白さや魅力を様々な角度から紹介したいと思います！もしかしたら一部ネタバレがあるかも知れませんが、極力避けていきたいと思います。
迫る危機をどう乗り越えるか？
ボッジの父親のボッズ王は、亡くなる前の遺言としてボッジを次の王に決めました。しかしボッズ王が亡くなった後に実際に王として任命されたのは、ボッジの弟であるダイダという人物でした。ボッジとダイダは母親が違うので、異母兄弟の関係です。遺言があったにも関わらずダイダが任命されたことに、闇を感じますよね。ダイダは魔法の鏡に「ボッジが生きていればあなたの命も危うくなる」と予言され、ボッジの暗殺を企てます。ボッジが自分の身に迫る危機をどう乗り越えるかが物語全体のテーマであり、この物語の面白さでもあります。そしてボッジの運命を巡って、ボッジを取り巻く他の人物たちが様々な活躍をします。そのことについては次の項目で紹介したいと思います！
人間の様々な心情を見ることが出来る
作画がまるで絵本のような可愛らしい雰囲気なので、子ども向けなのかなと思った方もいるかも知れません。しかしその予想は、良い意味で裏切られることになると思います。大人にとても突き刺さるような内容で、場面によっては思わず泣いてしまうかも知れません。この作品の魅力は、人間の心情の部分にあると思います。ボッジは様々な人間に裏切られます。信頼していたのに命を狙われる恐怖は、トラウマになってしまいそうです。しかしボッジの心が折れそうな時は、いつもカゲがそばにいます。カゲがボッジにとって唯一の救いとも言える存在なのです。
何故ボッジは裏切られるのか？
ボッジが周りの人間に裏切られる理由は様々です。裏切る方に非があるケースや、必ずしもそうとも言い切れないケースもあります。私利私欲のためにボッジを裏切る人物もいます。これは完全に向こうに非がありますね。誰かのためや、王国のためを思って裏切る人物もいます。これは私利私欲では無いものの、ボッジを巻き込んでいるので何とも言えない感じです。ボッジのためを思って行った行為が、結果的にボッジを裏切ることになってしまったというケースもあります。これに関しては相手は悪気が無かっただけに、とても切なく辛いですね。理由によって、視聴者が納得できたり納得できなかったり色々あります。ただ、ボッジにとってはどんな理由であっても「裏切られた」という事実が突き付けられるので、結果的に彼にとっては辛いことに間違いありません。
善悪で分けられないキャラクターたち
王道の冒険モノといえば正義と悪の関係性がハッキリしており、勧善懲悪のようなストーリーが特徴ですが、この作品では必ずしもそうではありません。悪いと思ったキャラクターが実は必ずしもそうでなかったりします。シンプルに善と悪で分けられないキャラクターが多く、最初は視聴者に嫌われていたキャラクターが途中で評価が変わったりすることもあります。こういった部分もこの作品の面白さです。例を挙げると、ボッジの継母のヒリング王妃もそういったキャラクターです。ヒリングは実の子では無いボッジを良く思わず、実子であるダイダの方を常にひいきしていました。気が強くヒステリックで、カゲには最初は悪い印象を持たれていました。視聴者にとっても、ヒリングの第一印象は決して良くなかったと思います。しかし、彼女の本当の姿はそうでも無いようで・・・といった感じです。言い過ぎるとネタバレになってしまうので控えますが、悪い一面だけ見た時にその人のことを「悪い奴」だと思ってしまうのは仕方ないということです。この作品ではそれが良く分かります。詳しくはぜひ原作やアニメをチェックしてみて下さい。
伏線回収の面白さ
伏線回収の面白さもこの作品の魅力です。時系列をバラバラに放送することで、あの時にこんなことが起こっていたのか！といった発見や驚きを与えてくれます。時系列をバラバラにする手法は他の作品でも見かけますが、それが上手くいかなかった場合「意味不明なストーリー」という評価をされてしまうこともあるので、実は結構勇気の要る手法だったりします。しかしこの作品では時系列の順番を変えることで、伏線回収を見事に行っています。
王様ランキングの魅力まとめ
『王様ランキング』は作画は子ども向けですが、内容的にはむしろ大人向けの作品になっています。きっと多くの人が、ボッジを始めとした様々なキャラクターに共感することでしょう。まだ観てない人は新シリーズの前に是非チェックしてみて下さいね！それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。
