カイジの代名詞とも言っていいのは、作中に登場する効果音の「ざわ...ざわ...」ですよね。この効果音には、単純に周囲がざわざわと騒がしくなっているという意味だけではなく、胸騒ぎがしたときなどの心理描写としても使われています。カイジの唯一無二の効果音と言ってもいい「ざわ…ざわ…」ですが、今回はそんな「ざわ…ざわ…」が登場したシーンを紹介していきたいと思います。
1.鉄骨渡りの説明を受けている債務者たち
カイジに登場2つ目のギャンブル鉄骨渡りの説明を受けている債務者たちが「ざわ...ざわ...」しているシーンです。鉄骨を渡るだけという説明をされているのですが、鉄骨から足を滑らせれば、高さ10mほどの高さから落下するということで、参加者たちは恐怖から騒がしくなっています。大金を得られるチャンスがあるとはいえ、失敗すれば大けがするということもあって、戸惑いや後悔などの複雑な心理面を一発で表現されていますね。カイジの中ではよくある光景ですが、これこそがカイジの魅力ともいえますね。
2.大槻との勝負に相対するカイジ
地下でのチンチロリン勝負の中で、大槻のイカサマを見抜いたカイジ、今度は逆にそのイカサマを逆手にとって大槻を負かそうと試みます。練りに練った戦略と勝利への道筋を作り上げたカイジ、後はそれを着実に実行するだけというシーンです。計画を一つ一つこなしながら、少しでも大槻に不信感を与えてしまっては、計画が破綻してしまうという不安と、積み上げた戦略に対する自信が表れているシーンですね。
3.カイジの戦略に負かされる北見
限定じゃんけんにて、窮地に立たされたカイジに勝負を挑まれた北見。最初は勝負を断ってきましたが、カイジの挑発によって勝負を受けることを決めます。この時には、北見には勝算があり、カイジには勝てると思い込んでいました。しかし、カイジの術中にハマり、手痛い敗北を喫してしまいます。その瞬間の勝つ確率の高い勝負に、負けてしまった戸惑いを表したシーンです。目の前で何が起きているのか理解できずにいるが、得も言われぬ不安が押し寄せている心理を表した「ざわ…ざわ…」ですね。
4.単純に居酒屋がざわざわとしているシーン
カイジが働いているコンビニの同僚でもある佐原が、カイジをハメようとしたことがバレ、それを誤るためにカイジを居酒屋に連れて行くシーンです。このシーンで使われている「ざわ…ざわ…」は単純に居酒屋の中が騒がしいことを表現している効果音です。「ざわ…ざわ…」にもこういったシンプルな使い方がありますね。しかし、深読みをしてみれば、この後カイジたちは鉄骨渡りに参加することになるのですが、それを暗示するかのような不審な雰囲気を醸し出しているとも思えますね。
5.鉄骨渡りの抜け道に疑いを持つカイジ
高層ビルを使った鉄骨渡りの終盤、鉄骨の横にガラスでできた抜け道を見つけたカイジ、真っすぐ行って罠にかかり落下した佐原を見て、この抜け道が正解であると思うカイジなのですが、これまで散々罠にかけられてきたカイジは、目の前の抜け道に疑心暗鬼になります。その心理を「ざわ…ざわ…」という効果音で表現しています。一歩間違えば死んでしまうギリギリ状況の中で、疑いと安堵が交差する極限状態といえるでしょう。
まとめ
カイジを語る上で「ざわ…ざわ…」は外すことはできません。最初は違和感のある効果音でしたが、ここまで作品の中で定着すると、これなしにはカイジを見ることができなくなります。状況や心理を明確に表現することができる、万能な効果音「ざわ…ざわ…」。皆さんもカイジを読むときは、キャラクター達と一緒に「ざわ…ざわ…」しながら作品を楽しんでみるとより一層面白くなりますよ。