アニメのオンエアまであと僅かとなった、異色の医療SFオムニバス『AIの遺伝子』(アイのいでんし)。外見からは純然たる人間なのか見分けがつかないようなヒューマノイドやロボットが当たり前に存在する、現在よりもちょっと未来の世界を舞台にした、思弁的でヒューマニズムに溢れた物語はどのような人たちによって作られたのか、原作者やアニメ版の製作スタッフ、ならびに現時点で判明しているキャストをまとめてご紹介します!
スタッフ
原作:山田胡瓜(やまだ・きゅうり)
アニメの原作である漫画『AIの遺電子』の作者、山田胡瓜先生ですが、ネット上の情報をいろいろ調べましたが、残念ながら正確な年齢はわかりませんでした。性別も特に公表はされておりませんが、インタビュー記事の口調や自画像が男性なのでおそらく男性かと思われます。また、Livedoor Newsのインタビュー記事によると、『AIの遺電子』単行本第1巻が発売された2016年に結婚したとのことなので、そこから類推するにおそらく年齢は30代前半くらいではないかと思われます。ちなみに自画像はペンネームを反映して、胡瓜の輪切りが顔になっています。幼い頃から漫画家を志望していたそうですが、早稲田大学に進学した際には特に漫研などに所属することもなく3作ほどを描き上げて「ビッグコミックスピリッツ」に持ち込みを行ったそうです。大学卒業後は、まったくそういう方面の知識がなかったにも関わらず、デジタル関連のニュースを扱うITmediaに就職し、6年ほど記者として過ごしたそうです。ここでさまざまなコンピュータやデジタル関連の情報に触れたことが『AIの遺電子』を生み出す土壌になりました。2007年に月刊アフタヌーンに持ち込んだ作品がアフタヌーン四季賞の佳作を受賞し、2012年に『勉強ロック』でアフタヌーン四季大賞を受賞したことをきっかけにITmediaを辞め、以降、専業の漫画家となりました。2013年より古巣のITmediaにて連作の読み切り短編『バイナリ畑でつかまえて』の連載を開始し、2015年11月から2017年8月まで週刊少年チャンピオンで、今回のアニメの原作である『AIの遺電子』を連載します。ほぼ間を置かず、2017年10月から2019年6月まで、別冊少年チャンピオンにて続編『AIの遺電子 Red Queen』を連載しました。オムニバスの読み切りだった『AIの遺電子』とは異なり、こちらは須藤を主人公とした長編のストーリーです。およそ1年間の充電ののち、2020年8月より今度は須藤が独立開業する以前の前日譚である『AIの遺電子 Blue Age』を別冊少年チャンピオンにて連載開始しました。こちらは現在も連載中です。
監督:佐藤雄三(さとう・ゆうぞう)
『AIの遺電子』の監督、佐藤雄三氏は1960年2月19日生まれの現在63歳です。サンリオ、スタジオギャロップ等を経てマッドハウスに入社しました。おもな代表作に「Yawara!」、「MONSTER」、「闘牌伝説アカギ~闇に舞い降りた天才から」、「逆境無頼カイジ」シリーズ、「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」」などがあります。
シリーズ構成・脚本:金月龍之介(きんげつ・りゅうのすけ)
『AIの遺電子』のシリーズ構成と脚本を担当する金月龍之介氏は、1971年9月29日生まれの現在52歳です。かつてはムービックに所属し商品企画などを担当していました。その際に看板キャラクターである『アニメ店長』の立ち上げに携わったそうです。おもな作品に「ニニンがシノブ伝」、「フタコイ オルタナティブ」、「百花繚乱 サムライガールズ」、「はぐれ勇者の鬼畜美学」などがあります。
キャラクターデザイン・総作画監督:土屋圭(つちや・けい)
キャラクターデザインと総作画監督を担当する土屋圭氏の生年月日や年齢などは分かりませんでした。検索をかけても、あの「ドリキン土屋」ばかりヒットするのには少々手こずりました。画像は土屋圭氏のTwitterアイコンです。おもな作品に「少年ハリウッド」、「ブギーポップは笑わない」、「ノー・ガンズ・ライフ」、「LAIDACKERS レイドバッカーズ」、「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」、「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」などがあります。
サブキャラクターデザイン:尾崎智美(おざき・ともみ)
サブキャラクターデザインを担当する尾崎智美氏の生年月日や年齢などはやはり分かりませんでした。ゲーム業界を経てイラストレーターとして活動しており、夫はラノベなどのイラストを多数担当するイラストレーターのtoi8氏です。画像は尾崎智美氏のTwitterにアップされていた自己紹介用の画像です。キャラデザに携わったおもな作品に「ギルティクラウン」、「シュヴァリエ」、「進撃の巨人」、「鬼灯の冷徹」、「ブブキ・ブランキ」などがあります。
音楽:大間々昴(おおまま・たかし)
音楽を担当する大間々昂氏は、1983年4月23日生まれでギタリストであり、主に映画・ドラマ・アニメの音楽をはじめ、CMやアーティストへの楽曲提供など幅広い分野で活動していらっしゃいます。主な作品に「機動戦士ガンダム Twilight AXIS」、「アトムの童」、「城下町のダンデライオン」、「されど罪人は竜と踊る」、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」などがあります。
音楽:田渕夏海(たぶち・なつみ)
同じく音楽を担当する田渕夏海氏は、1989年9月12日生まれの現在33歳です。大学卒業後、ゲーム音楽制作を経て現在はジャンル問わず劇伴作家として活動中です。おもな作品に「下町ロケット」、「城下町のダンデライオン」、「うらら迷路帖」、「五等分の花嫁」、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」、「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」などがあります。
アニメーション制作:マッドハウス
アニメ好きにはおなじみのアニメ製作会社であるマッドハウスですが、現在は日テレの完全子会社です。1972年に旧虫プロの従業員だった丸山正雄、出崎統、りんたろう、川尻義昭らが虫プロの経営危機に際して独立して設立したのがはじまりです。おもな作品に「Yawara!」、「カードキャプターさくら」、「アニマトリックス」、「ギャラクシーエンジェル」、「TRIGUN」、「GUNSLINGER GIRL」、「DEATH NOTE」、「電脳コイル」、「ちはやふる」、「魔法科高校の劣等生」、「寄生獣 セイの格率」、「俺物語!!」、「ノーゲーム・ノーライフ」、「オーバーロード」、「ワンパンマン」、「ACCA13区監察課」、「宇宙よりも遠い場所」、「若おかみは小学生」、「吸血鬼すぐ死ぬ」などがあります。
キャスト
須藤光:大塚剛央(おおつか・たけお)
東京都出身、1992年10月19日生まれの現在30歳です。事務所はアイムエンタープライズに所属しています。主な出演作品と担当キャラクターに「風が吹いている」蔵橋走、「Dimensionハイスクール」緑ヶ丘流星、「NOBLESSE-ノブレス-」タキオ、「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」リオン・フォン・バルトファルト、「もののがたり」岐兵馬、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」ラウダ・ニールなどがあります。
樋口リサ:宮本侑芽(みやもと・ゆめ)
福岡県出身、1997年1月22日生まれの26歳です。劇団ひまわりに所属しています。幼少時から子役として舞台やテレビドラマなどに出演してきました。主な出演作品と担当キャラクターに「SSSS.GRIDMAN」宝田六花、「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」カエル/飛鳥井木記、「イエスタデイをうたって」野中晴、「ゴジラ S.P.<シンギュラポイント>」神野銘、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」ニカ・ナナウラなどがあります。
ジェイ:岩中睦樹(いわなか・むつき)
福岡県北九州市出身、1994年1月7日生まれの現在29歳です。事務所はマウスプロモーションに所属しています。おもな出演作品と担当キャラクターに「ようこそ実力至上主義の教室へ」山内春樹、「キャプテン翼」井沢守、「マーベル スパイダーマン」ピーター・パーカーなどがあります。
カオル:高森奈津美(たかもり・なつみ)
山梨県甲府市出身、1987年2月14日生まれの現在36歳です。事務所はラクーンドッグに所属しています。おもな出演作品と担当キャラクターに「Another」見崎鳴、「さくら荘のペットな彼女」上井草美咲、「プリティーリズム ディアマイフューチャー」深山れいな、「放課後のプレアデス」すばる、「ブレイブウィッチーズ」ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン、「デリシャスパーティ・プリキュア」コメコメなどがあります。
おわりに
昨今では珍しい一話完結型のオムニバス・ストーリーの新作アニメであり、ぱっと人目を惹くような派手な戦闘シーンなどは存在しない、「人間性とはなにか」「感情とはなにか」といった思弁的な内容を訴求する作品なので、どのような形でアニメが展開されるのかが今から楽しみです。SF的な仕掛けはこの作品の場合、あくまで物語の基礎となる「世界観」の構築に用いられており、その舞台の上で展開されるのは、市井の人たちが織りなす喜怒哀楽のヒューマンドラマなので、1クール通して視聴した際に、原作とは異なるストーリーの連続性が感じられるのかといった、どのような視聴後感を得られるのかに注目したいと思います。