十二鬼月とは大人気作品の鬼滅の刃に登場する鬼舞辻無惨直属の配下で、あらゆる鬼の中でも最強の実力を持っています。鬼の中では十二鬼月になる事が史上最大の名誉であり、名を連ねる為に人を喰らい力を増幅させて行きます。しかし鬼が憧れる十二鬼月の実態は無惨の手駒に過ぎず、作中でも無惨の機嫌次第で序列が変動したり処刑されたりしています。本記事では無限列車編までに登場した十二鬼月を紹介して行こうと思います。
そもそも十二鬼月って何??
十二鬼月とは①
十二鬼月は無惨が自身の姿を晒す事無く鬼殺隊を壊滅させる為に作った組織の総称で名前の通り十二体の鬼で構成されています。十二鬼月の中でも上弦の六鬼と下弦の六鬼によって分けられています。同じ十二鬼月の中でも上弦と下弦では天と地の差があり、下弦は顔ぶれや序列が何度も変動していますが上弦は百年以上もの間顔ぶれが変わっていません。その為に下弦の鬼達は上弦の鬼達に蔑まれ嫌われています。とはいえ、下弦であっても実力は高く、並大抵の鬼殺隊士では歯が立ちません。
十二鬼月とは②
十二鬼月は完全な実力主義で単純に強ければ十二鬼月になる事が出来ます。昇格/降格/除名などは全て無惨の意思によって決められており、素養が無いと判断された鬼やその鬼よりも更なる力を持った鬼が現れた場合は簡単に降格・除名をされてしまう他、最悪無惨自身の手によって処刑されてしまう事もあります。作中では下弦の陸だった響凱は人を喰えなくなった事を理由に階級を剝奪されてしまいました。
下弦の鬼達の概要
可哀想な下弦の鬼達①
下弦の鬼は十二鬼月の中でも実力が下位の六名で、下と序列に伴った数字が片目だけに刻まれています。実力は上弦よりも遥かに低く、鬼殺隊では柱の昇格条件として十二鬼月を倒す事が上げられており、柱の素質を持った者や柱に狩られる事が多いです。その為に序列の変動や構成員の入れ替わりがかなり激しくなっています。更に今まで柱を倒したのは全て上弦の鬼達であり、下弦は柱を倒した事がありません。以上の事も相俟って十二鬼月内でも肩身は狭く、上弦の鬼達や無惨に蔑まれています。
可哀想な下弦の鬼達②
上弦の鬼に比べて大きな戦果を上げる事が出来ず、加えて無惨のお気に入りだった下弦の伍の累が炭治郎・義勇の手によって殺されてしまった事をきっかけに無惨は下弦の鬼達に見切りを付けます。無限城に下弦を招集して会議とは名ばかりの一方的な処刑を始めます。この会議の結果下弦の壱の厭夢を除いた弐/参/肆/陸が無惨の手で殺されてしまいました。残った厭夢も無限列車編で炭治郎に討伐されてしまい、下弦は全滅してしまいました。
下弦の壱・魘夢
鬼としては珍しい青色の瞳と燕尾服に似ている服を着ている鬼です。他の下弦の鬼達が無惨によって殺されて行く中で唯一処刑を免れました。無惨の血を分け与えられて血に順応した後、魘夢は無限列車へと乗り込み炭治郎達と戦うことになります。実力としてはとても厄介な鬼で、煉獄杏寿郎/竈門炭治郎/我妻善逸/嘴平伊之助/竈門禰豆子の誰かが欠けていたら炭治郎達が敗北していた可能性が高く、魘夢も個々であれば勝てていたと見積もっていました。
血鬼術『夢操作』
相手を眠らせて魘夢の意のままに夢を見せて心理攻撃を行うという厄介な血鬼術です。夢を見ている対象は身体を動かす事が出来ず、この血鬼術に勝った時点で魘夢の勝利はほぼ揺るぎの無いものになります。夢の中に干渉する事も可能で魘夢は人間の刺客を送り込ませて対象の精神を破壊してから捕食を行います。この術を破る為には夢の中で死ぬしか方法がありません。
『強制昏倒催眠の囁き』
口が付いた左手から言葉を発して、聞いた相手を即座に眠らせる事が出来る術です。発動は音を介する為に防御手段は殆どありません。作中では無限列車の車上で炭治郎と対峙した際に使用していました。しかし、炭治郎が術に掛かった瞬間夢の中で自殺をした為に破られてしまいました。
『強制昏倒睡眠・眼』
魘夢と目が合った者を強制的に眠らせるという術です。肉塊の柱に夢と刻まれた眼を無数に出現させて自身の頸を狙う炭治郎と伊之助に使用しました。破られても即座に掛けなおす事で炭治郎に消耗戦を仕掛け、何度も死ぬ事に抵抗が無くなった炭治郎に夢だと錯覚させて現実で自殺させようと仕向けました。しかしながら伊之助には通じずに彼の機転で魘夢は敗北を喫しました。
下弦の弐・轆轤
見た目は作務衣に身を包んだ中年の男性と言った風貌であごひげと顔面全体のひび割れが特徴の鬼です。下弦の解体が決定され、目の前で同僚たちが次々と処刑されて行く中で自分はまだ役に立てると無惨に懇願します。具体的にどんな役に立つのか、猶予は?と尋ねられて返答に詰まった轆轤は無惨の血を貰う事を願い出ます。しかし、それが無惨の勘に触ったらしくあっさりと処刑されてしまいます。他の下弦とは違い、処刑シーンは描かれずに退場しました。その為、血鬼術は不明です。
下弦の参・病葉
顔に付けられたバツ印の三つの傷と三白眼が特徴の鬼です。無惨が女性の姿になっている事に気付かず、声でようやく彼の存在に気付きます。陸の釜鵺と肆の零余子が理不尽極まりない凄惨な殺され方をした結果、その場から逃亡を企てますが頭だけの状態でいつの間にか無惨に捕まってしまい、床に転がされた挙句に朽ち果ててしまいます。彼も血鬼術は不明です。
下弦の肆・零余子
赤い着物と二つの角が特徴で下弦の中では紅一点の鬼です。柱と遭遇した場合は逃げる事を考えており、鬼の思考を読み取る事が出来る無惨にその事を咎められます。必死に弁解をしますが無惨に言う事を否定するのか?と返されてしまい、絶望顔を浮かべながら答えられずに無惨の触手によって潰されて喰われてしまいます。彼女も血鬼術は不明です。
下弦の伍・累
白髪と蜘蛛の巣の意匠を施した着物が特徴の鬼です。作中で最初に登場した十二鬼月で家族と称した群れを作り、那田蜘蛛山を根城として活動していました。これまでに登場したどの鬼よりも強く、炭治郎を大いに苦しめました。なお、累は序列を変動させる入れ替わりの血戦に興味が無かった為に下弦の伍のままでしたが、下弦の壱・弐ほどの実力を有していました。
血鬼術『糸』
手から出す糸を自在に操る血鬼術です。細い糸ですが対象を切り刻む鋭い刃と鋼並みの強度を誇る攻防一体の武器となっていて、炭治郎の日輪刀を何の技も繰り出さずにあっさりと切断してしまいました。
『刻糸牢』
蜘蛛の巣状の糸で相手を包囲しながら切り刻む技です。
『殺目篭』
篭上の糸で相手を閉じ込めて徐々に糸を狭めながら確実に相手に止めを刺す技です。
『刻糸輪転』
竜巻の様な渦を巻く最硬度の糸で襲い掛かりバラバラにする技で、炭治郎が放った水の呼吸の奥義である生生流転を阻みました。しかし、ヒノカミ神楽円舞と義勇の拾壱ノ型の凪ではあっさりと斬られてしまいました。
下弦の陸・釜鵺
白のワイシャツと渦巻き模様の入った羽織、顔面の模様が特徴の鬼で十二鬼月の中でも最弱です。無惨に招集されて下弦が満足な働きをしてない事を咎められますが釜鵺は心の中で不満を抱きます。心の声を読んだ無惨の機嫌を損ねて逆さ吊りにされた挙句、見せしめの様に殺されてしまい最初の犠牲者になってしまいました。彼も血鬼術は不明です。
元下弦の陸・響凱
鼓屋敷を根城としている鬼で屈強な体躯と身体のあちこちに生えた鼓が特徴の鬼です。元々は下弦の陸でしたが、多くの人肉を喰らう事が出来ずに見かねた無惨に地位を剥奪されてしまいます。十二鬼月への復権を目指して少量で力を得られる稀血の人間を探し出して喰らう計画を思いつきます。矢琶羽との傷が癒えていない炭治郎と戦い、敗北しました。
血気術『鼓』
身体に埋め込まれた鼓を打つ事で斬撃を飛ばしたり、部屋を回転させたり、空間を転移させる事が出来る多彩な能力を持っています。高速で交互に鼓を打ち目まぐるしく回転する部屋と斬撃が飛び交う「尚速鼓打ち」という強力な技を持っていましたが、炭治郎に技を読み切られてしまい頸を斬られてしまいました。
上弦の鬼達の概要
謎が多いながらも圧倒的な強さを持つ上弦の鬼達
上弦の鬼はあらゆる鬼の中で上位に君臨する実力を有している鬼達で下弦を含めた他の鬼とは比べ物にならないほど力の差があります。鬼殺隊との戦いの中で百年以上顔ぶれが変わっておらず、鬼殺隊最強の柱でさえも単騎では上弦の鬼を倒す事が難しく、幾度となく柱を葬り去っています。上弦と相対した者は皆死んでいる為に上弦の鬼の情報は全くと言って良いほど残っていません。今現在明らかになっている上弦の鬼は上弦の参・猗窩座のみです。
上弦の参・猗窩座
徒手空拳のスタイルで戦う武闘派な鬼で正面から戦いを好む鬼です。鬼として生きて来た時間を修練に費やした結果絶大な戦闘力を手に入れ、その力で幾人もの柱を葬ってきました。強者との戦いを心の底から求めており、強者と認識した杏寿郎に対して鬼になるよう勧誘したり、戦いの最中でも敬意を払う様子を見せていました。しかし弱者に対しては徹底的に忌み嫌っており、動けない炭治郎を無言で殺そうとしました。その理由も話の邪魔になりそうという身勝手な理由でした。
血鬼術『破壊殺』
自身の身体能力を強化して徒手空拳による技を放つだけのシンプルな血鬼術です。他の血鬼術に比べて単純明快でシンプルな血鬼術ですが、逆に言えばこの一つだけで事足りると言う事です。搦め手や策を講じる必要が無く、己の肉体だけでどんな相手も葬り去って来たと言う事になります。
『羅針』
「術式展開」の合図で足元に雪の結晶を模した羅針の陣を出現させる術で基盤となります。相手の力(闘気)を感知して動きを読み取る事が出来る為、猗窩座はこれを元に攻防を繰り広げています。猗窩座は闘気によって相手の強弱を決めており、杏寿郎と相対した時は彼の闘気を褒め称え、至高の領域に近いと評していました。
『空式』
拳を虚空に打ち込み衝撃波を発生させて距離の離れた相手に攻撃を行う技です。タイムラグもほぼ無く、視認する事も出来ない技になります。その為、並の隊士ならば避ける事も近づく事も出来ずにこれ一つで倒されてしまいます。杏寿郎は肆ノ型・盛炎のうねりでこの技を防ぎ、一気に猗窩座へと距離を詰めました。
『乱式』
拳による強烈な連打を両腕から高速で繰り返す技です。近づかれてもこの技で殴殺する事が出来る為、これも並の隊士では太刀打ち出来ません。杏寿郎の伍ノ型・炎虎と正面からぶつかり合いました。
『滅式』
杏寿郎が放った炎の呼吸の奥義である玖ノ型・煉獄と真正面からぶつかり合い、打ち破って杏寿郎に致命傷を負わせた技です。滅式の名に相応しく、凄まじい速さと破壊力で何もかもを滅し尽くします。
活躍①
初出は無限列車編で、厭夢を倒した炭治郎と杏寿郎の前に姿を現します。負傷して動く事の出来ない炭治郎を弱者と判断して無言で殴りかかりますが杏寿郎の弐ノ型・昇り炎天によって阻止されます。杏寿郎との戦闘では一進一退の攻防を繰り広げますが、傷を負って疲弊して行く杏寿郎と傷も治り披露しない猗窩座ではどうしても埋めきれない差があり杏寿郎は追い詰められてしまいます。
活躍②
それでも屈さない杏寿郎は奥義の玖ノ型を構え、闘気を練り上げます。猗窩座は杏寿郎を褒め称えながらも破壊殺・滅式で打ち破り、杏寿郎の鳩尾を拳で貫き致命傷を与えます。致命傷を負っても尚頸を斬ろうとする杏寿郎の精神力に驚くと同時に夜明けが迫る中で焦燥感に襲われてしまいます。自身の両腕をちぎってその場から逃げ去る炭治郎に罵倒されながらも、戦いは猗窩座の勝利で幕を降ろします。
まとめ
如何でしたでしょうか。今回紹介したのは作中で登場した十二鬼月になります。下弦は全て登場し、残すは上弦の鬼だけとなりました。下弦相手でも柱無しでは炭治郎達は苦戦を強いられていましたが、柱でも敵わない上弦が出て来た今、炭治郎達は更なる岐路に立たされています。彼らは杏寿郎の死を糧に修行を積んで成長して行きますが、鍛え上げた刃が上弦の鬼相手にどこまで通用するのか必見です。また、外伝漫画や小説に今回紹介しなかった元下弦の鬼が登場するのでよろしければ御一読下さい。ここまで読んで頂きありがとうございました。