『Fate/Zero』は本編である『Fate/stay night』から10年前に行われた第四次聖杯戦争の様子が描かれている作品で、8人のマスターと8体のサーヴァントが登場しています。その中から今回はライダーのマスター「ウェイバー」について、その正体や作中での描かれ方などを紹介していきましょう。
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
ウェイバーのプロフィール
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第四次聖杯戦争におけるライダーのマスター。 ロンドンの時計塔の学生。19歳。両親がいたが、数年前に死別している。術師としてはベルベット家三代目だが、本格的に魔術を学び始めたのはウェイバーが初めてのため、実質初代にあたる。 その為、魔術回路も刻印もお粗末なもので、魔術師の家系として浅い家柄にコンプレックスを持ち、その差を努力と才能で埋めようとしているが、軽んじられている。
二分化する評価
それ故に、作中では“真っ当な”魔術師であるケイネスや遠坂時臣から酷評されている。その一方で、意図こそ違うものの衛宮切嗣やイスカンダル、ギルガメッシュといった、異端または規格外の人物からは高い評価を受けている。
聖杯戦争への参加動機
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
参加動機はみんなに自分の才能を認めさせる事。 作中ではまともな魔術師には魔術回路や魔術刻印を理由に酷評されていたが、 後述する柔軟な発想などに関しては規格外な面々には高く評価されている。
逆恨みで聖杯戦争に参加!?
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自らを優秀と信じて憚らないナルシスト(というより世間知らず)であるが、実際には一般人への暗示すら完璧にはこなせないほど未熟で非才。
魔術師の能力は遺伝で決まる要素が多く、世代を多く重ねているものほど魔術回路の本数が多くなり、魔術刻印で継承される魔術の質も高くなる傾向にある。
嘲笑の的
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そのため、当時の時計塔は勉強ができなくても家の歴史が長いほど偉いという腐敗した風潮が蔓延していた。この状況を訴える為、遺伝よりも本人の才能を認めるべきだとウェイバーは主張するも、師のアーチボルトをはじめ周囲の学生からは嘲笑の的であった。いくら魔術の知識があったところで、生まれ持った魔術回路がお粗末な彼は、レベルの高い魔術が使用できないのである。
逆恨みで・・・
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
講師であるケイネスとは自分が書いた魔術の理論書を話にならないと破かれた事で妬みを持っている。 因みに内容自体はケイネスの言う通りのダメダメだった可能性が高い模様。 アニメでは分かり易く他の学生達も集まった講堂で晒し者にされたが、完全に逆恨みである。その逆恨みを引きずったまま、ケイネス宛てに届けられるはずだった聖遺物を盗んで、ライダーを召喚して聖杯戦争に参加する。
魔術師としての能力
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魔術師としての実力は平凡クラス。直接関係はしないが、本来は魔術師が嫌う現代技術や機械操作にも手馴れており、型に囚われない柔軟な価値観を持つ。 作中で使用した魔術は、催眠による暗示、使い魔の使役、暗視、初歩の錬金術など。作中に登場した他の魔術師と比較すればやや見劣りはするものの、その種類は多岐に亘る。
錬金術を用いた分析
錬金術は本来専門ではないが、時計塔にいた頃、ケイネスの門下生であったためにたまたま習得していたもの。 この錬金術を用いた地道な水質分析によって、キャスター陣営の潜伏先を突き止めている。(実際はウェイバーより先に、アサシンおよび、アサシンと共謀しているアーチャー陣営が突き止めている。)
地頭の良さを発揮
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この功績に、ライダーも彼を「実はとんでもなく優秀なのではないか?」と感心しているが、ウェイバーはこれを一流の魔術師ならやらないで済む手法をわざわざ褒められたと不服に感じていた。しかし、着眼点と、前述の柔軟な価値観と思考を持ち合わせている点で、ある意味ではライダーの評価もあながち間違いでは無いと言える。
意表を突く結果を思わず出してしまうウェイバー
ウェイバー本人は全く意図したものではなかったのだが、この方法によって「魔術師は自身の魔術工房(結界や武器を備えた要塞)を構えそこを本拠地とする」というある種の固定観念を抱いていた衛宮切嗣の意表を突く結果となった。元々、ウェイバー自身は魔術工房を造るだけの技術や資金が無かった事も起因しているのだが。
豪運の持ち主のウェイバー
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さらに、ライダーの宝具『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』による飛行移動によって追跡が困難な事も相俟って、切嗣は聖杯戦争終盤に至るまでウェイバーの所在を特定する事が出来なかった。この為に彼は「ケイネスよりも賢明な判断」とウェイバーを高く評価し、拠点を突き止めた後も、罠の存在のを警戒して襲撃に踏み切れなかった。 偵察や張り込みは何度か行っていたが、その時に限ってウェイバーは出かけており、「やはり油断ならぬ敵」と認識されるという豪運ぶりであった。
成長するウェイバー
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
自らを優秀と信じて憚らないナルシストで、周囲が自分を認めないのは自分の才能に嫉妬しているからだと思っている。 だが実際には一般人への暗示すら完璧にはこなせない未熟で非才なへタレなひねくれ者。 しかし、ライダーの圧倒的な実力と器の大きさとカリスマに接することで、自らの未熟さ、器の小ささを自覚し、苦心するなかで人間として成長していく。
主人公よりも主人公している?
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
当初はライダーとそりが合わなかったが、次第に打ち解けていき何だかんだで良好な関係を築く。勝ち進んでいくに連れ、ライダーのカリスマ性と度量に感銘を受け、成長していく。アニメ23話から分かる通り、散々振り回されつつも終盤まで一度も令呪を使用していない。また令呪に使った内容からも、ファンからは「主人公よりも主人公してる」と評される。
ギルガメッシュも認める
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終盤には、ライダーを喪いながらも逃げることなくギルガメッシュと対峙し、序盤のヘタレ振りが嘘のように毅然とライダーへの誓いを口にし、
彼に「忠道、大義である」と見逃させるほどに成長した姿を見せた。
聖杯戦争後のウェイバー
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聖杯戦争の中で、自身の魔術の才能のなさを思い知らされ、聖杯戦争で敗れたケイネスの研究を引継ぎ、彼の才能と世代の必要性について認めるに至っている。 魔術師としては至らない部分の多い彼ではあるが、他人をプロデュースすることに関しては超一流であり、後に教育者として大成していく。多くの生徒を名のある魔術師として世に送り出し、「ロード・エルメロイII世」と称された。
相変わらずの嫉妬心
もっとも、教師として大成した現状に誇りを持っているかというとそうでもないらしく、自分を差し置いて有名になっていく生徒に嫉妬を覚えるなど、まだ自分自身の魔術師としての才能を評価されたいという願望はある模様。第五次聖杯戦争の十年後に遠坂家の当主と共に大聖杯を解体した事から、聖杯戦争を解体した男と呼ばれる事になる。 聖杯戦争から無傷で生還した事実も時計塔では評価されているらしい描写がある。
周りからの評価
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
魔術師だが考えはどちらかと言うと一般人寄りであり、魔術師一般に疎いとされている現代科学技術にもある程度精通している。加えて、魔術師としての知識は老練の魔術師が舌を巻くほど深いものである。 それらを活かし、古いやり方にもとらわれず新しいやり方を取り入れることから、時計塔の幹部の中では革新派と見られている。ただし実際は古いやり方であろうと新しいやり方であろうと有効であるならば取り入れるため、中庸というのが正しい。 ロードとして持ち上げられた当初はエルメロイの傀儡と思われていたが、すぐにその周囲の評価を覆したらしい。
教え子達からの評価
どんな教え子であっても投げ出さずに指導するためか、講師としての腕だけでなく人格も慕われているようで、 教え子に「時計塔で抱かれたい男No.1」などの称号も(勝手に)付けられたらしい。 彼が教え子達を集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われている
まとめ
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
各陣営の仲に様々な確執があり、それを埋めることが出来ないまま物語は進んでいくのですが、ライダー陣営だけは違います。最弱の魔術師のウェイバーは、自分の未熟さに卑屈な態度をとったりライダーに当たり散らしたりします。ですが、豪放磊落なライダーとともに過ごすことによりウェイバーは人間的に大きく成長をします。彼が見せる勇姿とライダーとの絆に最期は涙を禁じえません。