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じいさんばあさん若返る

【じいさんばあさん若返る】漫画業界の常識が崩れ始めている??本作が衝撃的だったわけ

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今年 2024年にアニメ版が放送されることとなった『じいさんばあさん若返る』ですが、 皆さんは、本作が週刊誌等の掲載ではなく、SNSから人気を集めた作品であることをご存知でしょうか。通常、アニメ作品というと、週刊誌などで掲載され、人気を集めた結果アニメ化されるものというイメージが多いですが、本作はそのようなプロセスを経ることなく、自らの実力のみでのし上がったタイトルとなっています。それ故に本作がアニメ化されることが発表された際には、SNSなどを通じて本作を応援していたファンから歓喜の声が溢れていましたよね。実は、ここまで本作のアニメ化が盛り上がったのも、SNS初の漫画作品がアニメ化される事が近年少しずつ増えてきたからなのです。最近は本作のようにSNSで人気を集めた漫画作品がアニメ化されることが多くなってきており、日本のアニメ業界そのものの形が変わりつつあると指摘されています。今回はそんなアニメ業界の近年の変化についてを切り口として紹介していきたいと思います。

従来の漫画業界

そもそも業界では先ほども紹介したように、週刊誌等の漫画掲載雑誌に認めてもらい、連載をスタートしなければ多くの人に見てもらうことができませんでした。そのため、アニメ化を目指す漫画家にとってまず初めに乗り越えるべき壁は週刊誌の編集部に認められ、漫画作品を連載させてもらう事だったのです。

週刊誌が発掘し、育て上げる

週刊誌も漫画家の人生を左右しているという事は承知しており、週刊誌では漫画家と編集者の協力関係が築かれています。週刊誌は漫画家を発掘するだけでなく、連載を通して育てあげていくことも大事なのです。そのような編集部と漫画家の共同作業の中で、さらに新しいアイディアが生まれ、漫画がより良くなっていくのです。

人気投票で読者の意見を把握

また、週刊誌では定期的に読者に対するアンケートが取られ、読者の声がダイレクトに伝わるように配慮されています。そのため、週刊誌に掲載されている漫画作品は編集者と漫画家、そして読者の共同作業でより良い作品へと成長していくのです。特に週刊少年ジャンプは作品同士の人気争いが激しい作品として知られています。

都市に集まる漫画家たち

従来の漫画家たちは週刊誌を連載している編集者に綿密に会うことができる環境が必要でした。そのため、漫画家にとって地方に住むという選択肢はなく、基本的に漫画家は都市部に住むこととなりました。地方に生まれた漫画家は、それだけでハンデとなってしまうような環境がこれまで漫画業界にはあったのです。

本作の特異性

このような漫画業界の前提を理解していると、本作のアニメ化がいかに画期的であったかがわかります。ここからはこれまでの業界の当たり前を前提に、本作のアニメ化がなぜ異質だったのかという点について紹介をしていきたいと思います。本作は新時代のアニメ作品といっても良いような異色の経歴を経て、アニメ化されることとなった作品となっていますので、ぜひともチェックしてみてくださいね。

SNSをきっかけにブレイク

本作は週刊誌ではなく、SNSをきっかけにブレイクした作品となっています。そのため、本作の連載に関して、SNSで公開されているものは基本的に編集者はついていないと思われます。仮についていたとしても、ある程度人気が固まってきた連載の途中からでしょう。そのため、本作の大元の設定や初期の制作に関しては、編集者の介入が一切ない状態で作られたものであると考えられます。

作者は青森でデビュー

さらに、本作の作者新挑先生は青森でデビューをした漫画家さんとなっています。先に紹介したようにデビューを目指す漫画家は編集者と綿密に打ち合わせる必要があるので、都市部に住む必要があります。しかし、SNSを中心に作品を公開されていた新挑先生は、編集部と密にコミュニケーションをとる必要がなかったのです。そのため、都市部でなくても漫画家活動を続けることができたのでしょう。

従来には見られなかった特徴

このように、本作の新挑先生がSNSを中心に活動をされていた漫画家であるからこそ、従来の漫画作品には見られなかった、異色の経歴があることがわかります。10年前の漫画業界ではあり得ることのなかった変化が、ここ最近の漫画業界では起こっているのです。そしてこのような変化は、今後の漫画業界を変えてしまうほどの力を持っているものであるかもしれません。

SNSは漫画業界を変えるか

本作の異色の経歴に焦点を当ててみると、SNSが大きな役割を担っていることがわかります。このように週刊誌ではなく、SNSで注目を集め、アニメ化までの勢いを手にしたという作品が多くあるからです。ここからはそのようなSNSがどのような変化を漫画業界にもたらすのかという点について簡単に紹介していこうと思います。

従来の週刊誌一強体制が崩れ始めている

現在はSNSの台頭によって、従来の週刊誌一強体制が崩れ始めていると言われています。現に隆盛を誇っていた週刊少年ジャンプの発行部数も縮小傾向にあり、人々が漫画作品を楽しむために、週刊誌をわざわざ買う必要がなくなりつつある現在の世相を表しています。確かに週刊少年ジャンプは、手軽に購入することこそできるものの、かなりの大きさがあり気軽に持ち運んで漫画作品を楽しむことはできませんね。しかし、一方でSNSであれば、どのような場所であっても、気軽に漫画作品を楽しむことができます。

都市にいなくてもデビューできるようになった

そして、何よりもSNSに投稿する分には編集者の介入がなくて済むのも大きな利点であるといえます。編集者がアドバイスをくれること自体は心強いですが、そのためにわざわざ東京などに足を運ばなければいけません。首都圏に住んでいる漫画家であれば負担が少ないと思いますが、今回の事例のように東北地方などに住んでいる漫画家さんからしてみると、大きなハンデとなっているのです。しかし、SNSであればわざわざ編集者と会う必要はありませんので、気軽に漫画作品を公開することができます。

読者の意見が反映されやすいSNS

週刊少年ジャンプの強みであった、読者との距離の近さも、SNSの方が優れているといえます。 SNSはもともとユーザ同士が交流することを目的として作られているシステムなので、読者の感想が作者に対して直に届くのです。そのため、週刊少年ジャンプで行われているようなアンケート調査や人気ランキングよりも、ダイレクトに読者の要望が作者に伝えられることとなります。これは大きなアドバンテージですよね。

SNS発の漫画作品のデメリットは?

都市部にいなくても、簡単に作品を公開できるようになりましたし、読者の意見がよりダイレクトに漫画家に届くようになりましたので、SNSは一見メリットしかないように思えてきます。しかし、よくよく考えてみると、古い週刊誌方式ならではのメリットがあったことも事実です。ここからはそんなSNS発の漫画作品のデメリットについて考えていきたいと思います。

作品が飽和状態だからこそ、キャッチーな作品に偏る

SNSで誰でも気軽に漫画作品を投稿することができるようになったため、SNS上には毎日膨大な量の漫画作品が投稿されることとなります。このような飽和状態に陥りやすいSNS上では、人々はよりキャッチーな作品を求めるようになります。週刊誌の様に連載されている作品を半ば強制的に見せられるのではなく、次の作品にすぐ移ることもできるため、なんとなく流し見をしているときに、目が惹かれるようなキャッチーな作品が見られる傾向にあるのです。

漫画作品のポピュリズム化

このため、従来の漫画作品よりも読者の主導権が強い傾向にあります。それ故にSNSに掲載されている漫画作品は、読者の声を意識した作品が多くなるのですが、これはメリットでもあり、デメリットでもあります。逆に言えば、一般人に受けやすい作品ほど人気を集め、残っていくこととなりますので、作者ならではのこだわりや、今は少し面白くないんだけど、これが後々ジャブの様に効いてくるという展開が描きづらくなってしまうのです。このような大衆迎合志向のことを政治用語ではポピュリズムというのですが、漫画業界でも、まさにこのポピュリズムが起きているのではないでしょうか。

長い目で育てられた漫画は存続できない??

実はドラゴンボールが初期に人気がなかったという話が有名なように、意外と後世に名を残している名漫画は、はじめのうちは人気が出なかったという話はよくあります。それ故に、編集部の人たちが長い目でその漫画の面白さを育てあげ、最終的にはみんなに認められる漫画作品に成長させたという背景があるのですが、簡単に別の作品にシフトチェンジがすることができるSNSでは、 人気が出なければ、すぐ他の作品の連載に移ってしまう漫画家さんが多いです。そのため、SNS上では長い目で育てられた漫画は存続できない傾向にあると言えるでしょう。

やり直しが効くからこそのデメリット

このようにSNSは様々な人が気軽に漫画作品を楽しむことができますし、様々な人が気軽に漫画作品を投稿することができるというメリットもあるのですが、逆に言えば古き良き週刊誌ならではの、1つの作品を周りの評価に縛られることなく、じっくりと育てあげるという気長な作品構成ができなくなってしまうというデメリットもあるのです。

デジタル化に舵を切る週刊誌

このように、メリットデメリットあるSNSですが、すでに週刊誌の発行部数が大きく減少しているように、時代はSNS主体の漫画連載に移り変わりつつあるようです。そのため、すでに週刊誌等を発行している出版社は、これらの漫画のデジタル化に舵を切っています。

古き良き漫画文化のこれから

今はまさに、古き良き週刊誌主体の漫画文化はSNSなどを始めとするインターネット配信時代に移り変わりつつある過渡期であるといえます。手塚治虫の漫画作品から始まり、世界中で受け入れられてきた日本の漫画文化は、デジタル化とともにどのような進歩を遂げていくのでしょうか。

アニメ産業自体はプラス成長

少なくとも、アニメ産業自体はプラス成長の傾向にあり、週刊少年ジャンプなどの週刊誌の発行部数減少という暗いニュースを補うほどのインパクトを有しています。今後も日本のアニメ・漫画産業が大いに発展していくこと自体は間違いなさそうです。

海外展開が容易に

特にSNSは週刊誌と異なり、簡単に海外の人々にも情報を届けることができるというメリットがあります。近年では海外で受け入れられる漫画作品が多く登場しているように、日本の漫画産業の輸出という観点において、漫画作品のデジタル化という要素は必要不可欠のものなのです。

始まる戦国時代

そして、このようなデジタル化の流れは、これまで日本の漫画業界の覇者として君臨してきた週刊少年ジャンプの玉座を揺るがすものとなっているのです。現在では、本作のように週刊誌での連載をせずに人気を集める作品が多く登場しています。従来のように週刊誌が漫画業界において圧倒的な力を有していた時代は終わりを告げたのです。

開かれたマーケットで覇者を目指せ!!

今後は開かれたマーケットで新たな覇者となることを目指して、様々な企業や漫画家がしのぎを削る時代となるでしょう。もしかしたら、その膨大な多様性が故に、一定の覇者が決まらない可能性もあります。ある意味で自由化した漫画業界の中で、より自由な作品が生まれることもあり得るのではないでしょうか。

世は大漫画時代

SNSの台頭などによって、従来のような週刊誌の一強時代が終わり、多種多様な方法で作品を発表できる時代となりました。圧倒的な覇者の存在しない漫画業界は、まさに大漫画時代に突入したと言えるのではないでしょうか。今後も週刊誌等で連載を経ることなく、SNSのみでアニメ化が決定する作品も多く出てくると思いますので、ぜひとも注目しましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は本作『じいさんばあさん若返る』の異色の経歴を切り口として、今後の漫画業界のあり方について解説をしていきました。SNSは漫画作品において、デメリットもありますがメリットの方が圧倒的に多いのは事実です。 SNSは今後も私たちに様々な作品を提供し続けてくれると思いますので、皆さんも引き続きSNSを活用して、自分の好きな作品を見つけてみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

nissy

どうも、アニメや歴史、都市伝説系の記事を書かせていただいてます。ニッシーです。YouTubeのシナリオライターとかもやっているのでよかったらそちらの方も見てください。

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