2024年に放送されるオリジナルアニメーション作品『メタリックルージュ』ですが、本作には原作が存在しないため、具体的な内容や世界観については放送日当日に視聴するまでわからないというデメリットがありますよね。すでにPVは公開されており、なんとなく本作の印象をつかむことができた方もいらっしゃるとは思いますが、PV視聴を含めて放送される前の作品のサーチにそこまで時間をかけられないという、SFファンの方もいらっしゃると思います。今回はそんな方々に向けて、本作の世界観や登場キャラクター、元ネタなどをなるべく簡潔にまとめて紹介していきたいと思います。原作作品がない作品だからこそ何も知らないまっさらな状態で楽しめるという利点もありますので、今回の記事をみて本作に興味を持った方は是非とも、来年放送されるアニメ第1話を視聴してみてくださいね 。
オリジナルアニメーション
冒頭で紹介したように、本作は原作作品の存在しないオリジナルアニメーション作品となっています。そのため、本作の詳細な内容については明かされていませんが、現在公開されている公式ホームページにて簡単な概要についてはチェックすることはできます。
出渕裕作品
本作の総監督は『機動警察パトレイバー』のメカニックデザイナーや『宇宙戦艦ヤマト2199』の総監督を務めた出渕裕さんです。日本のロボットアニメーション制作の現場において、かなり多くの功績を残されてきた方ですので、同じくロボットアニメーションである本作のクオリティにも期待が持てますね。
株式会社ボンズが制作
アニメーション制作は株式会社ボンズが担当することが発表されています。ボンズは『交響詩編エウレカセブン』のアニメーション制作を担当した会社であり、こちらもロボットアニメーション制作の実績は申し分ないといえます。
人間と人造人間が混在する世界
上記で解説した出渕裕監督と株式会社ポンズの強力なタックにより制作される本作『メタリックルージュ』の世界観は公式HPにて「人間と人造人間が混在する世界」と紹介されています。ここからは本作の世界観について、さらに詳しく紹介していきたいと思います。
「サイバーパンク」な世界
本作の世界観はざっくり言うと「サイバーパンク」な世界観となっています。アンドロイドの存在が当たり前になった未来において、より混沌化していく人間社会を舞台にアンドロイドと人間が双方に活躍をしていく作品となっています。
王道を行くSF作品
人間と変わらないようなアンドロイドが登場し、社会を構成する一員として活躍するようになった未来を描いたSF作品は数多くあり、SF作品の王道ともいえる展開であるとも言えます。SF作品としての王道の設定を踏襲している内容となっていますので、SF作品について詳しいファンの方からすると、様々な元ネタに気づける作品となっています。
世界観の元ネタは?
人間と人造人間が混在する世界を描くという、本作の世界観はどこから来たものなのでしょうか?ここからはサイバーパンク作品の定番とも言える人間と人造人間が混在する世界の 元ネタについて紹介をしていきたいと思います。本作に影響を与えたことは間違いない、古典SF作品を紹介するので是非とも チェックしてみてくださいね。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』
元ネタとしてあげられる1つ目の作品は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』です。本作は人間そっくりのアンドロイドが人間と混在している世界を描いた作品であり、「アンドロイドと人間の垣根はどこにあるのか?」また、「人間と区別できないほど精巧なアンドロイドが社会に進出したら、 果たして社会はどうなるのか?」といった、現在では見慣れた「人間に近い存在が社会に現れたらどのようになるのか?」という思考実験的な作品テーマを初めて提示した作品となっています。
映像化作品の『ブレードランナー』もおすすめ
本作を映像化した『ブレードランナー』もサイバーパンク作品の金字塔として今でも根強いファンを有しており、本作が元祖サイバーパンクであると主張するSFファンが多くいるほどです。まさに本作で描かれる世界観の原点とも言える作品となっていますので、ぜひともチェックしておきましょう。
『攻殻機動隊』
技術の進歩により人類が電脳化された世界を描いた作品です。人間に近いアンドロイドが 物語の主軸になるのではなく、人間が電脳化されていきアンドロイドに近づいていく点にフォーカスを当てています。「自らが電脳化されていく中で生命と物の垣根がどこにあるのか分からなくなってしまう」という苦悩や人類が電脳されてしまったことによって新たに誕生した犯罪などについて細かく描かれています。
『攻殻機動隊』が本作に与えた影響
『メタリックルージュ』のPVに出てくる「心は少女 身体は鋼」というフレーズも本作で描かれている登場キャラクターの苦悩にかなり近しいところがあり、本作のストーリーからかなり着想を得ていることが伺えます。
『AKIRA』
日本のサイバーパンク作品の金字塔とも言える作品です。本作はそのストーリーよりも、 近未来の街並みの描き方や作品を通して表現された世界観で世界中に影響を与えた作品となっています。『メタリックルージュ』でも真っ暗な夜景の中でカラフルな光を放つ 近未来的な街並みが描かれていますが、このような怪しい光を放つ近未来の街並みという世界観は本作が世に知らしめました。近未来を描く上で無視することのできない作品となっていますので、是非ともチェックしてみましょう。
ロボ!アクション!美少女!
このように 本作の世界観は従来 描かれてきた数多くの SF作品のそれを踏襲しているものとなっていますが、一方で現代的なロボデザインと作画技術の向上によってよりダイナミックに描けるようになったアクション、そして今風の美少女の登場によって、消して 古臭さを感じない出来となっています。
男の夢がそこにはある
いつの時代であっても 男性視聴者はロボとアクションそして美少女が大好物ですよね。そんな男の夢とも言うべき要素が全て詰まった究極の作品となっていると言えるでしょう。
清楚系アンドロイドと褐色ギャル系操捜査官のコンビ!
特に本作の主人公であるルジュ・レッドスターとナオミ・オルトマンは、方や清楚系アンドロイド、方や褐色ギャル系捜査官という真反対の魅力を有したキャラクターとなっています。まさに性癖の全方位作戦ともいえる究極のタッグとなっており、キャラクター人気という点でも、かなり期待できると言えるでしょう。
「心は少女 身体は鋼」
特に本作の重要なテーマとして考えられるのが PVで描かれていた「心は少女 身体は鋼」 というフレーズです。人間にそっくりなアンドロイドが人間社会で生活する様を描いたSF 作品の共通のテーマとして、「人間とロボットの境目とは何か?」という疑問が挙げられます。 本作でもそういった過去のSF作品で描かれた問題について触れる可能性は十分あり、 そのような人間の唯一性について疑問を投げかける作品であるならば、この「 心は少女 身体は鋼」というのが、本作に登場するアンドロイドたちの悩みとして描かれる可能性は十分ありえるのではないでしょうか?
SFならではの重厚な設定
現在主流の異世界転生作品では描くことのできない、人間の定義についての疑問や、これから私たちの身に起こるかもしれない未来の問題点について考えることができるというのは、 近未来を描くSF作品ならではの特徴であるとも言えるので是非ともこの辺りは注目したいですね。
人間とは何か?感情とは何か?
人間とは何か?私たちの持つ感情とは何か?もし私たちのように感情を持つロボットが誕生したとして。それを生物として定義できるのか?という問いは人類がSF作品を通して描き続けてきた最大の謎の一つです。本作でも人間と同じようなアンドロイドが登場する以上、 同様の疑問を描く作品であることは間違いないと思いますので、皆さんも本作を通して一緒にこれらの謎について考えてみてくださいね。
AI時代だからこそ観るべき作品
特に近年はチャットGPTなどの登場によって、我々と同じような感情を持つ機械とはいわなくても、我々と同じように物を考え、自ら言葉を紡ぐコンピューターは誕生しつつあります。そのような時代だからこそ、改めてアンドロイドと人間が混雑する世界を描いたサイバーパンク作品を楽しむことに意味があるのではないでしょうか?
現代作品としてうまくチューニングされている作品
感情を持つ機械が夢物語であった時代に描かれた従来のSF作品に比べ、本作はAI 時代とも言われる人間に近い感情を持った機械の存在が否定しきれなくなった時代に生まれた作品だからこそ、描ける新たな視点もあると思いますのでその点も注目してみたいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作の世界観や現在 PVで紹介されている情報について紹介をしていきました。本作は従来のSFで描かれた王道の世界観をうまく取り入れながらも、現代のアニメファン層にも受け入れられるように、うまくチューニングをしている作品となっていますので、普段SF作品を楽しまないアニメファンの方であっても違和感なく楽しむことができる作品となっているといえます。本作を通してSF作品に興味を持ったという方は今回紹介した本作の世界観の元ネタを描いたSF作品などにも目を通してみてくださいね。