『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』は昼熊氏によるライトノベルで、2016年3月から「小説家になろう」で連載されています。なろう系特有の転生モノですが、この作品では主人公が自動販売機に転生するという、今までに無いような独特の世界観となっています。7月にはアニメが放送されるということで、今から注目されている作品です。そんな作品の登場人物たち(主人公は機械ですが)を、この記事で紹介したいと思います!
物語のあらすじ
自動販売機マニアの「俺」は交通事故に巻き込まれた時に、倒れる自動販売機を助けようとしてその下敷きになって死んでしまいます。目が覚めると何故か自動販売機に転生しており、体は動かず、声も録音済みの限られた言葉しか話せない状態でした。誰もいない状態で孤独に過ごしていると、怪力少女のラッミスに出会い、意志を持つ魔道具だと認識されます。迷宮内の村まで連れていかれた自販機の「俺」は、ハッコンと名付けられ、自販機として地球の飲食物を異世界の住人に販売することになりました。ハッコンの異世界での不思議な生活が始まります。
ハッコン(転生前は『俺』)
この本作の主人公です。転生する前は自動販売機マニアの日本人男性で、転生後は彼自身が自動販売機になってしまいました。現地人たちには魔道具の一種と思われています。前世の記憶があり、古今東西の自動販売機に詳しく、そこで販売されている商品の情報も蓄えており、自動販売機に対する確かな知識があります。思考することも可能ですが、自動販売機であるが故に、移動も日常的な会話すら出来ません。自動販売機に備わっている音声機能などを使うことで、工夫して意思疎通を行っています。迷宮に転生してしまった自分のことを助けてくれたラッミスを、とても大切に思っています。頭の回転が早く、自分に備わった加護と自動販売機の商品を使ってピンチを乗り切ることもあります。商品補充や筐体が損傷した際の回復には、現地の貨幣から得た『ポイント』が必要になります。ちなみにハッコンが出した商品は、飲食などで空になった容器であれば、任意で消すことができます。ゴミ処理も自動販売機が自ら行うことが出来て、とても便利ですね。
ハッコンの目について
ちなみに、作中では自動販売機に目玉が付いてキャラクターのようになっていますが、これは読者や視聴者に向けたデフォルトです。主人公含め作中の登場人物からの視点では、目玉は見えずただの自動販売機にしか見えない、という設定になっています。確かに、登場人物たちにとっては「ただの自動販売機」という認識ですから、目が付いていたら違和感がありますよね。しかし読者や視聴者からしたら、何も無いただの機械というのは味気ないものです。そこら辺のバランスが上手くとれている設定だと思います。
ラッミス
本作のヒロインで、新人ハンターの女性です。空腹で倒れそうな時に主人公の自動販売機と出会い、彼をハッコンと名付けて、行動を共にするようになります。常人離れした怪力が自慢で、岩を素手で砕き、重さが数百kgはあるハッコンを一人で軽々と持ち上げ背負うことが出来ます。しかし余りに力が強すぎるため、上手く活かすことが出来ずに空回りしていました。ハッコンを背負うことで重心が安定し、そのお陰で自慢の怪力を存分に使えるようになります。命の恩人であるハッコンのことを大切に思っており、まるで依存していると思わせるような言動もあります。純朴な性格ですが人の感情の機微には敏感で、限られた音声機能の組み合わせでしか会話ができないハッコンの意図を、的確に理解してくれます。非常に重いハッコンの足として持ち運びが出来るのはラッミスのみなので、周囲にはコンビとして認知されています。傍から見たら、自動販売機その物よりも、それを運んでいるラッミスの方が奇妙に見えそうですよね。
愚者の奇行団
全体的に胡散臭い雰囲気を漂わせているグループで、ケリオイル団長を始めとした、クセの強い面々で構成されています。迷宮を攻略するために、ラッミス、ハッコンらと協力します。ケリオイル団長は、願いを叶える代価であるコインを求めています。フィルミナ:副団長で、実は団長とは夫婦関係にあります。他にも双子のメンバーがいたり、結婚詐欺の被害に遭ったことがあるメンバーなど個性派ぞろいです。
登場人物の紹介まとめ
登場人物はそれほど多くない作品ですが、全員個性派揃いです。主人公のハッコンはとても機転が利くキャラクターで、ラッミスはハッコンの良きパートナーとして活躍します。原作を読んでいる人は勿論、知らない人でも今までにない異世界転生ものとして十分楽しめる作品だと思います!それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。