『Fate/stay night』の物語から10年前に起きた第四次聖杯戦争の様子を描いた作品が『Fate/Zero』となっており、主人公は衛宮切嗣となっています。
衛宮士郎やイリヤスフィールなど『Fate/stay night』のキャラクターと密接に関わっている人物ですが、今回は衛宮切嗣についてどのようなキャラクターなのかを紹介していきましょう。
第四次聖杯戦争ではどのように活躍したのか、どのように戦ってきたのかを知ることにより、衛宮士郎やイリヤスフィールにどんな影響を与えたのかを知ることができるため、ぜひチェックしてみてください。
目次
第四次聖杯戦争の主人公・衛宮切嗣とは?
『Fate/Zero』の主人公は衛宮切嗣となっており、『Fate/stay night』の10年前に起きた第四次聖杯戦争を舞台に物語が展開されていきます。
衛宮切嗣は名家アインツベルンからの依頼を引き受ける形で、セイバーのサーヴァントを召喚し、妻のアイリスフィールと従者の久宇舞弥の4人で戦いに身を投じていくことに。
聖杯が持つ万能の力で叶えたい望みは「世界平和」というものを抱えている衛宮切嗣ですが、一体どのようなキャラクターなのか迫っていきましょう。
「魔術師殺し」と呼ばれる元殺し屋
衛宮切嗣は由緒ある魔術師家系の六代目であり、傭兵として様々な知恵や戦略を駆使しながら、これまでに数多くの魔術師の殺害を行ってきました。
そのことから「魔術師殺し」と呼ばれており、第四次聖杯戦争においても魔術だけでなく、銃火器など近代兵器を使用しながら戦いを繰り広げていきます。
銃火器以外にもナイフやクレイモアといった爆発物を使うことに長けており、近代兵器を忌み嫌う他の魔術師からは敵視されている存在でもあります。
衛宮切嗣の性格とは?描かれている人物像を紹介!
魔術師でありながら魔法を使用する場面は限定的で、基本的に戦闘時は銃火器など近代兵器を主に使用する衛宮切嗣。
『Fate/Zero』の物語では聖杯戦争を戦い抜くうえで、衛宮切嗣の持つ考えや性格が色濃く描かれていますが、一体どんな性格をしているのでしょうか。
大勢のために少数を犠牲にできる人間
衛宮切嗣の過去には、多くの悲劇や惨劇を生んだにもかかわらず研究を続ける父親の存在があり、彼は殺害した上で「1人の人間を殺害することで、死んでいたかもしれない多くの人間を救った」という体験から強迫観念に囚われることに。
それ以降から衛宮切嗣は、「多数のために少数を斬り捨てる」ことを信条とするようになりますが、一方で愛情や友情を尊ぶ人間らしい考え方持ち合わせていることから、孤独感に苛まれるようにもなります。
妻子と3人で逃げ出したいと弱気になる様子も
衛宮切嗣は妻としてアイリスフィールを結ばれ、間にイリヤスフィールを授かりますが、この2人を失うことを恐れるようになります。
アイリスフィールはセイバーの代理マスターとして戦場に立ち、衛宮切嗣本人は戦場を裏から操り攻撃する存在として立ち振舞っていました。
しかし、戦いの中で過去のトラウマが蘇ることとなり、衛宮切嗣はイリヤスフィールを連れて3人で遠くへ逃げ出したいとアイリスフィールに告白するなど、元殺し屋ではなく父親としての表情を覗かせるようになります。
魔術師としての衛宮切嗣の姿
基本的に魔術よりも近代兵器を使用して戦う衛宮切嗣ですが、聖杯戦争では強力な魔術師やサーヴァントが多くいることから、自身も魔術を使って応戦する場面もあります。
衛宮切嗣が使用する魔術の内容は、自らの時間流を加速・減速させることができる「固有時制御(タイムアルター)」と、自身の第12肋骨をすり潰して生成された魔弾「起源弾」の2つとなっています。
戦闘時に使用する銃火器や魔術について、その詳細をそれぞれ見ていきましょう。
魔術師でありながら近代兵器を使用する合理主義者
『Fate/Zero』の世界において、銃火器は魔術師から忌み嫌われている存在となっていますが、衛宮切嗣は魔術師の身でありながら平然と使用しています。
使用している銃火器は「ワルサーWA2000」や「キャリコM950A」となっており、その他に格闘戦ではナイフを使用すれば、あらかじめクレイモアなどの爆発物を設置して戦うなどのスタイルがあります。
自身の時の流れを加速される「固有時制御」を使う
衛宮切嗣はセイバーのサーヴァントを召喚したことにより、彼女との契約で「全て遠き理想郷(アヴァロン)」の持つ治癒能力によって、限度を超えた固有時制御を使用することが可能になっています。
しかし「固有時制御」を使うと身体への反動が大きいため、通常は2倍速もしくは3倍速にとどめるよう意識している様子。
『Fate/Zero』のクライマックスでは言峰綺礼との相対することになりますが、「固有時制御」で4倍速を駆使しても相手の格闘術に圧倒されるばかりでした。
切り札は対魔術師用の弾丸「起源弾」
自身の第12肋骨をすり潰して生成されたのが「起源弾」となっており、打ち込まれた相手は衛宮切嗣の期限「切断」と「結合」の複合属性を発言させます。
起源弾を撃ち込まれた者は、傷がすぐに「結合」されて血が出なくなるまで古傷のようなものに変化し、さらに「結合」された部分の機能は失うことになります。
しかし起源弾は対魔術師用の特殊な弾丸となっており、相手がより強い魔術で干渉してきた時のみ効果を発揮するものとなっています。
そのため、起源弾は大口径のライフル弾の形状をしていることで物理防御を不可能にさせ、相手に魔術防御を誘発させるように工夫がされているのが大きな特徴となります。
『Fate/Zero』で描かれている衛宮切嗣とは?
衛宮切嗣はアインツベルン家に雇われるような形で第四次聖杯戦争に参加し、サーヴァントはセイバークラスの召喚に成功しています。
第四次聖杯戦争の行く末を描いた『Fate/Zero』において、衛宮切嗣はどのような活躍や立ち振る舞いが描かれているのでしょうか。
さっそく衛宮切嗣の第四次聖杯戦争における様子を見てきましょう。
召喚したセイバーとの関係は悪い?
衛宮切嗣はセイバーのサーヴァントを召喚することに成功しますが、セイバーと会話をするどころか接触も少なく、アイリスフィールに代理マスターとして立たせて、おとり役とする方針を決定します。
令呪は衛宮切嗣が所有しているため、セイバーに命令する時は令呪を使用する時となり、またセイバーからの発言は徹底的に無視していました
これは衛宮切嗣が闘争を軽蔑しており、戦いを肯定して戦場に人を駆り立てる「英雄」の存在を激しく嫌悪していることが大きな要因に。
そのため、召喚したセイバーとは相容れない存在であることを認識しており、戦場に価値を見出すセイバーを嫌っている様子が描かれています。
令呪を使用して聖杯を破壊する
『Fate/Zero』のクライマックスでは、聖杯からあふれ出した泥に飲まれてしまい、「この世全ての悪(アンリマユ)」と対話することになります。
そこで衛宮切嗣は自身の願いを聖杯で叶えることができないことを知ると、令呪を使用してセイバーに聖杯の破壊を命じるのでした。
その結果、聖杯の泥が戦いの舞台となった冬木市に溢れだし、大火災が起こってしまう結果となります。
聖杯戦争終結後の衛宮切嗣は何をしていた?
『Fate/Zero』は最終的に衛宮切嗣の聖杯破壊で幕を閉じることになりますが、一方で冬木市に大火災が発生するという悲劇が起こる結果ともなります。
第四次聖杯戦争も集結した後、衛宮切嗣はどのようにして余生を過ごしていたのか、またどのような最期を迎えたのかを最後に紹介しましょう。
大災害で衛宮士郎を救い育てる
聖杯を破壊した後、大火災が発生した冬木市で人命救助を試みる衛宮切嗣は、何とかして士郎を見つけることができ、歓喜の涙を流すことになります。
その後、士郎を養子として引き取って冬木市で暮らすこととなり、士郎に対して自分はかつて正義の味方にあこがれていたことを話します。
その言葉を聞いた士郎は夢を代わりに引き継ぐと言っては、衛宮切嗣はその言葉を聞いて「安心した」と言い残し、息を引き取ることになります。
イリヤスフィールの救出で遠征をしていた
第四次聖杯戦争の後、衛宮切嗣は聖杯戦争を繰り返させないために封印を施すための最後の魔術を使用することになります。
また、士郎を引き取って育てていましたが、その間に旅に出ると偽ってイリヤスフィールを救出するために行動するなど、様々な行動を取っていました。
しかしイリヤスフィールの救出は叶わず、「この世全ての悪」の呪いによって蝕まれながら、度による疲弊で死期を悟るようになります。
最後は士郎のそばで自身の夢を語りながら、安らかに生涯の幕を閉じました。
まとめ
『Fate/Zero』の主人公である衛宮切嗣を紹介しました。
本編である『Fate/stay night』ではほんの一部しか登場しませんが、衛宮士郎やイリヤスフィールと大きく関わっている人物であり、何よりも衛宮士郎がセイバーを召喚するきかっけを作っています。
衛宮士郎たち『Fate/stay night』のキャラクターと密接にかかわっている衛宮切嗣の生涯を知ることによって、よりシリーズの物語の見え方も変わってくるため、『Fate/Zero』の物語もチェックしてみてください。