『十二大戦』では、干支の名前を冠した12人の戦士たちによるバトルロワイヤルが繰り広げられ、最後の1人になるまで戦いは続いていきます。その中で主人公として描かれている子の戦士・寝住をピックアップして、どういったキャラクターなのか、また十二大戦の戦いでどのような活躍を見せているのかを詳しく紹介していきます。
子の戦士・寝住のプロフィール
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二支の中で「子」を司る戦士として登場するのが寝住(ねずみ)です。本名は隅野 継義(すみの つぎよし)となっており、身長170cm・体重55kgと一般的な体格で、普段は高校生として学校に通っている普通の少年。しかしその傍ら、第十二回十二大戦で集められたことにより、12人の戦士たちによるバトルロワイヤルに身を投じていくのでした。
第十二回十二大戦では最年少の戦士
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第十二回目の開催となった十二大戦では、集められた12人の戦士の中で最年少の戦士であるのが寝住です。最も幼いながら、集合場所となった会場ではただならぬ空気が流れている中、さらには戦場の真ん中であっても落ち着いて振る舞っている姿が描かれています。基本的には寝ているか、他の戦士との会話でも達観した性格を見せており、とても最年少の戦士とは思えない立ち振る舞いで十二大戦のバトルロワイヤルを切り抜けていきます。
肩書きは「うじゃうじゃ殺す」
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦に参戦している戦士たちは肩書きを持っていますが、寝住は「うじゃうじゃ殺す」となっています。十二大戦開幕直後に申の戦士・砂粒の和平案に乗ったことから、彼女と一緒に行動して戦闘を避けながら行動するように。そのため彼が肩書きを名乗るシーンは全話を通して限られています。また、肩書きからどのような戦士なのかを想像できるものですが、物語序盤から終盤にかけて、寝住の特徴を肩書きから推測することは難しいでしょう。
戦闘能力は他の戦士よりも劣る
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
登場する戦士はいずれも世界中で起こっている戦争や紛争に身を投じており、その卓越した身体能力や特殊能力などを駆使して終戦へと導いています。しかし寝住は回想シーンを含め、どこかの戦場で戦いに参加した様子が描かれておらず、私生活も高校生として過ごしている様子のみに。実際に十二大戦の戦いでも相手から逃げる一方であり、必爺を始めとした人物から戦闘能力は高くないという判断がされています。
第十二回十二大戦における寝住の活躍とは?
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
様々な能力や技能を持った戦士たちによるバトルロワイヤルが十二大戦です。その中で戦士たちそれぞれが最後の生き残りになるまで戦いを強いられることになりますが、寝住はどのように振る舞って戦いを切り抜けていくのでしょうか?寝住の最終的な十二大戦での結果、そこに至るまでの道のりに触れていきながら紹介していきましょう。
申の戦士とともに行動した寝住
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第十二回十二大戦が開幕すると、さっそく申の戦士・砂粒から「十二大戦の必勝法」と称して、平和的に戦いを終わらせる手段があると提案します。その提案に寝住も賛同しますが、直後に会場の床下が爆破されて和平案は破談に。しかし寝住は砂粒と合流すると、彼女の和平案に興味があるとして、行動を共にする選択をするのでした。一時的に地下水路に身を隠しつつ、まずは状況がどうなっているのかを確認するための情報集めから始めていきます。
非戦闘時は寝ているだけ
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
地下水路に身を隠しながら情報整理に勤めていた砂粒ですが、一方で寝住はコンビニで食料品を漁り、戻るとすぐに寝始めます。十二大戦が開幕するまでも柱に寄りかかって寝ている姿があり、暇があれば寝ようとする様子が顕著に描かれているのが特徴と言えるでしょう。しかし、これは彼の持っている戦士としての特殊な能力が影響している結果であるため、常に眠たそうな表情をして、隙あらば寝ようとしている行動には理由があるのです。
爆弾を使って牛井と憂城を倒して優勝
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
戦闘能力は著しいと言っていいほど劣っているため、寝住は戦いに巻き込まれても積極的に戦うのではなく、逃げながら機を窺っている様子が描かれています。そんな彼が積極的に前へ出てきたのは戦いの終盤で、優勝候補である丑の戦士と卯の戦士が戦っている局面でした。そこで彼は必爺の切り札である「醜怪送り」と呼ばれる爆弾を使って2人を倒すことに成功し、第十二回十二大戦の優勝者となってバトルロワイヤルに終止符を打つのでした。
寝住が持つ特殊能力
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十二大戦に参加している戦士たちは、いずれも身体能力に秀でているだけではなく、何かしら特殊な能力を持っているのが大きな特徴です。寝住もまた自身の能力を駆使して激しい戦いを切り抜けており、最終的に最後の1人となって優勝者に輝くのでした。果たして寝住は十二大戦の中でどのような能力を使っていたのか?その内容が明らかになるのは最終話になりますが、彼の秘密について触れていきます。
「ねずみさん(ハンドレッド・クリック)」
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
寝住が有している特殊な能力は「ねずみさん(ハンドレッド・クリック)」。確率世界に鑑賞して100通りの分岐を同時に実行しつつ、その中から1つを真実として確定することができます。実行した100通り全てのパターンで得た情報を覚えることもでき、例え100通り試しても全て失敗すれば、前提じたいを破棄して101番目の可能性を模索することもできます。実質的に必ず最適解へたどり着く、能力的には作中最強と言える能力でしょう。
他の戦士たちは寝住に既視感を覚えている
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
100通りの試行パターンを実行する中で、寝住は様々な情報を得て記憶することができ、その中で出会った相手は何も覚えている様子はありません。あくまで寝住の中で実行されている可能性の世界であるため当然ですが、他の人物たちは寝住に対して既視感を覚えている様子があります。はっきりと覚えてはいないものの、どこかで見た・会ったような感覚に陥りますが、結局誰もその既視感の謎を明らかすることはありません。
私生活における寝住の様子
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
12人の戦士たちによるバトルロワイヤルが繰り広げられる十二大戦ですが、戦いに身を投じている様子以外にも、私生活での姿が描かれている戦士もいます。その中で寝住も戦士ではない、ごく普通の人間として生活を営んでいる様子描かれていますが、一体どのような過ごし方をしているのでしょうか?寝住の私生活における様子についてまとめていきますので、ぜひチェックしてみてください。
高校生として学校に通っている
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
寝住は作中で17歳ということもあり、戦士ではない時は高校生として学校に通学している様子が描かれています。電車で学校に通っており、駅から歩いて眠たそうな表情で授業を受けている様子は、ごく普通の男子高校生と言えるでしょう。家に帰れば寝て、翌朝には眠そうにしながらも起きて制服に着替えるなど、他の戦士たちとは違って、一般的な生活を送っているのが特徴的です。
友人を作らず授業も寝ているばかり
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
教室に入るやいなや、自分の席に座るとすぐに寝始めるという怠惰な生活を送っており、そのためか友人らしい友人は少ない様子。実際に十二大戦の優勝者の権利である「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を考えているシーンでは全員がいなくなればいいと考えた瞬間もあり、馴染んでないというよりも、他人とか関わらないようにしているのかもしれません。実際にクラスメイトからは、いつも寝ている姿をバカにされており、日々の生活は道足りないものとなっていることが窺えます。
十二大戦における寝住の願い
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦の優勝者のは名誉のほかに、副賞として「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を成就することができます。「ハンドレッド・クリック」によって他の戦士たちの願いを聞きまわっていた様子が描かれていますが、寝住はどのような願いを叶えたのでしょう?誰もが願いを叶えるために戦っていましたが、その中で寝住は願いや想いを持ちながら戦っていたのか、その辺りについても注目してみてください。
欲しいものは「夢が欲しい」
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
寝住は私生活において普通の男子高校生として日々を送っており、そのためか将来の夢について悩んでいる思春期の男子にも見えます。寝住の「夢が欲しい」というそのものが象徴しており、予め「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を考えていた様子もありません。優勝後もドゥデキャプルからじっくり考えてもいいと猶予を貰いますが、これがかえって寝住を苦しめることになるのでした。
たったひとつの願いを試行錯誤
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
特に夢を持たず生きてきた寝住は、十二大戦優勝の副賞「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を考えていませんでしたが、ハンドレッド・クリックを駆使しながら試行錯誤します。最初こそどうでもいい内容ばかりでしたが、次第に「全員消えろ」など内容が過激になっていき、次第にどうするべきか迷いが生じていくことに。精神的にも追い詰められていくことになって、これまでにない表情で苦悶する寝住の姿が描かれています。
出した答えは「願いを叶える権利」を忘れること
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ハンドレッド・クリックを使ったことで何を選べばいいのか分からなり、精神が崩壊しかけた寝住の姿がありました。たったひとつの願いを導きだした寝住の表情にも悲壮の色が浮かんでおり、その中でドゥデキャプルも素晴らしい願いと評価し、寝住の本質が色濃く出た結果に。献身的でもなければ強欲でもなく、希望や志を持って戦っていた他の戦士たちの願いに勝るものを考えることができなかったこともありますが、導いた答えを叶えてもらった後には満ち足りた表情を浮かべるようになるのでした。
寝住の強さを考察!
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
第十二回十二大戦で優勝者となった寝住ですが、特に身体能力が高いわけでもなく、ハンドレッド・クリックを使用して最適解を辿ったのみでした。それでも結果的に最後の1人となった寝住ですが、ここで彼の強さについて深く考察していきましょう。12人の戦士の中で下馬評を覆した寝住の強さは本物なのか、それとも高い実力を持っている戦士なのか、戦士としての実力に注目していきます。
身体能力の低さが致命的な欠点に
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
未の戦士・必爺や十二大戦で賭けごとに参加していた権力者たちから、実力は乏しいと評価されていた寝住。実際に戦闘では逃げている一方で所持していた剣を使う様子もないため、戦闘能力は最下位といっても過言ではありません。また寝住自身も、ハンドレッド・クリックを使ったところで屈強な戦士たちに歯が立たないと自覚しています。たとえチート級の能力を持っていたとしても、身体能力が伴っていなかったことから、本人が言うように「たまたま」優勝できたと言えるでしょう。
ハンドレッド・クリックは強力な能力だが…
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
ハンドレッド・クリックは作中最強の能力と言えますが、その裏で副作用とも言える欠点があります。その特筆すべきとも言えるのが、100通りのパターンを同時に実行することで、脳に大きな負担がかかって強烈な眠気に襲われてしまいます。また試行の中で受けた傷やダメージもはっきりと記憶しており、何度も殺されたパターンも経験していることを告白。戦士として未熟な部分が多い寝住ですので、恐怖や苦痛を味わいたくないことから、じゃんけん程度にしか使えないとも説明しています。
試行を繰り返しても不可能を覆せない
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
100通りのパターンが全て失敗であっても、さらに別の分岐から新たな可能性を模索することができるハンドレッド・クリック。強烈な負荷がかかってしまうものの、唯一生存できるルートを確定させていったことで、十二大戦を優勝することができました。まるで不可能を可能にする能力のように見えますが、できないものはできないことに変わりないため、あくまで高い可能性を辿っていることが分かります。
願いを模索する寝住の様子は見逃せない!
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦で最後の生き残りとなった寝住について見ていきましたが、年齢からは感じられない大人びた部分があり、とても魅力的なキャラクターとなっています。そんな彼が優勝者の副賞である「どうしても叶えたいたったひとつの願い」を模索するシーンは必見で、ハンドレッド・クリックを使用して100通りの願いを試行錯誤します。そうやってたどり着いた「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」は、多くの人の心に印象深く根付くシーンでもあるため、ぜひ注目してみてください。