本作「魔法科高校の劣等生」は2014年にアニメ第1シリーズが放送され、2021年10月現在まで、数多くの映像化にも成功させている人気作品ですが、その原作小説まで追っている人は少ないのではないしょうか。SFジュブナイル小説に近い、魔法と学園生活を掛け合わせたストーリーは、連載当初から小説としての人気が非常に高く、アニメ版にもその細かな設定や心理描写など、「芸が細かい」点が再現されています。今回は、その原作者やスタッフたちはどのような人物なのか、さっそく見ていきたいと思います。
原作小説を書いた佐島勉とはどんな人物?
「魔法科高校の劣等生」の原作小説家である佐島勉(さとうつとむ)さんは、Webサイト「小説家になろう」で2008年に小説の投稿を始めました。そこでのサイト内PV数がなんと3000万を超え、累計ランキング1位を独占し、電撃文庫での連載、書籍化という夢物語、大成功を果たした人物が佐島勉さんなのです。いわゆる無名の新人が投稿した小説が大ヒットし、現在の大人気作品になったのです。また、ご自身で兼業作家であることを公表しており、会社員と作家という二つの顔を持った人でもあるそうです。
キャラクターデザイン 石田加奈とはどんな人物?
そんな人気小説をライトノベル化、漫画化させるにあたり、白羽の矢が立ったのが、人気アニメーターである石田加奈さんでした。当時、「鋼の錬金術師」や「交響詩篇エウレカセブン」「桜蘭高校ホスト部」「コードギアス 反逆のルルーシュ」などで原画や作画監督をしていた石田加奈さんに、キャラクターデザインを一から依頼したのです。その結果、誕生したキャラクターたちは、可愛さはもちろん、シリアスな戦闘シーンではカッコよさをもった、非常に魅力的なキャラクターデザインになりました。
原作とキャラクターデザインの融合!
さて、このアニメ「魔法科高校の劣等生」には佐島勉さんの骨太で精緻な原作ストーリーと石田加奈さんの可愛くてカッコいいキャラクターデザインの2つが合わさってはじめて、こんなにも視聴者を惹きつける作品に仕上がったともいえるでしょう。さらに、「魔法科高校の劣等生」といえば、戦闘時の音楽や魔法を使った時の激しい音や深雪と達也の二人っきりになった時の甘い音楽など、音響面のクオリティがとても高いです。次にアニメを構成する音響について解説していきたいと思います。
アニメ内の音楽は誰が担当してるの?
アニメには音響監督と呼ばれるアニメーション全体の音周りを管理する方がいらっしゃいます。効果音や場面音楽、声優さんへの細かな指示まで、現場ではかなり高い権力を持っているとも言われています。この「魔法科高校の劣等生」は全シリーズを通して、岩崎琢(いわさきたく)さんが音響監督を務めてらっしゃいます。岩崎琢さんといえば、「天元突破グレンラガン」や「黒執事」「ジョジョの奇妙な冒険」など多くの名作を手掛けています。
オープニング主題歌はLiSAさん!?
この「魔法科高校の劣等生」でもその音楽の良さが活きていることがわかります。また、1期オープニングではLiSAさんとUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんの天才コンビがタッグを組んだ「Rising Hope」では、最初の歌詞でバシッとインパクトを出しながら本編との親和性、作品の色を決定づける一曲となっており、「魔法科高校の劣等生」といえばこの一曲だろうという印象を受けます。このように、音響の良さと主題歌あってこの作品が完成したというわけですね。
まとめ
今回は、あまり意識することの少ない原作家やキャラクターデザイン、音響監督などについてまとめてきました。「魔法科高校の劣等生」は原作小説のお話がある程度進んだ状態で、漫画化、アニメ化をされた作品であるため、より原作のストーリーを忠実に再現しようという思いが感じられます。そんな作品に魅力を与える職業の方々について、調べてみたり、自分の好きな作品の担当の方を追ってみるのも楽しみの一つかもしれませんね。