数多くの予想不可能な展開と登場するキャラクターの全員があまりにも深い心の闇を抱えていることで有名な本作『トモダチゲーム』ですが、本作を一度読んでみたものの、内容のえげつなさに驚いて読むのを一度諦めてしまったという読者の方も多いのではないでしょうか?しかし、本作は読み進めて中盤以降の物語を味わってからではないと、本当の面白さを理解することはできないのです。というのも本作では、キャラクターの過去や真意が次第に明らかになってくるという形式でストーリーが展開しますので、初めのうちは登場人物たちをどこか心情表現が浅いキャラクターのように感じてしまうのですね。ですので、本作のキャラクターたちの奥深さを知る上では少し我慢して読み進めないといけないのです。そこで今回は本作を読むのを諦めてしまったという読者の皆様に向けて、本作の面白いところを掻い摘んで紹介していきたいと思います!以前読むのをちょっとした理由でやめてしまったという読者の皆様はぜひ読んでみてくださいね!
登場人物全員が究極のクズ!
まず、本作の最大の魅力として挙げられるのが、本作に登場するメインキャラクター全員が人間のクズであるという点です!人間のクズとも呼べるような行動や性格をしているキャラクターが登場する作品というのは少なくないのですが、本作では主人公を含めてヒロインまでもが人格を疑ってしまうような行動を多々するのです。
まさかの主人公が殺人鬼!?
特に主人公の友一に関しては本作の中でも特に本性がわからないキャラクターでしょう。というのも、作中では友達を大切に扱うような言動をしつつも、過去に数回殺人をしていたことが明らかになっているのです。
殺人については詳細が語られていないものの、、
殺人に関しては詳細が語られていないのですが、どのような理由であれ殺人は殺人ですので、恐ろしい人物であるというのは間違い無いでしょう。
親友はヒロインのストーカー!?
さらに、友一と同じ仲良し5人組として活躍していた天智も、ヒロインの志法をストーカーしていたことが作中で発覚します。彼のストーカーに関してはかつて自身の父親を殺されたということで、その原因を探るために関係者である志法をストーキングしていたのです。ストーキングよりもっといい方法があったのでは無いか…と思わずにいられません。
お金持ちキャラは父親が途中で逮捕!?
さらに、どのグループにもいるようなお金持ちポジションの誠ですが、彼は作中で政治家である父親のスキャンダルが発覚し、父親が逮捕されてしまいます。
濡れ衣で自信も逮捕される、、
しかも、釈放中に父親が殺害され、その濡れ衣を自身に被されてしまう始末。彼に関しては自身が悪いわけでは無いのですが、やはり汚いお金で生活をしていたという点は見逃すことはできませんね。
ヒロインの本性が見えない、、
本作のヒロインとして描かれている志法もまた本性がわからない人物です。天智が自身の父親の死の真相を知るためにストーキングしていたことからも彼女の身の回りでなんらかの闇が渦巻いていることは間違いないのですが、彼女が実際にどのように関わっているのかは明らかになっていません。
敵方にいたのも事実
しかし、作中では彼女は友一が敵対視している運営側としてトモダチゲームを監視している描写も描かれており、下手したら敵方である可能性まであるという得体の知れなさを持ち合わせているのです。
究極の腹黒女だったゆるふわ女子
そうなると、最後の最後まで友一の味方として振る舞っていたゆとりに対して好感を持つ読者の方も多いかと思いますが、実はこのゆとりが本作に登場するキャラクターの中でも屈指の腹黒キャラクターだったのです。
殺人まで!?
ネタバレになるので詳しく彼女が本性を表すシーンを紹介はしないのですが、普通に仲間を欺き、殺人まがいのことをしていますので、相当のクズキャラクターであるということができるでしょう。
トモダチゲームのキャラクター描写の面白さ
さて、ここまで本作に登場するキャラクターたちの腹黒ポイントを紹介してきましたが、本作の魅力はキャラクターが単にクズだらけであるということだけではありません。これらのキャラクターをうまく物語の中で描いているからこそ本作は面白いのです。ここからはそんな、本作が面白くなるように仕組まれた本作のキャラクターの心情表現状の工夫点について紹介していきたいと思います。
キャラクターと成長
まず、大前提として押さえてほしいのですが、通常の漫画作品というのはキャラクターの後悔や失敗をまず描き、その上でキャラクターの努力や友情を描くことでキャラクターを成長させ、ストーリーを展開させています。これがジャンプ漫画などでよく言われる「友情・努力・勝利の方程式」ですね。しかし、本作のキャラクターたちはそのような漫画作品の「あたりまえ」を超越した軌跡を辿っているのです。
キャラクターを前ではなく、後ろに彫っていく
というのも、通常の作品がキャラクターの前向きな成長を描いて物語を進めるのですが、本作に置いてキャラクターの成長というのはほぼありません。代わりにことあるごとにキャラクターの過去やトラウマが描かれ、キャラクターの本性が少しづつ露出するようになっているのです。このようなキャラクターの前向きな成長ではなく、過去について触れるという後ろむきな掘り下げによってキャラクターを変化させるという逆成長のようなキャラクター心情表現を本作は行なっているのです。
この表現方法には弱点もある
このように、過去を少しづつ明らかにして、キャラクターの深掘りをしていくという方式をとっている本作ですが、当然キャラクターの過去というのは掘れば掘るほどいいとは限りません。多くの過去を描き切ってしまうとキャラクターの設定が渋滞を起こしてしまうからです。
友一はまだまだ語られていない!!
そのため、過去の設定は小出しにしていかないといけないのですが、今のところ主人公の友一に関しては細かい過去の描写がほとんどありません。そのため、本作のストーリー進行で友一が変化するシーンが未だ、そこまで無いのですね。これから友一がどのように深掘りされていくのか、今から楽しみでもあります。
ギャンブル漫画のパロディーとしての面白さ
さらに面白いのは、本作のストーリー進行やキャラクターの描き方だけではありません。本作では数多くのギャンブル漫画から影響を受けたと感じることができるシーンが多くあり、それらの影響を与えた作品について考えることができるというのも、本作の最大の魅力の一つなのです。
圧倒的!カイジリスペクト!
数多く想像することができる影響を与えた作品の中でも、特に注目して欲しいのは大人気ギャンブル漫画作品の『賭博黙示録カイジ』ですね。本作ではこれでもかってほどのカイジに対する熱いリスペクトを感じることができるシーンが多くあります。
限定ジャンケンの完成度の高さ
では、なぜカイジのオマージュが本作に散見されるのかという点についてなのですが、まず第一に挙げられるのがカイジに登場する限定ジャンケンというギャンブルのゲームとしての完成度でしょう。
本作でも似たようなルールのゲームが数多く登場!
通常のギャンブルと異なり、出すことのできる選択肢が縛られているという変わった設定の限定ジャンケンはギャンブル作品としてキャラクターの内面を描く上で、非常に優れたゲームとなっており、本作でも限定ジャンケンに似た数多くの制限付きのギャンブルが描かれています。
カイジとの共通点はキャラクターにも!?
さらにカイジと共通しているのは本作に登場する数多くのゲームのルールだけではありません。登場するキャラクターの一人一人に暗い過去があり、心の闇があるからこそ、疑心暗鬼になるギャンブルやゲームが面白いという本作のスタンスもカイジで描かれているキャラクターたちと極めて通じる点であると言えます。
とにかく研究し尽くした面白さ!!
今回はカイジを念頭に本作の数多くのゲームやキャラクターの描き方について紹介していきましたが、本作が影響を受けただろうと考えることのできる作品というのは非常に多くあります。それだけ、本作が数多くの作品を研究した上で作られていると考えることができますね!
まとめ
いかがでしたか?今回は本作の面白い点について、原作を途中で投げ出してしまった読者の方でももう一度本作の面白さを再発見してもらえるように紹介していきました。本作の面白さについては他にも数多くの要素がありますので、アニメ化をきっかけに本作にもう一度触れてみようと思われた読者の方はぜひもう一度本作に目を通してみてくださいね。