<![CDATA[原作は野田サトルさんによるサバイバルバトル漫画で、2014年より『週刊ヤングジャンプ』で連載されています。テレビアニメは2018年4月~6月まで第一期が、2018年10月~12月まで第二期が放送され、2020年10月より第三期が放送予定となっています。明治末期の北海道・樺太を舞台に、「のっぺら坊」と呼ばれる囚人が残した金塊を巡って、様々な思惑が交差する内容となっています。また、日本語版以外にも、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、スペイン語、英語、ドイツ語と多くの外国語版が発行されています。今回は、漫画版第21巻のあらすじを各パートごとに紹介していきたいと思います。
目次
第20巻までのあらすじ
亜港監獄を脱獄したソフィアとその手下たち。ソフィアと会うことで暗号を解くヒントを思い出したアシリパ、それは亡き母が父に付けたアイヌ語の名前でした。アシリパの様子を見て感づいた尾形は、キロランケを裏切ってアシリパを連れ去ります。そこに現れたのは、死んだとされていた不死身の杉元でした。杉元は尾形の右目に刺さった毒矢をえぐり取って、尾形の命を救い、アシリパと再会するのでした。月島、鯉登、谷垣はそれぞれキロランケとの激突で負傷。キロランケは死に、それを見ることしか出来なかったソフィア。ソフィアとはまた会えると考え、杉元たちは北海道に帰ることに。杉元とアシリパは相棒の契約更新を済ませるのでした。杉元たちは沖田と月島を治療するため、ロシア人の医者を頼ります。しかし、病院に預けられた尾形は医師を殺し脱走してしまいました。
あばよロシア
樺太アイヌの集落で休憩を取る杉元一同。明るいうちに距離を稼ごうと出発しようとしますが、杉元の姿が見えません。アシリパを喜ばす為に杉元は味噌を買いに行っていたのです。杉元を探すアシリパたちでしたが、突如白石が狙撃されます。かなりの距離からの狙撃に尾形が帰ってきたと考えた一同は、動くことが出来なくなりました。そこに帰ってきた杉元は、一目散に尾形の元へ走っていきました。
美味いものなら何でも良いのか?
樺太アイヌのお婆ちゃんが作ってくれた口噛み団子。一度噛んで柔らかくした米を焼いて食べるという伝統的?な料理で、杉元たちはとても気に入ったようです。あまりの美味しさに白石は焼かずに直でちょうだいと言い出す始末。杉元が柔らかくし、白石に直接与えていました・・・。呆れる谷垣とニシパ、あなたはまともです。
狙撃手の悪夢
杉元が敵の元へ走っていったことに気づいた月島は、自分たちに注意を向けるさせ、杉元が接近しやすいように行動します。この月島の連携作戦により、敵に気付かれることなく距離を詰めることに成功した杉元は接近戦に持ち込みます。しかし、スナイパーは尾形ではなく、尾形に恨みを持ったロシア人でした。
本当に尾形か・・・?
尾形は狙撃のプロであり、杉元の戦闘におけるスキルも評価している。そんな尾形が杉元を見落とすことがあるのか・・・。鯉登の鋭い疑問に月島もおそらく尾形ではないと気づいたのでしょう。
似顔絵
日本語が話せないロシア人、ロシア語が話せない杉元。二人は絵を描いて会話をします。しばらく尾形と行動を共にしていたアシリパと白石を仲間だと思い、白石を狙撃していました。誤解を解き、悪いのは尾形ただ一人と教えると納得し、杉元たちと一緒にいれば尾形に会えると考え、後を付いてくるのでした。
遊んでいるの?
杉元の元に急いで駆け付けるアシリパたち。杉元の心配をして中を覗いてみると・・・。なにやら楽しそうにお絵かきしている二人。「なにやってんだ!?」と言われても仕方ないでしょうね。それにしても杉元の絵のクオリティーが低すぎる(笑)
残したいもの
「2週間後に大泊まで迎えに来るので、それまで待機せよ」という鶴見中尉からの電報を受け、杉元一同は豊原に滞在することになります。各々自由な時間を過ごす中、杉元とアシリパはクズリを獲りに山へ向かいます。山へ入る前にお祈りをすると言い、儀式を行うアシリパを見て「新しいアイヌの女なのに、そういう儀式はいつも大切にするんだな」と感心します。アシリパは昔からある道具や文化がどんどん忘れ去られていくのを悲しく思い、「どうすれば残せるんだろう」と呟くのでした。そこに儀式を見ていた活動写真の撮影家が現れます。彼らはシネマトグラフという撮影機材を使ってアイヌの文化をたくさん記録してきたというのです。
樺太中に知られる谷垣
チカパシのおかげで樺太で警戒されずに済んだという谷垣。家族のフリをしているのですが、殺し文句が「ノキヒ ポロ(金玉が大きい)」で、この一言でロシア人が警戒を解いてくれるそうです。樺太中に金玉がデカイと知られている谷垣ですが、どこか誇らしそう・・・。さすが「勃起!」というだけありますね(笑)
シネマトグラフ
フランスで発明されたシネマトグラフは世界中を撮影していたが、フランスではジャポニスムといって日本文化が流行っていた為、日本では多くの撮影が行われていました。アイヌの文化にも興味を持ち記録を残していたので、アリシパたちはアイヌの活動写真を見せてもらうことに。感動したアシリパはアイヌの昔話を動きで見せて活動写真に残そうと提案します。面白くなるかわからないから・・・と拒否しよとする撮影家でしたが、杉元に脅され撮影をすることに。
ほぼ下ネタだったパナンペ・ペナンペ物語
第一章は「パナンペが川の水に穴を空けチンポを入れていた」というシーンから始まる。チンポに集まる魚を持って帰り幸せに暮らしていました。それを聞いたペナンペは、自分も同じように川にチンポを入れると凍り付いて抜けなくなり、誤ってチンポを切り落とし死んでしまいます。第二章も同じようにチンポにまつわるエピソードとなっており、とてもアイヌの文化が分かる内容ではありません(笑)アシリパは牛山のことをチンポ先生と呼んでいたりと、チンポになにかとてつもない魅力を感じているようです。
ふたりの距離
鯉登が芝居小屋を借りてくれたおかげで、撮影した活動写真の上映会を行うことに。その中には、アシリパたちが撮影したものとは違う映像がありました。若きウイルクとその妻が幸せそうに生活している写真を見て、アシリパは自分の知らない父と母を知ることになります。途中火災が起こり、上映会は中止となりましたが、アシリパはこの樺太の旅によって多くのことを知ったと痛感します。守るためには戦わなければならないと悟ったアシリパに対し、戦ってほしくない杉元。多くの人を殺してきた杉元だからこそアシリパには手を汚してほしくないと強く想うのでした。
塹壕から見えた月
囚人の刺青を見た有古は、祖母たちの腕に入っていた刺青と似ていることに気付き、何かの暗号なのでは?と思います。アイヌの刺青は形に地域差があり、それが隠し場所を示しているのではないかと考える有古だが、囚人との刺青との関連性まではわかりませんでした。土方のスパイとして鶴見中尉に都丹庵士の刺青人皮を渡した有古でしたが、鶴見中尉は都丹庵士の刺青の内容を把握しており、別人の物だと気づいていました。鶴見中尉の刺青人皮を全て奪い、土方の元へ戻る有古の前に現れた都丹庵士。都丹庵士は生きていたのです。
限りなく黒に近い灰色
無事土方の元に戻った有古と都丹庵士。鶴見中尉が持っている5枚全てを奪い、本人がいつも着ている物も風呂の最中に奪った為、この中に含まれているはずだと言います。鶴見中尉は有古に二重スパイをするように仕向けますが、土方は無事に帰ってきた有古を警戒します。土方は元々偽物だとバレる前提で有古を送り込んでいたのです。土方は有古を使った作戦により、偽物の刺青人皮6枚をばら撒かれる前に回収することに成功しました。
ケソラプ
リュウはソリの戦闘犬「イソホセタ」に昇格し、自分の居場所を見つけました。ここにいた方が大切にしてもらえると思い、杉元たちはリュウをここに置いていくことにします。ヘンケ、エノノカともここで別れることになった杉元一同。チカパシを想うエノノカは「さよならはしない、チカパシ来るまで待つ」と言い、引き留めることはしませんでした。ソリに乗り出発するとチカパシがソリから落ちてしまいます。リュウが自分の居場所を見つけたことや、エノノカとの日々を思い返し、立ちすくむチカパシを見て谷垣は、ここに残りエノノカと暮らすように言います。谷垣は自分を救ってくれた二瓶鉄造の形見の銃をチカパシに渡します。家族のフリをしていた谷垣とチカパシですが、いつしか本当の親子のような絆で結ばれていた二人でした。
本当の意味でチカパシになる!!
チカパシが登場した時に名前の由来を話していましたが、「陰茎を立たせる」という隠語の意味もあると言っていました。
「ひとりで立つ・・・これも勃起だね?谷垣ニシパ」、「そうだ、勃起だ!!チカパシ!!」このやりとり、ここだけ見るとめちゃくちゃ下ネタですが、カッコ良く、ジーンと来るシーンですね。
甘い嘘
鶴見中尉に「満鉄」のことを聞けと尾形に言われていた鯉登。この言葉が気になっていた鯉登は、鶴見中尉に会う前に月島に真実を問い詰めます。鶴見中尉に救われたと思っていた鯉登でしたが、それはすべて鶴見中尉が仕組んでいたことであり、月島も同じようなことをされたという事実を知ります。自分の支配下に置き、忠誠を誓わせるために、傷をほじくり返し、枯れ果てたところに自分の愛情を注ぎ込むというのは鶴見中尉の得意とするところと語る月島。その事実を知っていながらも、鶴見中尉に忠誠を誓う月島。鯉登は真実を知り、そこまでの時間と労力を掛けて自分を必要としているなんて・・・とはしゃぎますが、これは本心なのか?はたまた真実を受け入れられないことからの行動なのか・・・。
怒りのシライシ
鯉登と月島の話を陰で聞いていた白石は鶴見中尉への不信感を強めます。アシリパを引き渡し、鶴見中尉の犬になる杉元を小馬鹿にし、金塊の分け前はいくらになるのかと杉元に殴りかかります。金の話も本心ではあるでしょうが、白石は樺太の旅でアシリパが成長していくのを見ており、全てを背負い戦うというのならアシリパを信じて戦わせろと思っていたのです。そうすることで、杉元自身も昔のようなギラギラした杉元に戻れるとも思っていました。また、鶴見中尉が本気でアイヌのことを考えているのか?とも助言します。白石は頼りないところもありますが、なんだかんだ杉元とアシリパのことを想ってくれている頼れる仲間ですよね。鶴見中尉は存在が把握されていない地下室にアシリパを監禁するつもりでした。杉元と一緒ではないことに疑問を感じ、自分は監禁されるのでは?と思うアシリパ。アイヌの金塊の使い道はいま生きているアイヌが決めると言い、毒矢を一斉に放ちます。混乱に乗じて逃げ出した杉元とアシリパ。二人の金塊を探す旅は新しいスタートを切るのでした。
本当の相棒なら・・・
矢に毒を塗っていないことに気付いた杉元は、「逃げる気だ」とすぐに気付きました。樺太での旅を通じて成長したアシリパは前向きに行動していくことを決めます。「するな」という否定ではなく、「一緒にしよう!」という肯定を聞きたいアシリパ。アシリパを信じて共に行動すうことで、白石が言っていたように、杉元も前のギラギラした杉元に戻っていくでしょう。
アシリパと合流した杉元先遣隊、無事北海道に戻れるのか?!最新のあらすじを紹介まとめ
いかがだったでしょうか?
樺太編が終わり、新たな旅立ちまでの21巻。おそらくアニメ第三期はここまでの内容になるのではないでしょうか。
本編の肝となる部分も多い為、比較的ギャグ要素は少なかったかのように感じます。続きが気になりますが、アニメでどのように描かれるのかも気になるところですね。