「岸辺露伴は動かない」はジョジョの奇妙な冒険第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場するキャラクターであり岸辺露伴が語り手のスピンオフ作品です。OVAや実写ドラマでも話題になった作品ですが、今回はコミックス2巻に収録されているエピソードをネタバレありで紹介していきたいと思います。
エピソード#04 望月家のお月見
岸辺露伴の知り合いの家族、それを仮に望月家とします。その望月家にはとあるジンクスがありました。それは毎年「中秋の名月」に家族全員お月見をして過ごすというものでした。というのも、望月家の一族は毎年必ず「中秋の名月」に死んでいます。ただし、「中秋の名月」にお月見をして祝っていた人は死なずに長生きしていたのです。
望月家のお月見②
望月家の家族たちには用事があるものもいましたが、父親の鬼気迫る説得によって庭でお月見をすることになります。お月見の最中には色んなトラブルがあって、おばあちゃんは人知れず死んでしまいそうになりますが、お月見パーティーは終わり家族全員が外で眠りこけていました。そんなとき、長女の亜貴に一本の電話がかかってきます。その電話は婚約者からの電話でした。
望月家のお月見③
婚約者からのプロポーズの電話があった亜貴はこっそりと家を抜け出すのですが、それを見ていたウサギのような姿をした人間がスズメバチをけしかけて亜貴を殺害しようとします。望月家に決められたルールを破った者に死を与えることがそのウサギ人間の役目でした。しかし、ウサギ人間にとってよくない予想外の出来事が起こります。
望月家のお月見④
亜貴は婚約者にプロポーズされ、プロポーズを受けた亜貴は身も心も『望月家の人間』でなくなってしまったのです。これでは亜貴を殺すことはできません。仕方がないので、そこら辺で走っていたライダーを代わりに殺すことでよしとします。そして、役目を終えたウサギ人間は、来年の中秋の名月に再びくることにします。役目を忘れる望月家の人間が現れることを予想しながら空へと帰っていきます。
エピソード#07 月曜日-天気-雨
ある雨の月曜日、駅で電車に乗ろうとしていた岸辺露伴の前に次々と歩きスマホの人が不自然にぶつかってきます。流石におかしいと思った岸辺露伴は、ぶつかりそうになった男に問いただします。しかし、答えを聞く前に別の人がぶつかってきて岸辺露伴は線路へと投げ出されてしまいます。ぶつかりそうになった男は岸辺露伴に手を差し伸べ助けようとしますが、何者かに攻撃を受けていると思った岸辺露伴は男を信用できませんでした。しかし、その男も別の誰かから押されて線路に投げ出されてしまいます。
月曜日-天気-雨②
岸辺露伴はヘブンズ・ドアーの能力で男を助け、男の情報を読み取ります。その男が敵ではないと分かりますが、真の敵の能力や目的も分かりません。すると男は、昼過ぎからずっと自分に携帯を持った人がぶつかってくると言うのです。駅員がやってきて二人に手を差し伸べるのですが、その駅員もろとも多くの人々が次々と押されて線路に投げ出されるのです。
月曜日-天気-雨③
次々と線路に投げ出される客たち。そしてその客たちが向かっている先が手を差し伸べようとした男だったことから、岸辺露伴はこの現象を引き起こしているのが彼であることを結論付けます。全ての元凶は携帯の集積回路に巣くう『ロレンチーニャ』という小さな虫でした。ロレンチーニャは心臓に持病を抱える生物を標的として集まり、生体電流をエサとして生きる生物でした。ロレンチーニャはスマホの中でターゲットを探知して集まろうとしており、その影響がスマホを持っていた人たちにも影響していたのです。
月曜日-天気-雨④
岸辺露伴はヘブンズ・ドアーの能力で駅員にトラックで踏切に突っ込んで電車を止めろという指示を出し、その場にいた人々を助けるのですが、ロレンチーニャが群がった男だけは助けることが出来ませんでした。岸辺露伴は打ち合わせに行くことが出来ずに帰ることになってしまいます。
エピソード#08 D・N・A
ある日、山岸由花子に呼び出された岸辺露伴は、由花子の母の知り合いである『片平真依』という女性を紹介されます。真依は15年前に新婚の夫を事故で亡くしています。親や年齢のこともあって真依は精子バンクから精子の提供を受け、真央という女の子を出産します。ただ、真央はとても変わった女の子でした。
D・N・A②
真央は逆さまの言葉しか喋らず、決して足音を立てず、おしりには尻尾が生え、立ってる足元がじっとり濡れるという変わった女の子でした。しかも、他人が尻尾に触れると皮膚が保護色になるのです。由花子は真央を普通にしてあげたいと思って岸辺露伴に頼んできたのです。岸辺露伴がヘブンズ・ドアーの能力で真央を見ると、尻尾が生えているのは遺伝ではなく、一種のスタンド能力のようなものだと判明します。ただ元々興味もないし、そもそもヘブンズ・ドアーは治すスタンドでもない。誰に迷惑をかけてるわけでもない。岸辺露伴は断ります。真央はいじめられるかもしれない。だが、断ります。
D・N・A③
真依は岸辺露伴の言うことにも一理あると思い引き下がりますが、由花子はヘブンズ・ドアーの能力で書かれた内容に父親の情報があったことを話します。精子バンクの当時、父親は山形に住んでて年齢は30歳。身体的特徴に額の片側に傷の跡があるとのことでした。
D・N・A④
後日、真依は山形からS市を結ぶS山線から降りてくる男が由花子の言っていた身体的特徴と一致していることに気が付きます。しかも、下のマツゲや濡れた足の歩き方は娘の特徴と一致。思わずその男を尾行するのですが、その男の目的地は真依がよく知る場所、真央がいつも遊んでいる公園でした。すると、男は遊具で遊んでいる真央を捕まえてタクシーで走り去ろうとします。
D・N・A⑤
真依はあわてて真央を取り返そうとするも、男が連れて行ったのは真央ではなく彼自身の息子でした。真依は真央がイタズラで保護色で擬態していたため気が付かなかったのです。その男は小沢花と名乗り、妻と離婚し週に一度か二度、真央と同じ保育園に通う息子に会いに来ていました。しかも、小沢花は15年前に一度死んで戻ってきたというのです。その癖や話す内容など、15年前に死んだ真依の夫と酷似していました。さらに職業もこの前司法試験に合格したばかりの弁護士。これも死んだ真依の夫と同じでした。
D・N・A⑥
その後、岸辺露伴は由花子から真依と精子バンクの提供者だった小沢花が結婚したことを聞かされます。由花子はそれが「真央ちゃんの陰謀」だったと推測します。それを聞かされた岸辺露伴は「たしかにビックリだ。そういうこともあるのか……」と驚くのでした。
エピソード#09 ザ・ラン
右手に大怪我を負った岸辺露伴は、とても珍しいことに自分のやったことを反省していました。今までどんなことをしようとも悪びれたり反省するとか考えもしなかったあの岸辺露伴がです。越えてはならないレッドラインを見落として余計なところに首を突っ込んでしまったと猛省するエピソードがありました。
ザ・ラン②
原宿でスカウトされた若者の橋本陽馬は雑誌や映画のチョイ役をやらせてもらった後、担当者に身体を鍛えるように言われます。そこから身体を鍛えることに全ての心血を注ぎこんだ陽馬の行動はエスカレートしていき、彼女のお金に手を付けるどころか彼女の住む賃貸マンションの中でセメントを使ったボルダリングの設備を作るほどでした。
ザ・ラン③
ある日、岸辺露伴は陽馬ととある勝負をしていました。トレッドミルで最高時速の25kmを出した後、先に停止ボタンを押した方が勝利という勝負。実はこの勝負は二回目で、一回目の勝負では岸辺露伴がテーブルを叩いてリモコンが有利な位置に倒れるようにして勝利していました。そして二回目の勝負では、公平さを期すためにジムの窓にダンベルを投げて穴を開けます。勝者は8階の高さビルから落下して死亡という構図です。橋本陽馬の身体は以前とは比べものにならないほどの筋肉に覆われていました。
ザ・ラン④
その異常性に岸辺露伴はスイッチでマシンを止めようとしますが、陽馬に阻止されボタンを押せる二本の指を残して折られてしまいます。岸辺露伴はヘブンズ・ドアーで陽馬の中身を読むと、トレーニングの邪魔をするものを容赦なく殺害する人物で、過去に5人の人間を殺害していました。陽馬の言っていることは本気で、殺人すら厭わない人物であることを知った岸辺露伴は焦ります。そして時速25kmのスピードに達したとき、リモコンの奪い合いが始まります。
ザ・ラン⑤
リモコンを取ったのは陽馬でした。しかし、ヘブンズ・ドアーの能力で岸辺露伴のマシンに向けてボタンを押させたことで、陽馬はビルの外に投げ出されます。岸辺露伴は自分の負けを認めていましたが、陽馬がそう思ったとは限らない。そして、ビルの外に投げ出された陽馬は死んでいないだろう。もし、見下すように外を覗いたら今度こそ殺される。そう思った岸辺露伴はただそこから逃げる(ザ・ラン)だけを考えるのでした。彼の正体は筋肉の神ヘルメスの化身となった男。近づいたことが間違いだったのです。
「岸辺露伴は動かない」エピソードネタバレその②まとめ
「岸辺露伴は動かない」の2巻に登場するエピソードをネタバレ紹介してみました。個人的にはザ・ランのエピソードがかなり印象的でした。わがままでエゴイストな岸辺露伴が珍しくしょげて反省しているのが新鮮でした。