異世界転生系作品として不動の人気を獲得している本作『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 』ですが、皆さんは本作に登場する名シーンの中でどのシーンが好きですか?本作は前世で無職として人生を終えてしまった主人公が異世界転生した先で人生をやり直すといった内容のストーリーとなっているのですが、前世の主人公のトラウマとその克服が緻密に描かれており、純粋なファンタジー作品としてだけではなく、ストーリー全体を通した主人公とその周りのキャラクターの成長を丁寧に描いた作品となっています。それゆえに本作では視聴者が見ていて心を掴まれるような名シーンも数多く登場しており、その名シーンを何度も繰り返すことによって、少しずつ主人公が成長していくという形のストーリーとなっているのです。純粋な異世界転生ものとしてだけでなく、私たちが日常の中で学べることや人生における気づきなどを与えてくれる教養作品としての側面もあるアニメーション作品となっていますので、本作をまだ視聴していない方は、ぜひともこれから紹介する名シーンランキングを見てみてください!どのような名シーンがあるのかを確認するだけでも、本作がいかに名作なのか十分にわかるはずです!
6位 両親との生活
これまで描かれた名シーンランキング第6位は両親との生活シーンです。本作は前世で命を落とした主人公が赤ん坊から人生をやり直すといった内容の作品となっていますので、幼少期に両親と共に過ごすストーリーも緻密に描かれています。特に前世で両親と全くうまくいっていなかった主人公からしてみれば、異世界転生先の両親は非常に頼りがいのある存在となっている点もポイントです。
作画レベルが光る
両親との生活シーンで最も目を見張るのは、主人公が生まれ育った村が非常に美しく描かれている点でしょう。皆さんも幼少期の頃に見た世界を印象的に覚えているという経験は多くあると思いますが、やはり子供にとってその時に見た風景と言うのは、後から振り返ってみても美しいものであることが多いです。そのような事実を踏まえて本作では冒頭も幼少期での体験を美しい麦畑と青々とした空を印象的に描くことによって、視聴者に美しい幼少時代として印象付けることに成功しているのです。
明るい異世界と暗い前世
特に主人公から見た前世の世界は、両親との確執やいじめ問題など、様々な不安点が堆積しているところであり、決して住みやすい世界ではありませんでした。そんな現代社会ならではの悩みを大いに抱えていた主人公にとって、現代社会とは全く異なった雰囲気のある異世界への転生は大きな希望だったのです。
100点の冒頭
このような陰湿な過去との対比としての美しい麦畑と空の描写は、主人公から見た2つの世界が大きく異なっていることを我々に示してくれます。作中の第一話を見ただけでも、この物語がどのようなテーマを持っていて、我々にどのような気づきを与えてくれるのかわかりやすく提示してくれるものとなっており、 冒頭表現としては百点満点のものであると言えます。
師匠との出会い
また、幼少期編では主人公ルーデウスの過去のトラウマを解決することとなる師匠ロキシーとの出会いも描かれています。純粋にヒロインとしての人気も高い師匠のロキシーですが、 作中冒頭では前世の苦しみを抱え続けているルーデウスを救う立ち位置のキャラクターとして登場するのです。ルーデウスが抱えている過去の苦しみにロキシーがどのように向き合っていくのかという点にも注目してみて下さい。
5位 シルフィエットのいじめに立ち向かう
これまで描かれた名シーンランキング第5位はシルフィエットのいじめに立ち向かうシーンです。 本作はルーデウスの前世とも大きく関わっているいじめ問題に切り込んだ作品となっています。それゆえにルーデウスが過去の自らと同じような立場にいた、いじめられっ子のシルフィエットを助けるシーンは非常に重要な意味を持つシーンとなっています。
ルーデウスのニートスキルが生きる
特にこのシーンで注目なのは、ルーデウスがシルフィエットのいじめを解決するのに自らがにニートとして培ったスキルを大いに活用することとなる点です。ルーデウスは、シルフィエットのいじめを解決したことを父親に勘違いされ叱咤されるのですが、その父親の誤解を解くために状況を理論建てて説明することに成功します。本当の子供ならば父親を理論的に説得することは不可能ですが、ルーデウスはニート特有の論破力で状況を論理的に説明してみせ、父親からの誤解を見事に解くことができたのです。このようにルーデウスはニートとして培ったスキルも現世で大いに活用することとなります。前世がダメなものだったから、全く使えないスキルばかりではなかったというのも本作の奥深い設定の一つですよね。
パウロとの対比
またシルフィエットのいじめ問題ではルーデウスとパウロの対比についても細かく描かれています。パウロは剣士だったこともあり、どちらかと言うと論理性よりも責任感や腕っ節の強さを重視する傾向があります。それ故に論理性を重視するルーデウスとは真反対の問題解決行動をとるキャラクターなのです。そのため、至る所でルーデウスとパウロはお互いの考え方の違いに苦悩することとなります。
「男の強さは弱いものの為にある」
しかし、このエピソードを通して、パウロの考え方である「男の強さは弱いもののためにある」という教えはルーデウスにも受け継がれることとなります。これまでニートとして過ごしてきたルーデウスにとって、剣士としての責任感を持った父親からだからこそ学べることが多くあったでしょうし、責任感を父親から学んだからこそ、いじめられっ子であったシルフィエットのいじめを見逃せないと感じたのでしょう。
4位 ラノア魔法学校での日常
これまで描かれた名シーンランキング第4位はラノア魔法学校での日常シーンです。本作は基本的にルーデウスにとって苦難ばかりが押し寄せるストーリーとなっていますが、ルーデウスにとって自らの魔法技術の向上のためにラノア魔法学校で学んだ日々は数少ない心の落ち着く日常であったと言えるでしょう。
ルーデウスがかつて送ることのできなかった日常
特に、ラノア魔法学校での日常はルーデウスが前世で奥ることのできなかった平穏な学校生活であったと言えるでしょう。ルーデウスは前世の学校でいじめに遭っており、不登校となってしまった過去を持っています。そのため、学校でいじめに遭うことなく平穏に親友に恵まれ生活を送るというのは彼にとって幸せな経験だったのです。
前エピソードが暗かっただけに嬉しいほのぼの回
前エピソードでルーデウスは仲間の失踪というトラウマを克服することはできたものの、自らの体の不調というさらなるトラウマを背負うこととなってしまいます。それゆえに前エピソードは視聴者からしても心が晴れるような内容でなく、どちらかというと鬱展開に近いものだったと言えるでしょう。そのような暗い雰囲気のある前エピソードから一転、明るい雰囲気のラノア学校編に進んだというのはルーデウスだけでなく、視聴者からしてみても救いだったのではないでしょうか?
フィッツとの出会い
ルーデウスはラノア魔法学校にてフィッツという親友と出会うこととなります。これまで数々の仲間と出会ってきたルーデウスですが、最終的には仲違いをしてしまったり、突然失踪されてしまったりと散々な目に遭ってきました。そのような状況の中で、初めて心の底から理解しあえる仲間とも言えるフィッツと出会うことができたのです。このようなルーデウスにとっても、運命的な出会いがあるという点はラノア魔法学校編の魅力の一つであると言えるでしょう。
3位 カウンターアローとの協力
これまで描かれた名シーンランキング第3位はカウンターアローとの協力シーンです。これまで共に旅をしてきた仲間であるエリスが突然自らの前から姿を消した失踪事件により、心を病んでいたルーデウスと偶然行動共にすることとなったギルドがカウンターアローなのですが、ルーデウスはエリスの失踪によるトラウマを彼らと共に活動をすることで乗り越えることとなります。
過去のトラウマ
これまで共に旅をしてきたエリスとの突然の別れはルーデウスにとって大きなショックでした。そのショックがあまりにも強すぎたため、ルーデウスは他の人と積極的に会話をすることができなくなってしまいました。もし仮に会話をすることができても、相手に嫌われないように、常に顔に張り付いたような笑顔で対応するようになってしまうほどに酷いトラウマになってしまったのです。
サラとの出会い
このように強いトラウマを抱えていたルーデウスですがカウンターアローのメンバーの1人であるサラとの出会いによって、彼のトラウマは徐々に克服されていくこととなります。
前に進むことの大切さ
当初は、ルーデウスのよそよそしい態度に腹を立てていたサラですが、共に数多くの敵と戦っていく中で、自然と仲間意識が芽生えていきました。ルーデウス自身もサラが命の危険にあったときに、必死に助けに行くなど、次第にお互いを心から想いあうようになっていったのです。このような2人の心の交流もあり、ルーデウスは過去のトラウマを解消することとなります。どんなに仲間に裏切られても、 仲間を信じることをあきらめず、何度でもトライし続ければ、必ず他者と分かり合えるようになるという確信をルーデウスに与えてくれたのは、カウンターアローのサラだったのです。
2位 引きこもりからの脱却
これまで描かれた名シーンランキング第2位は引きこもりからの脱却シーンです。ルーデウスは前世で引きこもりであり、家から追い出された瞬間トラックに引き殺されてしまったという過去があります。そのため、外に対して異常なまでの恐怖心を持っており、異世界転生した後も外から出れない状態となってしまっていたのです。
ロキシーの行動
そのような状況であったルーデウスを救ったのは師匠であるロキシーでした。ロキシーはルーデウスを自らと同じ馬に乗せ、共に家の外に出たのです。 ロキシーからしてみればなんてことない行動ではありますが、このロキシーの行動がルーデウスのトラウマを解消することとなります。
過去のトラウマ
ルーデウスにとって、過去のトラウマは非常に大きなものでした。前世とは全く関係ない世界に転生した後も、家の外にいる子供たちが自分をいじめているように見えてしまうなど、非常に強い幻覚に苦しんでいたのです。それゆえにルーデウスにとって、このトラウマを解決してくれたロキシーは人生最大の恩人となったのです。
卒業試験
ロキシーによってトラウマを解消することができたルーデウスは見事ロキシーの卒業試験をクリアし、一人前の魔法使いとなることができます。ロキシーは前世のトラウマを解決してくれた恩人でもあり、同時にルーデンスにとって魔法の基礎を教えてくれた師匠でもあるのです。
前世の課題を現世で解決していく
このように本作はルーデウスが前世で背負ってしまった課題やトラウマを異世界転生先で様々な人と関わりながら解決していくといった内容のストーリーとなっています。現実世界でも大いに描かれているいじめ問題や引きこもり問題など、様々な問題を取り扱いながら、それらの解決を異世界で解決するといった面白い構成のストーリーとなっているのです。
1位 シルフィエットとの結婚
これまで描かれた名シーンランキング第1位はシルフィエットとの結婚シーンです。 魔法学校で親しくなった親友のフィッツですが、実は転移事件によって髪の色が変わってしまったシルフィエットだったのです。当初は自らがシルフィエットであると打ち明けることができなかったフィッツですが、互いに親しく交流するにつれ、自らがかつてのシルフィエットであると打ち明ける事となり、それをきっかけとして二人は結婚することとなるのです。
アリエル王女の協力
結婚と一言で言ったものの、ルーデウスとシルフィエットが結婚するには多くの時間がかかりました。というのも2人とも異性に対して奥手な性格だったということもあり、なかなか関係が進展しなかったのです。そのような2人のキューピットとなったのは、同じラノア魔法学校のアリエル王女でした。ラノアはシルフィエットの親友として、ルーデウスと彼女が結ばれるように数多くの手助けをしてくれたのです。
ルーデウスの病と向き合うシルフィエット
見事結ばれることとなったルーデウスとシルフィエットですが、ルーデウスには男性として機能することができない病が依然として付きまとっていました。それ故に互いに想いあっているものの、男女の関係になることができなかったシルフィエットは、ルーデウスの心の病を治すため、ありとあらゆる手を尽くすこととなります。
物語は新たなフェーズへ
シルフィエットの尽力もあり、自らの病を克服することができたルーデウスは、シルフィエットの献身に感謝し、結婚することを決意します。作中冒頭でシルフィエットのいじめを解決したことがあるルーデウスは、第2期の第1シーズン後半で彼女に自らの病を治してもらえたのです。彼女がルーデウスにここまで尽くすことができたのも、ひとえにルーデウスとシルフィエットが幼い時から強い絆で結ばれていたからであると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作にこれまで描かれてきた名シーンをランキング形式で紹介してきました。本作は主人公ルーデウスが前世で抱えていたトラウマを異世界で様々な人と関わることによって解決していくといった内容のストーリーとなっています。純粋なバトルものの異世界転生系アニメではなく主人公の1人の人間としての成長を描いたドラマ性の高い作品ともなっていますので、ヒューマンドラマとしても楽しめる作品となっています。それゆえに非常に感動するシーンの多い作品となっていますので、今回の記事を見て本作に興味を持った方は、ぜひアニメを一から見返してみてくださいね。