2018年秋から放送されているアニメ『風が強く吹いている』は、箱根駅伝を舞台とした作品です。原作は三浦しをんの同名小説。過去には海野そら太作画による漫画化もされており、全6巻刊行されています。他にも、映画化や舞台化、ラジオドラマ化もされるほど人気のある作品となっています。そんな中から、今回は漫画を基に『風が強く吹いている』に登場する言葉の中から名言を抜粋し、独自にランク付けしたものについて紹介します。
目次
第10位 「オレと一緒に箱根駅伝を目指さないか?」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
箱根駅伝を目指し、最後の1人となる10人目を探していた清瀬灰二(ハイジ)。しかしその最後1人がなかなか見つからず、焦っていました。誰かいないのかと思いながら日々を過ごし、いつものように銭湯から出てきたところ、目の前を驚くべき速さで通り過ぎる人物が。その人物とは、蔵原走(カケル)。カケルはギャンブルでお金をすってしまい、食べ物に飢えていたため、パンを万引きして逃げていたのでした。そこでハイジは近くにあった自転車に飛び乗り、カケルを追いかけます。追いついたハイジはカケルを引き留め、お金に困っているのであれば竹青荘に来いと誘い、「オレと一緒に箱根駅伝を目指さないか?」と言うのでした。最後の1人であるキーパーソンのカケルと、大学生活中ずっと探していた10人目のメンバーを見つけたハイジの、物語が始まった名言です。
第9位 「その答えをオレと一緒に探さないか?」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
蔵原走(カケル)と清瀬灰二(ハイジ)は5000m走で、ハイジが勝ったら一緒に箱根駅伝を目指すという賭けをしていました。しかし勝利をおさめたのはカケル。そんなカケルですが、ハイジと初めて走りで競い、勝ったにも関わらず敗北感を感じていました。ハイジに声をかけようと思いつつも何と言葉にすればいいか迷っているカケルに、ハイジは「長距離選手にとって一番のほめ言葉ってなんだと思う?」と問いかけます。カケルは「“速い”じゃないんスか?」と聞き返すと、ハイジは「“強い”だよ」と答えたのでした。答えを聞いても、“強い”が何なのかが分からずに悶々としているカケルは「強いってどういうことですか?」と聞くと、ハイジも「うーん難しいな・・・」と悩んでいるようす。しかし続けて「じゃあどうだろう。その答えをオレと一緒に探さないか?」とカケルに言うのでした。それを聞いたカケルは、ハイジなら信じてもいいかもしれないと思い、箱根駅伝を目指すための1歩を踏み込んだのでした。なかなか1歩を踏み出せずにいたカケルが、箱根駅伝に向けてまた1歩踏み出すことができた名言です。
第8位 「走るの好きか?」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
お金に困っている蔵原走(カケル)は、条件の良いアパート・竹青荘(アオタケ)に半ば強制的に入ることになるも、箱根駅伝には出ないと決めているようす。入居したばかりの頃にはアオタケに住む他の学生たちはほとんど素人で、練習もロクにしている様子も見えず、呆れかえっているカケル。そんなカケルは高校時代の名残から毎朝ランニングを続けていました。そのランニングの途中、公園で清瀬灰二(ハイジ)とアオタケの大家の犬・ニラの姿が。そこでカケルはハイジに「無理っスよ」と言います。それに対してハイジは「カケル、走るの好きか?それが答えだろ」と笑顔で言うのでした。それを聞いたカケルは何か心に響いたようす。カケルの心が少し動いた名言です。
第7位 「がんばれっ!!!」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
東京体育大学主催の記録会に参加したときのこと。高校時代からその足の速さで有名だった蔵原走(カケル)は、やはり注目を浴びているようす。そしてカケルたちを含む、速い人たちの集まったレースが始まったのでした。しかしカケルは、久々のレースということもあってすっかり勘も鈍っているようす。さらに本格的なトレーニングを積んできたトップクラスの選手が集まっているため、次々と離されていってしまいます。そんなカケルはなかなか調子が上がらず、焦っていました。そんなとき、先のレースに出て、もう走り終えた竹青荘(アオタケ)のチームメイトたちの声援がカケルの元へ届きます。「カケル!!!」「カケル!!あとちょっとだよ!!!」「オラオラもっといけるやろカケルー!!!こっからやー」「がんばれっ!!!」と声を張り上げてカケルを応援しているのでした。その声援を受けたカケルは、今まで中学高校のチームメイトにすら思ったことのない感情を、アオタケの面々に感じているようす。今まで1人で走ることにこだわっていたカケルですが、自分が下手な走りをしたらアオタケのメンバーが悪く言われてしまうかもしれないと思い、勝たなきゃと気持ちを奮い立たせたのでした。カケルの中で走ることの意味が変わったような、そんな名言です。
第6位 「やろうよ」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
蔵原走(カケル)と清瀬灰二(ハイジ)が5000mの勝負をした後のこと。ハイジは“自分が勝ったら箱根を一緒に目指そう”と提案し、それに乗ったカケル。その勝負はカケルの勝利で終わったのでした。しかしカケルは勝ったにも関わらず、負けたような気持ちになっていました。そこでハイジに「たしかに君は“速い”けど、果たして“強い”だろうか?」と問いかけられたカケルは何か考え込んでいるようす。そんなところへ坂口洋平(キング)が「よかったな。お前が勝って望み通り駅伝やらんですむやないか」と声をかけるのですが、パッとしないカケル。やっぱり箱根駅伝に出たいのかと言われると否定するも、自分が抜けたら箱根駅伝に出られないのでは?と言い張るカケルですが、竹青荘(アオタケ)に住む他のメンバーはどうせ箱根駅伝なんて無理だというような顔をして黙っているようす。そんなとき、城太郎(ジョータ)と城次郎(ジョージ)が「やろうよ」と明るくカケルの肩を叩きます。キングはジョータとジョージに、カケルとハイジの圧倒的な走りを見てそれでも同じ土俵に立つのかと聞きます。それに対し、素直なジョータとジョージは「素直にいいなァって思ったんだよ!スゲェ気持ちよさそうだなって!!」「そりゃ無理だって言うかもだけどあんな風に走れたらってさあ・・・みんなだってそう思ったんじゃねーの?」と聞き返します。そんなジョータとジョージの言葉に、アオタケの面々は少しずつ素直になっていき、再びみんなで箱根を目指そうと意気込んだのでした。素直でジョータとジョージのこの言葉で、他の面々も再び挑戦してみようと意気込むことができた名言です。
第5位 「ちょっとくらい走ってやってもいいかなって思う」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
竹青荘(アオタケ)の中で1番運動が苦手な柏崎茜(王子)。そんな王子と蔵原走(カケル)が大学内でバッタリ出会ったときのこと。カケルは王子に、本気で走る気があるのかと問いかけます。それに対し王子は「走るしかないだろ!!ボクの大事な漫画が捨てられちゃうかもしれないのに!!!」と声を張り上げて答えます。カケルは走ることが全て、王子は漫画が全てという日々を送っているため、お互いのことが理解できずにいるようです。そんな王子ですが、自分が漫画を好きなように、同じようにカケルや清瀬灰二(ハイジ)が走ることが好きで大事だということは分かると述べます。そして続けて「そりゃ走るのは嫌だよ。けどボク一人のせいでアオタケのみんなやハイジさんの想いが潰れるくらいなら、ちょっとくらい走ってやってもいいかなって思う」と、真剣なまなざしで言うのでした。はじめは漫画のためにと嫌々走っていた王子ですが、漫画だけでなくハイジのことや走るのが好きなカケルのことなどを考えている、優しい人物なのだということが分かる名言です。
第3位 「私は興味ありません!!」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
東京体育大学主催の記録会に参加したときのこと。蔵原走(カケル)は高校時代の知り合いにだけは会いたくないと思い、目立たないようにコソコソと行動していました。しかし、さっそく1番会いたくなかった榊浩介に出会ってしまいました。榊になぜここにいるのかと問われ、レースに出るからだと答えるカケル。しかしカケルは高校時代にとある事件を起こして部活を辞めることになり、さらに残った部員たちは卒業するまで活動を自粛しなければいけない事態になっていたのでした。それなのに戻ってきたというカケルに納得のいかない榊は、竹青荘(アオタケ)の面々に「そいつは簡単に人を裏切りますからー」と意味ありげに言います。周囲のざわつきもあり、アオタケの面々がカケルに不信感を抱きそうになったそのとき、ムサ・カマラは「私は興味ありません!!」と言いながら耳をふさぐのでした。そして「過去のことは知りマセンが、2週間一緒に過ごして、カケルが悪い人には思えマセンデシタから!」と答えます。するとアオタケの面々も「たしかに!」と納得したようで、記録会に向けて円陣を組もうと言い、みんなで気合いを入れたのでした。チームの絆が危うくなりかけるも、ムサの一言でおさまった、そんな名言です。
第3位 「オレも腹くくって本気でみんなと箱根駅伝を目指す!!」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
このままではダメだと1人焦る蔵原走(カケル)に真正面から向き合う清瀬灰二(ハイジ)。しかし、カケルにチームの大切さを訴えている途中、急に意識を失ってしまいます。医者に診てもらったところ、睡眠不足や疲れがたまり、過労で眠ってしまったとのことでした。そこで冷静になったカケルは、1人で焦っていたときに柏崎茜(王子)に八つ当たりしてしまったことを謝罪すると、王子は「いいんだ」と言い、脱水症状で倒れたときに部屋にずっといてくれたのだろうと嬉しそうに言います。そして、竹青荘(アオタケ)の面々は、炊事や掃除の全てを担っていたハイジに負担をかけないようにと、とりあえず食事の支度は当番制にしようと提案し始めるのでした。それをぼんやり聞いていたカケルは「・・・よし決めた!」と言い、「オレも腹くくって本気でみんなと箱根駅伝を目指す!!」と、初めて決意を口にするのでした。それに対してアオタケのメンバーは、今までは本気じゃなかったのかと驚き呆れているようで、がやがやと楽しそうに言い合いは始まったようす。そんな言い合いで起きたハイジは「やっぱりカケルは変な奴だな」と嬉しそうに言うのでした。最後の1歩が踏み出せずにいたカケルが踏み出した、そんなことがわかる名言です。
第2位 「オレたちは全員が欠けることなく全力で走りきるだけ」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
過酷な夏合宿も終わり、予選会まであと1ヶ月となりました。竹青荘(アオタケ)のメンバーは、より一層濃密な練習を重ね、夏の疲れを取り除きながらも、足りない走力をあげるために追い込んでいました。しかし本番が近づくにつれて、プレッシャーや緊張感も高まっているのでした。そしてついに予選会当日。会場へと向かうと、どの大学も選手が12人いることに気づいたマネージャーの勝田葉菜子。そこで清瀬灰二(ハイジ)は、10人の合計タイムで競い合うが12人まで出場できることを説明します。さらに、10人しかいないアオタケのメンバーは、誰1人欠けることなくゴールしなければいけないという事実を言い渡します。それを聞いたメンバーは、表情を曇らせ、うつむいているようす。しかしハイジはそこで「オレたちは全員が欠けることなく全力で走りきるだけ。この半年ずっとそうやって共に乗り越えてきたんじゃないのか?」と、メンバーに向かってまっすぐに言います。それを聞いたメンバーは過去の練習のことを思い出し「寛政大学やってやろうぜっ!!!」と気合が入り直したようでした。箱根駅伝に出れるかが懸かっている予選会を前にして弱気になっていた面々ですが、ハイジのこの言葉でやる気十分となった、そんな名言です。
第1位 「オレたちはチームだ!!」
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
竹青荘(アオタケ)のチームメイトたちが次々と変わっていき、嬉しくなっていた蔵原走(カケル)。しかし、2度目となる東京体育大学の記録会へ参加したときのこと。カケルは榊浩介と再会した際に、それでもまだまだみんな遅いと指摘されます。それを指摘されたカケルは、全くその通りだったと気づき、焦り始めます。それからカケルはさらに走り込むような日々を送り、アオタケのメンバーもその変化に気づいているようす。そんなカケルは、ついには自分の不調をアオタケで1番遅い柏崎茜(王子)のせいにしてしまうのでした。それを偶然聞いてしまった王子は、1人で走り込みをしに行きます。しかし途中で脱水症状で倒れてしまっていたようです。そんな王子にカケル「あんた下手すりゃ死んでたんだよ。中途半端に走ってるからこんなことになんだろ!!?」と言うと、アオタケのメンバーはそれは違うと反論。そしてカケルは最近変だと指摘されてしまいます。何かあるなら相談してほしいとカケルに告げるも、素人同然のアオタケのメンバーに何を相談すればいいのだと怒りを露わにするカケル。そこで清瀬灰二(ハイジ)は、「みんな一緒に練習して、共に過ごしている中で君の変化に気づいてる。心配しているんだ。それに応えてやれよ!!」とカケルにつかみかかります。そして「オレたちはチームだ!!何のためにみんながいるんだ!?早く気づいてくれ」と言うのでした。1人焦るカケルの変化に気づいたハイジが、真正面からカケルに向き合っていることが分かり、スポーツ漫画作品の魅力でもあるアツい名言です。
名言ランキング、まとめ!
出典: 風が強く吹いている ©三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会
今回は主にアニメと漫画を基に『風が強く吹いている』に登場する言葉の中から名言を抜粋し、独自にランク付けしたものについて紹介しました。スポーツ漫画作品ならではのアツい名言がたくさん登場する本作。読んでいると思わず走りたくなるような、そんな魅力が詰まっています。ぜひチェックしてみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。